特別企画:新司法試験論文問題(会社法)の概要
おはようございます。弁護士のキタガワでございます。
さて、今週は特別企画ということで、私が実際に受験生の時にですね、実際にその場で初めて見て、一生懸命考えて初めて解いた平成23年の新司法試験の論文問題をですね、
15年ぶりに引っ張り出して、そういえばこうだったなというふうに思い出を振り返って、皆さんには新司法試験でこんな感じで問題なんだというのをね、理解していただくコーナーとなっております。
これまでね、憲法、行政法、民法についてお話しさせていただきましたが、今回は会社法、まあ商法ですね、はい、ということでございます。
いわゆる会社での出来事に対して、誰がどう責任を取るのかとか、どういう手続きで話が進んでいくのとかっていうのを、会社法の条文とかね、そして判例とかを一生懸命勉強して、
さあ、じゃあその場でもうね、初めて見る問題、ストーリーをどのように自分だったら判断していくんですかっていうのを2時間で解いて8ページ書くという鬼の試験でございますね。
さて、どんなストーリーだったかっていうのをですね、お話をしていきたいなと思います。
事例紹介:代表取締役による不適切な融資と在庫処分
えーとですね、まずこれ、まあ大きく分けると登場人物が2人かな、とあるA会社の代表取締役がいました。これはね、なんか高級家具の製造販売をしているらしいですね。
A会社の代表取締役がいましたね。この方をBさんとしましょうか。そして、このBさんですね、が、実は愛人がいたらしいんですね。
はい、愛人がいたんですけど、その愛人も実はですね、別の会社をやってるみたいです。別の会社をやっていた、この別の会社の代表取締役をやってたらしいですね。
で、ただですね、この愛人の会社がですね、非常に経営難に陥ってたらしいんですね。はい、ということで、ちょっと大ピンチだということで、多分なんか助けてみたいな感じで言われたのかな。
で、困ったと、分かったということで、そのね、A会社の代表取締役であるBさんは、愛人が経営しているですね、その経営難の会社に、えーなんとですね、融資を、お金をね、貸しちゃったんです。
しかもですね、あの担保も取ってない、定当権とか付けてないし、しかもですね、あの金利も、利息もかなり安かったということで、結構な貸し付けをしてしまいました。
しかもなんとですね、本来であればね、えーその、そういったさ、決定をする時って取締役会のさ、あの決定をさ、もらって承認を受けなきゃいけないんだけど、なんと、承認を受けることなく融資をしちゃったんですね。
はい、まあ助けてあげるということで、会社を盛り返すことができるだろうということで、貸したんですね。はい。
だけど、はい、目論みが外れてしまって、そのね、えーと、愛人の会社は倒産してしまいました、破産してしまいました。
で、結局そのね、えーと、そのA会社ですよ、は、一戦もお金を回収できずに、致命的な経済的損失をこむってしまったということですね。
愛人の会社を救おうと思ったA会社の社長Bさんがね、ちょっと無謀な融資をしてしまったということですね。
そしてもう一つ、実は、えーと、家具をですね、えーと、そのA会社、あの高級家具をね、製造販売してるんですけども、家具の在庫を、これも市にですね、あの、売却してたんですね。はい。
で、これはですね、要は市場価格の半値ですね、かなり安い金額で、まあ愛人のためなのかな、在庫処分をしていたということなんですね。はい。
さあ、これね、一見するとちょっとダメでしょうと、ありえないんじゃないの?と思うかもしれません。
それに対して激怒した、ね、そのA会社のですね、株主がいますよね。株主が、いや、今回の、そのね、あの代表取締役であるBさんの対応、よろしくないんじゃないの?ということでね、会社に大損害与えたんだから、損害賠償請求を求めたということですね。はい。
あと、もう一人ね、えっと、損害賠償をしろというふうに言ったのは、これ、会社の再建者ですね。会社の再建者、あーね、の人も、この、おーね、ダメな恋をしてしまった代表取締役のBさんに対して、個人的に損害を弁証しろ、賠償しろというふうに訴えたということでございます。
論点:経営判断の尊重と個人の責任
さあ、皆さんはどういう印象を持ちましたかね。なんか、議論するまでもなく、ね、愛人のためにね、お金を出したり、ね、えっと、自分の商品を不当に安い金額でね、えー、売っ払った。それは代表が悪いでしょう。損害賠償を受けて叱るべきなんじゃないの?と思うかもしれませんが、これ、いった方でね、一つ考えてほしい、もう一つの考え方があるんです。
これは、経営判断。会社の社長の経営判断は、なるべく尊重してあげようよ、という考え方も実はあったりするんですね。今回、冷静に見てみると、何も、なんですかね、明らかに、例えば、めちゃくちゃ悪い犯罪行為をしているわけじゃないわけです。
これ、例えばね、その会社の社長であるBさんがね、会社のお金をね、あのー、応料しちゃったとか、ね、犯罪行為をしちゃった。これはもう一発アウトですよ、どう考えたって。ね、そうじゃ、そうではなくて、今回、言ってみれば、まあ、愛人ではあるんだけど、知り合いの会社のために融資をしただけなんですよ。
で、きちんと利息もね、取るような契約をしているわけですね。そして、自分の商品、自社製品をね、その別の会社に売っただけなんですよね。はい、お金を貸しただけ。ね、商品を売っただけ。そう、だから、別になんでしょうね、あの、悪いことではないわけですよね。はい、要は、明らかになんでしょうね、あの、犯罪行為とかの露骨に悪質な行為をしているわけじゃないわけです。
で、そもそも会社法の考え方として、その代表取締役、社長さんの考え方、社長さんのその判断っていうのは、なるべく尊重してあげようよと。結果論で損害が発生しちゃったっていう時に、損害賠償がいとも簡単に認められてしまうと、要は会社の社長、ビクビクしてね、あの、何も、なんか、ジャッジ、決断できないじゃないですか。
ってことで、ね、普通の合理的な判断で経営判断をしました。それで結果失敗しちゃったとしても、損害賠償を負うというのは慎重に考えるべきじゃないですか。っていうような考え方が多方であるわけですね。
さて、じゃあ、今回そのね、経営判断ね、あの、自由なね、経営判断をするという考え方が、今回も素直に当てはまるのかどうか、そしてね、損害賠償請求をした株主の立場、そして再建者の立場、これ両方ともいけるのかどうか、ここが考えのポイントになってきます。
株主代表訴訟の検討
さて、みなさんどうですかね。はい、まあね、まず、とはいえ、やっぱり、経営判断が自由とはいえさ、愛人にさ、ね、あの、お金を、なんか、結構な金額を貸しちゃったと、ね、そしてね、あの、担保も取っていない、ね、定等券とかもつけていない、そして保証人とかもつけていない、そして利息もかなり低い金額、ね。
まあ、普通に考えたら、経営団の、ね、会社にこんな条件で、こんなめちゃくちゃ有利な条件で貸さないでしょ。っていうのは、社長さんであれば、そんなことしないよね。
これはどう考えても、愛人関係、えー、ね、そういった関係があるからこそ、横島のね、関係があるからこそやったんでしょ。
これは、普通の一般的な社長として、あるまじき行為だよね、と考えるのが、わりかし、えー、普通のね、一般的な感覚なんじゃないかなと思います。
ですので、ね、それによってね、会社が大ダメージを受けたわけですよ。それは、株主にとっての大ダメージなので、それは、あー、株主は、ね、えーと、その、個人、えー、ですね、会社か、会社に対して損害賠償請求は認められる、というふうな結論になるのかなと思います。
債権者による代表取締役個人への損害賠償請求の検討
で、えー、二つ目、問題は二つ目なんですよね。要は二つ目って、債権者ですね。債権者さんが、えーと、会社、ね、その、高級家具を売っているA社の会社ではなくて、個人です。
ね、社長であるBさん、個人を訴えたというような事案なんですね。さあ、これが認められるの?ということです。
ね、当然、えーと、今回の会社、あー、ね、社長さんの、あー、ね、あのー、悪質な、悪質というかね、あのー、愛人を救いたい思いでね、有刺をしてしまって、会社に大ダメージを与えてしまった。
そうすることによって、債権者であるBさんは、ね、えーと、会社の売りかけ金を回収できなくなっちゃいましたね。売上金を回収できなくなっちゃった。
だから損害発生してますよね。はい。だから、あー、ね、一見会社に対してはいけるんだけども、これは、あのー、訴える先というのは、会社じゃなくて、その社長さん、Bさん、個人に訴えてるわけです。
これがそもそも認められるの?言ってみれば、間接的な損害なんですよね。はい。A社の経営悪化によって、債権の回収、売りかけ金の回収が不能不可能となってしまった。
で、えー、それの、言ってみれば、間接的な損害を、ね、えーと、社長個人に対して訴えることができるの?みたいな話になってくるんですね。はい。
これはですね、あのー、取締役、ま、社長さんのその職務の執行にね、えー、もう悪意、もう悪気があった。そして重大な過失。明らかにやっちゃいけないようなことをやってしまった。落ち度があった。
っていうような状況があれば、はい、損害賠償請求、個人に社長さんに対して認められるというような感じになってるんですね。で、今回はやっぱり露骨にね、愛人を救うためで、一般的な社長さんの感覚であれば、ね、そのような条件で融資をすることはないよね。
そして、あの、定価でね、売ってるのであればね、あの家具を売ってるのであれば私も、ね、著しく低い金額で、ね、安い金額で、ね、えーと、商品を、あー、ね、売ってるわけだから、それはやっぱりやっちゃいけないよね。ということで、ね、再建者さんの、あー、請求も認められるというような書き方が多いんじゃないかな、というような感じでしたね。
事例のまとめと次回予告
よろしいでしょうかね。その会社本人だと、いきなりね、会社の出来事でこうでこうで、で、登場人物めちゃくちゃ出るわけですよ。株主の立場として会社に訴えることができるんですか。再建者、ね、要は取引先の立場として、ね、会社じゃなくて、その会社を経営している社長さん個人を訴えれるのか、みたいなところで結構細かい事情を拾っていって、ジャッジをしなきゃいけないということになっています。
はい、よろしいですかね。まあ、これは、あの、何度も言っている通り、AIで昔のね、あの、使用試験引っ張り出して、えー、まあ、こんな感じですよっていうのをまとめたもので、ちょっともしかしたら事情が違っちゃうかもしれませんが、こういったところを考えて、即座にね、あの、回答を書かなきゃいけないよという、なんとなくね、把握しておいていただければということでお話しさせていただきました。
次回ですね、えー、民事訴訟法、私がね、悲鳴をあげた民事訴訟法、お話しをさせていただきたいなと思います。