では早速、日本古来の釣竿ですけれども、
そもそも一番最初の釣竿というのは、単純な竹とか木の棒で、そこに糸と針をつけて釣っていたのではないかと言われているようです。
以前のエピソード、釣り針の歴史でもお話しした通り、2万年以上前のものとみられる釣り針が見つかっていることを考えると、
当時からこういったものを釣竿として使っていたのではないかと推測されています。
その中で、日本古来の釣り針とは何なのかということなんですが、一つは漁業ですね。
これは自分が食べるために魚を取る、一番わかりやすい例だと思います。
海に囲まれた日本は、食料調達の柱として、海の幸が不可欠だったと。
また、干物や、塩漬けのものなんかですね、この辺りは保存がきくので、交易にも利用されたと言われています。
そしてこの漁業という一つの他に、占いのためにも利用されたと言われています。
そしてこの漁業という一つの他に、占いのためにも利用されたと言われています。
そしてこの漁業という一つの他に、占いのためにも利用されたと言われています。
Punknotes
例えば、戦の結果占なったりするのに使われたともいわれていまして。
実際に4世紀頃の公豪が、釣りで戦の勝敗を占った記述が日本書紀に書かれているそうです。
実際に4世紀頃の公豪が、釣りで戦の勝敗を占った記述が日本書紀に書かれているそうです。
当時は、いわゆる呪術的な観念というのが今よりかなり強かったので、こういった使われ方もされたということですね。
かったのでこういった使われ方もされたということですね このあたりは正直歴史的な資料が少ないというのはあるようなんですが
いずれにしても大衆にいわゆる娯楽として普及をして文化として根付いていくのは 江戸時代以降のことと言われています
そんな時代に主流となったのが竹で作られた釣竿です この竹竿、和竿とも呼ばれますがこれ両者は一応区別されて使われている
ようです 和竿の定義というのはもともとは明治時代以降
西洋から竹を縦向きに裂いて再接着して製造する竿が紹介された時にそれら 西洋の竿と区別するために和の竿、和竿という呼称が用いられて定着したもののようで
本来そこまで厳密な定義というのはないんですが 現代においては竹竿の中でも職人による製造が
なされていて厳格な品質管理がされた一部の釣竿が和竿と言われるケースが多いように思います
がここではあくまで竹竿一般としてのお話をしていきます この竹竿が日本において主流になった経緯ですがこれは竹の特性に集約されると言っても過言ではありません
そもそも竿に要求される特性とは何か なんと大正時代に遡りますが
釣竿に求められる5つの特性を整理したものがあったのでご紹介をします 現代生き残っている釣竿というのは基本的にこれらの特性を備えていると言えると思います
まず一つ目が竿がまっすぐであること そして2つ目が断面が正円
これを正しい円と書くんですけれども正円であること 3つ目が強靭であること
4つ目が人が扱える重量であること 5つ目がスムーズに曲がること
これらの特性を備えている自然の材料で大量に存在し安価に入手できる素材は竹以外に 存在しないとまで言われているようです
日本は世界でも有数の竹産地で150種類を超える竹が存在しており 古来から竹に親しんできた民族であることも
日本は世界でも有数の竹産地で150種類を超える竹が存在しており 古来から竹に親しんできた民族であることも
大きいと思います ただし150種類を超える竹の中でも釣竿製作に向いた竹の種類は8種類程度とされているようで
特に和竿は職人の手によってかなり徹底的に選別がされています さてこの竹竿先ほども少し触れましたが普及した一番の要因は江戸時代という比較的平和な時代の到来です
このあたりの背景をまとめた資料としては
水の文化センターという研究活動があるのですが そちらが作成した資料が流れが非常によくまとまっていました
江戸における戦がない中での武士人口の増加 いわゆる娯楽需要の増加と
武器職人の仕事がなくなった中で軍事技術の民間転用 こちらはいわゆる供給側の増加
こういった要因が非常に大きくなっています
このような技術は竹竿の製造によりも大きいのではないかと言われているようです
具体的には竹竿の加工技術は弓とか矢の技術というのがそのまま用いられたと言われています
様々な竹材をまっすぐに伸ばして竿にする技術はこれらと相性が良かったということみたいですね
また吊り竿の耐久性を高めて見た目を美しくする漆もまた日本刀の鞘を作る技術が用いられたと言われています
また吊り竿の耐久性を高めて見た目を美しくする漆もまた日本刀の鞘を作る技術が用いられたと言われています
また吊り竿の耐久性を高めて見た目を美しくする漆もまた日本刀の鞘を作る技術が用いられたと言われています
漆は酸やアルカリに強くまた完全に硬化すると刃物も通さない硬さになりまして熱にも強いという万能な塗料です
機能的な面だけでなく落ち着いた質感を有するといういわゆる美的な側面からも漆はワザオの塗料として最高のものだと言われています
そして火縄銃に代表される銃の製造技術はこのような技術を行うことができると言われています
そして火縄銃に代表される銃が普及していた日本では重りにする鉛の成形技術もありました
ということで戦がなくなった環境の中で釣りを通じて武器製造の技術がうまく活用された事例だと思います
そして同じく戦がなくなった中で武士階級で普及したこの釣りという娯楽が庶民に広まっていくことになります
このような特権階級から庶民
という流れは他にも茶道や剣道、弓道、囲碁、将棋などにも見られます
直感的に剣道は身分社会の中で庶民がやるというのは意外に思われるかもしれませんが
新選組の近藤勲や肘方俊三も元は剣術好きの農民のでというのは歴史好きの方はご存知の方もいらっしゃるんじゃないでしょうか
脱線しましたが
このように庶民層に広まった釣りは一つの文化となり
参勤交代や商人の往来などを通じて各地に庶民の娯楽として根付いていくことになります
なおですね
参考にした資料の都合上江戸を中心としたお話をしていますが
江戸時代より前の時代は関西が人口的には文化的にも中心地なので
単純な釣りの歴史だけなら
文化レベルはむしろ長いとも考えられます
ただ文化レベルまで高まったのは
安定した時代の中で将軍様という一目置かれる存在がいる江戸という都市での普及が不可欠であったという意見もあるようです
一方で竹竿の製造工程に目を移してみたいと思います
閲覧した和竿の資料ではなんと製造工程43工程に分かれておりまして
非常に手間暇かかるものなので
極端にご存じのお話がなければすれませんが
ざっくり5段階に要約すると
1つ目は切り組みと呼ばれる竿の原型が決まる最も重要ないわゆる竹の選別工程になってきます
節の整い方や一次の太さ寸法などを見ながら
次の数だけ職人自身が竹を見極めて選別をしていきます
2つ目が火入れ
火入れは完成までに何度か行われるんですが
節を抜いた竹を使うときに、竹の全体の形状が変わるんですが
節を抜いた竹を使うときに、竹の全体の形状が変わるんですが
節を抜いた竹を炭火で炙りまして専用の道具を使って曲がりを矯正していきます 3つ目が次
次には波継ぎと引路継ぎという代表的な2つの手法がありますが 引路継ぎの場合は芯が必要なので継ぎ口に入れて継ぎ上げていくということになります
4つ目が漆塗り これを経て最後の5工程目が仕上げ工程でほぼ完成した竿を実際に継いで全体のバランスを見て調整する作業ということになってきます
ここで疑問に思ったのですが天然素材なので使っているうちに曲がってこないのかなぁと思ったんですが 途中
引入れという工程をご説明しましたが 再度引入れをすればですね曲がりを直すことができるようです
このあたりが漆は熱に強いという説明をしましたけれども こういった素材の特性が生きてくる
よくできたものだなぁと思いました こういった吊り竿の製造技術もまた江戸時代に確立されていくことになってきます
一方で途中西洋から竹製のロッドが入ってきたというお話をしたんですけれども このいわゆるバンブーロッドと呼ばれるものについても少しご説明をしたいと思います
現代でもフライフィッシングのロッドにバンブーロッドがありますが 元々は日本の竹とは違う種類の竹みたいなんですけれども
この竹を縦に裂いて多角形 例えば六角形とか八角形に接着して作られた竿のようです
これはバンブーロッドで検索をするとこういった竹製のスピニングロッドの画像が出てくるんですけれども シルエットだけなら現代のカーモンロッドと
ほぼ同じようなシルエットの今見てもかっこいいなと思えるロッドですね なお脱線しますがヨーロッパにはもともと竹が生育していないのでもともとは木製ですね
木でできた釣竿が使われていたそうです かなり重たかったと推測されます
話が戻りますが第二次世界大戦後には海外で需要があるこの竹製のロッドを積極的に日本企業が作っていった
という時代もあったようです 当時は戦後で荒れていて娯楽の国内需要もまだ小さく
一方で復興に必要な資材を海外から購入するために外貨の獲得というのが必要な状況で 竹という素材がたくさんあってかつ当時海外と比べて相対的に人件費の安かった日本に
海外から多くの発注があったためと言われています その中で釣竿の世界でも
海外の技術が日本の中に取り入れられていくことになってきます これがグラスロッドの時代につながっていくわけですね
しかし一方で竹竿、和竿は食料を調達する手段として引き続き庶民層に必要とされる期間がしばらく続いていくことになります
ということで少なくとも戦後までは日本国内は竹竿一色と言っても良いかと思います ここから日本がグラスロッドあるいはカバー
このロッドの時代に突入していくわけですがどのような変遷をたどるのか こちらも可能な限りまとめてみたいと思います
まずグラスロッドですが発祥自体は1940年代の後半 第二次世界大戦後すぐにアメリカのシェイクスピア社が中空グラスファイバーのロッド製造という
のをスタートしたのが最初と言われています 日本には昭和20年代後半西暦の節
1950年代ですね このタイミングには生産技術がアメリカから日本へもたらされたと言われておりこの
グラスロッドをきっかけに日本における従来型のいわゆる職人による手作業から 本格的な工業化というのが進んでいくことになります
折れにくく何より均一な製品が製造可能なグラスロッドは非常に大きな変化をもたらす こととなりました
スタート時点では日本の相対的に安い人件費で低コストで生産したいという海外からの 受注が大半を占めていたようですが
昭和30年代に入り国内でも徐々に普及していくことになります なおこの最初期から製造に参入した代表的な会社としては
現代もあるオリンピックや天竜 あとは nft これは日本フィッシングタックルという会社ですね
は挙げられるそうですこの nft は過去に島のに九州合併された会社ですね その後カーボンロッドの時代に入っていくんですがそもそもこのカーボンという材料
これはもともと19世紀末にあの発明をエジソンらが炭素繊維を用いて電気を発明した ことにまで遡るかなり歴史ある材料のようですが
1950年代に耐熱性が要求されるロケットの噴射口に使われる素材として注目されました 一口にカーボンといってもいくつか種類があるようで当初研究されていたのは
04型と呼ばれるもののようです こういった技術は日本でも研究が行われまして1961年に日本の大阪工業試験所がアクリル繊維を用いた
ただ考案しただけでは一般に普及をしないため 採算が取れるレベルで工業化をする必要があるんですがこのアクリル繊維を用いた
カーボンの工業化に成功したのが合成繊維メーカーの東洋レイオン 今の東レですね
東レの基礎研究所で研究がなされ1970年代に入り商業生産が可能となりました ただ当時日本は航空宇宙産業も
持っていなかったので当初はできたもののどこに売ればよいかわからないという状況だったようです
そこで用途として初期に注目されたのが釣竿やゴルフクラブのシャフト またテニスやバトミントンのラケットなどのスポーツ業界です
こちらに徐々に展開されていきましてその後NASAに採用されたことで日本のカーボンが海外へ広まっていくことになります
現代でもカーボンの世界シェアは
日本企業が上位に名を連ねている状況です
さてこのカーボン素材特徴は軽くて強度があるということです 鉄より軽く鉄より強いという表現がよくされると思います
グラスロッドの時代に課題として上がっていた一つが鮎竿のようでこれ非常に長い 竿ですがその長さゆえにグラス素材で作ると重たすぎて人間が1日扱うのは
ちょっと厳しいという問題がありました これがカーボンロッドで作成をした場合には軽いので解消できると
いうのが一つの分かりやすい用途としてはあったようです 製造工程ですが現代ではグラスロッドも似た工程で作られるようなんですが大まかに
説明をしますと まずは購入してきたカーボンシートやグラスクロスと呼ばれる炭素繊維やグラス素材と樹脂を混ぜたシード状の材料を使うことができるようになりました
この素材をマンドレルと呼ばれるテーパー いわゆる角度のついた鉄の棒に巻きつけてオーブンで焼くことによって素材が硬化
硬くなりいわゆるロッドのブランクスというのが完成していきます 個人的な感想としてはこれ冷蔵保管するのかと思ったんですが
カーボンシートの場合常温での保存期間はわずか1ヶ月で
これが低温保存の場合になると最大で半年程度を持つと言われているようです またシートの種類も多岐にわたるのでつまりメーカー側からすると調達や在庫管理が
複雑にあったり頻繁な調達が必要なのでいわゆる発注コストの増加とか 品質関与難易度が上がるとかなかなか大変そうだなと正直思いました
さてこのカーボンロッド 一番初期のプレイヤーとなったメーカーは
代行、天竜、オリムピック、NFT、大和製鋼 これ今のグローブライドですねこれらが挙げられるようです
NFTは前回も少しお話をしましたが1974年にはシマノの関連会社になっていて 1995年に九州合併されたとの記載がありました
そういう意味では初期からうまくカーボンロッド市場に参入できた会社が多くが今も
釣り具製造を続けているということのようですね
カーボンロッド市場はその後も発展を続けていきまして 誕生からこの2023年現在で約50年
カーボンロッド市場という意味では産業が一定成熟している状態と言えるかと思います
釣りに限らずこのように成熟してきた産業で起こるのはユーザーが熟練してくることによって好みが分かれていく
つまりニーズの多様化と
それに合わせた製品カテゴリの細分化です
私はルアーが主なのでルアーロッドを例に挙げますと以前はもともとですね 魚種や釣り方などによって用途を分けない純粋なルアーロッド
いわゆる何でもザオというのが主流だったようですが現在ほぼ全カテゴリ、魚種別、釣り方別に細分化されたロッドが販売されています
このような成熟産業で起こる典型的な現象というのがありましてまず一つ目が市場の飽和と言われるものですね
製品がこういうふうに細分化されると細かく分かれた分野ごと釣りの場合は魚種別になると思いますがこれらごとに新しい企業の参入などで競争が激しくなっていって
どこかのタイミングで市場成長が著しく鈍ることがあります
一旦こういうふうに成長が止まるとリスクを減らすことができるようになります
一旦こういうふうに成長が止まるとリスクを減らすことができるようになります
一旦こういうふうに成長が止まるとリスクを減らすことができるようになります
そうかアイデアの開発にはあまりお金をかけないという方向に行きがちというのが特に毎年安定して収益を上げようとする市政の企業ほど落ち入りがちになってきます
こういう構造が長期間続くと企業によっては市場が縮小し始めた時に徐々に削られて力尽きたり
あるいは想像していなかったようなゲームチェンジャーとなる企業が現れた時に大きく市場シェアを失う可能性が出てくるという傾向
は一般論として言われることかと思います なのでここと真剣に向き合っている企業ほど様々な事業展開してリスク分散をしたり
技術開発に資金を投下したりしています 先ほど触れた通りカーボンロッドが生まれてから約50年
これは単なる1ユーザーの試験ですがこういった市場の飽和とか技術革新の停滞というのは現在すでに一定程度起こっているのではないかと
思います 個人的には現代の釣りも十分に快適で楽しいのでこのままでもいいかなという気持ちもゼロ
ではないんですが 一方で次にどんな技術が現れるのかワクワクする気持ちもあります
ここまで見てきたように素材の発展の歴史でもある釣り竿 これから先カーボンのレベルが次の次元に行くのか
はたまた全く新しい素材のロッドが出来上がるのか
特別の形に変化をしていくのか 個人的には非常に楽しみだなと思っています
皆さんは今回のエピソードを聞いてどう思われましたでしょうか ぜひぜひご感想ご意見などをお聞かせ頂けたら嬉しいです
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