コミュニケーションと意識の関係
中川 浩孝
コミュニケーション力を究めるゴールデン・トライアングル。 仕事でコミュニケーションを扱う3人が、これまでの経験や最新の話題を語りながら、コミュニケーションとは何かを一緒に考えていくポッドキャストです。
田中 愼一
みなさんこんにちは。 コミュニケーションを極めると自分が見えてくる、世界が見えてくる。
コミュニケーションの世界に携わって40年以上。 コミュニケーション命、シン・田中こと田中愼一です。よろしくお願いします。
高木 恵子
SEからPRコミュニケーション業界に転職してはや四半世紀以上、高木恵子です。
中川 浩孝
外資系企業でマーケティングを経験してきたアメリカ在住中川浩孝です。 前回からの続きです。引き続きお楽しみください。
今でも話を聞いていてすごく思ったのは、意識、全部型が決まっていて、行動のパターンみたいなものがもう全部形式化されているという時に、
それって何も意識しなくて、何も考えなくて、それができるっていう状態になってるわけですよね。
田中 愼一
そうですね。
中川 浩孝
意識を違うことに、次これしなくちゃいけない、あれしなくちゃいけない、こういうふうにやらなくちゃいけない、みたいなことで私たちの脳って常に使われてると思うんですけど、
型が決まっていると脳使ってない状態になるんだと思うんですよね。
私、すごく面白い、全く全然違う例なんですけど、スティーブ・ジョブスの話、私よくしますけど、スティーブ・ジョブスって服を選ぶのがすごく嫌いで、
いつも同じ格好してたっていう話あるんですよ。それを考える時間がもったいないっていうふうに彼は考えていたみたいで、
その通りなんですけど、それってもしかしたら、それを考えたいわけでは別になくて、そういうふうに型が決まっていることによって意識がそこに行かなくなるから、違うことに脳の能力が使える。
それはもしかしたら、普通の人たちが使っている意識とは全然違うレベルの発想が出てくるっていうのが、そういうふうに何も考えないときに出てくるっていうのがもしかしたらあるのかなって今ちょっと思ったので、
すごくそこが修行の感じともしかしたら実は似てるのかもしれないなってちょっと思ったんですよね。
田中 愼一
似てますね。型とかあるいはルーティン。
高木 恵子
だからスポーツ選手がそうなんじゃないですかね。
中川 浩孝
そうですよね。
高木 恵子
イチローさんとか大谷さんも、朝から球場に行くというか、そこまでのルーティンって毎日同じなんですもんね。
マンダラの哲学
田中 愼一
だから、型なんかルーティンなんかそうですけども、それをやることによって、意識しなくても無意識で世界が働いてくれる。
っていう架け橋になるんでしょうね。そのルーティンとか型を作る。
これが普通で言うと儀式であったり、宗教の場合はね、儀式であったり、イベントであったり。
だからなんかそういう方法を、だから我々見えない世界と結局昔からずっと何らかの形で対話しているっていうことなんでしょうね。
でもそういうふうに捉えると、結構工夫ができてくるのかなと。
つまり人生生きるのに、もともと仏教っていうのは、宗教みんなそうなんでしょうけど、仏教っていうのは人生くなりで始まってますから。
そこをどう乗り越えるのかっていうところから始まってるわけですよね、ブッダはね。
で、そうなるとやっぱり基本的に見えない世界とどうつながっていくかっていうのが、実は苦を乗り越える非常に重要なポイントだっていうかね。
で、もう一つ面白い言葉が出てきたのが、マンダラっていう世界には死がないんですよ。
仏教とか宗教って必ず死が纏いつくでしょ。
必ずそうなんですよ、死後の世界どうなのかとかね。
中川 浩孝
確かに。
田中 愼一
こうやると死後の世界生まれ変わりますよとか。
こんなの、我々の例えば宗教、あらゆる宗教でもほとんどだいたいみんなそんな感じじゃないですか。
いやこういうことをやっちゃダメですよ、天国に行けませんよとかね、成仏できませんよとかね、いろいろ脅しなんですよね、ある意味ね。
宗教はもともとそこが脅しが効くから、そこでものを作らなくても金が集まるっていう、そういうビジネスですよね、ある意味。
だから脅しがうまいんですよ、宗教元来ね。
でもマンダラってすごく面白いのは、
多分マンダラについてこれからもいくつか話そうと思いますけどね、今後ね。
マンダラは死が本当にないんです、今なんです。
つまり生きているっていう要素以外何も入ってないんです。
だから非常に生きることに対してものすごい肯定的で、
肯定してて、肯定する中で、ある意味人間が本来持っている、
例えば宗教がそこは煩悩とかね、いわゆる欲望とかそういうのを抑えろっていうのが宗教の一つの規律で頭に我々なんかずいぶん入ってるんだけども、
マンダラの世界ってそうじゃなく、死のかけらも入ってないから、
今生きることにどれだけ一生懸命にならなきゃいけないのか、
今生きていることがどんなに素晴らしいのか、
今本当に無限の可能性を持っているぞというような感覚がものすごくあるんですね。
で、日本の密教では、日本の密教っていうのは非常に独自の発展をしてきて、
弘法大使空海さんがそういうふうにしたんだと思いますけども、
他に今密教っていう形で展開しているのは日本のほかには、さっきちょっと言ったかもしれません、ネパールトはチベットなんですね。
密教の独自性と多様性
田中 愼一
で、ダライラマなんかね、チベット密教のまさに教祖さんになってますけど、
でも日本の密教の特異性っていうのは、
2つのマンダラっていうのを、
両界マンダラって呼んでいて、胎蔵マンダラと金剛界マンダラってあって、
これがですね、実に面白いのが、胎蔵マンダラっていうのはどっちかというとですね、
さっき言った世界の構造についての捉え方を、
言葉ではなく、非常にいろいろな仏像とか、
いわゆる菩薩如来とか、天とか、いろんな神様がいるんですけど、
それを全部集合させた感じですね。
で、世界の構造っていうのを見せてる。
もう一方の金剛界マンダラっていうのがあるんですが、
これは何を見せてるかっていうと、実はですね、昨日気がついたんだけど、
心の構造を伝えてるんですね。
だからさっき言った僕の、見える世界、見えない世界っていうのが、
日本の密教ではどういうふうに表現されてるかっていうと、
見える世界に関しては、こういう世界なんだよっていうんで、
このいわゆる胎蔵マンダラが図表として表現されてるんですね。
高木 恵子
ああ、なるほど。
田中 愼一
で、もう一つは、もう一つの世界である、つまり心の世界、心の構造ですね。
これがいわゆる金剛界マンダラっていう図表で定義されてる。
で、両方の図表とも非常に幾何学的な表現であり、
丸とか対称性っていうものがものすごくクリアなんですね。
だから描かれているものっていうのはものすごく多様なんですけれども、
そういう幾何図形的な表現、それから左右対称っていう表現、
それから円という広がりをね、使ったこういう図形によって、
見てると不安を覚えないんですね。
逆に安定していく、よく最先端のアートだって言って、
見ると不安を感じるようなね、
もうとにかくいろいろなものが入ってて、
もうね、多様性って呼べるのかこれって思うぐらいに、
たくさんあるの中で不安を感じるでしょ。
でもマンダラっていうのはたくさんのものがあるんだけど、
そこに全部ね、集約、安定性がある。
密教の場合っていうのは、実は非常に欲張りで、
実は密教っていうのは、当時仏教が、これ6世紀、7、8世紀ですかね、
インド、当時のインドっていうのは、もともと仏教の発祥の地なんですけれども、
実は仏教が非常に弱くなってきて、
イスラム教と、それからあとヒンズー教っていう、
この二大教的な現れで、どんどん押しやられそうになったんですよ。
そしたら基本的には、そこで仏教の救いっていう形でですね、
密教っていうのが生まれてきたんですね。
だから仏教の中でも密教が一番最終ランナーって言われているね、
ですけれども、
それで何が起こったかというと、
密教がどうやったらイスラム教と、それからヒンズー教と戦えるかって言って、
二つのことをやったんですね。
で、その一つは何かというと、
向こうの神様を全部自分の方に引き寄せてしまうっていう。
で、わかりませんけど、マンダラ見てるとね、いろんな仏様がいるんですね。
どういう名前がついてる?
如来っていうのが一番上なんです。
その次に菩薩っていうのがあって。
で、その次に観音さんというか、
まあ菩薩ですね。
あと、それから天。
なんとか天。
毘沙門天。
あの天ついたのはほとんどヒンズーの神様なんですよ。
高木 恵子
へー。
田中 愼一
だから全部吸収するわけ。吸収合併。
今で言うM&A。
同意なき合併というかね、買収と言うか。
どんどん名前を作っちゃって、天をつけるだけなんですけどね。
作ってそれぞれに役割を与えて、
ヒンズー教、イスラム教の神様たちをぐわーって囲い込んじゃうんですね。
高木 恵子
へー。
田中 愼一
これが一つ。
それからヒンズーとイスラムがやってない新分野開拓っていうんで、
そこで作ったのがさっきの儀式なんですよ。
瞑想法。
高木 恵子
へー。
田中 愼一
いわゆるどうやって、まあ僕の言葉で言うと見えない世界と繋がるかという形の儀式っていうことで、
身口意っていうね、身体の身、動きですね。
それから口、言葉ですね、口。
それから意識の意って言って、心の持ち方。
この3つをどう操作して、どういう儀式を通じてそれを発揮するかによって、
いろんな形の業、より効果的な業ができるようになるっていうのを売り出した。
そういうところなんで、マンダラを見るととてつもない数の神様が入っちゃってるわけですよ。
中川 浩孝
なるほどね。
田中 愼一
ある意味、日本って八百万の神が寄り添って住んでるじゃないですか。
こんな世界、世界にどこにもないんですよ。
高木 恵子
うんうん。
田中 愼一
それがもうまさにマンダラの中にギューって入ってきてる感じ。
だから、すっごい複雑で、すごい多様で、すごい色も鮮やかで、
めちゃくちゃ発信、表現がすごいんだけど、人間表現だけがすごいと不安を覚える。
そこにさっき言った図形的な秩序の安定をビルトインさせることによって、
より効果的な業に使うためのアイテムを開発したわけですね。
中川 浩孝
面白い。
田中 愼一
それがね、マンダラなんですよ。
だから、そのマンダラを使って色々な修行、行をやるわけですね。
だからこれはまだ僕はそこまで勉強し尽くしてないんですけど、色々な形があります。
で、これは密教だけじゃなくて、今言ったように座禅を組む禅宗もそうですし、
いわゆる教を唱える他の浄土宗、浄土真宗、日蓮宗もそうですし、
あと密教ね、これは真言宗と天台宗があるけど、密教もそうですし、
何らかのそういう、二つの世界をどう繋ぐかっていうところで修行してるっていう、
だからかなり面白い話ですよね。
だから僕自身もやっぱりマンダラ見てると心落ち着きますよ、本当に。
密教美術とコミュニケーションの重要性
田中 愼一
で、密教美術っていう密教芸術っていうのは一つのもう確固たる芸術の分野なんですけども、
やっぱり中心になるのがマンダラですね。
で、ちょっとマンダラの話に偏りすぎちゃったけど。
中川 浩孝
でも、完全にマンダラの会ですよ、これ本当に。
でも、いつものこれを宗教じゃない方法でどういうふうに切り取るかっていうのがすごく大切ですよね。
田中 愼一
だから、そこがね、やっぱりすごく重要だなって感じですね。
コミュニケーションっていう表現で、今言った思想、発想を説明できないかっていう。
中川 浩孝
まあでもね、それをユングとかがやろうとしたみたいなのもすごく
やっぱり科学的な方法でやろうとしたのもすごい面白いなと思うし、
あとはなんか脳波とかそういうのもありますよね。
座禅とか組んで、その瞑想に入ると出てくる脳波が変わるとか。
田中 愼一
多分ね、量子力学がどんどん進んでくると、そこの部分が解明されてくるんじゃないですかね、科学的にね。
ただいずれにしても、さっきも言ったけど、科学じゃどうにもならないところもだんだん大きくなってくるんで。
解明されればされるほどね。
中川 浩孝
そうですね。
田中 愼一
だからここあたりっていうのをどう考えるのかっていうことなんですけど、
僕から言わせるとやっぱりコミュニケーションだと思うんですね。
宗教というよりもね、コミュニケーションってこれ人間の基本行為なんですよ、コミュニケーションって。
受信して発想して発信するって、これぐるぐる毎日今もやってるわけですよね、我々。
で、これが意識と意識を結んでるわけでしょ。
で、そのコミュニケーションの仕方が意識と意識を結びつけると同時に、
当然ながらコミュニケーションのやり方が、見える世界と見えない世界を結びつけるわけですよ。
だから僕から言わせると対話、つまり見えない世界との対話、無意識との対話、真相真理との対話。
当然意識してる世界では毎日こうやって対話してるわけですから。
今度はそういう、なんて無意識に対してどう対話していけばいいのかとか、
それから見える世界でも見える事象とどう対話するかっていう世界は僕はあると思ってるんですね。
それは何があっても、目の前にある事象っていうのは必ず何らかのメッセージっていうものをですね、やっぱり伝えてくるわけですね。
だから基本的には、事象っていうのは必ずたくさんのメッセージを抱え込んでるわけですよ。
そのどのメッセージを受け取るかっていうのは受け手の方の問題で。
クライシス時のコミュニケーション
田中 愼一
だからコミュニケーションっていうのをやっぱりしっかり回してしっかり身につけていくと、受け取り方がガラッと変わってくるわけですよね。
高木 恵子
ああ、まあそうですね。
田中 愼一
だから正しい受け取り方って、これはね、今週クライシストレーニングやったんで、何がわかるかっていうと、
クライシスの一番難しいのは、一つ事件が起こってボーンと事象が出てくると、様々な人が様々な捉え方をするわけですよ。
一つの捉え方をしてくれれば、これほど楽なことはない。
でもありとあらゆる人が、ありとあらゆる捉え方をし、ありとあらゆる発信しちゃうんですね、みんな。
これがクライシスを炎上しまくらせるわけですよ。
だからこそ、クライシスになると企業のステークホルダー、あるいはパブリックに対するコミュニケーションっていうのが、もう非常に重要になるんですよ。
このコミュニケーションを間違えると、皆さん勝手に想像して、勝手に捉えて、勝手に動いて、勝手に発信するっていう。
だから、そういう意味で、ビジネス上、僕もひしひしと今、有事365日って言葉を使ってますけども、もはやピンチしか来ない時代に我々入ったと思うんですね。
こう言うとみんな悲観的だって言うけど、そうじゃない、本当に。
もうね、チャンスをチャンスにするって時代は終わったんですよ。
もうね、で、まかり間違うと、チャンスをピンチにするやつが出てきてますけども、言語道断で。
今からやらなきゃいけないのは、とにかくピンチしか来ないんだから、ピンチをどうチャンスに変えるかっていう能力を身につけないとダメで、その鍵はもうコミュニケーション力をつけるしかないんですね。
なぜかというと、絶えずそのピンチをチャンスに変える可能性ってどこから出てくるかというと、発想なんですね。
でも発想はどこから出てくるかというと受信からなんです。
だから受信力を高める、高める。
それからそこから発想力を高め、発信力を高めるっていう、受信発想発信っていうものの力っていうのを高める。
言い方変えるとこれコミュニケーション力です。
だからこのコミュニケーションという受信発想発信っていうのをどれだけ強めるかが、基本的には今言ったようなですね、正しい見方っていうものが見えてくる。
一つの目の前に現れた事象をどう正しく見るのか、それにどう発想するのか、そこに対してどう行動するのか、つまり発信ですよね。
これを絶えず回していかないとピンチをチャンスにはできないですね。
中川 浩孝
この話聞いてるといつも最近思ってるのは、何かが起こった時にこれはピンチなのかこれはチャンスなのかっていうのを考えてはいけないんじゃないかっていう感じがしてきますよね。
それは事実として受け止めるっていうことしかない。
たぶんこれが私とけいこさんがそういう考え方をしてるんだと思うんですよ、どっちかっていうと。
悪いこととかいいこととか思わず、とりあえず事実としてこれをどう捉えるかっていうのしか考えていないので、それに対してどう対処するかしか考えていないので。
あ、なんかすごい嫌なこと来ちゃったって、たぶんけいこさんあんまり思わないでしょ。
私もたぶんあんまりそういうふうに考えないようにしてるんじゃないかなっていう感じがします。
田中 愼一
たぶんね、それはすごく重要なんですけど、まず一般の人は嫌だなと思うんですよ。
一般の人はね。
高木 恵子
いや、私だって嫌だなって思いますよね。
ヒロさんだって嫌だなとは思うことはありますかね。
中川 浩孝
嫌だなとは思うんですけれど、それはそういうものとして捉え、仕方ないからそういうふうに思うっていう。
田中 愼一
ただその発想は正しくて、ディスカレッジされなきゃいいんですよ。
一番ダメなのは嫌だと言うとディスカレッジされちゃうんですよ。動きが鈍くなるんですよ。
ピンチが来ても、ピンチをチャンスに変えるためには、ピンチが来たときにピンチって見ちゃいけないんですよ。
あとチャンスとしても見ちゃいけないんですよ。
つまりパッと来たときは、その事象からどういうメッセージを受け取るかっていうのが重要で、
それをピンチだって言ったらそういうメッセージを受け取っちゃうことになるし、
チャンスだと言えばチャンスっていう見方で受け取っちゃうんですよ。
そこは空じないとダメ。空じるっていうのは空気の空ですね。
空じるって僕は言葉を使うんですけれども、そこで判断するなと。
覚悟の重要性
田中 愼一
判断が基本的には思い込みなんですね。
だから正しい思い込みをしなきゃいけない。
中川 浩孝
正しい思い込み、そうですね。
田中 愼一
正しい思い込みにするためには、その事象が現れたときに自分を空じるっていうかゼロにする。
ゼロにするっていうのは判断しないってことです。いいか悪いか。
そうするともっとニュートラルな目が育つわけですよ。
しかもディスカレッジされない。
そうすると見えてくるんですよ。これこういうチャンスになるなって。
だから一旦ね、自分の心を空じないとダメなんですね。
僕のやってるトレーニングでは、それをやるんです。空じる。
空じるっていうのをやるためには、しかもチームで空じんなきゃいけない。
彼らのチーム、つまりトップメンバーが、まずクライシスのときに一番失敗する例はトップメンバーがワンチームにならないことなんですよ。
そうするとね、非常に往生際の悪い対応になるんですね。
みんながバラバラで、みんなが元気のある人もいれば悪い人もいればね、悲観的に考えてるやつもいるし、
これを一挙に1時間以内にギュッとね、ワンチーム化しなきゃいけないんですね。
その中で、今言った心をゼロにさせるっていうのが実はかなり重要な部分で、
それをどうやってやるかというと、みんなから意見を出させるんですよ、ボンボンボンボン。
みんな自分の思い込みを言うから。
そこで大事なのはリーダーなんですね、トップなんですね。
そこを、自分の意見を言うんじゃなくて、みんなの意見を吐き出させるっていう機能が必要なんですよ。
だからうちはそこにフォーマットがあって、フォーマットを使って議論を進めていくから、全員吐き出させるんですね。
それがあるとトップの方も吐き出させる安いフォーマットだから、どんどん吐き出させる。
吐き出させるとだんだん自分の意見も言い始める、トップが。
そうすると結構そこに反論が来る。
いやこれダメですよ、より細かい現場を知ってる連中からの声がどんどんどんどん届いてくる。
その中でトップだけじゃなくて、そこで議論しているトップメンバーがですね、
徐々に心がゼロになっていくんです。空になっていく。
そうすると、これを思い込む。やばいよ、そうだよね、とかね。
でもこれ患者さんから見たらどえらい話よ、とかね。
様々な、そこで一番出てくるのは、誰がどう見るかっていう話なんですよ。
そうなると、今のクライシスです。ステークホルダーは360度だから、
ものすごい数の相手の立場に立たなきゃいけないっていうことに徐々に気が付き始めるんです。
一時間以内に。そうすると、だんだん何が取れるっていうかね、思い込みが排除されていくんですよね。
思い込みが排除されると何が起こってくるかというとですね、相手視点がもっとクリアーに見えてくるんですね。
相手視点がクリアーに見えてくるとですね、どこに自分は覚悟を決めなきゃいけないか。
例えば、覚悟って何かというと情報開示が一つ。どこまで情報開示をするのかって、あれ覚悟の問題なんですよ。
本来みんな情報開示したくないの。なぜかというと、普通のオペレーションに影響するとか、怒られちゃうとか当局から。
だから情報開示しない。でもそこを覚悟してあえて情報開示しないと、やっぱりやばいよねと。
相手視点に立つというのがわかってくる。あともう一つは、実際の判断で行動を起こす時ですね。
クライシスで行動を起こすっていうのは、再発防止、拡大防止とかいうところに手を打つわけですよ。
でもそれやると平常のオペレーションが崩されるっていうことが出てくる。損害がこれだけ上がっちゃうよって話になってくる。
だからそこで覚悟できるかどうか。そうすると覚悟が見えてくるんですね。
ここからですね、今度は自己暗示の世界が入るわけです。
はい、皆さん、もう覚悟見えてきましたよね。覚悟してください。
ここは個人任せにするしかない。でもチームで考えてるとやっぱり覚悟しやすいんですよ。
そうだよな、ここは泣くしかねえよなとかね。ここはやんねえとやばいよなとかね。
コミュニケーションの重要性
田中 愼一
それがチームで考える。これ大事なの。これ社長で考えてもダメなんです。チームが動かないから。
そうすると覚悟が共有化されて、いわゆる自分ごと化すると、何が生まれるかというと余裕が生まれてくるんですよ。
これ不思議なもんで。つまりもう覚悟しちゃってるから、はっきり言って余裕なんですよ、これ。
人間は面白いもんですよ。覚悟すると余裕出てくるんです。余裕出てくると、いよいよ最後のとりが出てくるわけです。
それは何かというと、チャンスが見えてくるんですよ。チャンスがね、ほんと見えてくるの。これがね、面白いんです。
で、これを1時間以内にやんなきゃいけない。これトレーニングのときも1時間以内なんだけど、実際に起こったときもやんなきゃいけないんですよ、1時間。
高木 恵子
まあそうですよね。
田中 愼一
だからトレーニングも1時間でやんなきゃいけないんですよ。だからそこのファシリテーションを1時間やるわけです。
そうするとね、ビフォーアフターでもう全然意識が変わる。だからチームで落とすってこれが鍵なんですね、クライシス対応が。
中川 浩孝
なるほど。
田中 愼一
っていう風にうちのノウハウを今披露してますけども、私も世のため人のためって思ってますんで、
もう最近は僕は布教活動をしてるって思ってるんで、コミュニケーションの布教活動をしてますんで、
もうそういうね、ひと昔だったら絶対言わない、あのね、企業秘密の、
中川 浩孝
秘伝ソースみたいなものですよね、確かにこれ。
田中 愼一
みなさん使って!って感じで。
中川 浩孝
なるほど。
田中 愼一
だからそういう意味でやっぱり、いろんな意味でコミュニケーションという言葉を使って、やっぱり表現し直していくって絶対重要だと思いますね。
僕はそれはですね、このトライアングル、ゴールデントライアングルの使命だと思いますね。
高木 恵子
素敵です。
田中 愼一
悩みをコミュニケーションの言葉で解決していくっていう。
高木 恵子
いいですね。
田中 愼一
それ結構大事かなと思ったね。
高木 恵子
確かに。
田中 愼一
じゃないとね、僕の場合ね、仏教の話が出てきちゃうんで。
初期仏教とマンダラ
田中 愼一
唯一仏教の言葉を出させない方法ってコミュニケーションの話をするしかないんですよ。
中川 浩孝
なるほどね。
いやでもなんか本当にエッセンスとしてはすごくいいエッセンスなので、
なんか本当これをどういうふうに違う皮にするかって話なんですよ。
そういう意味では全然でもいいと思うんですよね。
学びはすごいやっぱりありますよね、確かにね。
高木 恵子
本を読んだ感じです、田中さん。
確かに、本読まずに学んじゃった。
本読まずに田中さんの話で一冊の本を読んだ気になりました。
田中 愼一
日本国民はもう本読むのやめましょうね。
ゴールデントライアングルを聞きましょうってこういう感じですかね。
高木 恵子
これを聞いたら本を読む代わりになるかもしれない。
中川 浩孝
素晴らしいじゃないですか。
田中 愼一
こうなると皆さんしたたかに生きていけますよって感じで。
そうなるとまた宗教っぽくなっちゃうよね。
だからそこを気をつけなきゃいけないんですよね。
コミュニケーションの世界って、ここだけじゃない、これ話してるんだけど、
追求していくとやっぱり少なくても仏教的な思考と非常に結びついてきちゃうんですよ。
これは説明しろって言ったら何時間もかかっちゃうけど、
それが40年以上コミュニケーションに携わってきた、今僕自身が持ってる実感なんですね。
非常に仏教って、これは初期仏教って言われてるのは非常に合理的なんですね。
だから19世紀に入ってユングが出てくる前、
ドイツ、フランスでは初期仏教の合理性っていうものにもっと注目をして、
しかもキリスト教とかイスラム教と違って絶対的な神がいないのに、
なんで宗教的現象が起こるんだっていうところから、
ヨーロッパの学者たちは初期仏教に興味を示したんですよね。
これは今でも興味を示して、前も言ったと思うんですけど、
アインシュタインとかいろんな現代物理学者が仏教っていうのが価値ある思想だっていうふうに捉え方してるんですけども、
その後今度ユングが入って、今回のマンダラっていうものに注目を浴びてきた。
またこれは別の視点からの精神医療というか、精神医学というか、分析心理学というか、
そういう面からマンダラっていうのに今注目を浴びてる。
だから仏教っていうのは二つのものに今世界から注目を浴びてて、
一つは元々合理的な、ある意味革的思想と非常にマッチした初期仏教の発想と、
今で言うマンダラっていう、どっちかというと分析心理学の世界の話ですよね。
だからそういう意味では面白い分野だと思いますね。