2025-09-07 31:30

#1561. OED の使い道を考える with 泉類尚貴さん --- プチ英語史ライヴ from 横浜

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▼heldio のビデオポッドキャスト版を Spotify で始めていますので,そちらのフォローもよろしくお願いします.


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- 第10号(2025年7月28日):https://note.com/helwa/n/nb4e7746663b5


▼2025年7月7日に『英語史新聞』第12号がウェブ発行されています.


khelf(慶應英語史フォーラム)による『英語史新聞』第12号がウェブ公開されています.こちらよりアクセスしてください


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第12号公開については,khelf 公式ツイッターアカウント @khelf_keio (https://x.com/khelf_keio) を通じても案内しています.

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▼2024年9月8日(日)に12時間連続生放送の「英語史ライヴ2024」を開催しました.英語史界隈では前代未聞のイベントとなりました.詳細は以下の配信回,あるいは khelf の特設ページを! イベント後は,数ヶ月間かけて各番組をアーカイヴで通常配信していきました.


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- khelf 特設ページ: https://sites.google.com/view/khelf-hotta/英語史ライヴ2024特設ページ


▼X(旧Twitter)上で「heldio コミュニティ」が開設しています.


Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」のリスナーさんどうしの交流と情報発信の場です.heldio やそこで配信された話題を「待ち合わせ場所」として,英語史やその他の話題について自由にコメント・質問・議論していただければ.heldio が広く知られ「英語史をお茶の間に」届けることができればよいなと.今のところ承認制ですが,お気軽に申請してください.

https://twitter.com/i/communities/1679727671385915392


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「英語史の輪」にこめる想い


1. レギュラー放送は,これまで通り,最大限に良質な内容を毎朝お届けしていきます.プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」のための課金の余裕がない方々(例えば中高生や英語史を真剣に学びたい苦学生など)は,無料のレギュラー放送のみを聴き続けていただければと思います.レギュラー放送では,皆さんに最良の放送をお届けし続けます.


2. プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」で得た収益の一部は,レギュラー放送の質を保ち,毎日円滑にお届けするための原資とします.


3. また,収益の一部は,Voicy 以外でのhel活をさらに拡大・発展させるための原資とします.


4. ときに khelf(慶應英語史フォーラム)やプレミアムリスナーにも協力していただき,hel活の新機軸を打ち出していきたいと思っています.企画本部としての「英語史の輪」です.

5. ぜひとも「英語史の輪」のプレミアムリスナーになっていただきたい方


 ・ hel活を応援したい方(資金援助,広報支援,盛り上げ係りなど.研究者,学生,一般の社会人など職種や専門は問いません.)

 ・ 毎日もっともっと英語史に触れたい方,レギュラー放送では足りない方

 ・ 私(堀田隆一)の話をもっと聴いてみたい方

 ・ レギュラー放送のような一般向けの話題にとどまらず,もっと専門的な英語史の話題も聴いてみたいという方

 ・ レギュラー放送で言えない/配信できないような「低い」話題(対談のアフタートークや飲み会での雑談など)も聴きたいという方

 ・ パーソナリティおよびリスナーさんどうしで,もっと交流したい方


以上,よろしくお願いいたします.

サマリー

このエピソードでは、OED(オックスフォード英語辞典)の使い道についての議論が展開され、英語史ライブの形式で特集が紹介されています。また、千類直樹さんの寄稿を基に、辞書の研究的な利用やその限界に関する考察が行われています。このエピソードでは、OEDのコーパスとしての役割や、特にGreat Complement Shiftについての議論も展開されています。形態素や構文の変化に伴い、特定の動詞が時代を経てどのように用いられているかについても考察されています。泉類尚貴さんとの対談では、OEDの利用法やその信頼性について深く掘り下げています。英語の歴史とともに、言語の変化がいかにグラジュアルであるかが語られています。

OEDの導入とオフ会の概要
おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語史ブログの管理者、英語のなぜに答える初めての英語史の著者、そして6月18日に研究者から刊行された英語語源ハンドブックの著者のほったりゅう一です。
英語の語源が身につくラジオ heldio。英語史をお茶の間に思っとうに英語の歴史の面白さを伝え、裾も広げるべく毎朝6時に配信しています。
本日は9月7日日曜日です。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
今日お届けする話題は、実はプレミアムリスナー限定配信チャンネル英語史の話で8月中にお届けした話題なんですね。
これをこのヘルディオンの皆さんともシェアしたいと思いまして、今日は前に取り置きしたもの、ヘルアに配信したものをですね、こちらに再現したいと思います。
OEDの使い道を考えるwith 千類直樹さん、プチ英語史ライブfrom横浜と題してお届けいたします。
1ヶ月以上前になりますが、8月2日土曜日にオフ会を開きました。
場所は横浜ということで、このオフ会のことをですね、ちょっと大げさにプチ英語史ライブfrom横浜と名付けておりました。
というのはですね、今度の土曜日ですが9月13日、英語史ライブ2025やりますよね。
その予行演習的にですね、小規模に行った会ということで、これをですね、プチ英語史ライブfrom横浜と名付けたわけなんですけれども、そこでいわば収録会だったわけなんですけれども、いろいろな配信会をとりました。
多くのものはですね、ヘルディオですでにお流しした、皆さんに聞いていただける形でアーカイブ配信しているんですけれども、いくつかのものはですね、ヘルア限定プレミアムリスナー限定配信チャンネル、英語史のヘルア限定ということだったんですね。
今日お聞きいただくのはそのうちのですね、一つなんですけれども、これはやはり広く知っていただきたいという趣旨でですね、お届けするんですね。
OEDの研究への応用
有志ヘルアのメンバーの皆さんで作られているヘルウィリアンという月間ウェブマガジンがあります。
おそらく世界で唯一の英語史に関するウェブマガジンだと思うんですけれども、毎月28日に出ておりますね。
そして7月28日です。今から1ヶ月以上前ですが、7月28日に公開されたものが、8月号ということなんですね。
こちらに、実は今日の主役であるKELF、KEO英語史フォーラムの顧問であります、関東学院大学の千鋭直樹さんが寄稿しています。
OEDの使い道を考えるという話題なんですね。なかなかこれはですね、頑竹のある話題ですね。
タイトルはですね、正式にはそのタイトルではなくてですね、英語史と辞書、OEDの弱点・公文研究を例に、といったタイトルなんです。
こちら、次のチャプターにリンクを貼っておきますので、ぜひ今からでも参照いただければと思うんですが、これを寄稿された直後の横浜オフ会ということで、
この執筆の動機・意図であるとか、その内容について執筆者ご本人からお話を伺うというような、そんな会だったんですね。
半ば専門的な内容ということで、ヘルワでお届けしたということなんですが、これはですね、やはり非常に重要な話題ということで、
1ヶ月遅くなりましたけれども、ヘルディオでもお届けして、皆さんにこの問題について考えていただければと、そんな趣旨でですね、今日お届けするということになります。
ぜひですね、ノート記事の方ですね、ヘルビリアンの記事の方も参照いただきながら、せんるいさんのお話聞いていただければと思います。
話の内容だけでなく、横浜オフ会の会場、それ自体についてですね、最初話題になっております。
いやー、素晴らしかったですね。お聞きいただければ、何のことかお分かりになるかと思います。
ということで、行ってみましょう。
OEDの使い道を考えるwithせんるい直樹さん、プチ英語詞ライブfrom横浜です。
どうぞお聞きください。
はい、始まりました。プチ英語詞ライブfrom横浜というところで、横浜の一頭地からお伝えしております。
今日はですね、半日というか1日というか、ヘルはヘルディオの方でいろいろと配信をお届けしていきたいと思っております。
まずですね、この比較的朝早くというか10時ですけれども、私を含めまして6名のヘルメイトの皆さんが集まっていらっしゃいまして、
最初の配信ということでですね、少し口の練習みたいな感じもありますけれども、
まずは今日のホストを務めていただく、関東学院大学のせんるい直樹さんです。
ありがとうございます。今日はこれですね、ラジオでお伝えできないのが残念なんですが、ものすごい景色なんですよ。
ちょっと説明していただけますか。ここはどこなんですか?
せんるい直樹 ここは関東学院大学の館内キャンパス、地区4年ぐらいのすごく新しい校舎です。
今の15階から収録していて、窓の外は絶景ですね。
富士山も見え、遠くには東京タワーも見え、コスモワールドの観覧車も少し見え、横浜の景色を一望できる場所ですね。
いやーこれ素晴らしいですね。横浜の景色もいろいろ見てきたと思うんですが、ここはかなりすごいですね。
しかもここキャンパスなので、普段こういうところで授業されているかと思うんですけれども、ちょっと贅沢ですよね。
これはもう絶景という他ありませんし、台風が来て荒れてる中ここだと景色がね、あんまりだったかなと思うんですが、だいぶ晴れ間も見えるぐらいにはなってきたというところですね。
【佐藤】それからですね、他にエルメットさん遠方からも含めて今日いらっしゃいますので、一日お付き合いいただくということで、簡単に無職さんから簡単に自己紹介と言いますか。
【無職】大阪から来ました無職です。4月から全年退職して毎日遊んでます。
【佐藤】大阪からいらしたということでありがとうございます。そして
【有杉】沖縄から来ました有杉です。
【佐藤】無事にたどり着きまして、台風休合がうまく揃えていただきましたということでね、ありがとうございます。今日はよろしくお願いいたします。
【有杉】千葉から来たプリッツです。千葉から来ました。
【佐藤】よろしくお願いします。
【有杉】はい、その辺から来ました。
【佐藤】その辺って地元民ですかね。横浜の。
ということで、この後また少し遅れてお昼にかけていらっしゃる方もいて、総勢10名ぐらいのにぎやかな会になると思うんですよね。
めちゃくちゃ蒸し暑い日なので、これはインドアでこのいい景色の中で、こういうインドアイデントが一番いい日じゃないかなと、結果的に良かったかと思うんですけれども。
まずですね、今日の朝の最初の一発目と言いますか、これは先日出ましたヘルビリアンの8月号ですね。第10号になるんですけれども、8月号に千類さんが寄稿されているということで、
最近編集委員の方が、皆さんヘルメイトさんなんですが、研究者を捕まえて何か書かせるという、書いてもらうというようなことになっておりまして、
特集記事が今回、後でまたこのヘルビリアン8月号の広報の回っていうのも撮ろうと思ってるんですが、辞書に注目するということで、
これ千類さんの特集記事、今日はOEDに関するもので、OEDの弱点?があって公文研究を例にということでお書きになったんですが、これ最初に打診があったのはいつくらいでしたかね。
打診があったのは5月に三田で収録をしたときに捕まえられて、それでテーマも一緒に考えながらだったと思いますね。
辞書って広いので、何でもありといえばありですよね。今回は関心を持っていた話題ということでしょうかね。
コーパスとしてのOEDの活用
最初はこのテーマを考えるときに、OEDをトピックにしたらどうですかって話をしたんですけど、
OEDは残念ながらアクセスが必ずしもしやすいでしょう。
皆さんが演奏できるわけではないっていう。
もうちょっと広く辞書っていうのをテーマにして、今回は特集を組んだというふうに聞いてます。
ただ、このチャンネルでもOEDっていうのはだいぶ知名度がOxford English Dictionaryという英語が保有する最大の辞書で、
研究用の辞書っていう感じですかね。
調べながら絵文を読むときに使うっていう代物ではあんまりないっていうところなんですけれども、
研究者としてはOEDっていうのを本当に日常的に使う、1日いたりともたぶん引かない日はないというわけなんですが、
今日のタイトルに掲げたのはOEDの使い道を考えるということで、本来単語の辞書、
辞書っていうのは単語のものなんですけれども、最近の研究は割と公文研究とか統合的な、
つまり文法の研究に使われることもあるということで、限界はありつつ、
どこまでこれを使って研究って言いますかね、探究が可能なのか、
どのあたりにやっぱり限界があるのかみたいなところをお書きなんですよね。
ぜひお聞きの方、ヘルビリア8月号の一番最初の記事ですかね、
表紙の言葉と次の辞書の特集記事の最初に特別記号という形で載っていまして、
OEDの弱点、公文研究02ということなんですが、
このあたりをざっと著者の筆者の方にお話を伺うというようなセッションなんですけれども、
まず、OEDをコーパスとして使うってどういうことか、みたいなところから始まってますよね。
これ割と使ってます?
私はOEDのコーパス化はパイロットスタディにはよく使います。
ざっとどのくらい現象があるのかとか。
そうですね。一般に辞書ってコーパスとして使われることを目的に
余れているわけではないわけですよね。
やっぱり用途が全く違うんですが、
OEDともなると引用文がものすごく多いので、
事実上コーパスとしても使えるんじゃないかと考える人が出てくるのは
分かるなっていうところですよね。
そしてやってみたら、ケースバイケースなんですけれども、問題によっては結構使えるコーパスとしてですね。
というのと、やっぱり使えないっていうのが出てくるので、
これは物によってはコーパスになるというような。
面白いですよね。コーパスではないし、コーパスとして余れたわけではないんだけど、
ある特定の目的を持った人にとっては十分コーパスであるみたいな、
っていうのがありますよね。
この最初のセクションも実は深掘りしたいところいっぱいあって、
例えば第三世代コーパスっていう言葉が使われていて。
そうですね。専門的な用法かもしれない。
コーパス自体が成長してきてるんですよね。
レベルアップしてきていて、今第三とかって言われてることが多いんですかね。
具体的に言うと、第三世代ってどういうものなんですかね。
第三世代は一言で言えば、
研究者が自分で既存のコーパスから自分で作りなさい、
データを自分でデザインしてっていうのが第三世代コーパスです。
その第三世代コーパスを作るために、
今回の特集号でも載せたんですけど、
OEDの役割とコーパスの変化
中英語の例だとか近代語の例、これを載せました。
ですよね。既存のものを、
誰かが作ってくれたものを使うというよりは、
自分で作っちゃいなさいみたいな、
そもそもコーパスデザインみたいな言い方をするんですかね。
だいぶ変わりましたよね。
これはやっぱりデータの集めやすさが向上したとか、
技術的な進歩もありますよね。
かなりテクノロジーと共にコーパスも変わってきて、
世代みたいな使い方がね。
私も本当に最初に大学院生とか学生の時に使ってたのは、
第一世代コーパスですよね。
誰かが作ってくれて、それを利用させていただくみたいな感じだったのが、
どんどん巨大コーパスが出てきてみたいな。
今は巨大コーパスにも飽きたりずに、
自分で作るんだよみたいなことになってね。
第4世代とかどうなるんですかね。
まだちょっと読めないですけどね。
AIとか出てくるんでね。
Great Complement Shiftの探求
LLMとか。
もういろいろ考え方が変わるんじゃないかなということなんですが。
今回は構文について、
OEDはコーパスとして使えるのかどうかみたいなお題で、
具体的に取り上げられた構文のテーマは何だったんでしょうか。
今回取り上げたのは、構文はいろいろあると思うんですけど、
やっぱり形で見れるものがいいなと思ったので、
Great Complements Shift、大穂分水という原書を取り上げました。
これは減る行減る和でどのくらい取り上げてきたかなと思うんですが、
まさにゃんが出てくれた回に、
用語くらいは出しているかなということで、
簡単に言うとどういうことですか。
大穂分水はざっくり言うと、
英語の中での補文のパターン、
例えば現代語だと、
enjoyの後は同名詞というのがもう散々覚えさせられると思うんですけど、
その同名詞の部分が英語詞を通して、
最初はthat説、enjoyはちょっと置いといてですね。
最初はthat説、次に不定詞、
最後に同名詞というふうに緩く3段階変化してきたという現象です。
今はといいますか、
もう千年とかそれくらいのスパンをかけて、
主にthat説を取るっていうタイプの動詞が多かったのが、
なんだと不定詞に乗り換え、
さらには同名詞に乗り換えということで、
割と方向性があるっていうことを、
有名な大穂分水ですかね、
great vowel shiftに引っ掛けて、
great compliment shiftというような
言われ方をしているわけですよね。
例えば、今回扱った動詞で言いますと、
今回扱ったのは、最初に出したのはアボイドですね。
これは典型的に現代の受験英語でも、
ING取りましょうねっていうあれですよね。
これも昔は異なっていた。
アボイドはいくつか専攻研究に載せたんですけど、
このデスメット、この人も古文研究者の権威みたいなところがあるんですが、
この人によれば1597年がアボイド同名詞の書類というふうに指摘をしてます。
その前はまた別の古文というか構造を取っていたっていうことなんですかね、
アボイドについては。
変わってきたっていうことが示唆されるわけなんですが、
個々の単語によって本当に同名詞にたどり着くタイミングが異なるし、
まだたどり着いてないっていうものもあったりとか、
すごく数世紀とか千年スパンで考えるべき問題だと思うんですけれども、
これをOEDで書類みたいなのが出てきますよね。
ここでのポイントは、OEDでは書類として出るけれども、
そういう例の集め方はOED必ずしもしていないわけですよね。
後ろが不定詞なのかどうなのかっていう。
単にアボイドのいろんな意味で使われる例をむしろ集めたので、
構文を意識しては変者も集めていないっていうところがポイントですかね。
おだしょー OEDは意味ベースで集めてると思うので、
構文だとかそういうのではなくて。
おだしょー そうですよね。
ただたくさん集めてるには間違いないので、
その中で構文どうなんだろうって調べたときにも、
いいところまでは情報を与えてくれる。
このOEDではなく、もっと外にある巨大コーパスみたいなものを見ると、
より早い時代から例が出てくるっていうことは、
想像はされるわけですかね、掘れば掘るほど。
今回取り上げたのはEVOです。
おだしょー 田辺先生がEVO使って同じような調査をしたところ、
このデスメットの指摘よりも20年以上早く、
このアボイド同名詞、この例が見つかったというふうに指摘をしてます。
おだしょー EVOっていうのはEarly English Books Onlineというもので、
大体初期近代ですかね、16、7世紀っていうあたりの巨大コーパスというものなんですが、
逆に言うと、もっと遡るんであれば大事だけれども、
EVOの巨大コーパスを持っても20年ぐらいの誤差っていうことは、
逆に言うとOEDなかなかいいところ行ってるとも見えますよね。
田辺 あと一個補足で、このデスメットもOEDだけをコーパスにしたっていう論文ではないので、
それを踏まえても、EVOとかの巨大コーパスを自分で検索してみると、
例の重要性と議論
さらに早い例が見つかるっていうところですね。
今回の記事の最後では、公文の観点からは余れていないので、
OEDは必ずしも公文研究と相性が良くないこともあるっていう、
割とネガティブにとっていますが、
20年の誤差って、たぶん我々は研究者なんで、
この20年の誤差ってやっぱり大きいっていう風に考えるんですけど、
一般的にはかなりいいところ行ってるなって思うんじゃないですかね。
田辺 確かに研究所は1年でも早いと、
それを歴史的な書類っていうか、やっぱり書室とか大好きですよね。
英語誌の研究者が一番好きなのは、
自分が初めてノリを見つけたっていうことだと思うので、
それをOEDだと成し遂げられないこともあるのかもしれない。
田辺 そうですね。歴史観、みんなそうですよね、言葉に限らず。
最初の、史上初の何かを見つけたみたいなのとか、
あと、これまで光が当たっていなかったものに、
ある角度から見ると、史上初ですって言いたがる。
とにかく史上初を作りたがるんじゃないですかね。
これは何か避けがたい衝動みたいなのがありますかね。
一番簡単なのは、とにかく力技で探して、
1年でも早いものみたいな。
それが叶わないと、既存のものに違う角度から出て、
何々を観点からは史上初だっていうね、どっちかなんですよね。
そういうところがありますよね。
他に、確かにOEDは公文研究で、
私もさすがに使おうとしたことあんまりない。
やっぱり参考にはするんですけどね、最初にね。
田辺 OEDの記述、もちろん辞書だからそうなんでしょうけど、
結構客観的に書かれてるようなところが大きいと思うんですよね。
私が結構研究好きな社会言語学とか、
そういう調査にもOEDはちょっと使いづらいんじゃないかなと。
そうですね。社会的なところはなかなか入り込めない。
やっぱり語義ですからね。
音もそうですよね。
そうですね。音もそうですね。
一方、綴りは結構集めてくれてる。
やっぱり形で取りやすいからなんだと思いますよね。
という、やはりそれぞれの辞書の強み弱みっていうのがあると思うんですけど、
難しいのは先ほどのね、歴史上初のっていうのにこだわるっていうところで、
これ例えば現在官僚の一番最初の例っていうのは探すの難しいんですよ。
グラジュアルに文法化で変わっていくので、
元の意味、I have written a letterっていう時に、
手紙が書かれた状態のものを私持ってますっていうことなのか、
今書いたところですっていう、この2つのレイヤーが結局重なったところ、
その接点でだんだんと変わってくるっていうことなので、
最初のbefore afterであるafterの例を探し出すっていうのはすごく難しいんですよね。
研究者の読み込み方一つにかかってしまうっていうこともありますよね。
あとせんるいさん自身の研究でいうと、
will youとかwould youが依頼の意味で使われるっていうのが、
本来は何をするつもりですかっていうことが、
状況によってはこれは何をしてくれませんかっていう捉え方にもなるっていう、
ある意味最初の例を探してるんですよね。
will youが依頼で使われるっていう。
一応小英語にも形としてはあるけど、そうはなってないんじゃないかなとか。
依頼の意味では使ってないんじゃないかとか、そうすると結局文脈?
はい、そうなんですよね。
研究者によっても読み取り方が違うので、そうですよね。
一方で1年でも早く、少しでも早い例を探したいっていうので、
読み込みがちになっちゃうんですよ。
そうなんですよね。
だけど違う読みもできるんじゃないですか、みたいな議論になって、
なかなかこれは解決しにくいところがあったりしますよね。
この点、今回のGreat Complement Shiftとかは、
もう形ですぐ切れるので、
きれいしか割ってないかもしれない。
そうですね。こういうほうがやりやすいですね。
意味が入り込むとっていうのはありますよね。
皆さんも何かありますか?
最初の書例にこだわるみたいなの、
多分あんまり日常生活にないと思うんですけど、
職業病みたいなところがあって、
書例が何年だとか、本当にこれは書例なのかとか、
そういうことばっかり考えられたりしてますよね。
仕事とかだと前例があると安心になるんですけどね。
そうですね。逆に自分が書例になるとそうされるから。
確かにそうですね。
どの分野も想定はそうですよね。
私は法学部の教員なんですけど、
裁判とかも判例が大量にあって。
法律の世界はそうですね。
そうですね。
別に歴史をやってる場合、
自分が最初になろうと思わないですよね。
最初の例を知りたいという感じがしますね。
OEDの利用法
過去の終わったものっていうところですよね。
本当に変化って大体グラジュアルなことが多いので、
不定詞か同名詞かとか本当にはっきりしてるので、
切り替わった瞬間、スイッチっていうのが
オンオフ的な話題なんで分かりやすいと思うんですが、
意味の話題、それから例えばスペリングなんかだと
文字ははっきり分かれてるんですけど、
っていうのが建前なんですけど、
手書きの場合、これCなのかDなのかとか問題があって、
これどっちで読むかで、その綴り字の書類っていうのが
何百年も遡ったりとか、やっぱりグラジュアルなものも
言葉の世界って多い気がするんですよね。
発音も分かんないし、母音の場合はAなのかAなのか、
Aなのかなっていうのはグラジュアルすぎて。
むしろ統合ってはっきりしてるかもしれないですね、
今みたいな問題は。
大和文水も不定詞と同名詞が共存してたとしたら
当然ある手があると思うんですけど、
ただ1個でも同名詞の例見つかれば、それ書類ですもんね。
そうですね、1つでも見つかればっていう。
ただ1つだけ見つかって、その次のそれが2、300年後だと
何かの間違いだっただけじゃないかなとね。
ある程度まとまって現れればいいんですけど、
そういう問題は確かに出てきますよね、たまにね。
やたら1つだけポツンと外れ知的に早い時代に例が出るんですよ。
その次の第2例目は300年後とか言った場合に
単なる書き間違いなんじゃないかとか、
なんかなんじゃないかとか、いろいろ始まるわけですよね。
それを見つけたという喜んでもすぐに否定されたりみたいなのがあると思いますよね。
歴史の分野はたぶん全部そうですよね。
最古の人類化石があったらね、人類の定義じゃないですか。
そこを変えればっていうことになっちゃいますしね。
なかなか面白い話題になってきましたね。
グラジュアルなんだけれども、
割と今回のコンプリメントシフトに関しては見やすいということで、
OEDも考えてみると相性が、
当分論の中では相性が悪くない方なのかもしれないですね。
ひと回りしてね、今回の話題としては。
最初の例を見つけるってなるとまた別の調査必要なんでしょうね。
大体の当たりつけるには。
最初はね、検討つけて十分な、
それぐらいの解像度でいいっていうスタートの仕方もあると思うんでね。
いろいろと方法論上というか、歴史に対する態度とか、
いろんなものが出ましたからね。
最初の30分の終わりにはっていう。
なかなか濃くできたと思います。
言語の変化
生配信なので、コウさんからおはようございますと。
ラボラボさん、皆さんおはようございます。
現在向かっておりますということで。
これびっくりするリッチですので、
これ写真撮っておいて、また何らかの方法で皆さんにも
お見せしたいというような絶景の中で配信しております。
ぜひエルビリアン8号の最初の特集記事ですかね。
せんるい直樹さんのタイトルは、
OEDの弱点、興奮研究を例にということでご紹介いたしました。
今日はせんるいさん、そして皆さんありがとうございました。
エンディングです。
今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
いかがでしたでしょうか。
25分弱のしっかりとした配信会だったと思うんですよね。
前半は会場からの景色に見とれていたというところはありましたが、
内容的にはOEDというものをどう使っていくか。
ここに記されている情報、証拠というのは、
どこまで信用していいのか。
もちろん大部分私も信用しているわけなんですが、
その価値を測るというのがフィロロジ文献学の役割ということでもありますので、
今日はなかなか本質的な議論をお聞きいただけたのではないかと思っております。
ぜひ、エルビリアン8月号に掲載されておりますせんるいさんの記事も
併せてお読みいただきながら、
今日の議論を振り返っていただければと思います。
せんるいさんは今週末になりますね。
英語詩ライブ2025にもおいでいただきまして、
いろいろと一緒に収録したいなというふうに思っている次第なんですね。
また、関連するお話、あるいは関連しないかもしれないお話ですが、
有意義な英語詩コンテンツ収録していきたいと思っております。
ぜひお楽しみにしていただければと思います。
このチャンネル、英語の語源が身につくラジオヘルディオでは、
あなたからのご意見、ご感想をお待ちしております。
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それでは、今日も皆さんにとって良い一日になりますように、
英語詩研究者のほったりうちがお届けしました。
また明日!
31:30

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