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2021-06-29 20:40

【#54】アーバニストを育てる街と、アーバニストが集まりたくなる街(ゲスト:東京大学准教授・中島直人さん)

今回はアーバニズムの研究者である中島直人さん(東京大学・准教授)をゲストに迎え、「アーバニズムとアーバニスト」についてお話を伺っていきます。アーバニズムの歴史やこれからの都市計画におけるアーバニストの役割についても考えていきます。  

目次【アーバニストが集まりたくなる環境条件とは/アーバニストとメディア/アーバニストを育てる街/高校教育で都市との関係を作る】

一般社団法人アーバニスト:http://urbanist-j.net/

◉ゲストプロフィール 中島直人(なかじま なおと) 
東京大学・准教授

1976年東京都生まれ。東京大学工学部都市工学科卒、同大学院修士課程修了。博士(工学)。東京大学大学院助手、助教、慶應義塾大学専任講師、准教授を経て、2015年4月より現職。専門は都市計画。主な著作に『都市計画の思想と場所 日本近現代都市計画史ノート』(東京大学出版会、2018年)、『都市美運動 シヴィックアートの都市計画史』(東京大学出版会、2009年)、『都市計画家石川栄耀 都市探求の軌跡』(共著、鹿島出版会、2009年)。

東京大学都市デザイン研究室 http://ud.t.u-tokyo.ac.jp/ja/

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皆さんこんにちは、リサーチャー・ストーリーテラーの杉田麻里子と
エクスペリエンス・デザイナーの石川佳子です。
この番組は、都市というテーマが好きで好きでしょうがない2人が、
都市に関する様々なグッドニュースをザック・バランに話す場所です。
私たちもよく話すのが、機嫌よく生きていきたいねという2人の話なんですけど、
この街をこうしたいって、もちろんビジョンとか、思い描いてる景色ってあるんですけど、
どちらかというと生活ドリブンというか、日々の日常をもっと楽しくしたいみたいな、
そういう人たちの周りにたくさんいるので、
それは別に何か何というか、自己中心的というよりも、
何か日常から染み出して、そこを作っていくっていうのが面白いなと思って、
今お話し聞いてた時に、アーバニストって誰でもなれるんだけれども、
アーバニストたちが集まりやすい場所とか空間条件っていうのがやっぱ違うんだなと思って、
生きることはできるけど、自分の日を作り出したりとか、
作るっていう活動しにくい場所に、例えば東京とかみんな疲れて地方に行ってしまうっていうのは、
もしかしたらそういった、生きるだけじゃなくて自分の日を作ることがしやすい街に移動していくっていうのがあるのかなと思って、
今コロナがあったりとか、オリンピックだったりとか、どんどん日本の街も変わっていってると思うんですけど、
中島さん的に日本の街でどういったことが起こっているのかっていう大きな質問と、
そういったアーバニストとなる人たちが集まりやすい条件を持った街ってどんなものなんだろう。
しかもそれを作ることってできるのかなっていうのをお伺いしたいです。
なるほど。まずどっちから話すかというか、日本の街の課題というのは、
まず一応じゃないというか、東京と地方で全く違うし、地理なところで違うので、
あとでちょっと考えますけども、アーバニストという人たちが集まりやすいということとも関係すると思いますが、
例えばさっきの富野村とかだと港町だったので、もちろん結構敗退的なコミュニティというか、
コミュニティは非常に強いんだけど、一方でやっぱり港町だから開放的でもあって、
人を受け入れられやすい土壌があったということはあるんですけど、
もう一つはやっぱりそのわざわざその場所に来るということだから、
やっぱりその街の環境の魅力がはっきりしていて、個性がしっかりと守られてきたというか、
受け継がれてきたようなところにやっぱり惹かれていくんだろうなと思います。
ちょっと話がずれるんですけど、さっき個人でという話をしましたけど、
かといって自分勝手ではないわけですね。
もともと自分のふるさとであり、あるいはふるさとじゃなくても選んできたところで、
やっぱり地域に対してのレスペクトというか、当然その環境がいいと思ってきたから、
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その環境に対する基本的なそれが好きで、そこがやっぱり大事だと思う気持ちは持ちながら、
個人でということだから、そこがないとそれこそ自分勝手で、
街の街づくりとまさに反することがあるんだと思うんですけど、
最低限そこは多分あんまり人たちは、やっぱり自分が活動する街が好きでいいと思っているわけだから、
それを大切にするという気持ちは、自分たちの街で、
ずっと代々受け継がれてきた街をなんとかしようと思っている人たちと、
同じとは言わないけど、角度が全然違うということはないんだと思いますね。
これ実はよく聞かれることで、個人、あんまり自分たちの生き方を追求して、
でも一方で街づくりの、街づくりのというか、もともとの地域のコミュニティの人たちがいて、
相当の関係づくりとか、あるいはそれが対立的なものになってしまったりとか、
特にあんまり人たちが新しいことを街で始めようという時になってしまうことがあるんじゃないか、
みたいなことがよく言われるんだけど、やっぱりそこはうまく、
さっきのあんまり人たちが集まってくるところとかのこととも関係しますけど、
あんまり人たちもそういう基本的なアチチュードを持っていて、都市とか街、地域に対する。
それと、その多分地域とは繋がるところがあるんじゃないかなというのが、
ちょっと楽観的かもしれないけど、いくつかの都市を見てそういうことを思っています。
その上で、結局やっぱりアーバンスの人たちが、やっぱり自分の生き方と重ねられる街とか都市だから、
やっぱり余白があるというか、やっぱり余地があるということが大事ですよね。
それがさっき東京だと、一見するとやっぱりちょっとそれが見出しづらい場所が多いわけですよね。
多くのものがもう出来上がっていて、構築されていて、誰かがやっているという中で、
なかなか自分がちょっと環境を作るというようなことは想像しにくいところが多いんだけど、
それがやっぱり今、アーバンスの人たちがもうちょっと緩やかな場所を決まり、
逆に言うとちょっと衰退をしていたり、あるいは郊外の住宅でちょっと高齢化が進んでしまっていたりとか、
やっぱりそういう場所こそ、もしかしたら手がかりとか取っ掛かりがあるんだというふうなことで、
集まるのかなと思いますけど、ただ実際は東京だって本当は都市なんて、街なんて柔らかいもので、
ちょっとそれこそそれは技術なのかもしれないし、ちょっとした知識かもしれないけど、
ちょっと着けば実は余白がたくさんあるんだというふうに思うんですけど、
その分かりやすさというのがあるのかもしれないですね。
ちょっと少々的に申し訳ないですけど。
ありがとうございます。
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なんか私たちのね、活動についてはちょっと聞いてみたいなと。
そうですね、ちょっと事前に共有をさせていただきたいんですけど、
多分半分ぐらい分かっていただけたか分かっていただけたか分からないんですけど、
私たちもそういったアーバニストみたいなものをもっと可視化していきたいし、
出会っていきたいというふうに思っているし、やっぱり東京というものを個人的には諦めたくはないし、
かなり多くの人がここで人生を過ごしている。
影響力のある町でもある。
その中でアーバニストができることだった役割というものを
どんどん社会に対して提案していきたいというところもあって、こういった活動もしていました。
まあ客観的にパッと見てて、どんな印象だったのかなというのも普通に聞いてみたいなというのと、
どういうふうに皆さんに自分もアーバニストなんだなみたいなことを気づいてもらえるかなみたいなことを今も思考作法していて、
中島さんどう思うかなというのも聞いてみたいなと。
ウェブサイトですね。
ざっくりとした感想でもいいですし、
なんかやっぱり私も小さい時に都市計画とか建築とか見てたら、
それは年上の男性がやっているものなんだみたいなイメージがどうしてもあって、
最近若いプレイヤーだったりもちろん女性も増えているし、
日本人だけじゃなくて海外の人も入ってやっていたりする中で、
いろいろプレイヤーが流動化していて、
まあ私たちも特殊なタンチ場なんじゃないかなと思ったりするんですよね。
なんか、そうだね。
そうですよね。
まず何でしょうか、
アーバニストはまず一つ、
サイトを見て、メディアというかやっぱり、
人と人を結びつける媒介だったり、あるいは情報を発信するという、
メディアは大事ですよね。
アーバニズムとかアーバニストの、
まあちょっとお二人のやったこととは違うかもしれないけど、
やっぱりメディアでいくといくつか、
例えばご存知だとマガジンオンアーバニズムですね、
MONUですか、
オランダの雑誌ですかね。
モヌですね。
ヨーロッパの雑誌。
ランチャーラーアーバニズム、ランチャーラーアーバニズム。
言葉だけというのもあるんですけど、
ただああいうメディア、これですよね。
あと日本でもいくつか、
今ちょっと雑誌媒体だと、
メザニンとか、
スイタさんだったっけ。
スイタさんでね。
一人一人がもちろんアーバニストとして、
自分の生き方として追求したり活動するってあるけど、
やっぱりそれを繋いだり、ムーブメントというか、
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そういうものを繋いでいかないと、
なかなか一人一人もやりづらいし、
自分だけじゃなくて、まさに他の人たちにも
そういうのを分けることができないとした時に、
メディアとか繋げるためのプラットフォームって
本当に大事だと思うんですけど、
ひとつはそういうものになっているというか、
そういうことを目指しているのかなと印象を受けて、
その時に大事なのは、さっきの都市企業って言ったら、
年寄りがやっているみたいな、あるいは固いところってあるけど、
そうじゃなくて、アーバニストはもっと柔らかく柔軟で、
クリエイティブでというのを伝えるために
デザインが大事だと思うんですよね。
デザインというのは見た目だけじゃなくて、
それを伝えるためのいろんなデザイン、
しっかりと意図されたもの。
という意味で言うと、すごくデザインがいいなと思ったんです。
ありがとうございます。
ハードルが一気に下がるし、
でもすごくしっかり考えられていて、
という意味ではデザインがしっかりして、
こういうものはやれるといいなと。
日本の特に都市計画界隈だと、特に行政的な色が濃いから、
デザインというのが、例えば出版物ひとつにとっても、
ものすごく何もない行政みたいなものか、
あるいはやたらと柔らかいというか、
やたらと子供向けだよみたいなのが、
そういう人を馬鹿にしたとは言わないけど、
そのどっちかしかなくて、
本当にかっこいいデザインのモチーフが少ないですよね。
そうですね。
でもそれが、やっぱりアメリカとかヨーロッパもそうですけど、
かっこいいじゃないですか。
いくいくニューヨークショーに出している。
それはみんな若い人たちとかって、
まずそこの、まだ見た目かもしれないけど、
そこから惹かれていて、かつ分かりやすいわけですよ。
かっこいいというよりも。
そういう意味でのデザインがすごく大事で、
人に伝えるための。
なるほど。
そういうところはすごくあるんじゃないかなと思いますね。
なるほど。
すいません。
いやいや。
デザインが大切というのも出たんですけど、
他にもいろいろ、
これからのアーバニストたちに求められるスキルであったりとか、
賞賛みたいなものがあるのかもしれないね、
という話をしています。
アーバニストのアティチュードというワードが結構いいですね。
そうですね。
いいアティチュードね。
多分あるんだろうね。
共通項とか。
私たちもこれからアーバニストのコミュニティを作っていきたいなと思っていて、
教育プログラム的なものも、
いろんな分野を横断的に人を集めながら、
国境を越えながらやっていきたいなと思って、
そういう時にどういったアティチュードというか、
スキルとか、
作法みたいなものが、
必要になってくるのかというのを、
最後に聞いてみたいですね。
難しいですけど、
アーバニストは、もちろん教育というか、
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例えば大学とか、
そういうところで何か専門技術を学んで、
アーバニストになるというのもあると思うんですけど、
基本的には町が育てるというか、
さっきアーバニストが集まってくる町があると言ったけど、
同じようにアーバニストを育てる町があるというか、
やっぱりそういう、
ある種の生き方だとすれば、
その人の人生経験みたいなものと関係していて、
都市とか町とか場所とかで、
それを経験してきて、
そういうものがすごく素敵だと、大事だと、
その感覚があれば、
その人は、
別に職業じゃないから、
アーバニストというのは職業じゃないというか、
どんな職業でもアーバニストになれるので、
そういう感覚の人たちを生み出し続けるという都市が大事だろう。
そのためにそういう場所とかを、
なぜ我々はそういうものをしっかりと作っていこうかと思っているかと言えば、
それは今の人たちの生活もあるけど、
そこがまた次の人たちを生み出して、
その都市がある種、持続していくというかね。
そういう意味でいくと、
学校の教育とかでもあるけど、
実際の体験とか、経験できるものを、
いかに生み出していくかというのは当たり前のことかもしれませんけど、
そこがまず大事だろうという前提としながら、
その上で、
スキル、
スキル、アタチュードなのか、
アタチュードとしては、
さっき言ったこととも重ねますけど、
私は街とか都市に対する、
レスペクトと言うとちょっと大げさかもしれないけど、
ある種の文化的な存在というか、
要するに自分がそこが好きで、
そこに自分の人生を豊かにするために都市を使っていくということなんだけど、
でも使う都市というのは、
今までのいろんな人たちが、
ある種いろんな思いで作ってきたり、
そこで生活してきた、そういう存在ですよね。
だからそれに対する、
存在の重さというと重たくなっちゃうかもしれないけど、
そういうところの感性は大事だなと思っていて、
だからそこの街の空間もそうだけど、
そこでのいろんな人の生き方とか生活とか、
そういうものをしっかりと大事だと思わないと、
自分のことも大事にできないというか、
自分の丁寧な生き方もできないような気がするので、
それは共通してあるんじゃないかなと思うし、
あるべきだと思いますね。
そのためには、
その街のことを知る、
あるいは都市の持っている、
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そういういろんな意味とかを感じ取る感性は大事で、
そのものを育てるのが大事なんじゃないかと、
技術ということでもないような気がしていて、
ある種の感性ですね。
それが具体的な場で積極的に作ることがあるし、
もしかしたらその感性だとすれば、
技術じゃないとしたら、
例えばアートとか、
そういうところが大事なのかもしれないなと思う。
アートでやってきているような、
いろんなアートの教育というか、
子どもたちとアートとかそういうものなんですけど、
そういう感覚で都市を見ていくことが、
一つは大事なんじゃないかなとかですね。
なかなか答えが私もないんですが、
今までと違うというか、
今までなかなかアーバニストというものが、
生み出されないというかですね、
その原因が何なんだろうかと考えると、
そういうところが少ないという感じもするんですよね、
そういうのが思うことだったり、
何があるでしょうね。
そういう意味で言うと、
ちょっと話がずれかもしれないですけど、
今我々都市教育学会でやっていることが、
高校の地理という科目があって、
これが必須になったんですね。
今高校生みんな地理学をやるんですけど、
その中で都市の課題を解決しようみたいな単元があって、
それをどういうふうに教えるかということを、
もちろん地理の先生が教えるんですけど、
学会としても協力しようということでやっているんですけど、
このことは実は結構大きなことで、
今高校の進学率が相当高いですから、
日本という文学ですけど、
多くの人が16歳、7歳ぐらいで、
1回学ぶんですよね、こういう自分の都市。
その時に、これはまだ学会としてとかじゃなくて、
私が思っているのは、
どうしてもその時に、
都市の課題というのはこういうものがあって、
例えば中心部がサビれているとか、
持続化の環境問題があって、
その解決にはこういうものがあって、
また自分事じゃなくて、
世の中で大事なことというのが並べられていて、
それを一通り経験しましょうみたいになってしまうと、
やっぱり都市の、結局その場ではそれを学んで分かったというかもしれないけど、
自分事としての都市というのが全然出てこないなと思っていて、
だから例えば本当に全員が、
日本人のほぼ多くの方が、
チリのそういうのをやるのであれば、
もっとそこのプラグラムの中に、
都市と自分との関わりを、
まずその接点があるとか、
それを作っていくようなぐらいでよくて、
別に世の中が何が大事かとか、
世の中が何が問題かというのは、
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別にそこでやらなくてもできるというか、
後で考えればよくて、
もうちょっと都市との関係を、
主観的に考えられる。
主観的にもいいし、
そういうのをやって欲しいなと思って、
今そういうプログラムを個人的には一案出していて、
他の、実はこれもあれですけど、
他の大学で教えているときに、
あれが、ケビンレンチってご存知ですよね。
都市のイメージ。
やっぱり都市のイメージってすごく、
イメージマップとかってものすごく大事だと思っていて、
それって要は主観で、
人々の主観の話なんです。
もちろんあれは集合として、
ああいうイメージマップになるんですけど、
その最初はやっぱり、
Googleマップじゃなくて、
まず自分のマインド、頭の中にある地図から始まるので、
それって要するに、
個人と都市との結びつきの問題なんですよね。
それでいいんだと。
正確な地図って別にGoogleマップじゃなくて、
もちろん自分の中にもあるんだと、都市は。
それを自分の中にどんな都市があるかを描いてみようというところから始めて、
ある意味イメージアビリティということの議論ですけど、
今はもう有効だと思っているんですよね。
特にアバニストとかの話をするときに。
そういうところから客観とか社会とかの前に、
まずちょっと自分と都市。
その時にイメージマップから始めてというのを、
大学の授業ではキャンバスでやってもらっているんですけど、
まずキャンバスのイメージマップを描いてもらって、
なんで自分はこう描いているのと隣の人は違うんだとか、
あるいは自分でなんでこう描かなかったんだとかを始めて、
それをもうちょっと自分とキャンバスとの結びつき、
つまりイメージマップがもっと豊かになるためには、
どんなことをできたらいいんだろうかみたいな単純な話なんですよね。
本当そういうことがみんな一通り経験するだけで、
都市の見方が変わるんじゃないかなと思っています。
だからその意味では都市を身近に、
自分の生活とか自分の人生と連続しているものとして、
どっか遠くにあって、
誰かがやってくれるものを見て、
学ぶという話じゃなくて、
というようなことを、
もちろん高校の知事だけでできる話じゃないんですけど、
全体的に常にそういう場をやっぱり持ちたいなと思います。
今後もこの番組では、
都市をテーマに様々なおしゃべりを繰り広げる予定です。
毎週木曜日にニュースレターも配信しています。
ぜひこちらもご登録お願いします。
次回もお楽しみに。
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