1. Good News for Cities〜都市に関する炉辺談話
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2020-10-20 45:37

【#28】GUEST TALK🎤「人間以外」の生物も含めて都市を考える。ドイツ出身・ルプレヒト・クリストフさん

「人間のためだけではない都市」とは、どのような都市なのか?今回は、京都の総合地球環境学研究所で「More Than Human」をテーマに活動をする、ドイツ出身のクリストフ・ルプレヒトさんをゲストにお迎えしました。「Multispecies cities(複数種の生物がいる都市)」、「biocultural cityscape(”里町”)」といった概念に加え、人口減少時代の日本において都市と自然の関係性をテーマに実験的なプロジェクトを行うクリストフさんの活動について、お話を伺っています。 

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◉ゲストプロフィール Christoph Rupprecht(クリストフ・ルプレヒト)

 都市のあり方を共生、食と農、脱成長などの観点から考える地理学者、総合地球環境学研究所のFEASTプロジェクトの上級研究員。「Multispecies Cities」ソーラーパンクSFアンソロジー(2021年出版予定)、「ポスト成長社会におけるランドスケープの方向 -「Degrowth」の可能性」ランドスケープ研究83(1)特集など、様々な方法や学問でサステナビリティ課題と向き合う。趣味:写真撮影、ゲーム、SF小説、お菓子づくり。

Twitter: https://twitter.com/focx
HP: https://www.treepolis.org/
FEASTプロジェクト: https://www.feastproject.org/
For the Love of Bees project Auckland: https://www.fortheloveofbees.co.nz/
「脱成長とランドスケープ」エッセイ: http://www.treepolis.org/publications/Rupprecht%202019%20-%20Degrowth%20and%20Landscape%20-%20Japanese.pdf

00:12
皆さん、こんにちは。編集者・ライターの杉田麻里子と、プロジェクトディレクターの石川絵加子です。
この番組は、都市というテーマが好きで好きでしょうがない2人が、都市に関する様々なグッドニュースをザック・バランに話す場所です。
Good News for Cities
今回は、リサーチャーのクリストフ・ルプレヒトさんにお越しいただいています。
クリストフさんとは、共通の知り合いのマックスという知り合いが京都にいて、
彼は日本でもう5年ぐらいかな、働いているドイツ出身のリサーチャーなんですけど、
用法、都市における用法について詳しい男の子で、
彼にクリストフさんという面白いリサーチャーの方がいらっしゃるというので、
お話をお聞きしたいなと思って今回ゲストにお呼びしました。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
いろんなことをされていると思うんですけれども、
エコロジの分野ですかね、今具体的にどんなことをされているのか、
簡単に自己紹介をお願いできますか。
そうですね。私のフィールドは主に日本に集中して、
日本の都市の在り方と、日本の都市の未来についてを研究しています。
人口減少、都市に誰が住んでいいのか、都市は誰のために存在するか、
そういう質問について研究しています。
なるほど、なるほど。ありがとうございます。
ちなみに日本語超うまいんですけど、日本にどれ住んでどれくらい立たれたんですか。
超キャラクターですね。
よく言われますが、まずはまだまだです。
いやいやいや。
日本に最初に来たのは2005年なんですけど、留学生として、
その後は日本から出て、また日本に戻って、また出て、また戻ったりしてますので、
多分合わせて7年間くらいだと思うんですけど、大体は2014年から日本に住んでいます。
そうなんですね。すごいね。
クリストフさんにお話ししてみたいなと思ったきっかけとなったのが、
先ほど言ったマックスっていう共通の知り合いが、
彼が作った企画書、モアザンヒューマンっていう企画書がとても面白かったっていうので、
マックスとクリストフさんは同じNGO、NPOですかね、環境に関する団体、政府団体に、
日本の団体に所属されていて、
クリストフさんが日本人間のためだけではない都市、モアザンヒューマンシティっていうので、
03:00
企画書を作られたっていうので、その考えあまりなかったなと思って、
都市って、当然人間のためだと思っていた自分もいたので、
それ以外のマルチスピーシーズというか、いろんなもの、一言じゃないね、
いろんな生物が都市にいてもいいんじゃないっていう概念だと思うんですけど、
これについてちょっと教えていただけますか、どんな企画書だったんでしょう、これは。
そうですね。
最近の研究で、人は幸せと健康に暮らすためには、
都市の中でも自然が絶対必要だっていうことをだんだんよくわかってきました。
しかし、今の都市計画と、例えばグリーンインフラ、ストラクチャーみたいな概念があるんですけど、
その中では、木、植物などはおそらく道具にすぎません。
人を幸せにする道具です。
しかし、そういう考えは少し足りないなと思ってて、
人のためではなく、全ての生物のために都市を作ったらどういう形になるか、
どういうものになるかを気になってて、
それを研究プロジェクトにしてみたいなと思いました。
例えば、一つの分かりやすい例で話すと、
ニュージーランドのオークランド市で、For the Love of Peaceというプロジェクトがあります。
それはミツバチの愛のために、
オークランド市を世界一のミツバチに優しい街として、
新しく考え直そうというプロジェクトですね。
そのアイディアを初めて聞いた時に、なんて素晴らしいんだと思って驚いたんですけど、
自分はミツバチのために何かできるかと考えると、
例えば、餌となる花を植えたりして、農薬を禁止したりして、そういうふうなものです。
よくよく考えると、それはミツバチのためにもなるんですけど、人のためにもなるんですね。
だから、全ての生物のための街を考え出す時は、
おそらく今の年より人ももっと幸せに暮らせるんじゃないかなと思いました。
本当にその通りだなと思っていて、
木とか植物とか、かつてあったそのような自然のマテリアルというか要素というのが、
06:00
最後に計画の中で付け足すスパイスのように、ちょっと取って付けたように道具に使われているというのは、
いろんな開発の中で、全てではないけど多く感じる経験が私たちにもあるなと思って、
すごくハッとさせられたというところと、
オークラン同士の実験をもうちょっと聞いてみたいなと思ったんですけど、
ミツバチという虫が都市にとって重要というのは、
どういった機能だったり、どういうところの部分でミツバチが採用されたんですか。
ミツバチは環境教育などでよく使われている理由の一つは、
人間の食べ物の自分のためにミツバチは絶対必要だということですね。
そうですよね。
その上にミツバチは、人がおいしくいただけるハチミツも作ったりして、
少し可愛い動物でもあるので、多分その面で愛しやすい動物だと思うんですけど、
それでこのような活動で、ミツバチを最初に使って、
だいたいどこかの段階で、実はミツバチだけではなく他の虫もいて、
他の虫も生態経営のために必要で、
そこからだんだんミツバチから虫、虫から植物や他の動物に、
だんだん見えるものが増えてくるんですね。
確かにそうですよね。植物を植えりゃ実がなるってことじゃないもんね。
自分が必要ってことですよね。
なんかドキュメンタリー、ハチに関するドキュメンタリーを過去に見たことがあって、
More Than Honeyっていうドキュメンタリーなんですけど、
なんかその開発が進んでしまって、
ハチがいなくなってしまった中国の農村で、
人間の手で受粉活動みたいなのをしているシーンがあって、
すごい結構ショッキングだったんですよね。
ハチが受粉をして、それをめがけて、
例えば野鳥が来たりとか、どんどん連鎖していくっていうのが面白いなと思いました。
あとは最近聞いたんですけど知り合いに、
生物多様性って目に見える生物だけじゃなくて、
微生物みたいなのも結構関係していて、
健康になるとかお肌がキレイになるような年って、
どういう状況というか年なんだろうみたいな時に、
健康って人間の体の中の微生物みたいなのが、
いい状態で暮らしている、健全に共存しているみたいな状態だとすれば、
それが壊れてしまうような人工的な環境みたいなのは、
人間にとっても良くないし、微生物にとっても良くないみたいな話で、
それに絡めて、クリストフさんのウェブサイトだったり、
09:04
過去のレポートとかも読ませていただいてた時に、
マルチスピーシスシティーズっていう概念が結構たくさん出てきたんですけど、
パッと聞いてこんな感じなのかなっていうのは分かりつつ、
こういうコンセプトだっていう定義とかがあったりとか、
それに絡めてクリストフさんの過去のプロジェクトとかがあれば、
教えていただけますか。
そうですね、まずは多分マルチスピーシスシティーズの名前の
マルチスピーシスについてもう少し話した方がいいと思うんですけど、
言葉通りを考えると、ただ複数のスピーシスがいる年って話なんですけど、
実はマルチスピーシスとモーデンヒューマンっていう概念は、
エスノグラフィーや人類学から来てるんですね。
パッと言えば、人と生物はつながってるっていうことに集中して、
それを真剣に受け入れれば、じゃあ次は歴史や都市、
あくまでも人間が中心でしょっていうテーマについて考えると、
人間だけ見るとある意味、舞台の上にスポットライトに立っている
一人の人間しか見えないですね。
でも人間に必ずつながっている生物を見ると、
いきなり舞台の上にたくさんのアクターがいます。
それは人間だけではなくて、他の生物や植物、動物、微生物だったりします。
実は歴史でもそうなんですけど、都市もそうなんですけど、
都市を作っている、都市の空間を作っているのは人間だけではないわけなんですね。
モルティスピーシーシティには、理想的な部分もあるんですけど、
生物のすべてのための都市を作ったらどういう形になるかっていうところがあるんですけど、
実は今の都市も、他の生物が影響して形になっています。
それを意識して都市を研究して、
意識して都市の未来を考えると、今まで出てこなかったアイデアが出てくるわけなんですね。
【森】例えば、そういった生物多様性みたいなものを考えて、
上での都市のデザインだったり、街のデザインみたいなもので、何か面白かった事例とかありますか。
【加藤】そうですね。ヒューミーというプロジェクトがあります。
モルティスピーシーシティと仲良くしているプロジェクトなんですけど、
12:04
Healthy Urban Microbiome Initiativeという意味です。
それは、さっきおっしゃった通りに、
微生物が人間にとっていいことができるなら、
その微生物とどこでどういうふうに触れ合うことが可能なのかって考えて、
そういう微生物がいる公園を作ったりして、
そういう微生物が住みやすい街を作るというプロジェクトです。
都市計画よりは、もうちょっと疫学などに近いんですけど、
最近のマイクロバイオン腸内細菌などに関する研究は、もう膨大な感じで出てきているんですけど、
分かれば、研究すればするほど、そういう関係が新しく出てきて、
公園に行くときに、そういう新しい方法で自然と触れ合えるような空間をデザインするためのプロジェクトです。
それは、実際にその公園の中に今は微生物がいる状態になっているんですか?
全ての公園にすでにたくさんの微生物がいるわけですね。
そのプロジェクトは、実際に生態的な再生を公園の中で行って、
例えば、木を植えたりして、公園自体を改善して、実験したりするプロジェクトなんですけど、
前と後で微生物を調査して、どんな微生物がそこに生きているのかを、ちゃんと分かるようにして、
その知識と、実際に人間の健康のために良い微生物という知識を両方組み合わせれば、
より良い公園のデザインにつながるんじゃないかなという仮説でできているプロジェクトです。
すでに動いています。
面白いね。その公園に行きたいってなるよね。
一方で、結構1ヶ月前ですかね、アメリカのフロリダ州が、
遺伝子組み替えの蚊を、人間の感染症とかから防ぐために放つことを決めたみたいなニュースがいろいろ議論を呼んでいたのを見たんですけど、
その人がある種人工的に、人間の健康だったりのために自然界に介入することによる影響って、
どこまで想像できるんだろうと。
今私たちがやったことが、例えば100年後にもしかしたらものすごく深刻な自然界のハプニングを生んでしまう可能性もあるんじゃないかというところで、
15:06
人間が介入するデザインを考えると、どこまでの範囲を想像したり検討すればいいのかというところが難しいなと思って、そのニュースを見ていたんですけど、そこらへんはどう思いますか。
そうですね。マイクロバイオンの研究から学べる一つの大事なところだと思うんですけど、
体は機械だという考え方は昔ありましたよね。こういうふうに体に介入すれば必ずこういう結果が出て、それでたくさんの病気も治したりできたわけなんですね。
それと比べて腸内細菌はそう簡単な話ではないので、同じ薬を例えば違う人にあげたりしても、違う結果が出たりします。
同じ人間なんですけど、腸内細菌が違ったりするわけなので、必ず同じ結果にならないわけです。
その元にある理由としては、腸内細菌と人間の非常に複雑な関係なんですね。
腸内細菌とパッと言うんですけど、たくさん違う種類があって、腸内細菌もあるんですけど、バクティリアだけではなくてバイラスなどもあったりするわけなので、コロナもそうなんですけど、
知りきれないほど複雑な関係が存在します。
そう考えると、今まで自然科学で正しくこのことをやればこれが起こるという予測をできる前提で覚えていたと思うんですけど、
あんなに複雑な関係について、本当に予測できるのかというところがあるんですね。
先ほど言った通りに、モルティスピーシーズの概念で、人間だけではなくて他の生き物がお互いに頼ったりして、いろんな形でつながっているわけなので、
その関係を全部知らないままで介入して、どうなるかは、本当に真剣に予測しようとしても、おそらくできないわけなんですね。
限界がある。
だといって、必ずしてはいけないわけではないと思うんですけど、そういう結果は知れない状態について、
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例えば、EUの場合は、どうなるかわからないので、まずはちょっと控えめで気をつけて動きましょうという概念があります。
例えば、バラリアとか、そういう遺伝子組み替えのカーみたいな実験でも、多分採用したほうがいいとは個人的に思います。
特にGene Driveというものがあるんですけど、だんだん遺伝子組み替えのカーが普通のカーと代わりになって、最終的に1つの種が完全に消えちゃうという結果なんですけど、
非常に力ある道具なので、力あるほどの責任もついてくると思うんですね。
人間の力があるからこその責任みたいなところを考えつつ、デザインとかを進めなければいけないなっていうのは確かにそう思いました。
マルチスピーシス・シティーズの話を聞くと、自然界に人間のために介入するというよりも、うまい具合に共存できるように整えるみたいな感じなのかなっていうふうに聞いて思っていて、
例えば、マスタープランとか建築とか作るときもそうですけど、エンドユーザーは誰なのかみたいなのを、ペルソナ作って考えてそれに合わせてみたいなところが普通だと思うんですけど、
それを何歳のおばあちゃんとか、これぐらいのビジネスマンだけじゃなくて、そこに生物が入ってきたりとか、ペルソナにビスが入ってくるみたいなね、
そういう世界観ってすごい素敵だなと思います。
実は、同じプロジェクト、マルチスピーシス・シティーズプロジェクトに関わっている友人は、すでに都市計画の授業で、そういうことを実験として学生と一緒にやってます。
いいですね。
ステークホルダーを考えましょうというところで、マスク作って、例えば芝生のマスクとゴキブリのマスクと、オーストラリアの大学なのでカンガルーのマスクと人工のマスクで、ステークホルダーのネゴシエーションをやりましょうみたいな感じ。
面白い。
21:00
いいですね、それは。
カンガルー。
なるほど、なるほど。
あとまたウェブサイトを見ていて面白いなと思って見ていたのが、里町っていう考え方で、バイオカルチャーシティースケイプ。
何でしょうね。
こういう話を聞いてたら、自然がある田舎とかに引っ越したくなる人の気持ちもなんとなくわかるんですけど、都市か田舎かっていうその二択しかない選択肢ってすごい心苦しいなと思っていて。
なんか里山っていう聞くとすごい都会から離れていて、小民家みたいなので自然と競争した暮らしみたいなのがあるんですけど、クリストさんが里町、里山の里と町の町を組み合わせた言葉を紹介されていて、なんかその二つがいい具合にドッキングしたような素敵なコンセプトだなと思うんですけど、
これはどんな概念なんでしょうか。
そうですね。たぶん、日本人に里山って聞くとちょっといい響きがあって、やっぱり田舎いいなってところがあって、もしかして都市に住む人こそそう思うかもしれませんね。
私の意見では、日本もそうなんですけど、世界中で似たような動きなんですが、ほとんどの子どもが都市に生まれて育って、これから都市の中で暮らして大人になるわけなんですね。
だからといって、都市に住んでるから、そういう田舎の良さをアクセスできないのは、良くないなと私は思ってますね。
だったら、もう少し町を田舎ぽくすればいいんじゃないかなという考えで、それは人口密度などそういう話ではないわけなんですね。
里山、私には里山の面白いところは、おっしゃる通りに人と自然の共存っていうところなんですね。
もうちょっと里山を科学的に分析すると、そこで何が起こっているかというと、ランドスケープスティワーチェップなんですね。
日本語に非常に翻訳しにくい言葉なんですけど、あえて簡単に言うと、人はランドスケープの世話して、その代わりにランドスケープは人の世話するっていう関係なんですね。
バイオカルチュラルという言葉には、生物と文化が入っているんですけど、バイオカルチュラルダイバーシティは生物文化多様性でよく訳せるんですけど、
24:10
自然はたくさんの形を持つわけなので、いろんな形で自然と付き合うことが必要です。
人間がそれを長く続けると、それは言語にも反映されます。
だから、多様な言語で、逆にその多様な言語からまた多様な自然も生まれます。
今はもう少し古くなっているんですけど、今まではよく自然を守るためには、そこに人が入らないようにしないといけないわけという考えがあったんですけど、
実は里山みたいな人が長く密に自然と付き合ってきたところの方が、実は生物多様性が多いわけなんですね。
人がいるから生物多様性がないとか、自然がだんだん破壊されるはずないわけなんですね、もともと。
その考えをもとに、山じゃなくて海じゃなくて、町でもそういう自然との付き合い方ができるんじゃないかなと私は思っていて、
多様性の前に里町についていろいろ考えました。
ちなみに、里町としてうまくいっている都市だったり、結構いいバランスで機能している都市みたいなものはどんなところがあったりしますか?
たぶんこの都市がうまくいっているみたいなことはあまり言えないと思うんですね、残念ながら。
しかし、都市レベルではなく、里町っぽく暮らすことはどういう暮らしか、そういうことはもうちょっと簡単に言えると思うんですね。
例えば、本当に自分の庭でも長く庭の世話をして、代わりにその庭のいろんないいところを受け入れて幸せになることはある意味、自分の小さい庭の中で里町を作っているというところだと思うんですね。
しかし、庭を持っていない人もたくさんいるわけなので、そこはやはり個人のレベルを超えて、コミュニティで考えるべきだと思うんです。
公園、空き地、自分の周りの町がそこに住んでいる人が自分の手を入れて、だんだん自分の里の形に隣に住んでいる人と手を合わせて作っていけたらいいなと思っています。
27:16
京都もシェア畑みたいなのが多くていいなと思うんですけど、今私たちが住んでいるアムステルダムでもこの前コミュニティガーデンを発見して収穫祭に呼ばれて行ってきたんですけど、それこそもう本当に住宅街の中のコートヤード、中庭をゲリラ的に住民がそれこそコンクリートの床を全部剥がして、今も綺麗なコミュニティガーデンになっていて、そこでコンポストなんかも作ってるんですけど、
なんか都市に住んでいるからとか、庭がないとか、それ以外にもそういったエクスキューズというか、これができないみたいな要素はありつつ、でもね、そういったコミュニティガーデンっていう選択肢があったりとか、もしかしたら窓で育てられるようなアクアポニックスみたいなソリューションがあったりとか、
いろんな共存の仕方、自然との付き合い方っていうのは選択肢としてあるんだなぁと思って、勇気が出ますね。
そうですね、今年は実はそういう研究をちょっとしてて、私はデザインなどできる人ではないので、プロのランスケープアーキテクトと手を組んで、モルテスペーシスのコミュニティガーデンデザインを作ってみました。
面白そうですね。
どこですか、それは。
まだ実際には存在してないんですけど、とりあえずデザインだけを。
めっちゃいいなぁ。
作って、これから東京と名古屋以外だと思うんですけど、ほとんどの日本の都市は多分人口減少に入ると思うんですけど、スポンジ化といって、あちこちポツポツと空き地が増えてくると思うんですね。
私にとってそれはチャンスだと思ってて、その空き地をうまく使って、モルテスペーシスコミュニティガーデンなどみたいな形で利用できれば、そこに住んでる人の場所への愛着も増えると思いますし、もっと幸せに暮らせるんじゃないかなと思います。
いいですね。
いや、それ最高ですね。
いたいね。
なんか増やせるお手伝いが我々にもできたら。
我々もしたいですね。
ぜひ。
確かに。
なんかそれこそ、私もあんまりそういう畑仕事とか土いじりとかしたことなかったんですけど、なんか渋谷でそういうコミュニティガーデンみたいなものをやったときに、渋谷で植物は生きるのかっていう実験も兼ねてやっていたんですが、
30:03
普段やっぱり渋谷の天気だったり、そこにいる動物どんなものがいるんだろうって、あんまり想像することがなかったんですけど、気温がぐっと下がった日とか雪の日とか、そういう天気にすごく敏感になったり、すごく小さなガーデンだったんですけど、それをきっかけにすごく環境とか自分の街を考える視点がいくつも増えたなっていう経験があって、
なんか小さくてもいいから、そういうのを自分でこう作ったり、身体的に感じるっていうのが多分重要なんだろうなと、私もなんか過去そんなことがあったなと思って、今聞いてました。
実はそう思っている人たちは結構多いわけなんですね。数年前にやった調査で、女性のアンケートを使って、これから人口が減少すると予測されている日本の地方都市4つで、代表的なアンケートして、京都市、札幌市、長野市と北九州市。
人口が減少して、都市が縮小するときに、その土地を何に使いたいと思いますかって聞いてみました。
世界で比べれば、日本のアパートの面積はそんなに大きくないので、もしかしてみんなが狭いなって思って、じゃあ場所があれば、もうちょっと家とアパートなどを大きくしたいなっていう考えがあるかなと思って選択肢として入れたんですけど、多くの人は、いや、それは違いますって答えてくれたわけなんですね。
加半数は何を望んでいるかというと、自然に場所を変え、緑地を増やす、都市農業をしたいっていう人が多かったわけなんですね。
だから、その研究の結果で言えば、多くの人がそれを望む場、都市計画や行政はその方向に働きかけるべきだと思うんですね。
それを考えると、これからの住宅とか建物の在り方みたいなところにもひも付いていくかなと思っていて、それこそ村とかに行って半分崩壊しても自然に帰っている小民家とかよくあるじゃないですか、それってすごい素敵だなと思って自然に家が帰っていっている状態というか、今それこそ都市に建てられているRCとかを使ったような建物は自然に帰らないので、ゴミにしかならないので使った後に。
そういうことを考えると、将来的に自然に帰すであったりとか長期的なサイクルを考えたときに、どのようなマテリアルを使って建物を作るのか、町を作るのかっていうところにも目が行くと思うんですよね。
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そういう意味で面白いなと思いました。
そうですね、私も非常にそう思います。
あともう一つ私が聞きたかったんですけど、私京都に来てその庭を持ち始めてからすごいいろんな、あと川沿いに住んでるんですけど、いろんな虫とかいろんな動物、虫ですねほとんど。
なんか今まで家に入ってきたこともなかったような虫とかに出会ってるんですけど、なんか人によっては本当にそれこそ東京のマンションとかに住んでた頃とかは、ちょっとでもちっちゃな虫とかいたら大騒ぎするような、自分もいたし周りの人もいたなと思っていて、
なんかその人間の動物とか虫、あと植物もいろんな種類があると思うんですけど、なんか寛容度みたいなのって結構違うじゃないですか。
それはなんか調査されているリサーチがすごい面白いなと思って、例えば私この前庭にモンシュロチョウが飛んでたんですけど、のんきになんかかわいいなと思って見てたら、ママとレタスと卵をモンシュロチョウがレタスに卵を産んで全部食べられてしまったという事件があって、
あとから調べたら農家の人はモンシュロチョウを見たらパンって殺すみたいな話を聞いてたりとか、その液晶とか害虫とか雑草っていう考え方もそうですけど、雑草って呼ばれてるものを結構実は食べれたりとか人間の体に使えたりとか、何を持って雑草になるのかとか、なんかその人間のエゴが結構出るところなのかなと思っていて、
この調査ってどんな文脈でされて、どんな都市でされたんですか?
そうですね。先ほどマルティスピーシスはうまくいくように共存するって話があったんですけど、もちろん必ずうまくいくわけではないんですね。たまにはただレタス食べたいので、そういう害虫は来てほしくないとか、
アルムシは自分の家の中にいてもあまり気にならないけど、コルムシだったらちょっとそれは…っていうところはありますね。
だから、絶対的な他の動物は殺していけないとか、そういう考えよりは、何でも続くネゴシエーションだと思うんですね。
人間はどこまで都市を広げて、住む場所を広げて、住み方によって広げていいか広げないほうがいいかみたいなところはあって、
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どんな程度で家まで入ってもいいか、そして人によってもちろん意見が違うので、それも必ずしもこれは正しい意見、これはダメな意見っていうよりも、さまざまな生き方を尊敬したほうがいいと思うんですね。
私がその調査で知りたかったのは、雑草っていう言葉、もちろん価値観が入った言葉で、植物から見れば雑草というものはまずありません。
そこの場所に、その時間にいてほしくないものは人間が雑草と呼ぶんですけど、とか害虫を呼ぶんですけど、それはあくまでも人間の観点ですね。
調査の中で、じゃあ、町のどこの場所で、たとえば野生動物は住んでもいい、住んでほしくないみたいな感じで知りたくて、植物についても知りたくて、アンケート調査に入れたんですけど、
結局、都市の中でも、そういう共存にあった場所と、あまり合わない場所はあると思うんです。
公園は人によって植物、明らかに住んでもいいでしょ、みたいな感じの場所なんですけど、そこで私にとって面白かったのは、インフォーマルグリーンスペース、非公式緑地、アクチなどみたいな空間は、都市の中で公園以外にそこならいいよね、みたいな
住民の意見をいただいた場所でした。
そこならいいよね、っていう余白があるってことですね。
そうですね、もちろん都市の中にたくさんの動物いてほしい、一緒に暮らしたいという人もいて、それはそれでいいんですけど、その反対に、なんていうか、いてほしくなくても、いてもかまわない、なんかコンプロマイズ的なものも非常に大事だと思うんですね。
動物とか虫を本当に愛するまでいかなくても、とりあえず自分の庭では農薬を使うのをやめようっていうところまで行ければ、もうそれで成功したんじゃないかなと思います。
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それでレタスに来た害虫をパッて殺しても、その周りの生態系にあまり害はないと思うんですね。
しかし、そこでたとえば農薬を使うとその効果が広がって、本当は自分のレタスを守りたかっただけなんですけど、ついもっと大きい影響を与えたっていう結果になります。
確かにそれはわかりやすいかもしれない。
確かにすごいわかりやすかった。
なんか確かにインフォーマルグリーンスペースっていう、もしかしたらパッと見、人から見ると汚い緑地とか手入れされてない緑地だなーみたいな風に見えるかもしれないけど、
実はそういうなんか整いすぎてない街の方が、その生物多様性を都市で実現するための作戦としてはね、そういうのを残しておくとか、そういうのを受け入れるって視点が、もしかしたら可能性あるかもなーみたいなことで今聞いてました。
あとなんかそのステークホルダー、その植物、同植物、いろんな生物も人間と同じステークホルダー、都市のステークホルダーの一部であるのであれば、街づくりの現場でも一つのカテゴリーの、それこそ高齢者とかビジネス男性とか、一つのカテゴリーの人が全部ガチみたいなのありえないじゃないですか。
みんなハッピーってこともありえないし、もう永遠に続く交渉とネゴシエーション、妥協、コンプロマイズってことが使われてましたけど、っていうのが都市だなと思っていて、その交渉しつつ妥協しつつみたいなところにいろんな生物も入ってくると面白いなって思って、
ちょっとあのジブリの平成狸合戦ポンポコを思い出したんですけど、あれってそれまでは喧嘩しつつもいろいろ交渉ずっと続けてきた狸と人間が交渉をぶち切られてしまったというか、妥協とか表彰する隙もない、全くコンタクトが立たれてしまった状態になって、
都市がなってしまったというところですごい悲劇的だなと思うんですけど、それを改めて喧嘩とかもしつつ、意見の衝突もありつつ、隣人さん同士仲良くやりましょうや、みたいなところに戻れたらいいのかなっていうふうに思いました。
そうですね、その面で虫とか動物とか植物との生き方は人間との生き方とそんなに変わらないと思うんですね。社会の中でいろんな人がいて、仲良くない人もいるんですけど、だからといって、何とか一緒にやらなきゃいけないので妥協しつつ、
42:11
みんなでそれなりに100%じゃなくても、それなりにハッピーで暮らせればいいんじゃないかっていうふうに社会はできてると思うんですけど、その社会の概念を動物と植物に広げれば、同じ手段でうまくいくんじゃないかなと思います。
いいですね。ありがとうございます。そろそろ時間なんですけど、最後に言い残したことというか、これだけは話しておきたいみたいなことがあったら、ぜひ。
そうですね。なかなか難しいと思うんですけど、今回は都市についていろいろ話したんですけど、最終的には私にとって都市よりはランドスケープを考えた方がいいと思うんですね。
その中に都市があって、人もあって、動物もいて、興味ある人には去年、造園学会で特集を組んで出版したものを進めたいんですけど、ポスト成長社会とランドスケープで脱成長の可能性を考える特集です。
これからはおそらく日本は経済成長、そして人口が増えることは考えにくいと思うんですけど、それにばっかり集中せずに、生き方など、暮らし方を考えると、いろんな新しい可能性が出てきます。
その特集でそういうのを探っているんですけど、きっとそこを一回考えてみれば、ランドスケープのスケールでも、自分の生活のスケールでも、いろんな新しく素敵なアイディアが出てくると思います。
都市ではなくランドスケープ、そうだね。
ありがとうございました。また京都に行ったときにお会いできると嬉しいです。
ぜひ。
今度は蜂の話をちょっともっと聞きたいな、蜂に興味があって。
ぜひどうぞ。
ぜひよろしくお願いします。しばらくは日本にいる予定なんですか?
そうです。しかし、今は総合地球環境学研究所で働いているんですけど、そこの食と農の研究するフィーストプロジェクトに所属していて、そのプロジェクトは今年最終年論なんですね。
だから、来年の4月からは、もしかして京都市ではなく、違うところに行ってしまう可能性が高いです。
45:09
京都に行ってほしいわ。
日本。
日本、そうだね。いろんなところでクリストフさんのような人材が必要なんじゃないかなと思いますね。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
とても楽しかったです。
楽しかったです。ありがとうございます。
ありがとうございます。
今後もこの番組では、年をテーマに様々なおしゃべりを繰り広げる予定です。
次回もお楽しみに。
45:37

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