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2024-02-21 16:59

#190 【映画感想】VORTEX ヴォルテックス ちゃんと死ぬ

2021 VORTEX ギャスパー・ノエ 監督

元精神科医 認知症の妻

映画評論家 心臓病の夫

元薬物依存症 息子

老人二人がちゃんと死んでいく素晴らしい作品です。

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毎度、ごりです。今日はまた映画の感想をちょっとしゃべろうかなと思います。 ごりの堂々巡りよろしくお願いします。
今日はですね、映画【VORTEX】という映画ですね。 ギャスパーノエという監督の作品になります。
【VORTEX】っていう映画は、日本語に 略すと「渦」ですね。2021年の
作品で、上映時間が2時間22分もあります。 すごい長いんですけども、
見てて飽きない。 そういう映画ですね。映画に関しての説明としてね、まずちょっとこう
最初に触れておきたいのは、この映画の手法ですね。 これがですね、スプリットスクリーンと
呼ばれている手法が取られてまして、1つの画面を 2分割。右と左にね、左右に2分割した、そういう状態で
ずっと上映されていきます。たまにね、 1画面であるんですけども
基本2分割になってきます。 出てくる登場人物というのは非常に少なくて
全部で主な登場人物は4名ですね。 夫と妻と息子と孫の4名ですね。これだけで話が進んでいくという
話になりますね。どんな話かっていうと
老夫婦ですね。 奥さんが精神科医、元精神科医。旦那さんは
映画評論家ですね。で、これが老夫婦で2人でアパルトメントに住んでいて
映画は冒頭をいきなりエンディングから始まります。エンドテロップですね。もう 本当にいきなりエンドテロップから始まっていきます。
そして、まあ夢の中の夢。人生は夢の中の夢だとかね。 旦那さんが言ったりとかしてこのオープニング
オープニングなんだけど、エンディングなんだけどっていうね、そこの場面で奥さんが
準備できたわっていうふうな一言を言うんですね。 この準備できたわっていうのが
いわゆる死に向かっての準備ができたっていうふうにやっぱり捉えられる、そういう作品になっていくんですけども、
もうちょっとあらすじをね、喋っておこうかなと思います。 映画の中で老夫婦が旦那さんは
映画評論家で、映画と夢という関係の本を最後、人生の最後の作品としてずっと書き続けている。
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奥さんは元精神科医なんですけども、認知症を患っている。 旦那さんの方は心臓病を患っている。
1回バイパス手術もしているというね、もう結構重度の心臓病の患者だ。
で、そんな旦那さんね、タバコをずっと吸ってるわけですよ。 心臓病の人がタバコ吸ってたらやっぱりリスクが上がりますよね。
そんなことをしながらも、わかってはいるはずですけれども、ずっとタバコを吸って執筆活動を続けている。
まあとにかくこの作品に関して言えば、 ただただどんどん2人が老いていくっていうだけの映画なんですね。
その中で息子が出てくるんですけど、息子は元麻薬の患者ですね。麻薬患者。
かなり重度の依存症だったと思うんですけども、 まあこれが
一度は構成しているっていう設定ですね。 薬からは、ドラッグからは離れている。
で、離れているんだけれども、なんとなく完全離脱ではなくて、 なんかこう
あれですね。仕事というのとまた別なのかもしれないけれども、 まだまだ薬から離れられない人たちに対しての援助ですか。
あの汚い注射器を使ったりして、いろんな感染症が広がったりするっていうのが問題になると思うんですけれども、
そういうことにならないような支援活動っていうのがあるらしいんですけれども、
まあそういう感じのことをしている気がしますね。 ハームリダクションっていうのかな。
まあそんな活動をしているっていうのが見て取れるんですけど、この息子がですね、 両親高齢で仕事ももうしてないっていうのが分かってはいながら、もう自分も仕事がまともにないので、
その高齢の両親のところに金の無心に来るわけですよ。 両親ともどもそんなに
お金があるわけではないんだと思うんですけども、息子が来ればね、お金をちょっと都合して渡してしまう、その繰り返し
っていう感覚ですよね。まあ僕がね、この作品を見たいなと思ったのは、予告編を見た時に
ドキュメンタリーかと思ったんですよ。 実話をもとにずっと夫婦を追っかけたのかって思ったんですけども、
映画を見ていても本当にドキュメンタリーのように見えるんですね。 ところが、ドキュメンタリーではないっていうことを
映画の終わった後、映画を上映ね、映画を見終わった後にパンフレットを買って、 初めて、あ、これ
ドキュメンタリーじゃないんだっていうのを初めて知ったんですけども、まあ当たり前なんですけどもね。 それぐらいドキュメンタリーチックな作品でした。
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まあ話は最初に言った老夫婦がただ老いていく。 そのエンドテロップから始まるっていうことで、まあもう終わってるんですよね。
話は。 冒頭で話が終わって、あとは、まあ余った時間みたいな。そういう余韻の時間っていう感じで僕は捉えたんですけども。
なんで、 ちょっとね、この作品、心臓が止まる前に、心臓が壊れる前に脳が壊れた全ての人たちへっていう、なんかこう
注釈がついてたと思うんですけども、まあ認知症に対しての話がかなり強く出てますね。
たぶんすごく勉強したか実際に体験したっていう感覚です。 まあ実際あのパンフレットを買って読んでみたら、ギャスパーノエ監督は
自分の親がね、認知症になったよとかっていうことがあったそうですね。 で妻役を演じたフランソワーズ・ルブランかな?っていう人は
ものすごい勉強したみたいですね。 僕は毎日仕事の中で認知症の人たちと触れてますけども、
まあリアル。とってもリアル。本当にこの人は認知症なんですかって思うぐらいの。 だから僕が見ててもドキュメンタリーだと思うぐらいのリアルさを
フランソワーズ・ルブランという女優さんは演じてたので、 この人はすごいです。とんでもない人だなと思いましたね。
あのちょっとよくある認知症っぽさを出しているのではなくて、もう本当にどれだけのことを理解して認知症というものを理解しての演技っていうところの凄さですね。
僕ら仕事でやってても、多分演技しろって言われてもできないんですよ。なかなか役者としての凄さを感じましたね。
で、これ旦那さんの方とかも、なんか元々映画監督さんで、役者さんではないそうなんですけども、
まあでもそれが故にリアルでしたね。 映画評論をやっていた人が映画監督になって、その人が役者になってみたいなね。
すごい面白いですね。だからよりリアル。 役者じゃない人がそのままを演じている感覚でしたね。
息子の演技も良かったですね。本当にクズ人間をすごいちゃんとまっすぐ演じている感じでしたね。
ま、ろくでもないなっていうのがすごく出てました。 とにかくね、救いのない望みのないそういう映画なんですよ。
老夫婦2人は老いていく。どんどんどんどん老いていく。 悪くなっていく。病気も悪くなる。心臓病も悪くなるし、認知症も酷くなっていく。
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それでちゃんとね、この映画僕は本当に好きなのは、この映画ちゃんと死ぬんです。 ちゃんと、ろくでもない感じで死んでいくんですね。
旦那さんの方は自分の書き上げたかった、人生最後に書き上げたかった本を書き上げることなく、なくなっていく。
いろいろね、奥さんが原稿を捨てちゃったりとかね、そういうトラブルもあるんですけれども、まあいい感じで、ろくでない、ろくでもない感じで旦那さん死んでいくんですよ。
浮気もしてるしね、タバコも吸い続けるし、まあそれでいて奥さんのことも心配しつつね、
いろんなところに気を配りながら生きていく、
というかまあ死んでいくわけですね。素敵な死に方ですね。ああいう死にっぷりいいですね。何にも残すことなく、何も成し遂げることなく、ちゃんと
ろくでもなく死んでいくっていう作品大好きです。で、奥さんの方ですね。
奥さんの方は日常を煩っていて、旦那さんが先に死んでしまう。旦那さんが亡くなった後に一人でアパルトメントにいるんですけども、最後混乱していって、
薬を大量に服薬してガスの元栓をひねっていくんですよね。それで死んでいく。だから自殺をしたのか、
何なのかちょっとわからないけども、まあ奥さんも亡くなるっていう、ちゃんとまあ、ろくでもない感じですよね。これも元医者だからとか、
そういうこともなく終わっていくんですけども、まあこれね息子はね、まあさっきからろくでもないとかって言ったんですけども、
息子はね、一応両親のこと考えて、介護施設に入れようとしてるんですよね。
なんだけども、お父さんは自分の持っている本とかね、まあそういう財産っていうかね、思い出ですよね。家に大量にある雑棚。
本当にね、この家がね、また住んでるみたいな家なんですけども、セットだったそうですけども、家から離れることができない。
自分たちが生きてきたっていう場所から離れることができない。これもリアルですよね。
そうやって息子は何とか、一応気は使ってる。まあだけども、お父さんがそれを拒否する。で、そのお父さんが亡くなる。
お父さんが亡くなって、まあ息子も悲しくて、またドラッグに手を出してしまう。で、お母さんがガス自殺のような感じで死んでいくわけですね。
まあいい感じで、ろくでもない感じの救いがない、でもリアル。これがリアルかっていうね、そういう感じでしたね。
最後はね、この奥さんが、奥さんの方ですね、お母さんの方が亡くなった後に
息子が長寿を述べるんですけどもね。
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お母さんとお父さんのスライドを見ながら、映しながらね、まあいろんなことを思い出していくみたいな、そんな感じなんですけども
本当に素晴らしい作品を
見させていただいたなと。これが2021年なのかな?作品としては。結構もう実は前なんですよね。
公開自体は。 とっても良かったなというので、ぜひね見ていただきたいんですけども
まあ とにかくね、介護に関わっている人はね、これ見てもね
リアルだなって思って終わるんだと思います。僕はとにかくリアルだなと思って、またやっぱり泣けませんでした。
すごいなぁとは思いましたけども、泣ける要素はなかったですね。リアルだったんで
ぜひぜひお勧めしたい作品です。もうなかなかね、公開している映画化もそんなに多くはないと思うんですけども
すごかったですね。本当に 映画見始めていきなりフィンってね
フィナーレのフィンっていう文字から始まる映画、僕は初めてでしたね。 もうちょっとねこの映画について細かく見ていくと、そのフィンっていうエンドロールから始まる映画で
これ斬新だなっていうのと、このスプリットスクリーンっていう 手法に関して言えば
ちょっとね僕らの世代 昭和の40年代ぐらいの
世代からすると、出先オサム作品 ですよね。あの明日の城とかエースを狙えとかベルサイユの薔薇とか
そういうあたりの作品を思い出しますよね。 思い出しませんか?
あのスプリットスクリーン、まあ出先さんの作品は縦だけじゃなくて斜めだったり横だったりね。
上下に分かれてたりとかいろいろあるんですけども、まあかなりね 斬新な手法を用いてた
アニメの監督さんだったですけども ガンバの大冒険もそうかな。なんかね結構いろいろありましたよね
ビッグXとかね ルパン三世にも
参加してたかな。空手バカ一代とか、あとコブラですよねコブラね。 こういうのもやってましたよね。ブラックジャックアニメブラックジャックもそうですね
オリジナルビデオアニメのブラックジャックも出先さんでしたね。このあたりでかなりこう 鍛えられてるんで
スプリットスクリーンかっていうのはすごい その時点でちょっとワクワクしたんですけども
あとねこの映画に関してはね あのカットとカットの間にね黒い
ブツッと完全に切れる瞬間がすごい入るんですよね。これが多分意図的に入れられてるんですけども
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これがこの時間の連続性を途切れさせる っていう感覚がねすごく良かったですね。なんていうのかな
パッと違う瞬間に変わっちゃう?なんかこう うとくとしてしまったのかなって思うぐらいの切り替わり方でそういう感覚に
陥らせるっていうね そういうものを感じましたね。ぜひね
ボルテックス見た人がいればね またその感想を
聞きたいんですけどもね。まぁとにかく僕はすごい良かったなと でその良かった理由は救いがないから良かったっていう感覚ですね
これをこの作品を見てね怖いと思う人もいると思うんですよ。あまりにもリアルで嫌だとかね
いう人もいると思うんですけども そんなもんだろうと思いますよ
これがリアルだなと なんかこう
改めてねパーフェクトデイズの 感想の時も言いましたけど人生に理由なんかないし死ぬ
時に何かこう意味を残して死にたいとかね でもないんですよね。後の人が勝手に決めるんで自分がそうありたいと
思っていてもそうならないのが普通だと思いますのでまぁそういうものをね 突きつけてくれる作品っていうのは僕は大好きですね救いがないのは本当に良い
破滅的な考え方ですかわかりませんけども ボルテックスからのパーフェクトデイズだったんですけど順番的にはね
ボルテックスの方が先に見てました素晴らしい作品 そんな感想です
ありがとうございますそれではまた ゴリでした
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