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ノオト・ブク子
今回、みなさんと探究するのは、マンガソンっていう、かなり変わったイベントですよね。
ノオト・ブク太郎
はい。
ノオト・ブク子
マンガ好きのクリエイターたちが集まって合宿して、マンガを読んで、最後はディベートで戦うと。
そうなんです。
一体、どんな狙いがあるんでしょうか。
ノオト・ブク太郎
このイベントの革新は、やっぱりテーマ設定でして、突然地球にやってきた宇宙人に人類のことを理解させるためのマンガを選ぶっていう、
まあ壮大というか奇抜なミッションなんですよね。
ノオト・ブク子
へー、宇宙人に。
ノオト・ブク太郎
えー、この問い自体が参加者の思考を普段とは違う方向へ向けさせる感じですよね。
ノオト・ブク子
なるほど、なるほど。この発想自体がもう、なんというかクリエイティブじゃないですか。
ノオト・ブク太郎
うんうん。
ノオト・ブク子
資料によると、発起人は連続起業家の井口さん。
えー。
彼自身、このマンガソンを新たな発想術、創造的アイディアの探索手法として再発見したって、まあそう語ってるんですよね。
ノオト・ブク太郎
はい。
ノオト・ブク子
だから単なるマンガイベントじゃない、何かを生み出すためのその装置みたいな、そういう側面が強そうですね。
ノオト・ブク太郎
そうですね、その通りです。
マンガソンは、ハッカソン、特定のテーマで集中的に開発するハッカソンに触発されたものなんですけど、
マンガを共通言語にしている。
単なる教理じゃなくて、参加者の理解力とか発想力、あと表現力、それを鍛えるワークショックでもあるっていうことですね。
ノオト・ブク子
しかもただ好きなマンガをプレゼンするんじゃなくて、ピュア性善説陣営とリアル性悪説陣営にこう分かれてディベートしたそうですね。
ノオト・ブク太郎
そうなんですよ。それが面白いところで。
ノオト・ブク子
宇宙人に対して人類の光と影みたいな理想と現実の両面を見せると。
ノオト・ブク太郎
そういうことなんでしょうね。そう解釈するのが自然かなと。
どっちか一方だけじゃ人類っていう複雑な存在は理解できないだろうっていう、そういう前提があるわけですよ。
なるほど。
持ち寄られた多様なマンガの中から、自陣営の主張に合うものを選び出して、それで説得力のある物語を構築していく。
このプロセス自体がもう想像性を刺激しますよね。
ノオト・ブク子
ルールも当日に固めるみたいな。かなり流動的だったとか、それって準備不足とも取られかねませんけど?
ノオト・ブク太郎
まあ確かにそう見えるかもしれないですけどね。でもレポートによればその流動性こそが、何ていうか、予期せぬ科学反応を狙った井口さんの意図だったみたいですよ。
ノオト・ブク子
ああ、なるほど。
ノオト・ブク太郎
完璧な計画よりもその場の即興性とか偶発性みたいなものを重視したっていうことかもしれないですね。
井口さん自身、このイベントを全く予断を許さないスリリングな知的探求の旅って呼んでますし。
ノオト・ブク子
その井口さん自身のプレゼンもなんか相当ユニークだったみたいで。
ノオト・ブク太郎
聞きました。
ノオト・ブク子
中二の男子と第六感っていうのを推して、人類は中二、つまり特有の自意識過剰な思春期の感覚と、中二以外で成り立っている、みたいな独自の理論を展開したと。
ノオト・ブク太郎
すごいですね。
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ノオト・ブク子
会場から、面白いのは井口さんでは?ってツッコミが入るのもなんかうなずきますよね。
ノオト・ブク太郎
うん。それに、そうですね、まずは自分推しですねって切り替えしたっていうんですから、もう彼のキャラクター自体がこのイベントのなんか推進力になっているのは間違いないでしょうね。
ノオト・ブク子
確かに。単なる主催者っていうより、自らが職場になって場を活性化させている感じですかね。
ノオト・ブク太郎
まさにそういう感じです。
で、ここで重要になってくるのが、井口さんがマンガソンをただの娯楽じゃなくて、もっと深い目的を持つ場として位置づけている点だと思うんですよ。
ノオト・ブク子
はいはい。
ノオト・ブク太郎
思いがけないマンガとの出会いとか、新しい読みたかの発見、マンガを通じた発想法の獲得、あと創造的精神の活性化とか、イベントの設計思想そのものが参加者のクリエイティビティをこう主眼に置いてるっていう。
ノオト・ブク子
設計思想ですか?
ノオト・ブク太郎
特に宇宙人っていう、完全に外部の視点を強制する点が僕は鍵だと思うんですよね。
ノオト・ブク子
あーなるほど、外部の視点。
ノオト・ブク太郎
慣れ親しんだマンガっていう題材に、異星人っていう異質なフィルターをかけることで、参加者は費用なく普段見過ごしている人間性の本質とか、新たな意味みたいなものを再発見させられるというか。
ノオト・ブク子
うんうん。
この強制的な視点変更が、結果的に新しいアイディアを生むトリガーになってるんじゃないかなと。
なるほど。つまり、マンガっていう身近なメディアを使いながらも、非日常的な問いと対峙させることで、思考の枠を外させると、そういう仕掛けなんですね。
ノオト・ブク太郎
そういうことだと思います。非常に巧みな発想装置って言えるんじゃないでしょうか。
井口さんの、なんていうか、ある種の妄想力とも言えるようなユニークな視点が、このイベントの骨格を形作ってるんでしょうね。
ノオト・ブク子
妄想力ですか?
ノオト・ブク太郎
マンガを通じて、人類とは何かっていうかなり哲学的な問いにまで踏み込んでいく。このスケールの大きさも、やっぱり彼の発想ならではないかもしれないですね。
ノオト・ブク子
確かに。参加者とか観客を巻き込む熱量みたいなものも、このユニークな設計から生まれてるんでしょうね。
そうだと思います。
日常的に慣れ親しんだものを、全く異なる文脈とか視点から捉え直すことで、思いも寄らない価値とかアイディアが生まれる。今回のマンガソンの事例っていうのは、その可能性を強く示唆してくれてる気がしますね。
ノオト・ブク太郎
本当にそうですね。あなたが普段当たり前だと思っている趣味とか仕事、日常の習慣でもいいんですけど、もしそれを初めて目にする宇宙人に説明するとしたら、一体どんな側面が見えてくるでしょうかね。
ああ。
そんな風にちょっと視点を変えてみるだけで、案外新しい発見があるかもしれませんよ。
