映画「猫を放つ」の紹介
日替わりコメンテーターが独自の切り口で、多様な視点を提案するCatch Up。
木曜日は、クリエイティブプロデューサーの三好剛平さんです。
今日はオンラインでのご出演です。三好さん、おはようございます。
おはようございます。
さあ、今日はどんなものを紹介してくれるんでしょうか?
はい、本日はですね、KBCシネマで、明日6月12日金曜日より上映となります日本映画をご紹介します。
日本映画?
作品タイトルは、「猫を放つ」という映画でございます。
これね、7年間もの制作期間と、かなり普通ではない、ある驚きの完成させ方によって生まれた、102分の日本映画でございまして。
これね、詳しい内容はまたちょっと追って説明するんですけど。
この映画、昨年のプサン国際映画祭のコンペティション部門で初上映されて、5月ぐらいから東京では上映になっているんですけど、
それが6月に福岡で上映されるということで、その魅力をここからご紹介したいと思います。
映画「猫を放つ」あらすじと登場人物
まずこの映画、猫を放つのあらすじからご紹介するんですけど、
物語はですね、すれ違う夫婦の、若き夫婦の現在と、かつての記憶を揺さぶる友人との再会を、過去と現在を交錯させながら描くラブストーリーといったものになります。
もう少し具体的にあらすじを触れていくんですけど、
まず音楽家の森というですね、森君というですね、この男の男性がいるんです。これが主人公に当たるような人なんですけど、
この音楽家の森は写真家である妻、舞子とですね、夫婦として一緒に暮らしてはいるんですけれども、
ある出来事をきっかけに一度すれ違ってしまった心の距離を、その後もずっと埋められずに悩んでいるというですね、そんな夫婦になるんですね。
そんなある日、主人公の森君はですね、かつての友人である浅子というですね、女性と思いがけない再会を果たします。
再会して長い散歩をしながらですね、互いの近況を交わし合ううちに、森君はですね、彼女への古い愛情、かつて抱いていた愛情を呼び起こしちゃったりして、
やけぼっくりに。
ねえ、みたいなことなんですけどね。さらに浅子さんも当時森に抱いていた気持ちを思い出しますということなんです。
なんですけど、映画はそこからですね、2人が数年前に重ねた当時の日々の記憶っていうのを、次々と読み上げられていくわけですね。
なんですけど、その記憶はどこか曖昧で、それぞれの一人一人の中で、ちょっと都合よく書き換えられたものにもなっているような様子なんですね。
そうやって過去のパートが、シークエンスが続いた後、今度はまた映画現在に戻りまして、主人公の森君と浅子さん、そして森の妻であるその舞妓っていうですね、
それぞれの登場人物たちが、一度は軌道を外してしまった彼らの人生をどのように見つめ直して、そして現在を改めて生き直していくのかっていうですね、そういうような物語になっていきます。
監督と制作背景
で、この映画で監督脚本を務めたのが、この映画が長編デビュー作となる滋賀谷大輔さんというですね、監督さんです。
1994年生まれで、これまで春みたいだっていう短編作品が2017年ピエアフィルムフェスティバルでエンターテインメント賞という賞を受賞したりとか、
あるいはその後2020年には、窓たちっていうですね、短編作品も発表されておりまして、こちらもその年のプサン映画祭のワイドアングル部門っていう部門で上映されたりとかということで、一個ずつ実績を重ねてきたような、そういう監督なんですね。
で、今回のこの猫を放つっていうのが長編デビュー作になるわけですけど、その長編で実に制作期間7年を通じて完成させまして、その世界初上映画が昨年プサン国際映画祭に新設されたコンペティション部門でお披露目されたっていう、そういう作品があるんですね。
異例の制作方法とテーマ
で、ここからこの作品のもう少し中身の方に入っていくんですけど、冒頭でね、この映画を普通ではない驚きの完成させ方によって生まれた作品ということを紹介したんですね。
で、これ、おまけにね、この映画のあらすじご紹介した通り、この映画の中では映画の中における現在、そしてかつて恋情を抱き合ったですね、友人との時間を描く過去っていう、そのエピソードが工作するような物語になっていくわけなんですけど、
で、当然その過去と現在の間は劇中でも数年の時間が空いてるわけですけども、なんとこの映画ですね、実際にその数年の時間を空けて撮影された過去と現在のシーン。
これ実際に、当時撮った映像と今撮った映像とっていうのが、現実の時間経過をそのまんま物語の中に入れてしまったような、ちょっと驚きの制作性で完成させられた映画になってるんですね。
ああ、そういうことか。
これね、なかなか面白くて、現実的にはですね、もともと監督が当時、監督の大学の同級生だったと思うんですけど、その同級生である俳優の藤井聡真さん。
そして監督が当時、絶対この人と映画を撮ってみたいということで惚れ込んだ女優の村上幸乃さんっていうですね、このお二人を迎えて、まず中編作品を撮るべくですね、制作を進めたんだっていうんですね。
なんですが、殺了後も、なかなかその映画にとって最良の道筋が決まらないまんま、結果的には眠っている存在になっちゃったわけですね、その映画たちが。
その後、やがてコロナがやってきたりとか、それぞれの俳優さんだったりとか、監督自身の現実に訪れた様々な変化を経て、もう気づいたのは数年が経っちゃったってことなんですね。
で、ただその数年経ったおかげで、改めてこの当時のフッテージを見つめ直した時に、そこに映り込んでいるものが、現在の自分とはもうすっかり距離も時間も開いた、まるで違う自分たちの時間っていうものが映り込んでいるように見えたっていうことなんですね。
そのきっかけを得て、もう一回この映画を時間、ある時期の自分たちの記憶や経験を全く別物として迎え入れさせるような、その時間とか記憶っていうこと自体をテーマにして、この作品を完成させることができるんじゃないかっていうことから、もう一回キャストとかスタッフを再招集して、新たなエピソードを加えて完成させたっていう、そういう映画になるみたいなんですね。
普通だったらお蔵入りになってしまうというかね。
そうですか。
自分自身が文字通り当時とは全く違う人間になっているっていう実感が、俳優とその作り方たち全員の現実の時間経過も反映させながら、ちょっと不思議なほどの説得力というか、これもまた一つの映画の力って言ってもいいのかもしれないというですね。
映画というかドキュメンタリー実力。
そういう要素が。
そういうような体感を覚えさせるような映画にもなっているんですね。
写真とタイトルに込められた意味
さらにはこの映画に登場するエピソードとかもやっぱりそれをちょっと補強するというか、さらにその考えを深めるようなものにもなっているのが一つ、この森くんがですね、その後現在で結婚して一緒に過ごしている奥さんがカメラマンなんですね。
カメラマンとして活躍している女性ということで出てくるんですけど、ここで映画の中でも結構その写真が、写真というもの自体がやっぱり一つちょっとフォーカスされていくわけですけど、
そうだよなと思うのがやっぱりその写真というもの自体もまさしくそのかつて生きた過去の時間をもう封じ込めて、改めて時間を経過してしか逆に言うと見つめることのできないメディアなわけですよね。
この一瞬一瞬がやっぱりそのまま見れるんじゃなくて、必ずそこには時間経過があるということだったりとか、さらには加えてこのタイトル、猫を放つっていうこのタイトルなんです。
これね、僕ね、これに関しては監督自身はそのように言及されていないので、これはもう僕個人の解釈になるかもしれないんですけど、この題材に対してこのタイトルが与えられたということでもたらされる、あるイメージというか、こうとも言えるんじゃないんですかみたいなこと、
そういった感想もですね、実は僕の中にちょっと抱かされるものがあってですね、そんなことも含めて、見た人一人一人がこの映画のある意味その余白の部分にこそ個人的な思いだったりとか、あるいは記憶の断片を寄せながら、
その鑑賞体験を完成させていくようなですね、そういう一歩にもなっているのかもしれんと思っていて、僕はね、鑑賞後もね、ちょっと後味を惹かれるようなね、ちょっと魅力的な一歩になっているなっていう感じもしました。
舞台挨拶と今後の企画
ということで、この映画猫を放つはKBCシネマで、明日6月12日金曜日から公開となるんですけど、今週末6月14日日曜日の2時10分、14時10分の回には、監督の滋賀谷大輔さんをお迎えした舞台挨拶も決定してるんですけど、
先越ながらこの舞台挨拶、私三好がですね、聞き手を務めさせていただくことになるんです。で、当日時間が許せばですね、その舞台上で、先ほどちょっと匂わせてしまいましたけど、僕が抱いたタイトルの解釈についてね、ちょっと監督にもお尋ねしてみたいな、なんかちょっと思ったりもしていたり。
そんなことも含めてですね、ぜひね、この映画気になった方ですね、三好のちょっと舞台挨拶の進行も含めてですね、リスナーの皆さんもしご関心いただけるようでしたら、ぜひチェックしてみてはいかがというですね、そういう映画のご紹介でございました。
さあ、そして25日、今月25日の木曜日、この時間は三好さんとお送りしております月に一度のこの企画、リスナー名作劇場。ということで、今回のテーマをお願いします。
はい、なにせ6月は父の日がありますからね。
父親にまつわる映画ということでいかがでしょうか。
いいですね。
いいと思います。
父親そのものが主人公になるものもあったり、なんか親子関係というのが話の中でとってもね、重点を置かれたものになっていたりとか、いろいろあるかと思いますんでね。
その父親にフォーカスが当たった映画ってことですよね。
はい、ありがとうございます。
ぜひ皆さん、エピソードを添えてですね、メール、ファックスでお寄せください。
メールはgu!rkbr.jp、ファックスは092844-8844、そしてグロウアップのSNSの方でもお待ちしておりますので、Xあるいはインスタの方からでもお寄せください。
21日日曜日までとなっております。たくさんのご応募お待ちしております。
お待ちしております。
エンディング
ということで、ここまで三好豪平のキャッチオップお送りしました。三好さん、ありがとうございました。
ありがとうございました。