離婚の法的基礎
弁護士のキタガワです。YouTubeやTikTok、あとはテレビ番組などで法律の解説をさせていただいたり、NFTプロジェクトMOSQUITO FAMILYの運営をしております。
さて、男女のトラブルシリーズ、離婚編ですね。お話をしております。
これまではですね、民法で定めている5つ5項の離婚自由についてね、丁寧に具体例を交えてお話をさせていただきました。
そして前回は最終的な、抽象的な概念ですね。
その他1番目から4番目に、離婚自由と同じぐらい重要な結婚を継続することが難しいような重大な自由ということでお話をさせていただきました。
これに関してはすごくふわっと書かれている。逆に言うと、いろんな事情を取り込むことができるということでございます。
その中で、いろんな主張していく性格の不一致もそうだし、セックスレスもそうだし、浪費癖が激しいとか、ギャンブルがすごいとか、過激な宗教に入っちゃったとか、そういったいろんな状況ですよね。
そういったのを主張していく、最後の受け皿みたいなところかな。
ただね、事情としてはどうしても弱いものが多いと思いますので、
これまでもずっと解説している通り、そういった5番目でやっていくとしたら、3年以上の別居は、ぜひ実践してほしいなというところのお話をさせていただいていたかと思います。
この離婚自由は当たり前ですが、別に1本で勝負する必要はないです。
弱い事情、弱い事情が何個も積み重なって、合わせ技1本で離婚が認められるという事情があったりします。
どうしようもない夫だと、別に浮気はしないし、手も挙げない、DVもしてこないんだけども、
ギャンブルもすごくするし、もらはらはすごいし、給料も稼ぐの全然少ないし、性格もダメだし、夜の営みも全然してくれないし、
そういった状況であれば、もう別れたいというような時であれば、合わせ技1本でプラス別居をつけて主張していくというのが割と多いんじゃないかなと思います。
離婚で実際に戦う時は、この5番目を主張していくというのが圧倒的に多い。
もしくは、例えば、浮気を相手がした夫が不抵抗意に働いたとしたら、1番目、そして5番目も主張していくというのが割と多いんじゃないかなと思いますので、
この5番目をしっかり覚えておいてください。とても大切な項目でございます。
さて、離婚の自由です。
民法に定められている5つの事情を、これまで丁寧にお話をさせていただきました。これは絶対に覚えておいてください。
有責配偶者の離婚請求
さて、今日と次回、少しだけ話が変わりますが、重要な概念や考え方を知っておいていただきたいなと思っています。
有責配偶者から離婚請求をする場合のケースです。
有責配偶者とは、読んで字のごとく、有責、責任のある側の配偶者、パートナーから離婚を請求する場合です。
もう少し紙くだいで説明すると、離婚の原因を作っているのは、お前なのに、お前から離婚請求するのってことですね。
よくあるのが、やはり浮気をした側ですね。
愛人を作った側から、パートナーに対して離婚しようというふうに話を持ちかけるということでございます。
いやいや、浮気してるの、不抵抗意してるの、あんたじゃん、夫じゃん。
愛人を外で作っているのは、夫じゃん。
なのに、外で本気になって、実際の奥さんに離婚を求めるということです。
これが、有責配偶者、責任を作っている、つまり、愛人を作ったり浮気をしているのは、男性側です。
なのに、その男性側から、妻側に対して離婚を請求するということが、認められるかどうかが大切になってきます。
例えば、夫が外で浮気をしてしまったと、愛人を作ってしまったと、
地方の出張に行っていた時に、実際の奥さんよりも10個も年下の若いお姉ちゃんといい気になっちゃって、
私、あなたと結婚したいわ、みたいなことを言われたと、自分も本気になっちゃって、
でもね、出張に帰ったら、嫁がいるわけですよ。
でも、俺は、自分の実際の嫁よりも10個下のこの子と、この可愛い子と結婚するんだということで、
実際の奥さんと離婚したいと持ちかけるわけです。
ただ、当然、奥さんはNOと言ってくるでしょうから、別協するわけですよ。
男側、夫側が、愛人と結婚したいと、浮気をした人と結婚したいと思って、3年間、奥さんと別協しました。というような状況ですね。
浮気相手の女性に本気になってしまった、だけど、実際の奥さんは別に悪いことをしていない、というような状況の時に、
3年以上別協した方がいい、というふうに北川弁護士にアドバイスを受けました。
そういうふうにボイシーで言ってたな、スタンドFMで言ってたな、ということで、3年間、実際の奥さんと別協しました。
これで満を持して、離婚訴訟で、奥さんを相手にとって離婚訴訟をするわけですね。
性格のフィッチ、プラス、3年以上別協しているから、結婚を継続しがたい重大な事情だ、当てはまるということで、これでバッチリ離婚できる、というふうに思いますよね。
できません。できないんですよね。
離婚しようと思っている方が、全く落ち度がない場合と、少なからず自分に一定の落ち度がある場合、これを同列に扱うのはやっぱりおかしいな、というのは、一般的な感覚でもなんとなくわかるんじゃないかなと思います。
実際に裁判でも、このように、自分が責任を作った有責配偶者から、浮気した方から、すまん、長年連れ添ってくれたけど、もう離婚すると、なぜなら外で別の女性と恋中に落ちて、その子と結婚しようと思っているから、すまん、別れてくれ、というふうに訴訟をしていっても、なかなか厳しい。
というような状況でございます。
これは難しい理屈で言うと、クリーンハンズの原則といって、クリーンハンズ、クリーンってきれいなということですね。
清潔なということですね。ハンズっていうのは手ですね。
つまり、きれいな手、全く自分に落ち度がないような人であれば、その言い分は認められる。
そういったのは保護に値すべきだけど、汚い手というかね、クリーンハンズの反対、ダーティーハンズなのかな。
法的な保護っていうのは、全く何も悪くない人と同列に扱うべきじゃないよね、というような考え方があります。
奥さん側からしたらとんでもない話ですよね。踏んだり蹴ったりですよね。
自分の旦那が外でよろしくやってて、それで愛を育んできて、いきなり帰ってきたら、すまん、離婚してくれなんて。
私、何も悪いことしてないのに、離婚されなきゃいけないの?ってことになりますよね。
このように言ってみれば、自分が悪いことをしてしまっている状況、有責配偶者の場合は、
この離婚請求は、基本的には認められないとなってしまいます。
ですので、皆さん、もし自分が外で愛人を作って、その人と一緒になりたい、パートナーに離婚してくれと言っても、なかなか厳しいことを覚えておいてください。
離婚請求の認められる条件
今日は、有責配偶者の考え方の総論をお話ししました。
私は、今日の解説で、基本的には、離婚の請求、有責配偶者から認められないと言いました。
基本的にはです。
例外的に、このような条件であれば、有責配偶者からも、離婚の請求が一部認められる場合があります。
皆さん、聞きたいですよね。
次回、解説をさせていただきます。
最後までお聞きくださり、ありがとうございました。
それでは、今日も元気にいってらっしゃいます。