映画「シラート」の紹介とあらすじ
この時間は、日替わりコメンテーターが独自の切り口で、多様な視点を提案するCatch Up。
木曜日は、クリエイティブプロデューサーの三好剛平さんです。三好さん、おはようございます。
おはようございます。
さて、今日はどんなものを紹介してくれるんでしょうか。
はい、今週は、明日6月5日金曜日より、福岡ではKBCシネマにて公開となります。
スペインとフランスの合作映画なんですけれども、タイトルをシラートという映画をご紹介します。
この映画は、昨年のカンヌで初公開されまして、それから今日に至るまで、マットマックス越えの衝撃体験。
こんな映画は見たことない。本年度ベストなど、どれもちょっと異様な熱気のコメントとともに、注目を集めてきた作品でございまして、
僕もやっと拝見できたんですけど、なるほどと、これはもうちょっととんでもない、化け物みたいな映画だなということがよくわかりましたし、
さらに言えば、ここ大事ですけど、1万%映画館で鑑賞しないと意味がない映画であるということもここに断言します。
ということで、その魅力をここから順にご紹介していきます。
まずは映画シラートのあらすじからご紹介していきます。
砂漠で行われるレイブパーティー、大きい音でバンバンバンバンって踊るレイブパーティーってのがありますけど、
このレイブパーティーに参加したまま失踪してしまった娘を探すために、父ルイスと息子エステバンという親子がいるんですけど、
この2人がモロッコの山岳地帯から砂漠の奥深くへと車を走らせるところから映画が始まります。
行き着いたのは現実と幻覚が混濁するような野外レイブパーティーとそのカオスでございました。
会場には山積みされたスピーカーから、昼夜を問わず鳴り響く耳が破れるほどの重低音に人々が身を預けてはひたすら踊り狂うようなただならぬ雰囲気のパーティーが延々と続いているわけですね。
なんですけどそこに娘の姿は見つかりません。
そこで父と娘はその会場で出会った複数の男女のグループがいるわけですけども、
この男女グループを追って、さらに娘が向かったと思われる次のレイブ会場を目指すことになるが…という、そういうお話になるんですね。
「シラート」の受賞歴と監督・プロデューサー
先にちょっとこの映画の概要を言っていくと、この映画は昨年の観音映画祭のメインコンペ部門で世界初公開されたわけですけれども、
公開されるとですね、今回の観音映画祭はこの作品のために開催されたとかっていうぐらいの激唱がメディアに掲載されるほど、とにかく圧倒的な注目を集めまして、最終的に審査委員賞をはじめとする4つの賞を受賞しました。
そこから今年の3月時点まででも各国国際映画祭や映画賞を124ノミネート49受賞という会場。
さらには、2026年のアカデミー賞では国際長編映画賞はもちろんでしたけれども、スペイン映画でありながら音響賞にまでノミネートされたことで、さらに注目も集めました。
この映画、手がけたのはオリベル・ラシェという1982年生まれの監督でございまして、この監督、これまで発表してきた3本の長編が全て観音国際映画祭の各部門でそれぞれ上映されては賞を受賞してきたようなそういう人物でございまして、
今回の長編4作目となる本作シラートでは、いよいよそのメインコンペ部門で審査員賞まで受賞しちゃったという、非常に実力派監督ですね。
今回のこのシラートという作品に関しては、スペインの名称、オールアバウトマイマザーとかも手がけたペドロ・アルモドガルという名監督いますけれども、この監督がプロデューサーにも名を連ねたことで、さらに注目を集めたりもしていました。
著名監督たちからの賛辞と劇場鑑賞の重要性
この映画なんですけど、現役の実力派映画監督たちから異様な熱気の劇場を集めているところも実はポイントでございまして、先ほどのペドロ・アルモドガルはスペイン映画の新しい夜明けとかって言うし、
シェイプ・オブ・ウォーターとかでアカデミー賞も取ったギレル・モデル・トロって監督いますけど、あの人も類まれない映画とかって言うわけです。そしてさらにね、君の名前で僕を呼んでとか、今では非常に注目される監督ルカ・グアダニーノっていう人いますけど、この人も誤解の限界を突破する一作、必見とかって言うわけですね。
そしてさらに昨年ね、もうワンバトル・アフターナザーで文字通り本当にね、もう映画の最高賞を取ったようなポール・トーマス・アンダーソン、この人も映画館で体験すべき真の映画っていうような、そういう惨事を寄せるほどなんですね。
ライバルというか仲間たちがこんだけの惨事を送ってるんですか。
そうなんですよ。もうね、そのワンバトル・アフターナザーなんてさ、もうまさしくそれが映画館で体験すべき真の映画だったはずなのに、そのポール・トーマス・アンダーソンをしてこう寄せ締めるっていう。なかなかすごいことだなと思うわけです。
で、実際ね、この映画、まずね、そのレイブパーティーに始まり、その後劇中業者で鳴り響く、そのレイブミュージックのですね、もうね、ゴンブトな音響ね。ゴンブト音響です。
で、さらにまあそのやっぱり見る見る、その緊迫感を増していく物語を身をもって体感することがまず必須の条件になりますし。
さらにはね、これポイントですけど、サハラ砂漠で撮影されたこの映画なんですけど、その途方もなく広大な自然の中にポツンと佇む人間たちを見つめるこのスーパーロングショットとも言うべきこのロングショットですね。
その圧倒的な寄る目なさ、もうね、もうなんかどこにも頼る術がないっていうような、その不安も含めたその体感こそ、もうはっきりと映画館で味わわないと意味がないほどの代物だと思いました。
これね、もしね、劇場鑑賞必須部門なんていう映画賞があるんだったら、もうね、今年もう間違いなくこの映画で決まりだと思います。
劇場鑑賞、必須部門賞、受賞。
そうそうそう、三好的にも劇場鑑賞、必須部門賞もあげます、この映画で。
で、ここから少し作品の中身についても触れていきたいと思うんです。
「シラート」の世界観とテーマ
で、この映画、もうね、とにかくね、見ている間中ずっとね、これ今何見せられてんの?っていう具合でですね、観客はもう一切予測のつかない映画になっていきます。
もうね、予測も計測も一切機能しません。ただ放り出されたらひたすらその世界に身を預けて、もう生き残るまで進み続けるしかないみたいな映画になっていくんですね。
これは映画のタイトルであるシラートっていう言葉なんですけど、実はこれですね、天国と地獄をつなぐ髪の毛よりも細い架け橋みたいな意味なんですって。
で、まさしく私たちはもうこの映画の中でその一筋の希望の道を自らの力で引き上げている以外にもう術はないっていうような、そういう映画になっていきます。
で、そんな映画の中で切り立ってくるのは、私たちを取り巻くこの世界の真の説理みたいなものがどんどん明らかになっていきます。
っていうのが、私たちは日々ね、現実を生き抜くためにも自分たちを取り巻く世界っていうのは、何かしら理屈とか理由とか、なんか道理が通るようなものとして信じ込みたいわけですよね。
ってかもうそうでもないとやっていけないわけですよね。不安だし、物事が通っていかないから。
なんだけど、実際のところ世界はそのようには全く運行されていないという現実がどんどん明らかになっていきます。
そこでは私たちの存在、生命みたいなものとかっていうのが一切意に介されることもなければ、人間による意味づけも常識も一切通用しない。
もうただひたすら起きることが起きるだけっていうぐらいの、もう取り付く島のないほど冷徹な説理で世界が運行されているっていう現実にどんどん直面していきます。
怖いんですよ。めっちゃ怖いです。
もう受け入れるしかないみたいな。
そうそうそう。でね、やっぱ私たち普段の生活を送る限りでは、それほどまでに暴力的な世界の実装と一定の距離を保って生きてるから、ついついその現実を見過ごしてるわけですけれども、
もう実際の世界の説理と現実っていうのは本当に恐ろしくて容赦のないものなんですね。理屈も通用しなければ願いも祈りも一切通用しない。もうそういう現実に登場人物たちを、そして観客である私たちを容赦なく放り込んでしまうのがこの映画なんですね。
リフジーンみたいな。
もうすごいんですよ。そんなことになった時に、もう私たちができることって何なんだろうかみたいなことになっていくわけです。文字通り生存、生き残るっていう、それ自体が賭け金とされたような人間ができる最後のことって何なのかみたいなことになっていくわけです。
で、そこにこそそうした恐るべき現実をひととき忘れてビートに身を預け、せめて今ここにある生命を祝福するダンスっていうものが現れてくるし、髪の毛ほどに細い一筋の道、すだちシラートですね。
自らの決断と歩みで意地でも引き当てて生き延びるっていうのはそれしかありえないわけですね。この映画はそれほどまでに切り立った世界の本当の姿と私たち観客を疑似的に映画の中で出会い直させてその体験に放り込んでしまう。もうね、本当にとんでもない、化け物みたいな映画だと思います。
映画「シラート」の鑑賞推奨
見終わったらどんな気持ちになるんだろう。
とにかく生きて帰れてよかったと思います。
無事生還できたみたいな感じなのかな。
果たして生き残れるかどうかわかんないですからね。本当にヤバい映画ですこれね。
でもね、そんなぐらいのね、ちょっとね、なかなか現実で体験しようがないぐらいの緊迫感と恐ろしい思いというか、夜目なさというかね、みたいなことを疑似的に体験することになるこの映画シラート、絶対に劇場で必見だと思います。
ということで、これ、明日6月5日金曜日より福岡ではKBCシネマにて公開となりますので、これね、何度も申し上げている通り、とにかく劇場鑑賞、必須の一本でございますので、ぜひ劇場でご覧くださいというご紹介でございました。
はい、イエさん、ありがとうございました。