ありのままの誤解
こんにちは、サチャーエレコです。
ありのままっていう言葉がありますけど、松高子さんもね、ありのままのーとかって歌ってるし
ありのままでいいんですよーとか、自然体がいいんですよーっていうのもよく聞くし、すごくね、心がほっとする、素敵な言葉だと思うんですよ
私も好きな言葉なんですけど、私が心から尊敬する、めっちゃ仕事ができるベテランの先輩は、このありのままっていう言葉が大嫌いで
というのも、パッと聞いた感じ、すっごい優しい言葉ではあるんですけど、実はこれをそのまま鵜呑みにして
仕事でありのまま実践してしまうとうまくいかなくて結果が出ないっていうことになっちゃうんですよ
もうこれ恐ろしい落とし穴なんですけど、今日はそういった勘違いしがちな、ありのままっていうのの本当の意味についてお伝えしていきます
っていうか、私自身が昔はね、これをめっちゃ大きく勘違いしていて、仕事がうまくいかなかった経験があるんですけど
フリーアナウンサーになりたての頃、周りの先輩たちがね、もうなんていうか、息するように、呼吸するかのように自然に
完璧なリポートとかMCをしているようにも見えて、全然力が入ってない感じなんですよね
ありのまま、素の状態で自然に仕事をされているように見えてたんですよ
だから当時の私は、結構仕事先の人からも、喋り方が硬いんだよって、緊張が伝わってくる話し方になってくるからとかっていうのを結構指摘されてたのもあって
あ、そっかって、プロっていうのはガチガチに準備するとかじゃなくて、ガチガチに作り込むとかじゃなくて
その場の空気を読んで、自然体で臨むのがかっこいいんだなって、それがうまくいくコツなんだなとかって思って
その結果どうなったかって言うと、打ち合わせもそこそこに、大した準備もせずに
よし、今日の私はとにかくありのまま、自然体で行っちゃうぞとかってね、現場に臨んで
もちろん、うまくいくわけなんかないんですよね
インタビューとかでも、頭が真っ白になって言葉が詰まってたし
イベントのMCの仕事でも、段取りを間違えちゃって、会場の空気がわーって凍りついたりとか
次の展開が自分の頭の中に入ってなくって、テンパることになったりとか、もう思い出したくもないことがね、いっぱいあって
いろいろやらかしてきてるんですけど、そのありのままの私っていうのは、ただの準備不足で何にもできないポンコツな私だったわけですよ
じゃあ、あの自然体でありのままで輝いて見えた先輩たちは、本当にありのままだったのか、素の状態だったのかって言うと
そんなわけないんですよね。そのことに気づかされた、あるレッスンの経験がありまして
当時ね、私その駆け出しの頃、深夜の工場でアルバイトをしながら、フリーアナウンサーの仕事も駆け出しとしてしながら
レッスンにも通うっていう、今思うと超ハードな生活を送っていて、深夜までテレビのロケに出て
そのままそこから工場へ行って、朝まで工場で働いて、一睡もしないでそのままレッスンの現場に行くとかも普通にあったぐらいなんですけど
とにかく眠かったぐらいの、眠かった記憶しかない時期ですよね
それぐらい心も体もボロボロの状態で、ある日、レッスンの先生の前で発戦練習をしてたんですよ
そしたら先生に一発で見抜かれて、あなた恋愛で何かあったか知らないけどプライベート引きずったらいけませんよ、とか言われて
ズボシだったんですよ。当時そんな生活だからもちろん恋愛とかもうまくいくわけなくって
やっぱりね、どれだけ平気なフリをしていても、声ってその日の体調も心の状態も全部バレるものなんですよね
怖いですね。でその後その先生に言われたのが、あなた今日声作ってきてないわねって言葉だったんですよ
声を作るっていうのはどういう意味だったかというと、そのレッスンの前までにちゃんと自宅で自分で発声練習をしてきて
レッスンの時間にはいつでも最高の声が出せる状態に準備しておきなさいよっていうことだったんですよ
私たちの間ではそのレッスンって練習じゃないんですよって、本番なんですよっていうふうに言われていて
練習のための、練習じゃなくてその本番のつもりで臨むこと
だから本番であるレッスンのために声を作ってきてないってどういうことってプロとしてやる気あんのって厳しく言われちゃったんですよね
であのプロの歌手の方々もステージの前にちゃんとコンディションを整えて最高の歌声を届けるために
喉もしっかり作り込まれてるじゃないですか。スポーツ選手だって試合前に集中力を高めて最高のパフォーマンスのために準備をなさっていて
それと全く同じなんですよ。ありのままでステージに立つんじゃなくって
最高のありのままを目指す
最高のありのままを披露するために見えないところでプロはちゃんと準備をしてるんですよね
松高子さんもさ、ありのままのーとかって歌声あれ寝起きの声じゃないじゃないですか
パッて目覚めてすぐだったらガラガラですよ。わかんないけど松高子さんガラガラかわかんないけどあれのままのーってなってるかもしれないし
絶対に発声練習して歌われてるはずですよね。なんならエルサも見えないところであいうえおあおーとかって地味な発声練習されてるかと思います。知らんけど
でもその仕事がうまくいく本当のありのままっていうのは寝癖どーん
髪ボサボサどーん、パジャマヨレヨレどーんとかのその、ガチの素の状態のことではないんですよね
それはその最高のパフォーマンスを発揮できる状態にちゃんと準備、前もって準備した上での最高のありのままの自分のことなんです
私自身も11年フリーアナウンサーをする中で、実体験で思うんですけど、ちゃんと本番に向けて準備してたら
やっぱりね、本番めっちゃ心の余裕ができて、自然絶えないように見せる余裕ができるんですよね
先輩たちがやってたのってこれだったんだなぁって、経験しながら実感したんですけど、これってどの仕事にも全部当てはまりますよね
見えない準備があるからこそ、私たちはその仕事の現場で余裕を持って自然体で自分らしさを発揮できて
準備ゼロのありのままって、ただの無防備なんですよ
これ本当に勘違いすると私みたいにうまくいかないことになるので、ありのままでいいんだよっていうのは何もしなくていいんですよっていう意味ではないんです
しっかり準備されたありのままっていうのが最強の武器になるんですね
じゃあ具体的にどうやって準備すればいいのっていうので、私も最初の頃フリーランスだから誰もね、その下準備のやり方なんか教えてくれないから
自分で地道に見つけていくしかなかったんですけど、もちろん仕事によって準備の仕方って違ってくるとは思うけど
一つどれにも通じるものがあって、それは意図を持つっていうことなんですよね
例えば仕事で誰かに会う前とか仕事に臨む前の日、ちょっと考えてみるんです
今から会うこの人に自分はどんな印象を持ってほしいのかとか、その時どんな自分でいたいのかとか
この仕事を通してどんな人にどんな気持ちになってほしいのかっていうのを考えて
そうすると、こんな印象を持ってもらえるように外見をこんな風に整えて臨もうとか
今日は大切なことを伝えるからゆっくり丁寧な言葉を選ぶ自分でいようとか、そのためにこれ準備しようとかね
この人たちにこういった気持ちになってもらうために、この準備を率先して自らやっておくと喜ばれるかもしれないなとかって
そういった小さな準備だけで、あなたの声も表情も言葉選びも仕事振りも姿勢も自然と変わっていけます
その意図っていうのがあなたのありのままっていうのを最高の状態に引き上げてくれるので
よかったらお試しください。いいありのままで臨んでみてください
私もちょっとね、今回話しながら改めてそうだったなと思って実践していこうと思います
今回はもう一つ、緊張が一瞬で消える 初めての場所で絶対にやるべきことというテーマで話している回をチャプターに貼ってます
よかったらこちらも合わせて聞いてみてください
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