2025-11-08 13:39

#1623. 「ダニーデン」はエディンバラの古名

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サマリー

ダニーデンという町はエディンバラの古名に由来しており、その語源や歴史が詳しく説明されています。町がなぜニューエディンバラと名付けられたのか、そして最終的にダニーデンという名前が定着した経緯も紹介されています。

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おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語紙ブログの管理者、英語のなぜに答える初めての英語紙の著者、そして6月18日に研究者から刊行された英語語源ハンドブックの著者の堀田隆一です。
加えて10月15日に夏目社より新刊書が出ました。同僚の井上一平さんとお届けしている youtube チャンネル
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英語の語源がミニツクラジオヘルディオ、英語史をお茶の間にを基に英語の歴史の面白さを伝え、裾野を広げるべく毎朝6時に配信しています。
ダニーデンの語源と歴史
本日は11月8日土曜日です。皆さんいかがお過ごしでしょうか。 私ですねニュージーランドは南島のだいぶ南に下ってまいりましてダニーデンという町に今来ています。
今日はですねこのダニーデンという都市名になるわけなんですけれどもこちらの語源と由来、その背後にある歴史についてお話ししたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。数日前からダニーデンに来ております。
クライストチャーチから南に350キロぐらいですねバスで5、6時間かかってですね辿り着いたということでさらに緯度が上がりますので少し気持ち寒いかなというところですね。
それから日照時間はより長いということになるかと思います。
今早朝のですねちょうど朝日が昇ってくるオタゴ半島という東側に望める半島があるんですが、そこから朝日が昇ってくる6時頃ですかね、ジョギングを兼ねてですね近くの丘に登ってきたところです。
気温はですね9度ぐらい10度下回っているということなんですが、いや本当心臓破りの坂、丘をですね今20分弱なんですがこの倍ぐらい走った疲労感がありますね。
ただあの快適です。涼しくて空気も乾燥していてそれでも汗はかきましたけれども、まあこんな絶景を見下ろしながらですね今この収録をしているというところです。
このダニーデンという町、今眼下に一望できるわけなんですけれども、これはあのエディンバラーの古名、古い名前なんですね。
もともとケルト語、スコッティッシュケルティッシュックなんですかね、ドゥンエイデアン、これがダニーデンという英語的な発音になっているんですね。
ドゥン、エイディアンということで、これは城塞のある場所というほどのケルト語では意味だそうですね。
この後半部分、エイディンっていうのが、これがエディンバラーのエディンに通じて、そしてバラーというのは英語ではですね、これやはり城塞、城塞都市ということですので、
全く英語とケルト語をそのまま移したような名前になっていて、ケルト語の方がより古いということで、エディンバラーの古名となっているということなんですね。
移民の影響と名称変更
このダニーデンという町は、スコットランド移民が作った町なんですね。
北のカンタベリーは基本的にはイングリッシュ、イングランド系の保守的なアングリカン、キャソリックの移民からなっているというのに対して、
こちらダニーデンはですね、フリーチャーチョブスコットランド、長老派の一派ですけれども、派閥が違うわけですね。
カンタベリーとダニーデンでそれを作った移民たちの所属といいますか、派閥というものが異なっている。
ちょうどより井戸が高い方がですね、スコットランド移民というのが、北半球、南半球、逆なんですけれども、
井戸の高い方にスコットランド移民がなされているというのが面白いなと思うわけなんですけれども。
この地方、全体としてはオタゴ半島など、オタゴ地方というわけなんですが、そこの主要都市の名前がダニーデンということなんですよね。
このダニーデンなんですけれども、最初はですね、皆さん予想される通り、植民地の名付けによくあるんですが、ニューエディンバラという名前でですね、スタートしているんですね。
ニューエディンバラ、それがどうして古名のダニーデンになったかというところがですね、これなかなか面白い歴史があるんですね。
初期移民たちはですね、この町のことをニューエディンバラと故郷を偲んで、ニューをつけて作っていたわけですね、そして使用していたわけなんですが、
そこでですね、当時エディンバラの、スコットランドのですね、エディンバラの市長をしていたウィリアム・チェインバーズという人ですね。
この人はチェインバーズ兄弟でですね、チェインバーズの出版社を作った人たちですね。エディンバラを代表する出版社ですけれども、
チェインバーズエンサイクロペディアとか、チェインバーズディクショナリーで有名なチェインバーズ兄弟です。
その一人、ウィリアムさんですね、ウィリアム・チェインバーズがエディンバラの市長もしていたということで、発言権があってですね、ニューエディンバラはやめようよということを提案したんですね。
この理由が面白くてですね、アメリカでは何でもかんでもニューをつける、あれにはもうヘキヘキしているっていう言い方をするんですね。
アボミネーションっていう言葉を使ってますね。
けぎらいする、意味嫌っているっていうような単語ですけれども、なのでこれはやめようと。
むしろ格式のあるエディンバラの古名であるダニーゼンっていうのをつけることで、
故郷イギリスのスコットランドのエディンバラとの連携というのがより強まるはずだということをですね、市長が言ったわけですよね。
それでもですね、ニューエディンバラ側、ニュージーランドの側はですね、簡単に受け入れるわけにはいかないということで俊々していたんですね。
反対論を唱えた人がいてですね、この人が初期ダニーデン移民ですね、移民の中でも非常に大きな影響力を持っていたトマス・バーンズという人なんですね。
この人は聖職者なんですけれども、他のスコットランドを代表する詩人ロバート・バーンズの老いっ子にあたるんですよ。
この老いっ子が聖職者となって、このダニーデンの町の初期移民に関わった。
関わった以上にですね、宗教的な指導者としてもご活躍したという、やはり影響力のある人だったんですね。
このトマス・バーンズ、町中のいろんなところにですね、このトマス・バーンズの名前などを見たりするんですけれども、やはり影響力があった人なので、
ダニーデンというこの古名ですね、美しいのかもしれないけれども、ちょっとふさわしくない。
なぜならば、本場のエディンバラ、ダニーデンはですね、まさに城塞都市、城塞がある。
ところが、このニュージーランドの新しい町は城塞ではないという、そういう理屈をこねてですね、ダニーデンという呼び方はふさわしくないんじゃないかということで、
少々揉めるということがあったんですけれども、最終的にはですね、このダニーデンという名前が定着したということなんですね。
大学と文化の影響
このトマス・バーンズという人、この人も非常に影響力があったんですが、なんとですね、このニュージーランドで最も古いオタゴ大学ですね、
1869年ですかねに創立なんですが、その初代学長であるというくらい、初期民の間では影響力のあった人なんですよね。
このオタゴ大学、私もキャンパス内をですね、着いた翌日ぐらいにじっくりと歩いてきたんですが、いや美しい大学ですね。
ヨーロッパの大学の古さとは比べようもありませんが、1869年ということですので、150年以上の歴史を誇るということで、非常に美しく広く学びの環境だなというところですね。
またですね、大学周りのことであるとか、この移民史ですね、セトラーズ・ミュージアムというのが市内にありまして、これも私、昨日じっくりと回ってみてきたんですが、いや勉強になりましたね。
その勉強の成果をですね、今日チラッとお話したということなんですが、このダニーデンの移民史なども含めて、いかにしてこのニュージーランドに英語が根付いたか、そのあたりが私の関心のありかなわけなんですけれども、またお話しする機会があるかと思います。
今日はですね、ダニーデンというこの名前にスコットランドの歴史、文化、そして信仰の歴史ですね、が刻まれているということをですね、ぜひ皆さんにも知っていただければと思います。
そして皆さんもどこかで聞いたことある名前、チェインバーズの百科辞書、あのチェインバーズであるとか、それからスコットランドの著名な詩人、ロバート・ヴァーンズと関わりのある人がこの町を作ったんだということですね、お伝えしていきたいと思います。
エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
いかがでしたでしょうか。ダニーデン、本当に美しい町ですね。スコットランド風の雰囲気がやっぱりどことなく漂っている感じがするんですよね。
都市とはいえですね、本当に歩き回れてしまうぐらいに小さい、北、南、西を丘に囲まれて、右は湾、そしてオタゴ半島に横付けされているような感じのですね、ちっちゃな町です。非常にいい町だなと思っております。
このチャンネル、英語の語源が身につくラジオヘルディオでは、あなたからのご意見ご感想をお待ちしています。
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それでは今日も皆さんにとって良い1日になりますように、英語詩研究者のホッタリウイチがお届けしました。また明日。
すみません、最後に一つ付け加えたいことがありまして、本日11月8日土曜日ですけれども、朝の時間になると思うんですけれども、実はですね、先日朝日新聞の方からインタビューを受けまして、テーマはですね、英語帝国主義についてということだったんですね。
こちらが朝日新聞のデジタル版の記事として、本日アップされるという予定となっております。
URLなどわかりましたら、すぐにこのチャプターのリンクに貼り付けたいと思いますので、ぜひご関心のある方はお読みいただければと思います。
そしてですね、紙面にその半分のバージョンですね、短縮版ということで掲載されるのが、明日11月9日日曜日の朝日新聞長官ということになっておりますので、合わせてお読みいただければと思います。
それではまた。
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