1. Good News for Cities〜都市に関する炉辺談話
  2. 【#106】都市にいる微生物たち..
2023-02-14 30:35

【#106】都市にいる微生物たち〜株式会社BIOTA代表取締役・伊藤光平さんインタビュー

今回は、株式会社BIOTA 代表取締役・伊藤光平さんをゲストに、都市と微生物と関係性や、マイクロバイオームという視点から考える新しいアーバンデザインの可能性について議論しました。


◉トピック

  • 自己紹介
  • なぜ微生物に興味を持つようになったのか
  • なぜ、都市という枠組みを意識するようになったのか
  • 都市のマイクロバイオームとは?
  • 放出される微生物の雲人の微生物
  • 再野生化ってどういうこと?
  • BIOTAについて
  • 微生物多様性を高める都市デザインとは?
  • 日本科学未来館の新展示「セカイは微生物に満ちている」
  • 微生物噴霧デバイス
  • 表参道と八王子の住居内の微生物多様性の比較
  • 今取り組んでいこと、今後の野望など

◉ゲストプロフィール

伊藤 光平 

株式会社BIOTA 代表取締役 1996年生まれ。都市環境の微生物コミュ二ティの研究・事業者。 山形県鶴岡市の慶應義塾大学先端生命科学研究所にて高校時代から特別研究生として皮膚の微生物研究に従事。2015年に、慶應義塾大学環境情報学部に進学。情報科学と生物学を合わせたバイオインフォマティクス研究に従事し、国際誌に複数論文を出版。現在は株式会社BIOTAを設立し、微生物多様性で健康的な都市づくりを目指して研究・事業をおこなっている。

株式会社BIOTA https://biota.city/ 

日本科学未来館『ビジョナリーラボ「セカイは微生物に満ちている」』 https://www.miraikan.jst.go.jp/exhibitions/future/visionarieslab/

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00:10
みなさんこんにちは、杉田まりこと石川由加子です。
Good News for Citiesは、都市・建築・町づくりに関する様々なグッドニュースをザックバランに話す番組です。
はい、よろしくお願いします。
今日は株式会社BIOTA代表取締役の伊藤光平さんに来ていただいてます。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
簡単に自己紹介をお願いできますか?
株式会社BIOTAという会社で、都市にいる微生物の研究と、その研究をもとに都市デザインにつなげていくという事業をやっている伊藤光平と言います。よろしくお願いします。
お願いします。
なんかポッドキャストもね、ずっと聞いていただいてたみたいで、とても嬉しく思ってます。
私も石川も、いろんな方面から伊藤さんの話を聞いていたので、満を持してって言うんですか、これが。
気になる人物でした。
最初、私はノートを見たのかな。都市のマイクロバイオームについての記事をいくつか書かれていて、それを読んでいたら、知り合いがちょっと伊藤さんって人がいて、っていうふうにおっしゃってたりとかして。
結構コミュニティも近かったっていう話が、さっきのね、会話で分かりましたが。
じゃあまず、そうですね、伊藤さんの微生物との出会いから紐解いていきましょうか。
そうしましょう。
了解です。
どうぞ。
そうですね、出会いっていうのは、僕もともと生まれが山形県の鶴岡市っていう場所なんですけど、
そこで慶応義塾大学が学園都市みたいな形で、大学を誘致して研究所を作って、どんどん雇用とかを大きくしていくみたいな、地方創生のモデルみたいになっている町に生まれ育ったんですけど、
そういったこともあって、ちょうど高校1年生の時に、慶応義塾大学の研究室に見学に伺ったんですよ。
そこでは微生物以外もいろんな研究をしている、バイオ系の研究をしている研究所だったんですけど、たまたまそこですごく興味を持って、研究っていうものに興味を持って、たまたま微生物の研究をやってみたらどうですかっていう形で、
大学院生の方と一緒に進めていったっていうのが最初の研究を始めた経緯っていう形ですね。
微生物大好き男子だと思うんですけど、なんかそこにね、なんか都市っていう枠組みが加わったってところがすごい特別、伊藤さんを特別にしているなと私たちは思っていて、
03:00
バイオテクノロジーとかバイオ系の研究されている方ってたくさんいると思うんですけど、その中でもなんでこう都市という枠組みを意識するようになったのか聞いてみたいです。
ありがとうございます。そうですね、もともとはその高校時代3年間は、研究室では人の体にいる微生物の研究をしてたんですよね。
人の体にいる微生物っていうのはすごいいろんな種類、たくさん体中に何千種類もいて、数で言うと38兆個ぐらい体に住んでるんじゃないかって言われてると。
人細胞がだいたい40兆個ぐらいだって言われてるので、人の細胞と同じぐらいの数の微生物が体に住んでいて、そこの多様性が下がったりとかバランスが崩れるとむちゃくちゃ健康が悪くなってしまったり病気になってしまったりっていうのは言われてるんですけど、
なんかそういったことをずっと研究していて、たまたま僕大学に入ってからも慶応のSFCで微生物の研究をしてたんですけど、大学1年生の時に都市の微生物をめちゃくちゃ調べた先生がいて、ニューヨークの地下鉄450ぐらいの駅からむちゃくちゃ微生物を取って、
そうそうそうっていう研究者がいまして、そうしたところを取ったDNAですね、綿棒とかでDNAを駅から取って、そのうち半分が未知の生物だったっていう報告を上げていて、つまり僕たちの住んでる都市にまだわからない生き物が半分以上いるんだっていうところをすごい興味を持ったっていうのが、都市の微生物やりたいなって思ったきっかけで、
やっていくとすごい人の体と同じように微生物の多様性みたいなものがすごく重要だし、そこに住む人たちの健康っていうものにも大きく影響してくるんだなってことを感じて、今も続けてるっていう感じですね。
なるほど、このご時世、除菌除菌で、むしろ微生物や細菌を排除して、無菌状態の中で生きていかなざるを得ないみたいな世の中になってきてるなとか感じたりするんですけど、その理想的な微生物多様性のバランスとか、そういったところを意識して、町づくりとか都市を作っている実践とかあったりするんですかね。
そうですね、まさにそういうことを今やろうとしていて、まずはやっぱりそこに何がいるかっていうのを知るっていうのがとても大事だと思うんですよね。
例えば都市デザイン、ランドスケープとか建築設計で微生物の多様性を高めるようなデザインを作るとしても、まず最初にそこに何がいるかっていうことを知らないといけないので、
私たちはゲノム解析って言って、微生物の中にあるDNA、遺伝子を調べることで、まずはその環境に何千種類もいる微生物たちがどういうバランスでいるのかっていうのを調べてて、その解析結果をもとにランドスケープの提案とか建築設計、素材開発みたいなところの提案につなげていくってことをやってるっていう感じですね。
なるほど。
ちょこちょこそういうのも事例が出始めてっていう感じですね。
06:01
なんか空間提案の、このホームページで空間提案って書かれてるところに、植栽のコンサルティングだったりとか、あと微生物を噴霧するっていうか、放出するようなプロダクト作ってたり、すごい面白いな、こうやって空間にアプローチするんだ、空間とか場所にアプローチするんだっていうのはすごく面白く拝見させていただいてたんですけど、
こういったものの他にもなんかこう、場所を作ったり空間にアプローチするやり方っていうのは今実践されてたりもするんですか。
そうですね。まず大きくはやっぱり、じゃあ微生物を人為的に加えるのか、ランドスケープで加えるのかみたいな、そういう発生の方法を考えるっていうのが一つ大きい枠組みとしてあると。
で、それ以外で言うと例えば拡散ですね。例えばランドスケープ都市に緑が増えたら、そこから微生物がちゃんと家の中とか人が生活するスペース、パブリックな場所にちゃんと行き渡るかっていうところ。
それは例えば換気システムだったりとか窓の配置かもしれないし、どうやって効率的に微生物を都市に吸い上げていくかっていうことが二つ目考えるべきことで。
で、三つ目はその入ってきた微生物たちが今の室内だと結構建材が抗菌性のものが多かったりとか、あとは銅の素材とかそういったもので結構除菌されちゃうっていうのがあるので、
微生物を需要するための建材とか素材っていうものを作っていって、彼らを受け止めてあげるっていうこの発生拡散需要。
なるほど、今それこそビルを作るのにも木材が最注目されてると思うんですけど、木材とか自然素材を使った場合って微生物も住みやすいから、そこで働く人たちの体もそこから元気になるみたいなことを研究されてる人とかとこの前お話をして、
これもよく話題に出してるんですけど、肌が綺麗になる空間ってどういう空間なんだろうみたいな考えたときに、そこに実はそういった空間的な微生物のあり方だったりとか、その空間を作る素材であったりとか換気のシステムだったり、そういうのが関わっているっていうのが面白いなと思いました。
なんか伊藤さんのノートを見てたときに、再野生化っていうキーワードがあったと思うんですけど、今の年ってそれこそアスファルトとかで土をかぶせちゃったりとか、さっきおっしゃられてたように抗菌作用のある素材とかで建物作っちゃったりしてるから、それを改めて再野生化するみたいな文脈だったと思うんですけど、それについてもちょっとリスナーさんに紹介していただきたいです。
ありがとうございます。再野生化、リワイルディングって僕たち呼んでてよくやってるんですけど、やっぱりそもそも微生物とか自然環境ってもともとは都市にもあったというか、それが徐々に人工物に置き換えられてきたのかなっていうところがあると思うので、そういったものを取り戻すのが重要なんじゃないかって、哲学でランドスケープとかは結構僕たちやってたりします。
09:05
例えば都市においてランドスケープを考える時とかって、やっぱり面積がなかなか都市ってないじゃないですか。だからそういう時には、結局都市ってどんどん高く積み上がっていくので、結局一番微生物をたくさん持ってる場所って土壌、土とか植物なので、そういった意味でビルの上とか、そういった屋上とかの緑化みたいなものも実は微生物を降らせる意味ですごい重要だよねとかって形で、
都市の形に合わせて、そのマイクロバイオム、微生物の多様性をリワイルディングしていくってあり方を模索しながら実践してるっていう感じですかね。
その中、多様性の基準みたいなものはどうやって設けてるんですか。
そうですね。微生物って環境中に数百種類とか数千種類とかっていうのは、都市の中にももちろんいろんな場所にいるんですけど、その中で私たちが思ってるのは、目的としてはやっぱり感染症を防ぐっていうところが一つあって、感染症って何かっていうと結局その人から微生物が人に移るっていう、その人由来の微生物が移動することを感染症っていったりする。
ってなると単純に微生物の多様性を高めるって言って、人がたくさん行けば確かに人の微生物がたくさん落ちるので、多様性は高まるんですけど、そうじゃなくて人に移らない微生物を足してあげるってすごい重要だよねと。
由来が違うものを入れてあげる。微生物ってやっぱり清掃区域がそれぞれ違うので、人に移らないものを足してあげるってことで、私たちは系統的多様性って言葉をよく使っていて、
遺伝系統的に人由来の微生物と離れてる微生物を足してあげる。それが植栽とか土壌とかっていうものを追加してあげるってことを考えているので、なんかその多様性も実はすごい低量化できて、解析の中では数値的に落とし込まれていくみたいなイメージですね。
なるほど。なんか今ふと思ったんですけど、なんか微生物、その人の微生物ってお話されてましたけど、私今まで微生物で考えると、自然のことばっかり考えてました。
なんかその植物とか土とか、なんか自分たちから放出されてるんですよね。その江藤さん、放出される微生物の雲みたいな。すべての人間に雲的に、わーって微生物がいるみたいな。
かしかしたら面白そうだね。
それやばいなと思って、なんかもうアートだなと思って聞いてました。
そうですね、本当に1時間で100万細胞ぐらい人が体の外に微生物を放出するって言われていて、もう本当に人間も立派な発生源とか微生物を発生する装置みたいになってると。
それが例えばカップルだと微生物が似てくるとか、家の床とかも家族の足の裏の微生物の集合体でできてるから、お父さんが出張とかに行くとお父さん由来の微生物がいなくなっちゃうとか、そういうのがあるんですよ。
ちなみに今まで微生物を採集してて面白かった場所とかシチュエーションってありますか?
12:07
そうですね、やっぱり意外な場所にこんな微生物いるんだみたいなのは結構あって、例えば駅とかを僕ずっとやってたんですけど、やっぱり駅の券売機のタッチスクリーンとかあるじゃないですか、タッチしてチケット買うところ。
あそことかやっぱり微生物がむちゃくちゃ高濃度に存在してて、人が触るからやっぱり人由来のものがすごい高密度に出てるから、意外とあそこで掃除されてなくて。
逆にトイレの便座とかは、意外と危ない微生物とかそんな多くないみたいな。そんな結構やってて面白かったですね。
漫画で何でしたっけ?もやしもんでしたっけ?
微生物が目に見える能力を持った主人公の話とか見てて、なんかこう人の部屋、なんか部屋に入ったらうわ、めっちゃいるみたいなとか、掃除したらこんだけいなくなるんだとか、
なんかこう可視化する、なんか目に見えるって面白いなと、なんかそれこそ兄弟の吉田寮とかすごい数の微生物が生息してるんじゃないかなみたいな。
気象微生物いそうね。
そうそう、気象微生物いそうとか、そういう視点で空間を見るっていうのも面白そうだなと思ったよね。
そうですね、やっぱり特に家の中とかってすごい面白くて、いろんな家の中でも微生物レベルで見るとすっごい多様な環境になってるんですよね。
例えばボイラーの上はめちゃくちゃ暑いし、流しのところはなんか金属で冷たいみたいな形で、実はその微生物レベルの家の中ってすっごい多様な環境になってるので、
家は生態系って本があるんですけど、その本とかすごい面白くて、ボイラーの上から見つかる微生物って全く関係ない場所の砂漠の中にいた微生物と同じ種が見つかるとかっていうのがあったりとか、
僕はそのヒューマンスケールみたいなものを微生物を考えたときに、取っ払うことができるなってことで、町内細菌も土の中も都市の中も家の中も同じように微生物の多様性を持って健康な方向に作り変えていけるんじゃないかなってことで、今都市をやってるって感じですね。
面白い。それこそ、私たち今ヒューマンスケールから派生してアニマルスケールを考えたいねみたいなことを言っていて、そういうコンテンツを作ってるんですけど、それこそ微生物スケールとか、なんかいろんなスケールでその都市とか家とか生態系みたいなものを考えられると良さそうだなって今話を聞いてて思いました。
めちゃくちゃ面白いですね。
15:00
家で行くと、それこそ過去にやられていた表参道と八王子の住居内の微生物多様性の違いを比較しましたっていうのを見つけたんですけど、これはどういった結果になったんですか。
ありがとうございます。それ多分、住宅建築に一昨年ぐらいから寄稿したやつかなと思うんですけど、八王子の表参道のマンションですね、普通の都市の中にあるマンションの3階かなと、あと八王子の一軒家で近くが緑みたいな場所の2つから微生物を結構たくさん取って、比較したっていう研究をやっていて、
その時の結果を端的に言うと、表参道の微生物、家の微生物と家の外の駐車場の微生物はめちゃくちゃ多様性が低くて、人由来の微生物が結構多かったんですよね。つまり居住者が落としている微生物が家の中には蓄積してたと。
そういった人由来の微生物の中には何割かは病原菌がいたりとかそういったことがあって、逆に八王子の一軒家の方では自然由来、例えば土壌とか植栽とかの微生物が家の中にめちゃくちゃ入り込んでいて、そこに住んでいる人たちの微生物ももちろんあるんだけど、全然全部の量でいくとすごい少ない割合だったっていうのが分かって、
そういった外の土地利用っていうところと、あとはもちろん高さ、家の高さみたいなところが微生物の多様性に結構影響を与えているパラメーターだよねみたいなことをその時は分かったって感じですね。
なるほど、やっぱり家の高さもあるんだ。
結構やっぱり高さが大きい原因になっていて、公園とかに行っても子どもと大人の頭の高さで暴露できる微生物の量が何倍も違うっていう研究があったりとかしていて、
そういう意味では、もしかしたら今後都市の中で1階とか2階とか低層階みたいなところが、幼少期に子どもを住まわせる住居としてすごい人気が出るんじゃないかとか。
なるほど、面白い。
ちなみに地下はどうなんですか。
地下は通気性があればというか、換気して入ってくればっていう感じだと思うんですけど、いわゆるダクトを通るような機械換気みたいな空調だと、エヴァフィルターとかで全部微生物がフィルターで越されちゃうので、
なるほど。
全然入ってこないよねとかっていうのはあるので、自然換気も1つすごい重要なツールとしてはありますね。
なるほど、それこそ前回のポッドキャストで私たち泥について、来週出るんですけど、泥について話していて、その砂場とかに、今あんまり見ないと思うんですけど、
砂場とかに日々触れることで子どもたちがなんか微生物に小さい頃から触れることで、それが健康につながっていくみたいなザクッとそういう話とかもしたんですけど、
なんかそうですよね、でも土もなんか除菌された土とかすごい最近多いっていう話も聞いたので、一概にも言えないのかなと思いつつ、
18:07
なんか普通に今年の土レベルを上げるというか、コンクリートの蓋を外していくみたいなだけでも結構大切なんじゃないかなと思ったりしました。
そうですよね、やっぱりそもそも土の露出してるところが少ないような気もするし、あとはやっぱり土っていうところが見えてるとこでもすごいカチカチな感じであったりとか乾いてる感じで、
なんかこう生きてる感じの土ではないなっていうのも思うし、なんか上に育ってる植物っていうところも単調モノカルチャーな形の都市のランドスケップって多いと思うので、
逆にそういう意味では土と植物の栄養の循環みたいなものもすごい単調になってるっていうのは問題としてあるかなと思いますね。
なるほど。
あの、バイオタについてもちょっと聞いてみたいんですけど、今何か組織としてどういうチームで、何かどういうところをクライアントにつけてとか、
どんな研究プロジェクトが今走っているのかとかも聞いてみたいです。
ありがとうございます。バイオタ自体はちょうど2年ぐらいかな、会社としてやってまして、一応立て付けはディープテックベンチャーみたいな装いをしてるんですけど、
僕たちはその都市のカルチャーを作りたいって思っていて、なのでもちろん研究で論文を出したりとかっていうのもするんですけど、
未来館の展示をしたりとか、いろんな場所で展示したり、そういった人のカルチャーを行動変容を促していくみたいなことも同時に取り組んでたりします。
メインはその環境中の微生物を取ってきて調べて、それをどう社会実装していくのかっていうところの研究開発を一番やってたりしまして、
最近そういった技術を元にして、酒蔵の建築とお酒作りの味の関係性みたいなことを調べてたりしました。
お酒って微生物が作ってくれるっていうのが、江戸時代とかにやってた木元作りっていう作り方があって、
最近はそれがいろんな添加物を入れてお酒って作れるので、そっちの方が安定してたくさん作れるじゃんってことで、
微生物の力を使ってお酒を作るって結構少数派になってきちゃったんですけど、
実は微生物を使ってお酒作ることで豊かな味とか、もっと人間が想像してないようなものができるよねみたいなことを実践してるような酒蔵さんがいて、
そこと実際一緒に微生物と建物の蔵付き菌みたいな蔵から微生物が降ってきてお酒ができるみたいなのがよくある話なんですけど、
その蔵付き菌の調査であったりとか、実際そのできたお酒を菌の見える清け酒っていう名前をつけて、論文付きで売るみたいなことをやったりしましたね。
面白い。めっちゃいい。
あと日本科学未来館の展示も手掛けられてましたよね。
21:05
はいはいそうですね。ちょうど今やってます。
世界は微生物に満ちているですね。ここは何をしてるんですか今展示では。
はい、展示ではですね、微生物と共生する未来ってどんな未来なんだろうみたいなことを、来場者の人と一緒に考えるようなそういった体験型の展示をしてまして、
微生物ってなんだっけってコーナーから都市と微生物の関係性みたいなことをデータ解析系の解析をたくさんやって示したりとか、
あとはその真ん中のスペースはですね、建築設計とランドスケートを実際未来館の建物の中に作っちゃって、
実際に微生物と共生するための換気のシステムとか建材とか、あとはぬか床とか、
そういったアート作品も含めていろいろ置いて、こんな未来ってどうだろうっていうのを問いかけるみたいなことをしてますね。
私たちがアムステルダムに行った時は、微生物の有名なミュージアムがいて、
マイクロピア。
マイクロピア、むちゃくちゃ楽しみました。
展示の仕方も素晴らしいよね。
面白かったね。何か、可視化されてるだけじゃなくて、何か触れたりとか、ちょっと体験できたりみたいな、
キスをしたらどれぐらい微生物が交換されるのかみたいなインスタレーションがあったりとか、それがすごい面白かったです。
入口でさ、ラボの白衣のお兄さんが迎え入れてくれて、何かちょっとエンターテイメント性もちゃんと担保されてて。
体験としてすごい面白かった。
いいな、めちゃくちゃ気になってるんですけど、まだちょっと行けてなくて、
ほんと早く行きたいなって思ってます。
行きましょう。
いいな。
何か、そういったアプローチで、いろんな空間とか、いろんな都市の在り方が提案できると思うんですけど、
伊藤さん自身が、何かほんとパーソナルに好きな場所とか、落ち着く空間とか、こういった場所に住みたい、もしくは今住んでいるとかってあるんですか?
そうですね、僕今は神奈川県に住んでるんですけど、やっぱりどっちかっていうと、人口密度低めの場所とか結構好きだったりはします。
都市のことはやってるんですけど、何かそういった場所で人間と系統的に離れてる生き物みたいなものを実感するっていうのが結構豊かだなって個人的に思っていて、
何かそういう分かり合えるか分かんないような生き物たちと共に過ごしていくみたいなことは一つすごい自分の気持ちとしては好きだなって思ってるので、
そういった意味で今は都市のことにチャレンジしてますけど、何か都市もそういった場所で荒れるようなチャンスって十分あるなって思ってるし、
何かそういった微生物って特に一番ペットにしやすいとか、共に居やすい対象なんで、都市もできるかなって思ってるんですけど、
24:07
個人的には自然豊かな場所、海とか山とかがある場所で開けた場所で、何か静かにやっていきたいなっていうのはありますかね。
なるほどね。
何かこれからの都市に向けて今後やってみたいこととか、まずはここから着手して変えていこうみたいなところあったりしますか。
そうですね。まずはやっぱりランドスケープとかグイーンみたいなところって既にその単体で十分価値を持っていて、
いろんな事業者さんがやりたいって言ってると思うので、そこに一つこの微生物も実はそこにいるんだよっていう、
微生物の付加価値みたいなものをつけていきたいなっていうことを思ってますね。
ランドスケープだけじゃなくて、発酵食品とかもそうだし、既に僕たちの微生物の恩恵というか、そこに預かっているものに対して、
これ微生物、もっと上手くやったらもっと楽しくなるんじゃないみたいなことを提案するっての一つ豊かな未来なのかなって思ってますね。
面白い。もう一つだけちょっと話題提起していいですか。
ぜひぜひ。
五感についてちょっと話したいなと思って、私たち結構最近五感とアーバニズム、センサリーアーバニズムみたいなところが気になっていて、
それこそ目で見える世界とか、ファンクションの世界、機能だけではなくて、
人間、私たちがどういうふうに五感で感じるかみたいなところもきちんと、例えば嗅覚とか聴覚みたいなところも、
フルで考えながら多少デザインした時にどうなるんだろうみたいなことをよくディスカッションしてるんですけど、
伊藤さんのウェブサイトとか、ノートを見てた時も、今微生物を可視化して分析したりっていう潮流はあるけど、
結局は五感のフルパッケージなんだみたいなことを、どこかで書かれていたことを記憶していて、
微生物がヘルシーな状態とか、確かに研究室で見て可視化したらわかるかもしれないけど、私たちの目には見えないんだけど、
でもなんとなく体感として気持ちいい空間とか、体感としてちょっと気持ち悪いなとか、
ちょっと直感とか五感的に微生物を感じれる瞬間があるんじゃないかなとか思ってるんですけど、
そこら辺についてはどう思いますか?
そうですね、でも本当にそれはあると思いますね。
僕自身もですけど、研究するまでは微生物のことはあんまり考えてなかったけど、
でもよく考えたら、あの時のこの現象って微生物の営みだよなみたいな、
微生物が見えないけど営みに気づくみたいなことは僕はすごく重要かなって思っていて、
それを身体性みたいな言葉でよく表現したりするんですけど、
例えば雨降った後の土の匂いみたいなものって微生物が発光した時の匂いだよねみたいな話とか、
27:06
温泉とかでもなんでここだけ色が変色してるんだろうみたいな、
っていうのは多分医用を参加する微生物がそこにいるなとか、
そういった日常生活の実は微生物が起こしてるであろう現象みたいなものを知るっていうのとか、
そういうのもそうだし、あとは匂いとかもやっぱり微生物がとても出してたりするので、
特定の匂いがめっちゃするってことはその匂いを作ってる微生物がいるんだなとか、
目には見えないけど確かにそこにいて、活動して今日も働いてるんだなみたいなのを、
なんか気づけるっていうのは結構素敵だなって思いますね。
いいですね。
ちなみにカットでもいいんですけど、
その微生物が目に見えるようになる技術みたいなものは開発されてるんですか?
そうですね、どう見えるかによるとは思うんですけど、
でも、ただめちゃくちゃいるんですよね。
こういうサングラスかけたらめっちゃ見えるとか。
VR的なやつですよね。
たぶんもうね、例えば赤のドットとかで示したら真っ赤とかになっちゃうので、
狂気的な状態になるわけですね。
そうそうそうだし、自分の体とか見たらもうすごい表現しきれないぐらいの量がいるから、
やっぱその多様性みたいなところっていうのは、僕はそういう可能性があると思うし、
地球上の生き物を種数とかで考えると、7割8割ぐらいが微生物みたいな概算値があって、
逆に目に見える生き物こそがすごいマイノリティみたいなのもあるのかなっていう。
面白いね。
あのポールドスコープ、この前買いました。
なんか携帯にくっつけて見れるみたいな顕微鏡。
で、ちょっといろいろ見てみたいなと思いました。
買ってから放置してるんですけど。
いや、いいですね。
なんか、そうやって微生物とかミクロの環境を見るみたいなことをすると、
なんか結構都市の見方とか、なんか読み替えみたいなことができるのかなって思っていて、
僕たちが目指す未来みたいなものって、別に都市に大きい森を作るとかっていう話ではなくて、
今ある都市のパーツみたいなものを接続したりとか、
ランドスケープみたいなものをもうちょっと細切れに配置するとか、
そういった都市に存在してる機能みたいなものの読み替えみたいなことが微生物の文脈だとできていて、
それが一つ都市をもっと面白くする要素になるのかなっていうのをすごい思ってますね。
素晴らしいね、最高だね。
めちゃくちゃ面白い。
みんなで駅に行ってひたすら撮りまくるとか、
家の微生物の比較をするとか、ちょっとまた引き続き何か一緒にさせてください。
ぜひよろしくお願いします。
30:00
ありがとうございました。
ありがとうございました。
伊藤光平さんでした。またよろしくお願いします。
ありがとうございます。
グッドニュースforシティーズでは、毎週新しいエピソードを配信しています。
次回もお楽しみに。
30:35

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