有責配偶者の離婚請求の基本
弁護士のキタガワです。YouTubeやTikTok、あとはテレビ番組などで法律の解説をさせていただいたり、NFTプロジェクトMOSQUITO FAMILYの運営をしております。
さて、男女のトラブルシリーズ離婚編ということで、連日お話をさせていただいております。
前回は、自分がいけない、自分が浮気をしてしまった、不倫してしまった、だけども離婚したいというような状況です。
これが、責任がある者から離婚の請求を求める場合、有責配偶者からの離婚請求が、そもそも認められるのかどうかを、総論でさせていただいたと思います。
これは、何も悪いことをしていない人が離婚請求するのと、自分が責任を作っている原因を作っているにも関わらず、自分から離婚を求めるというケースを、同列に扱うべきではないです。
自分が手を汚してしまったというか、悪いことをしているのであれば、それを認める、その法的保護を自分の主張が法的保護に値するというのは、なかなかハードルが高いという感じになります。
これも難しいことで、審議則と言いますが、そういった言い分は、審議則上認められないというような形になっています。
例えば、奥さんから私が相談を受けました。夫が外で女を作ったらしいんです。本当にアホなんですけど、その女と一緒になりたいと言っていて、私にこの前離婚をしてくれと言ってきたんですよ。
離婚に応じなければ訴えるからな、財産も渡さないからな、みたいな脅しをかけてきてるんですよ。どうしたらいいでしょうか?応じなきゃいけないんでしょうか?みたいなご相談を受けることがあったりするんですけども、
そういった時、多分弁護士先生は、基本的には全然大丈夫ですよ。なぜなら、有責配偶者からの離婚請求というのは、基本的には認められないという風になっています。
なので、責任を作った旦那が離婚を求めたとしても、それはやっぱり相当ハードルが高いし、それが認められちゃったら、奥さん、あなた踏んだり蹴ったりじゃないですか。
そんなことは、やっぱり法律は許しません。法的保護に値すべきなのは、旦那さんより奥さんです。だから大丈夫ですよ、みたいなお話で、よかったと思ってくれる、そういう風なアドバイスをすると思います。
離婚請求が認められる条件
ただ、前回もお話ししましたが、基本的には有責配偶者からの離婚請求というのは、認められない。審議則上、許されない。
離婚自由が3年以上の別居があったとしても、許されないという風な考え方なんですが、例外的に、こういった条件があれば、
有責配偶者からの離婚請求も、やむなしかな、仕方ないかなという風な感じで認められるケースがありますので、奥さん注意してくださいね。これに当てはまるかどうか、ちょっとご自身でチェックしてみてください、みたいなアドバイスを受けると思います。
お待たせしました。有責配偶者からの離婚請求、自分で責任を作った側、浮気した側からの離婚を求めるのは、基本的には認められない。
だけど例外的に、次の条件を満たしているような状況であれば、これ、離婚が認められる場合があります。これはもう裁判例である意味確立している要件、みたいな感じですね。
さあ、その条件3つ、今からお話をしていきたいなと思います。有責配偶者からされた離婚請求であっても、
1番目、夫婦の別居期間が、その当事者の年齢とか同居期間と比較して、相当長期間に達しているというような状況ですね。
2番目、その2人の夫婦の間の子供が未成熟ではない、幼い子供がいないというような状況です。
そして、そういった場合には、3番目、離婚により、有責配偶者からの離婚により、踏んだり蹴ったり、主張されてしまったパートナーが、精神的、社会的、経済的に極めて過酷な、しんどい状況に置かれるような状況でなければ、
離婚請求が認められることがありますよ、というふうに言っています。非常に難しいですね。もう1回解説をさせていただきます。
浮気をした夫が、何にも悪くない奥さんに対して、離婚を求めるというような状況は、基本的には審議即序を許されないんだけども、
1番目、別居期間と同居期間、結婚生活を一緒に続けていた期間が、バランス的に、同居期間よりも別居期間の方が、はるかに長いというような状況ですね。
例えば、長年夫婦として20年、30年、40年連れ添っていて、別居が3年経ったから、離婚したとしても、夫婦生活20年、30年、40年一緒にいたわけですよ。
それを経った別居期間が3年だけでは、短すぎますよね、ということでございます。
同居の期間に比べて、別居の期間が相当長いような状況、これがまず1番目の要件ですね。
そして2番目ですね。その夫婦2人の間、浮気をしてしまった夫と何も悪いことをしていない奥さんとの間に、未成熟の子供がいない場合ということでございます。
赤子の場合は、もちろん、幼稚園とか小学生の頃は、やっぱり夫婦で2人で協力して育てていくというのが大切ですよね。
そういった状況にもかかわらず、悪いことをした夫の言い分を飲んで、離婚を認めるというのはちょっと酷ですよね。
なので、2人の間に未成熟の子供がいない場合ということでございます。
未成熟って何歳ぐらいまでなの?というのをまた次回、細かく解説をしていきます。
そして3つ目。離婚を認めちゃうと、奥さん側ですよね。何も悪いことをしない奥さん側が、精神的につらい状況、社会的につらい状況、経済的につらい状況に置かれるような状況、事情がない場合。
こういった3つの状況を満たした時に限り、離婚が認められるよ、みたいな感じですね。
例えば、奥さんが専業主婦で今まで働いたことがないとか、あとはハンディキャップを背負っていて、なかなか自分では一人で自活ができないような状況の時に、離婚を認められちゃったら、
私、これから一人で働かなきゃいけないの?もう年金も全然ないのに、どうしたらいいの?とか、私、一人になってしまったら、もう社会的な生活、自活ができなくなっちゃうんだけど、ハンディキャップを背負っていて、そういった状況の時は、やはり離婚って認めるべきじゃないですよね。
はい。ですので、今言った3つの条件全てクリアしている場合に限り、限定的ですよね。限定的。その場合に限り、離婚が、有責配偶者からの離婚請求も認められる余地があるよ、ということでございます。
もう1回言います。別居期間がめちゃくちゃ長い。同居期間と比べてめっちゃ長い。
そして、2人の間に未成熟の子がいない。成人していればOKだけど、子供がいない。なおかつ、離婚請求を認めちゃうことによって、奥さん側じゃないか、相手側ですよね。何も悪いことをしていない相手側が、経済的、社会的、精神的に、もう極めてしんどいような状況に置かれないと、全然大丈夫というような状況の時に限り、
悪いことをした側、有責配偶者からの離婚請求も認められるよ、というふうなジャッジが下されています。極めて限定的ということでございます。これ、なかなか、もちろん事情によりますけど、認められるハードルっていうのは高いですね。かなり高いですね。
今後の具体例と結論
次回は、具体的に、同居期間と別居期間、どのくらいの割合だったらいいの?とか、未成熟の子って具体的に何歳だったらいいの?とか、そういった具体例ですね。あくまでその参考ですけども、一つの考える指針にしておいていただければなと思います。最後までお聞きくださりありがとうございました。
それでは、今日も元気にいってらっしゃいます。