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こんにちは、薬膳&料理研究家、75才の木下賀律子です。
明日は秋分の日、朝晩はだいぶ涼しくなり、秋の気配を感じるようになりました。
皆さんお元気でお過ごしでしょうか。
茄子の多様性
さて、今日は茄子のお話をしたいと思います。
茄子は英語でエッグプラントと言いますよね。
どうしてエッグプラント、卵草と呼ばれるのか、ご存知でしょうか。
野菜研究家の吉田よし子さんの著書、野菜物語にその理由が紹介されています。
タイの茄子は世界で一番多様で、赤いもの、緑色のもの、巾着のような形のもの、模様の入ったものなど、驚くほどの種類があるそうです。
そしてその中に、白くて丸く、小さな卵のような茄子がありました。
吉田さんは、「なるほど、これを見たらエッグプラントと呼ぶのも納得ですね。」と書かれていました。
私もこの夏、白茄子をお店で見かけましたが、卵形ではなく、普通の茄子の形でした。
代わりに、隣に並んでいた天狗茄子を買いました。
天狗茄子、ご存知でしょうか。
愛知県の伝統野菜で、普通の茄子の3倍ほどの大きさがあります。
皮は少し薄めで、身も柔らかく、とってもジューシー。
輪切りにしてフライパンでじっくり焼くと、本当においしい茄子です。
地元でも意外と知られていませんが、見かけたら、ぜひ一度試してみてください。
茄子の歴史とことわざ
茄子の原産地は、インド東部あるいは東南部と言われています。
そこから中国へ、中近東へ、そしてアフリカへと広がり、日本には奈良自体にはすでに伝わっていたそうです。
また、茄子はことわざにもよく登場します。
一富士二鷹三茄子や、秋茄子は嫁に食わすななど、耳にしたことがある方も多いでしょう。
秋茄子は嫁に食わすなには2つの解釈があります。
一つは、おいしい秋茄子を嫁に食べさせるのはもったいないという嫁いびりの意味。
もう一つは、茄子は体を冷やす性質があるため、大切な嫁の体を守るために食べさせないという優しさの意味。
真逆の解釈があるというのも面白いですね。
薬膳的に見ると、茄子は五性は寮、五味は甘味、気系は皮と胃と大腸です。
体にこもった熱をさまし、血液、血の流れを良くしてくれる野菜なんです。
皆さんはこの夏、どんな茄子料理を楽しまれましたか?
私は茄子雑面、ラタトゥイ、麻婆茄子などをよく作りました。
とにかくこの夏は暑かったですよね。
少し熱気もおさまり、やれやれという気分ですが、
これから気温が下がっていく時期には、茄子は体を温める生姜と組み合わせて召し上がるのがおすすめです。
今日は身近な野菜、茄子についてお話をお届けしました。
最後までお聞きいただきありがとうございました。
木下勝子でした。