1. 75才 薬膳&料理研究家
  2. #116 南高梅の物語と私の梅仕事
2025-06-19 06:08

#116 南高梅の物語と私の梅仕事

店先にも梅が目立つようになりました。
手作り保存食の定番中の定番
梅干しをテーマにお話してみました。



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サマリー

南高梅は和歌山県の特産品であり、歴史的背景や農業政策に基づいて発展しています。梅干し作りの重要性について語りながら、梅の健康効果や料理への活用方法にも触れています。

南高梅の歴史
こんにちは、75才 薬膳&料理研究家の木下賀律子です。
梅雨の晴れ間が続き、店先にも梅が並ぶ季節となりました。
今日は、この時期ならではの食材、梅干しのお話をしたいと思います。
我が家では、毎年この時期になると梅干しを漬けるのが恒例になっています。
皆さんのお宅では、いかがですか?
もちろん、市販の梅干しも手軽で便利ですが、
やっぱり自分で漬けた梅干しの味は格別で、家族にもとても好評です。
梅干しには、赤しそを加える赤梅干しと、
塩だけで漬けて土用干しをする白梅干しがありますが、
私は毎年赤しそたっぷりの赤梅干しを作っています。
そしていつも使うのが、和歌山県産の軟香梅です。
果肉がたっぷりで、皮が薄くて柔らかく綺麗に漬け上がります。
でも今年ふと、この軟香梅ってどうしてこんなに有名なんだろうと
気になって調べてみたんです。
すると、軟香梅にはとても興味深い歴史があることが分かりました。
和歌山県は、今でこそ日本一の梅の産地として知られていますが、
その背景には江戸時代の農業政策が深く関係しているのだそうです。
和歌山の紀南地方は、もともと土地が痩せていて、稲作にはあまりできさない地域でした。
そんな中、当時の藩主が目をつけたのが梅。
梅は痩せた土地でもよく育つたくましい作物です。
そのため、米の代わりに梅を年貢として納めさせるようにしたと言われています。
つまり梅は、食べるためだけでなく、暮らしを支える作物として、
この地域の人々の命と生活を守ってきた存在だったんですね。
そして時代は移り、戦後の農業復興の中で、和歌山県南部町では、梅の品種を統一しようという動きが起こりました。
当時この地域では、なんと114種類もの梅が栽培されていたそうです。
その中から、最も優れた品種を選び出すというプロジェクトが始まり、
5年の歳月をかけて選び抜かれたのが、高田梅でした。
高いという字に田んぼの田、そして梅と書きます。高田梅。
この品種選定に深く関わったのが、地元、南部高校の園芸家の先生方や生徒たち。
その努力と功績に敬意を表して選ばれた梅の新しい名前に、南部高校の通称である南高を冠し、南高梅と名付けられたのです。
こうして生まれた南高梅、ただの果実ではなく、土地の歴史、人々の営み、そして未来への願いが詰まった、まさに物語のある梅なんですね。
梅干しの作り方と活用
そう思って梅干しをつけると、今年はいつもよりちょっと丁寧な気持ちになります。
薬膳の視点から見ても梅はとても優れた食材です。梅には体に潤いを与え、汗をかきすぎた時や下痢による喉の渇きを和らげる働きがあります。
また腸の働きを整えるので、便秘や下痢のどちらにも効果が期待できます。
そして何より注目したいのが梅干しに含まれるクエン酸。クエン酸は疲労回復に役立つ成分で、湿気が多くて体が重く感じやすいこの季節にはまさにぴったりの食材です。
梅干しはおにぎりの具としてそのまま使うのはもちろん、ドレッシングや炒め物、魚料理にもよく合います。我が家では炊き上がったご飯に梅干しとしらすと昆布を混ぜた梅しらすご飯、これは定番です。
さっぱりとして食欲のない日でも自然と発育が進みます。皆さんはどんな風に梅干しを使っていらっしゃいますか。よかったらコメントなどで教えてください。
今日は南高梅の物語と私の梅仕事と題して梅干しのお話をお届けしました。
今日も聞いてくださって本当に嬉しいです。また次の時間に。木下勝子でした。
06:08

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