2025-07-23 19:42

#1515. 7月26日の朝カル講座 --- 皆で'but について考えてみませんか?

▼緊急告知! 2025年6月18日に本が出ました


📙唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.


- ぜひ Amazon よりご予約ください:https://amzn.to/4mlxdnQ

- 詳しくは研究社のHPをご覧ください:https://www.kenkyusha.co.jp/book/b10135166.html

- 7月13日(土) に朝日カルチャーセンター新宿教室にて著者3名が記念出版記念講座をハイブリッド開講します.詳しくは https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=8388868 をどうぞ.


▼パーソナリティ,堀田隆一(ほったりゅういち)の詳しいプロフィールはこちらの note 記事よりどうぞ.


- https://note.com/chariderryu/n/na772fcace491


▼heldio のビデオポッドキャスト版を Spotify で始めていますので,そちらのフォローもよろしくお願いします.


https://open.spotify.com/show/0xOyOIXBUrIZbnwSLeJsSb?si=zH5V2CjkS0ekqNz5ro7caw


▼helwa リスナー有志による月刊誌「Helvillian」の9号が公開されています


- 第9号(2025年6月28日):https://note.com/helwa/n/n79623d921a95


▼2025年7月7日に『英語史新聞』第12号がウェブ発行されています.


khelf(慶應英語史フォーラム)による『英語史新聞』第12号がウェブ公開されています.こちらよりアクセスしてください


- 第12号:https://drive.google.com/file/d/1eQawDu2njFNMMVKDUr4JRZdIWTNHDdha/view?usp=drivesdk


第12号公開については,khelf 公式ツイッターアカウント @khelf_keio (https://x.com/khelf_keio) を通じても案内しています.

リツイートなどを通じて「英語史をお茶の間に」の英語史活動(hel活)にご協力いただけますと幸いです.


▼2025年第2四半期のリスナー投票が7月10日までオープンしています


- 投票会場:https://app.sli.do/event/weRify7g2SvDa89mZh7k1A


▼2024年9月8日(日)に12時間連続生放送の「英語史ライヴ2024」を開催しました.英語史界隈では前代未聞のイベントとなりました.詳細は以下の配信回,あるいは khelf の特設ページを! イベント後は,数ヶ月間かけて各番組をアーカイヴで通常配信していきました.


- heldio 「#1119. 9月8日(日)「英語史ライヴ2024」を開催します」 https://voicy.jp/channel/1950/1296042

- khelf 特設ページ: https://sites.google.com/view/khelf-hotta/英語史ライヴ2024特設ページ


▼X(旧Twitter)上で「heldio コミュニティ」が開設しています.


Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」のリスナーさんどうしの交流と情報発信の場です.heldio やそこで配信された話題を「待ち合わせ場所」として,英語史やその他の話題について自由にコメント・質問・議論していただければ.heldio が広く知られ「英語史をお茶の間に」届けることができればよいなと.今のところ承認制ですが,お気軽に申請してください.

https://twitter.com/i/communities/1679727671385915392


▼プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」 (helwa) も毎週火木土の午後6時に配信しています


「英語史の輪」にこめる想い


1. レギュラー放送は,これまで通り,最大限に良質な内容を毎朝お届けしていきます.プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」のための課金の余裕がない方々(例えば中高生や英語史を真剣に学びたい苦学生など)は,無料のレギュラー放送のみを聴き続けていただければと思います.レギュラー放送では,皆さんに最良の放送をお届けし続けます.


2. プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」で得た収益の一部は,レギュラー放送の質を保ち,毎日円滑にお届けするための原資とします.


3. また,収益の一部は,Voicy 以外でのhel活をさらに拡大・発展させるための原資とします.


4. ときに khelf(慶應英語史フォーラム)やプレミアムリスナーにも協力していただき,hel活の新機軸を打ち出していきたいと思っています.企画本部としての「英語史の輪」です.

5. ぜひとも「英語史の輪」のプレミアムリスナーになっていただきたい方


 ・ hel活を応援したい方(資金援助,広報支援,盛り上げ係りなど.研究者,学生,一般の社会人など職種や専門は問いません.)

 ・ 毎日もっともっと英語史に触れたい方,レギュラー放送では足りない方

 ・ 私(堀田隆一)の話をもっと聴いてみたい方

 ・ レギュラー放送のような一般向けの話題にとどまらず,もっと専門的な英語史の話題も聴いてみたいという方

 ・ レギュラー放送で言えない/配信できないような「低い」話題(対談のアフタートークや飲み会での雑談など)も聴きたいという方

 ・ パーソナリティおよびリスナーさんどうしで,もっと交流したい方


以上,よろしくお願いいたします.

サマリー

7月26日の朝カル講座では、接続詞「BUT」の多義性とその歴史的背景についての内容が展開されます。参加者は「NOT A, BUT B」という表現を活用し、英語における「BUT」の独特な用法について考える機会を得ます。ポッドキャストでは、英語の接続詞「but」の使い方と日本語との違いが深く考察されており、特に「but」の使用に関連する日本語の表現やその意味合いについての疑問が提起されています。

朝カル講座の概要
おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語紙ブログの管理者、英語のなぜに答える初めての英語紙の著者、そして6月18日に研究者から刊行された英語語源ハンドブックの著者のホッタリュイチです。
英語の語源が身につくラジオheldio。英語紙をお茶の間にをモットーに英語の歴史の面白さを伝え、裾野を広げるべく毎朝6時に配信しています。
本日は7月23日水曜日です。皆さんいかがお過ごしでしょうか。本日は朝カル講座のご案内です。
今週末です。7月26日土曜日の5時半から7時までというレギュラー会です。
毎月一度、今年度は英語史関連の講座を開いておりますが、大きなテーマとしては歴史上最も不思議な英単語と題して毎月一単語を取り上げて、それを軸にして英語史を紹介するというような一単語から始まる英語史。
これを試みております。春のクール3回は終了いたしました。そして今週末の7月26日土曜日の回からは夏のクール、夏期クールに入るということで、新たに熱い単語を用意しております。
これまでの流れ、そして今後について先にお話しておきたいと思うんですが、まずですね、この大きなシリーズ、歴史上最も不思議な英単語の第1回が4月26日開講されました。
タイトルはシー、語源論争の絶えない代名詞ということで、三人称女性単数代名詞シーに注目しました。これで90分みっちり話すことができるんですね。時間足りなかったぐらいなんですけれども。
そして第2回が5月24日、スルー、あまりに多様な綴り字を持つ語ということで、このヘルディをお聞きの方はすでにお馴染みかと思いますが、私のいわば持ちネタ、スルーの綴り字についてお話しいたしました。
もちろんその他の様々な話をして、スルーを皮切りに、これをスタートとしてですね、90分で英語史を論じるというような、そういったシリーズなんですけれどもね。なのでスルーだけに終始したわけではない、深みのある、そして広がりのある話題に必ず展開していきますので、その点はご安心いただければと思うんですが。
そして6月の回、前回ですね、6月21日、オータム類義語にもみ続けられてきた季節語ということで、オータムといえば秋、そしてアメリカ英語では秋といえばfall、このオータムとfallの対立を軸に英語史を描きました。
そして、今週末、7月26日土曜日はですね、夏季クール3回のショーシリーズが始まるわけなんですけれども、その第1回ですね、通算で言うと第4回です。今回はですね、なんとBATを扱います。
接続詞のBATですよ。しかし、これで90分持つの?と思うかもしれませんが、全然持ちます。というよりもですね、多分ですね、話が広がりすぎて大変なことになるんではないかと思いますね。今準備しているわけなんですが、これ結構大変なことになると思います。
90分でBATを皮切りにして英語史を描きたい。特に英語の文法の方にですね、寄っていくかなという感じです。いろいろな観点からこのBATという単語は迫れるので、これはもう1回の講義、90分にですね、ふさわしい内容ということで今回選びました。
気温も暑いですが、このBATの議論も多分暑くなります。ぜひですね、多くの皆さんにご参加いただければと思います。BAT、極めつきの多義の接続詞というタイトルで開講いたします。
ちなみに、その先も予告しておきますと、8月の回が8月23日土曜日。guy、人名からカラフルな意味変化を遂げた語。GUYのあのguy、やつというような意味ですけれどもね、この広がり、非常に英語史上大きな意味を持っているんですね。これについて語りたいと思います。
そして9月の回は9月27日土曜日。なんとですね、ここで注目する単語は、English。慣れ親しんだ単語をどこまでも深掘りする。ということで、月1の講座ですので、ここに何の単語を選ぶかということがクリティカルなんですよね。これ外すとですね、皆さんに怒られてしまうということなんですが、
今回のカキクールの3回も自信作です。歴史上最も不思議な英単語ということで、毎月1単語を選んでいるんですが、面白い話に必ずなっていきます。
今週末の7月26日土曜日の回、5時半から4時までですね、新宿教室にて対面、およびリアルタイムオンライン、および2週間の見逃し配信、ということでですね、ご都合の良い形でぜひご参加いただければと思います。
このチャプターに詳細リンク、アサカルの公式ホームページへのリンクを貼っておきますので、そちらからお申し込みいただければと思います。ということで、前置きが長くなりましたが、今日はですね、7月26日のアサカル講座。
BUTの多義性について
みんなでBUTについて考えてみませんか?ということで、BUTの話題を前振り的にお届けいたします。どうぞよろしくお願いいたします。皆さん、BUTのあのBUTですね、接続詞です。
典型的に逆接を表す接続詞として、これはですね、英語学習の初年度に習うANDと同じぐらいですね、重要な接続詞としてまず習うんではないかと思いますね。
日本語にもしかしであるとか何々がという接続詞あるいは接続副詞としてですね、基本的には対応するものが両言語にあるので理解しやすいというふうに思われがちですが、英語BUTには独特の用法がたくさんありまして、
この多義性っていうんですかね、なんでこんなに意味があるの?というこのBUTの起源、発達、そして現代における様々な用法に注目したいと思うんですね。ですので、これは一語でですね、90分、余裕で語れる深みのある単語なんです。
意味のある単語というよりも、むしろ機能語ですよね。接続詞ですから頻度は高いんですけれども、それ自体に何か意味があるというよりも、A BUT Bっていう時のその両者の関係ですよね。これに注目することになるわけなんですけれども、文法関係あるいは意味関係であるとか、
さらに言えば、語用関係を表す極めて多種多彩な、そして使いこなすのが実は難しいのがこのBUTなんですね。接続詞全般そうなんですけれども、当たり前のように我々受け入れているんですけれども、きちっと使いこなすのが難しいっていうのが接続詞、Conjunctionなんですよね。
あえてANDで行かなかったというところが、ぜひ注目していただきたいポイントですね。BUTの方がひねくれていて何倍も面白いんですよ。ANDもですね、実は純接と言われますが、いろんな純接の意味があって、これもですね、語り始めるとキリがないっていうのはそうなんですが、やはりですね、引きが弱いかなっていうことでBUTの方がなんだなんだって気になりますよね。
皆さんに改めてですね、BUTについて考えていただきたいと思うんですよ。私もですね、よくわかっていないところがたくさんあります。日本語のしかし、が、とまた異なるような使い方を持ったりしてですね、歴史的にも本当に様々な用法がある。これをですね、例文などを挙げつつですね、披露していきたいと思います。
今日のところはですね、あんまり先に出してしまうとですね、浅かる講座で話すことがなくなる。なくなるってことはないんですけれども、ちょっと減るかもしれませんので、ここでは小出しにしつつですね、ただ本質的な問題、私が昔から不思議に思っている問題について取り上げたいと思うんですね。
浅かる本番ではBUTのいろんな用法に注目するんですが、今日皆さんに問いかけたいのはですね、not A, but Bっていうあれです。AではなくBという表現、英語ではですね、よく使いますね。これは英語学習の早い段階で、not A、そしてBが来るんであれば、じゃあその間に何の接続詞が入りますかっていうところで、
これはANDではなくBUTですよというふうに習うはずなんですね。ですがこれ私最初にですね、学んだ時に、はっきり覚えてないって言えば正直なところなんですが、軽い違和感を感じたという気がするんですよ。
いやこれ思い違いですかね。その後に違和感が湧いてきたので、最初に出会った時にですね、その違和感をすでに持っていたみたいに錯覚しているのかもしれません。記憶間違いかもしれないんですけれども、いまだにですね、ちょっと消せないところがありまして、これは皆さんにですね、ご相談と言いますか、一緒に考えていただければなぁと。
例文を通じて考察
そして今回の朝カルのために私も考え直しているんですけれども、必ずしも考えがまとまっているわけではないんですね。
Not A, but Bということですね。例えばですね、例文としては非常にまあ、あの、ひきんなと言いますかね、難説に近いぐらいに面白くない例文ですみませんが、こんな文をあげてみましょう。
This is not green, but blue. これは緑じゃないよ、青だよっていうことですね。あるいはもうちょっと翻訳風に訳すんであれば、これは緑ではなく青ですということになりますね。
日本語のこの訳文を考えればわかる通り、これは緑ではなく青ですという風に、これが自然な訳だと思うんですね。
英語ではbutを使うわけですね。not butという繋がりですから、シンタックスとしては、統合論としてはここにbutが入るということは私も重々ですね、ドリルで繰り返したので自然に入るようになっています。
英語を書いたり話したりする時ですね。ですが、よくよく考えるとbutでしかしとかがという逆説ですよね。日本語では決してこれは緑ではないが青ですという言い方は普通しないと思うんですよ。
緑ではなくという風にないの連用形を使ってなくで繋げて青ですと繋げると思うんですよね。
なのでどちらかというと順説っぽい響きが日本語ではあるので、そのまま英語で訳すのであれば&が来てもおかしくないんではないかなというのを私、英語学習の初期の頃にですね思った記憶があるんですよ、わずかに。
ですがここはnotとの項ということでbutが入るんだよと英語ではそういうことになっているんだよということで習ってですねそして慣れて今ではnotとくればbutとこれが自然になっているんですがよくよく考えるとゲセナイなぜ&ではなくここはbutなんだろうということですね。
確かにnotとbutとすることで対比ははっきりするその意味でわかりやすいというような感覚を英語を習得した今であれば持っているんですがただですねやっぱりbutの原理であるはずのしかしとかがという語感とはどうも相入れない。
日本語で考えたときにはうまく当てはまらないということなんですよね。なぜここでbutが使われるんだと皆さん思いますか。これ一つ考えていただきたいポイントですね。そしてもう一つはですね逆にですね日本語とうまくぴったり当てはまるbutっていうのがあって英語のbutはなんだかの範囲とかまあいわば逆説ですよね。
これが前提となっている。論理的にやはり範囲というものが何か絡んでいないとですねbut使いにくいんではないかと。日本語の場合ゆるい何々がという使い方ありますよね。
このゆるさは英語には相入れないんではないかと思っていたところ意外と英語でもそのままがと訳せるbutがあるんですね。これは例えば
すみませんがちょっと言いたいことがあるんですけれどもという時のすみませんがのがですよね。これはゆるい逆説あるいはゆるい接続ということで何が逆説かもよくわからないままに日本語でもですねすみませんがというあのがを使っていると思うんですよね。
これは英語側にはないんではないかと予想されるわけです。英語側はそのような範囲とか論理的関係っていうのがうるさそうな言語に思われますよね。少なくとも日本語に比べて。ですが今回の場合は英語でもbutを使うんですよ。
excuse me but there is something I must sayのような文ですね。この場合のbutは日本語のがとしっくりくるんですがさて何がどう逆説なんでしょうかということなんですね。この辺やはりですね英語にもゆるいががあるではないかとゆるいbutがあるではないかと言いたくなるわけなんですが
さあここに何らかの理屈はあるのでしょうか。今回はですね、butに関わる私自身が個人的に抱いてきた疑問2つを話題にしました。
butの多義性
this is not green but blueという時のnot butのあのbut。そしてもう一つはexcuse me but there is something I must sayというところの日本語のすみませんがのがにあたるあれですよね。この辺りについて皆さんと一緒に考えられればなと思いますのでぜひコメントお寄せいただければと思います。
土曜日の朝かるではこの問題も取り上げようと思いますがここだけではですねもちろん持ちませんしもっともっと深い話題がbutにはあります。これで場合によってはですね
英語詩、特に英語統語論詩っていうんですかね。これを語ってしまうこともある程度できるんではないかと思ってるんですね。なので資料作りの大変さはですねいかに絞るかという大変さに今回はなってきます。
皆さんぜひですね今週末の朝かる講座。but極めつきの多義の接続詩。こちらをお楽しみいただければと思います。
エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
butというただの接続詩なんですけれどもなかなか深そうだなという感覚はつかめたんではないでしょうか。意味論的、語用論的に語ることはできますしさらにですね
統語論的にもですね非常に面白いということでむしろこのあたりが土曜日のですねメインテーマになってくるかもしれません。
語源も面白いんですね。そして語源から読み解くとこの多義性が理解できるかもしれないんですよね。
ですので語源、統語、意味、語用、その他諸々の分野の交差点となるのがこのbutだと考えて結構です。
夏のクールも熱く語っていきます。朝かる講座、歴史上最も不思議な英単語。
今回はですねbutに注目いたします。ぜひ多くの皆さんのご参加お待ちしております。
このチャンネル英語の語源が身につくラジオヘルディオではあなたからのご意見ご感想をお待ちしています。
ご意見のコメント機能を通じてお寄せいただけますと幸いです。
特に今日お話しましたbutの解釈ですね。皆さんご意見をお寄せいただければと思います。
SNSでのシェアもお願いします。
それでは今日も皆さんにとって良い一日になりますように。
英語子研究者のほったりうちがお届けしました。また明日!
19:42

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