2025-03-14 17:32

#1384. 学びとはレトロニム化だ!

▼パーソナリティ,堀田隆一(ほったりゅういち)の詳しいプロフィールはこちらの note 記事よりどうぞ.


- https://note.com/chariderryu/n/na772fcace491


▼heldio のビデオポッドキャスト版を Spotify で始めていますので,そちらのフォローもよろしくお願いします.


https://open.spotify.com/show/0xOyOIXBUrIZbnwSLeJsSb?si=zH5V2CjkS0ekqNz5ro7caw


▼helwa リスナー有志による月刊誌「Helvillian」が2024年10月28日に創刊しています.第4号まで公開されています.


- 創刊号(2024年10月28日):https://note.com/helwa/n/ne2b999d5af72

- 第2号(2024年11月28日):https://note.com/helwa/n/n94e9d9a74706

- 第3号(2024年12月28日):https://note.com/helwa/n/na7394ab1dc4c

- 第4号(2025年1月28日):https://note.com/helwa/n/nb6229eebe391


▼2024年12月30日に『英語史新聞』第11号がウェブ発行されています.


khelf(慶應英語史フォーラム)による『英語史新聞』第11号がウェブ公開されています.こちらよりアクセスしてください


- 第11号:https://keio.box.com/s/kk0jss15l22pz1rpuysa0ys4nkpc3lwr


第11号公開については,khelf 公式ツイッターアカウント @khelf_keio (https://x.com/khelf_keio) を通じても案内しています.

リツイートなどを通じて「英語史をお茶の間に」の英語史活動(hel活)にご協力いただけますと幸いです.


▼2024年第3四半期のリスナー投票による heldio 人気配信回


- 第1位 「#1219. 「はじめての古英語」第10弾 with 小河舜さん&まさにゃん --- 「英語史ライヴ2024」より」 https://voicy.jp/channel/1950/6049608

- 第2位 「#1212. 『英語語源辞典』の「語源学解説」精読 --- 「英語史ライヴ2024」より」 https://voicy.jp/channel/1950/6052858

- 第3位 「#1139. イディオムとイディオム化 --- 秋元実治先生との対談 with 小河舜さん」 https://voicy.jp/channel/1950/1298775

- 詳しくは hellog 記事「#5645. リスナー投票による heldio 2024年第3四半期のランキング」をどうぞ http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/2024-10-10-1.html をどうぞ


▼2024年9月8日(日)に12時間連続生放送の「英語史ライヴ2024」を開催しました.英語史界隈では前代未聞のイベントとなりました.詳細は以下の配信回,あるいは khelf の特設ページを! イベント後は,数ヶ月間かけて各番組をアーカイヴで通常配信していきました.


- heldio 「#1119. 9月8日(日)「英語史ライヴ2024」を開催します」 https://voicy.jp/channel/1950/1296042

- khelf 特設ページ: https://sites.google.com/view/khelf-hotta/英語史ライヴ2024特設ページ


▼2024年8月26日より特別企画「helwa コンテンツ for 「英語史ライヴ2024」」が始まっています.ぜひ特設ホームページに訪れて,ライヴ当日まで毎日1つか2つずつ公開される helwa メンバーによる英語史コンテンツをお楽しみください.


- http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/etc/helwa_content_for_hellive2024/


▼X(旧Twitter)上で「heldio コミュニティ」が開設しています.


Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」のリスナーさんどうしの交流と情報発信の場です.heldio やそこで配信された話題を「待ち合わせ場所」として,英語史やその他の話題について自由にコメント・質問・議論していただければ.heldio が広く知られ「英語史をお茶の間に」届けることができればよいなと.今のところ承認制ですが,お気軽に申請してください.

https://twitter.com/i/communities/1679727671385915392


▼「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む」シリーズ(有料)を展開しています.


英語史の古典的名著 Baugh, Albert C. and Thomas Cable. *A History of the English Language*. 6th ed. London: Routledge, 2013. のオンライン講座です.毎回1セクションンずつゆっくりと進んでいき,内容について縦横無尽にコメントしていきます.シリーズについて自由にご意見,ご感想,ご質問をください.皆さんで議論しながら読んでいきましょう.1回200円です.

https://voicy.jp/channel/1950/570931


▼プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」 (helwa) も毎週火木土の午後6時に配信しています


「英語史の輪」にこめる想い


1. レギュラー放送は,これまで通り,最大限に良質な内容を毎朝お届けしていきます.プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」のための課金の余裕がない方々(例えば中高生や英語史を真剣に学びたい苦学生など)は,無料のレギュラー放送のみを聴き続けていただければと思います.レギュラー放送では,皆さんに最良の放送をお届けし続けます.


2. プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」で得た収益の一部は,レギュラー放送の質を保ち,毎日円滑にお届けするための原資とします.


3. また,収益の一部は,Voicy 以外でのhel活をさらに拡大・発展させるための原資とします.


4. ときに khelf(慶應英語史フォーラム)やプレミアムリスナーにも協力していただき,hel活の新機軸を打ち出していきたいと思っています.企画本部としての「英語史の輪」です.

5. ぜひとも「英語史の輪」のプレミアムリスナーになっていただきたい方


 ・ hel活を応援したい方(資金援助,広報支援,盛り上げ係りなど.研究者,学生,一般の社会人など職種や専門は問いません.)

 ・ 毎日もっともっと英語史に触れたい方,レギュラー放送では足りない方

 ・ 私(堀田隆一)の話をもっと聴いてみたい方

 ・ レギュラー放送のような一般向けの話題にとどまらず,もっと専門的な英語史の話題も聴いてみたいという方

 ・ レギュラー放送で言えない/配信できないような「低い」話題(対談のアフタートークや飲み会での雑談など)も聴きたいという方

 ・ パーソナリティおよびリスナーさんどうしで,もっと交流したい方


以上,よろしくお願いいたします.

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おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語詩ブログの管理者、英語のなぜに答える初めての英語詩の著者、そして英単語のスペリング愛好家のホッタリウチです。
英語の語源が身につくラジオheldio。英語詩をお茶の間にをモットーに、英語の歴史の面白さを伝え、裾野を広げるべく、毎朝6時に配信しています。
本日は3月14日金曜日です。みなさんいかがお過ごしでしょうか。
一昨日より、このお聴きのheldio、Voicy版のほかにですね、 Spotifyでのビデオポッドキャスト版というのを始めました。
こちら、冒頭のチャプターに貼り付けておきますので、ぜひVoicyでお聴きの方はですね、そちらSpotifyのビデオポッドキャスト版も、ぜひですね、見ていただければと思います。そちらは見るですね、ビデオ付きということで収録風景をそのまま撮影しているということでですね、基本的には耳で聞くだけで完結するラジオ構成ではあるんですが、
こんな雰囲気で収録撮影していますよということをですね、知っていただくのも面白いかなと思っております。そしてですね、このビデオポッドキャストがですね、どれくらい続けていけるかはわかりません。
やはりあの音声一つだけとはですね、一手間二手間かかり方が違いますので、必要な時にですね、例えば多少ビジュアル資料があったりとかですね、すると面白いかなという時に、主にビデオポッドキャストの方も頼りにしていくみたいな使い方になっていくかなと思います。
毎日ですね、ビデオポッドキャストでこういう撮影風景をですね、示し続けてもあれなんで、いろいろ考えていきたいとは思うんですけれども、ぜひですね、この Spotify のビデオポッドキャストの方もフォローしていただければと思います。
さて、今日のお題なんですけれども、最近いただいたコメントで大層関心することがありまして、こちらコメント返しの回ではないんですけれども、ある一つのコメントを取り上げてですね、そこからいろいろ考えを巡らせてみましたということでですね、タイトルは
学びとはレトロニム化だ。 どうぞよろしくお願いいたします。
さて、問題のコメント、私が感動したというコメントなんですが、これはですね、先週の土曜日、3月8日の回ですね、1378回、思い出の英文法用語、リスナーの皆さんからお寄せいただきました。
03:00
ということで、皆さんのですね、思い出のあるいは推しの英文法用語みたいなものを寄せていただいたリスナー参加型企画、これをですね実施したわけなんですが、たくさん皆さんからですね寄せていただいたコメント
2回に分けてご紹介したんですね。その2回目後半の先週の土曜日の回なんですけれども、こちらにですね、素晴らしいコメントを寄せていただきまして、これはですね
リリミさん、コメントの主はリリミさんということで、実はあのリリミさんはですね、ヘルメイト、ヘルアにも入りで、これまでですね
いろんな形でこのヘルディをヘルアにですね、関わっていただいているんですね。例えばですね、声語ラインスタンプ、これはですね
5人で作ったんですが、その重要なイラスト担当ということでですね、リリミさんも貢献してくださったんですね。それからヘルビリアンですね
これヘルメイトで作る有志の月1回のウェブマガジンということで、こちらの編集もですね、務めていただいております。いろんな形でこのヘルディにですね
貢献していただいたり、コメントもいただいているんですが、このリリミさんからですね、3月8日の回
いやーこれは痺れましたっていう、一度一言、コメントはしましたかね。私もそれを読んで痺れましたみたいなことを言いましたかね。はいそれをですね
ちゃんとあの今回取り上げようと思いまして、ではどのようなコメントをいただいたかと言いますと、これから読み上げたいと思います。
基本的なものから専門的なものまで幅広くコメントが寄せられていて、読み応えのあるコメント欄でした。
英語詞という用語をお茶の間に広める意義があるように、文法用語も基本的なものは教わっておいた方が学習の助けになると思います。
キーワードがわかると調べやすくなりますからね。 平常文、公定文、能動体などはそれでないもの
つまり命令文、否定文、受動体などを学習した時に大抵初めてその文法用語があることを知りますよね。
学習者にとってはレトロニム的な存在だなと思います。 というコメントなんですよ。
スレッドが続きまして、私も痺れた感動したみたいな素晴らしいみたいなコメントをしまして、他の方も続かれてですね
一つ、そらみさんからのそのスレッドの間のコメントなんですが、仮定法に対する直接法もそうですね。
06:02
ということでまさにそうですよね。 仮定法という文法事項が導入されて初めて振り返って
そうでなかった、今までずっと普通だと思っていたものが直接法と呼ばれるのかと気づくという、こういう順番ですよね。
ですので、現象としては直接法をずっと習ってきていたんだけれども、この直接法という用語であるとか概念が導入されるのは、それに対する仮定法というものが導入された時なのだということですよね。
これ、りりみさんが最初に述べられた、 平常文、肯定文、能動体、これなんかまさにそうですよね。
いやこれはですね、痺れましたという、学習者にとってはレトロニム的な存在だなと思いますということだったんですね。
このコメントを受けてですね、私も数日いろいろ考えていて、本当に味わい深いコメントと言いますかね、考えさせられました。
ちなみにですね、レトロニムというのは何かということで、まずここをですね、理解していただければと思うんですが、これについてはこのヘルディオの51回でお話ししていますので、そちら飛んでいただければと思うんですね。
51回は対面授業はレトロニムでした、と題する回で、このレトロニムというまさにこれも用語なんですが、用語を導入した次第なんですね。
コロナ禍になってオンライン授業のようなものが始まったと、それに対してこれまでの授業のことを対面授業と言うようになったわけですよね。
それ以前は、そもそも対面授業というような言い方というのは、ゼロではなかったかもしれませんが、普通ですね、出会うことがない、使うことがない方が多かったのではないでしょうかね。
普通に授業と言っていれば、それ対面に決まっているというような先入観、常識みたいなものがあるからですよね。
ただオンライン授業が出てきて、それが竹縄になってしまうと、元の普通の授業にもオンラインに対応する何か形容詞をつけなければいけないという感覚になって、対面授業という用語が生み出された。
あるいは実際にはその前からあったとしても、事実上多くの人にとっては初めて出会う単語、複合語となったわけですよね。
こういうのをレトロニム、つまり物は、現象としてはそれは昔からあるんだけれども、名前がついていなかった。
ところが何らかのきっかけで、特に今回のような反対語のような位置づけになるとですね、新たに用語が発生する。
09:07
あとから振り返るかのように、語を作り出すと言いますかね、という感覚でですね、レトロという接頭詞をつけるわけですね。
ニムっていうのは名前っていうことですね。語、単語のことですよね。レトロニムというものがあります。
このいろいろな例をですね、第51回の配信であげておりますので、そちらぜひお聞きいただければと思うんですね。
まさにレトロニムなんですよね。これ、学びそのものがレトロニムだよなというふうに思ったんですね。
これについて今日はお話ししたいなということなんですが、まず用語の話題から、今回のコメントもですね、りみさんの口から飛び出したということなんですが、
用語、これはですね、体系の中に位置づけて学習するべきものなんですね。
用語を学ぶということ、つまり用語集をですね、読んで習得するということと、そのディスプリン、その分野について学習を深めるということは、かなり近い関係にあるというふうに私は思っているんですね。
つまり、ある学問分野を学ぶ、習得するということは、その学問分野で使われる用語1、用語ではなく、用語全体ですよね。
用語全体の5位ということなんですが、これをカバーすることだと、これをしっかり習得すること、もちろん概念としても分かっていて、用語としても使いこなすことができてということですね。
これができると、おそらくそのディスプリン、その分野の重要な部分、あるいはその分野について語ることができるだけの能力をですね、身につけたということになるのではないかと考えているんですね。
もちろんそれだけではないんですが、ディスプリンの習得と用語体系の習得っていうのは、かなり近い関係にあるというふうに私は考えているんですね。
1つの用語だけでなく、用語間の関係、これを知ることが大事だっていうのが、つまり用語の体系を知るっていうのはそういうことだと思うんですね。
用語間の関係っていうのはいろいろな関係がありますが、典型的には反対語ですよね。
今回の例で言えばですね、例えば能動体の例を出してくれましたよね。
これ本当に秀逸な例でですね、これは受動体を学んだ時に、初めてそれに対応するものとして、今まで普通だと思っていた体ですよね。
これを能動体と呼ぶんだというふうに、気づきがあるわけですよ。
12:01
なので、これ受動体を学んだ時に、1つの用語、1つの概念を学んだということに とどまらずですね、新たにすでに知っていたはずのものにですね、名前を与え、そして概念を与えということで、能動体も同時にですね、称ずるわけですよね。
1つのことを学んだつもりでいて、実際には2つのこと、そしてそれがお互いに反対の関係にあるんだっていうことを学ぶわけですよ。
さらにですね、言語学の分野をですね、つまり英文法のみならず言語学というレベルで学び始めると、さらに第3の中動体というものがあるとかですね、
ほにゃらら体というものがあるという、さらなる3つ目、4つ目みたいなものがですね、現れるとですね、その元からあった能動体とか受動体がもう一度相対化されて見えてくるんですね。
今まで当たり前だと思っていたもの、つまり常識的に理解していたと思い込んでいたものが、次のレベルに上がることによって一気に相対化されるということですよね。
これまさに学びってそういうことじゃないですか。学びというのは、今いる段階から一歩上に行くっていうことですよね。
上から俯瞰すると、先ほどまでいた場所がですね、当たり前のものというよりももうちょっと相対化されてですね、光が当たるって言いますかね。
今まで当たり前すぎて何も疑わなかったところに、一筋の光と言いますかね、新たな見方を入手するということになるわけですよね。
当たり前を疑うであるとか、常識を改めて位置づけるとか、一段高いところに上って俯瞰してみるっていうこと、一段人間のレベルが上がるっていうことですよね。
これ学びにほかならないということだと思うんですよね。
とするとですよ、レトロニムの今回の話なんですけれども、学びというのは、今自分のいるところにレトロニムを貼り付けてあげるということではないかとも思ったんですね。
レトロニムを貼り付けられる、今当たり前と思っているものにレトロニムを貼り付けられるということは、一段上に行こうとする努力の結果なわけですよね。
ということでですね、まとめると学びとはレトロニム化だということになるんではないかと思い立ったわけですよね。
これちょうどですね、昨日の配信会のコメントにまさにりりみさんがですね、 知っていると思っている単語ほどAA辞典を引けは格言ですね、というコメントをつけていただいたんですね。
褒められたと思ったんですけど、考えてみたらですね、それより前にりりみさんからですね、格言をいただいていたと。
15:06
それを私なりに格言化したのが、知っていると思っていることこそレトロニム化せよということですね。
さらに凝縮すると今日のタイトル、学びとはレトロニム化だとなるんではないかと思った次第です。
エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
コメントをいただいているとですね、こういうふうにですね、素晴らしい発想がですね、浮かんでくるということもありますし、何よりも今回はですね、本当に感動的なりみさんのコメントをいただきました。ありがとうございます。
レトロニム化、これですね、これを意識するだけでですね、日々の学びって言いますか態度、変わるかもしれませんね。
何でもかんでもレトロニム化していきましょうぐらいの勢いでですね、一段高いところから今あるものを見ようと背伸びするということですよね。
改めまして皆さん、このコメント、りみさんのコメントをじっくりとですね、読んで味わっていただければと思います。
いやー、能動体の例、わかりやすかったですね。それから家庭法の例、そろみさんからいただきましたが、こう考えると、英文法用語、思い出の寄せてくださいというね、この企画はもう大成功ということになりますかね。
今走っているリスナー参加型企画は、皆さんの正確なタイトル何でしたっけ、あのスペリングですよね。とにかく変だなと思う英語のスペリングと発音の関係めちゃくちゃですんでね、この観点からこれはまあちょっと思い出に残っていると忘れられない、妙なスペリングだという単語があったら教えてくださいということで、これはあの月曜日に投げてますよね。
そちらのコメント欄よりお寄せいただければと思います。もう少し開けておいてですね、皆さんのご意見お待ちしたいと思います。ということで、まさにですね、このヘルディをコメントで持っているというところがありますので、皆さん今日の配信会にもたくさんコメント寄せていただければと思います。
それではまた明日。
17:32

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