暑い日が続いておりますけれども、 そんな暑い日本の夏を逆手にとって、
今日は、 南国のジャズを楽しんでみたいと思います。
ジャズの入り口案内所、 案内役のFrank Nappaです。
この番組は、様々な扉からジャズの入り口をご案内するラジオです。
さて今日は、 世界旅行シリーズということで、
この夏、暑い夏を迎えるにあたって、 あえて、
暑い国の音楽を聴いてみたいと思います。 ということで、今日はブラジル編、
ボサノバの扉、 こちらから楽しいジャズを見ていきたいと思いますけれども、
皆さん、ボサノバって聞いたことがありますか? 今日はね、まずボサノバって何?っていうお話からしていきたいと思います。
それでは、 世界旅行シリーズ、ブラジル編、ボサノバの扉、開けてみましょう。
まずこのボサノバというジャンル、音楽ですけれども、
とてもゆったりとした、肩の力の抜けた、そんな音楽になりますけれども、
イメージで言うと、よくカフェとかホテルのロビーなんかで流れているような、 そんな曲になるわけですけれども、
ブラジルで生まれたということでね、リズムはサンバのリズムで、 ちょっとね、ブラジルっぽい
感じが強くする音楽になるわけですけれども、 まずこのボサノバという言葉の意味から少し見ていきたいと思います。
このボサノバを2つに分けてみます。 ボサとノバ。
このボサというのはですね、 ボッサという言葉が元になっておりまして、
ポルトガル語で、 隆起、素質、傾向、魅力、
こういった意味があります。 そしてノバ、こちらはですね、新しいとか独自の、
といった意味がありまして、 あのクルリの名曲にね、私大好きですけれども、
ワールドエンドスーパーノバという曲がありますけれども、 そのスーパーノバってね、よくあの
調神星という意味でね、使われたりします。 で、この2つのボッサとノバ、これをくっつけてボサノバ。
意味としては、新しい、 ブラジル独自の傾向、魅力、流行、こういった意味がありますので、
ブラジル独特のその魅力を持った音楽、 新しい音楽、そういった意味になります。
で、このボサノバというのは、 じゃあどうやってできてきたかと言いますとですね、
1950年代の終わり頃に、 ブラジルの若者たちがね、ブラジル独自の流行の音楽がないということで、
当時アメリカで流行っていたジャズ、 特にね、フランク・シラトラとかね、そういった方の音楽の影響を受ける形で、
ブラジルの音楽とミックスして、 そして生まれたのがこのボサノバと言われております。
このボサノバですけれども、1950年代の後半から1960年代の前半にかけて、 ブラジルで大流行をします。
どれほどの大流行をしたのか。 こんな話が載ってました。
当時ブラジルで発売された冷蔵庫、 この新商品の名前がボサノバ。
日本で言うとね、新商品の冷蔵庫に円貨とかね、 載ってくるっていう、そんなイメージですかね。
そんな名前の冷蔵庫がブラジルで販売されていたというようなね、 ニュアンスで捉えると、いかにこのボサノバという音楽ジャンルが
ブラジルで人気だったかということが知れるかと思います。 ではこのボサノバを作った、
始めた、そんなミュージシャンは誰なのか。 これね、3人覚えておくとだいたいあのボサノバの基礎がわかってくるんですけれども、
一人目がね、ジョアン・ジルベルトというギターの弾き語りをしていたミュージシャン。
この人がアメリカのジャズのエッセンスを取り込んで、 ボサノバの起源となるような曲を作ります。
それがシェガデ・サウダージ、思いあふれてという、 初めてのボサノバの曲と言われている、そんな曲になります。
で、このシェガデ・サウダージのサウダージ。 皆さん聞いたことありますよね。
だいたい皆さんが聞いたことのあるサウダージっていうと、 ポルノグラフィティーのね、名曲サウダージ。実はこれポルトガル語の言葉になります。
意味としてはですね、 恐怖、哀愁、懐かしさ、
そういったような意味がありまして、簡単に最近の言葉に置き換えると、 エモい、というような言葉になると思います。
このサウダージというのは、このボサノバで表現する、 そんなね、一つの大事な要素。これがサウダージになります。
他にあと2名のアーティスト。一人はアントニオ・カルロス・ジョビン。 もう一人がビシニウス・ジ・モラレス。
でね、アントニオ・カルロス・ジョビンという人は、この人は多くのですね、 このボサノバの名曲を作曲した人で、
ビシニウス・ジ・モラレスという人は、その名曲に歌詞をつけた作詞家になります。 例えばどんな曲があるかというと、
イパネマの娘だとか、アガジュベベ といったね、スタンダードナンバー、超有名なスタンダードナンバーを作った人。
この3人はね、それぞれ進行もありますので、お互いの曲を歌ったりだとかしながらね、 このボサノバのブームを作り上げていくことになります。
そんなボサノバなんですけれども、ちょっとね、次はこのボサノバの演奏の仕方だとかね、 特徴、曲調、そういったものに目を向けていきたいと思うんですけれども、
まずね、ボサノバの特徴として、歌中心の音楽だということが言えます。 ですのでボサノバの曲を聞くと、だいたいね、歌が入っていることが多いです。
もちろんインストの曲もあるわけですけれども、基本的にね、 オールドスタイルのボサノバというのはね、必ず歌が入っています。
先ほど言ったジョアン・ジルベルトだとか、そのね、ジョアン・ジルベルトの奥さんであります、 アストラド・ジルベルト、こういった人がね、とても有名なわけですけれども、
その歌の歌い方っていうのが、聞いたことがある人がね、多いかと思いますけれども、 肩の力の抜けた、リラックスした、とっても柔らかい音の歌声。
ささやくようなね、鼻歌を歌っているような、口先でね、 ポソポソポソっと歌うような、そんな歌い方が特徴的になっております。
またメロディもね、ギターが中心になっています。 それプラスアルファで、ブラジルのね、伝統的な楽器が少し入ったり、パーカッションが入ったり、
ということで、非常にシンプルな構成で、 リラックスした曲調を流しているのが特徴になります。
この辺りがですね、ジャズと対照的なところで、 ジャズってやっぱりね、歌が入ることもありますけど、主には演奏、
楽器での演奏が中心だと思うんですけれども、 さらにジャズってセッションだとか、その場の空気感でね、演奏を合わせていったり、作り上げていくっていう特徴がありますので、
やはりね、そこにはプレイヤー同士の緊張感というかね、 少し張り詰めたものがある、そういったところがまたジャズのね、
かっこよさになるわけですけれども、そのね、 ジャズとボサノバを見比べると、非常に対照的な音楽であるということが実は見れます。
あとね、リズムも実は違って、 ジャズって基本的に4ビート、1、2、3、4、1、2、3、4、これ4ビートですね。
ツー、チャッチャ、ツー、チャッチャ、 ツー、チャッチャ、ツー、チャッチャ、みたいな感じで、4ビートで演奏されるわけですけれども、
ボサノバっていうのは、先ほども言いましたように、 サンバのリズムがベースになってますから、8ビートの音楽になります。
1、2、3、4、5、6、7、8。
こんな感じの8ビートの曲がボサノバであります。このようにリズムも少し違うんですね。
あとね、もう一つだけボサノバの特徴を言いますと、 アンティシペーションという技法があるそうです。
これは音を少し先に取っていっちゃう。
本来演奏するはずの和音、これをですね、
例えば2拍目に和音を入れようと思ったら、
その半拍とか一拍前に、先取りして和音を入れていく。
よく裏打ちとか言って、拍の後ろでリズムを取る裏打ちっていう、
裏打ちなんていうリズムの取り方がありますけど、
これは逆に前にね、杭気味に演奏を取っていく。
これによってボサノバ特有のリズム感だとか、
グルーヴ感が生まれるのと同時に、
不協和音のようなものを意図的に発生させることでですね、
このボサノバ特有のリズムというか、
グルーヴ感を演出する、こういった効果があります。
実はいろいろなボサノバの独特な曲調の裏には、
いろいろな工夫が隠されているということが言えます。
ぜひお話し聞きやしてもらいたいなと思っているんですけれども、
ギターとかアコーディオンとか、
そういったような楽器を使った、
ケルトン楽ともちょっと違うけど似たような空気もなくはない、
とってもね、素敵な独特なジャズがあるんですけれども、
こちらのね、活動をしているバンドさんと知り合うことがありまして、
今度ね、イベントをやられるということで、
そちらの告知というかね、ご紹介をちょっとさせていただきたいなというふうに思います。
なんと日本最大級のですね、ジプシージャズフェスということで、
瀬戸内ジャンゴストリート2024、こちらが開催されます。
そしてこちらのイベント、よく聞いてくださいよ。
入場無料ということでですね、
行きたいなと思うわけですけれども、
場所がですね、まず9月の15日の日曜日、
こちらが東京都墨田区の方で行われます。
瀬戸内ジャンゴストリートって言うんですけど、
今年は東京でも開催されるということですね。
で、ホームに帰ってきまして、
10月の12日、13日の土日2日間で、
香川県高松市八島、こちらのXのですね、
アカウントのイベントの詳細が載っているページ、
こちらのURLもリンクを貼らせていただきますのでね、
ぜひぜひ興味がある人はですね、見ていただいたりだとか、
近くにお住まいの方はね、入場無料ですからね、
一度このジプシージャズっていうのを聞いていただけると、
面白いのかなと思います。
私もね、ちょっとあまり詳しくなかったので、
先日Xの方でね、やり取りさせていただいた時に、
おすすめの曲なんかもね、教えてもらって、
聞いたりしてましたけどね。
いいですよ、ジプシージャズ。
もう絶対どこかでね、ご案内したいと思ってますけれども、
ちょっとしばらく私もジプシージャズについて、
いろいろ聞いてみたいと思いますので、
またそういったお話ができるタイミングが来ましたらね、
ぜひ聞いていただきたいなというふうに思っております。
ということで、素敵な出会いからのお知らせ一件でした。
はい、ということで、ジャズの入り口案内所ですけれども、
各週金曜日、大人の時間午後8時ごろに、
配信の予定となっております。
番組への感想やお便り、それからリクエスト、
こういったものについては、各種SNSで、
ハッシュタグ、ジャズの入り口をつけてポストしていただくか、
DM、それから概要欄にあるお便りフォーム、
皆さんの送りやすい形で結構ですので、
ぜひ送ってください。
すべて大事に読ませていただいております。
そして番組で紹介した、今日は3曲ですけれども、
ジャズの入り口案内所プレイリスト、
2年目はランチボックス、こちらの方にまとめてありますので、
興味のある方、ぜひフォロー、そして聞いた感想なんかも
送っていただけると嬉しいです。
また当案内所では、ジャズを聞くとき、
できるだけ大音量でっていう話をいつもするわけですけど、
今日は坊さんの場ですから、そのあたりの音量の方は
いい感じに調節していただいて、ゆったりとした気持ちで
音楽を味わっていただければいいのかなというようなことを
思っております。
それではここまでお付き合いありがとうございました。
案内役は、フランク・ナッパでした。