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エンジニアストーリー by Qiita
日本最大級のエンジニアコミュニティ、Qiita プロダクトマネージャーの清野俊文です。
この番組では、日本で活躍するエンジニアをゲストに迎え、キャリアやモチベーションの話を深掘りしながら、エンジニアの皆さんに役立つヒントを発信していきます。
今回のテーマは、企業・金融のソフトウェア活用とデジタル化です。
今回は、フィンテックについていろいろお話ししていけたらなと思っています。
ゲストには、前回に続いてLayerXCTOでCTO協会理事の松本勇気さんにお越しいただきます。
今回は、松本さんが今携わっていらっしゃるフィンテック、SaaSについていろいろお話ししていきたいなと思っています。
とても楽しみです。
それでは本日のゲストをご紹介します。
LayerXCTOでCTO協会理事の松本勇気さんです。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
前回は、CTO視線でのエンジニアリングについてお話しいただきました。
今回は、企業・金融のソフトウェア活用とデジタル化についてお話ししていきます。
ではですね、最初に早速お伺いしていきたいなと思うんですが、
今、LayerXのCTOとしてSaaSというところとフィンテックというところを活用したサービスだったり事業展開というところをやっていらっしゃると思います。
今の日本のフィンテックの現状についてお伺いしたいなと思っていて、
今、松本さんがフィンテックというところに注目している理由みたいなところを最初お伺いしたいなと思っています。
グノシーを退職する1年くらい前からまず遡るんですけど、
あの頃にブロックチェーンの研究開発を始めたんですね。
ビットコインとかイーサリアムが、イーサリアムが登場してまだ本当に数年みたいなところなのかな。
このブロックチェーンという世界がとても面白いということに気づいて、
ひたすら論文読み漁って、実装とか読んで、
そこから生まれてくる技術的な革新的な部分だったりとか、
もちろんそこから勉強していって限界にも色々気づいてきたと。
今WEB3だなんだって言ってるのは、
みんないつまでも変わってない技術に対してすごい夢抱いてるなみたいに思って見てるんですけど、
とはいえですね、あの時やっぱり抱いた夢としては、
お金の在り方っていうのは大きく変わるかもしれないなっていうのを、
ブロックチェーンとかディセントラライズみたいなカテゴリーの勉強しながら思ったんですよ。
なんですけども、それを実際に使おうとすると難しいと。
ウォレットとか秘密鍵とか、あんなもん個人が管理できるわけねえよと。
なんなら普通に企業が管理したって漏洩して問題起こしてるような技術に対して、
そんな簡単にみんなが使えるようになるっていうのは来ない。
少なくとも時間かかるし、なんならどうせそれでも使いやすくしてもミスは起きるから、
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やっぱり僕は2017、18年ぐらいの研究した結論として、
これは既存の既成産業の中で育っていくべき事業だと。
結局最近FTX事件とかあって、その時の感想は正しかったなと思ってるんですけど、
それをきっかけにですね、すごく既存の金融について興味が出たんですよ。
既存の金融っていうのが特に重要視していたのが銀行、
ないしはお金を送る機能ですね。ここがやっぱりすごくレイラシーなまんまだなあと思っていて、
なんだかんだ7年周期で全銀ネットとか確か刷新されたりとかしているんですよ。
やっぱりだんだん送金も24時間遅れるようになったりとかもしてるんですけど、
僕らがソフトウェアの産業をやりながら、APIだとかそういった仕組みを見ている中でできることと、
大きな乖離がやっぱりこの金融の世界はあるなと思っていて、
でもう一個が、じゃあ銀行のPLとか見てみると、
え、なんでこんなコストかかってんのみたいな、え、台帳書き換えるのになんでこんなお金かけたシステムになってんのみたいな、
当然その勉強していくと規制対応のためにいろいろなシステムが必要だからっていうのはわかるんですけど、
それでも海外見渡すと、チャレンジャーバンクっていうのがどんどん勃興している時期で、
今だと大きいとこでニューバンクとか、そういったところもですね、やっぱりディスクロージャー資料いろいろ出しているので、
どうやって立ち上がったのかなって見てると、明らかにコストが小さいんですね、そういった銀行と比べると。
っていうのを見るにつけ、なんかこのコスト差を見ると、ソフトウェアで買えるだけでもすごく使いやすく、
しかも事業的にも良いものになるんじゃなかろうかっていう感覚をその時得られて、
じゃあなんかこの世界ってもっと滑らかにできるんじゃないのかなっていうのが仮説として湧いて、
そこからしばらくDMMの方に行ったので、あまり取り組めてなかったんですけど、またレイヤーXに戻ってきて、
今はその企業間でお金を送るというプロトコルの無駄に気づき、それを改善していようっていうことを今やったりしてるわけです。
普通にエンジニアからすると、誰かから誰かにお金を送るってAPIでポンとJSON送りたいじゃないですか、
でも今って請求書っていう紙を送って、それを人間が読んで、人間がいろんなシステムに書き込んで、
それを最後銀行に振り込んで、またその情報を人が消し込みをしてみたいな、これってなんでみたいな、
なんかこの仕組みって変えられるよねっていうことから、じゃあ変えるために何が必要だっけっていうのは機械学習が鍵なんですけど、
もう一個今アセッタマネジメントっていう事業もやっていて、これは不動産ファンドとかですね、これもやっぱりそのお客様の資産を守る、
きちんと公明盛大な運営をしているということを保証するためにいろいろな仕組みが必要、報告書を作ったりの仕組みがあるんですけど、
これも一手で作っていれば確かにコストかかるけど、いろいろソフトウェア化すれば効率化できそうだみたいなのが見えてきて、
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そうやって金融に興味を持ったところをきっかけに、具体的にこの仕組みっていうのを改善するならどうなのっていう改造度がどんどん上がってきて、
しかもそれが社会インパクトとしてとても大きいので、今フィンテック面白いなと思って取り組んでいるというのはちょっと長くなっちゃったんですけど、
流れとしてはそんな感じでこの領域に来ましたね。
そうなんですね。じゃあきっかけとしてはいわゆるブロックチェーンみたいな新しい技術が出てきたタイミングで触ってはいつつも、
そもそもそういう技術以前に既存のソフトウェアでもそのいわゆるフィンテックというか、そういう部分で解決できることいっぱいあるよねっていうのに気づいたから、
今そこに対して取り組んでいるみたいなそういうイメージなんですかね。
そうですね。それとまた別の話で、僕がちょうどいなかった間のレイヤーXの話なんですけど、ブロックチェーンでいろいろな会社のPOCのプロジェクトで、
ブロックチェーン使って効率化しようみたいなことをやってたんですけど、結局普通のデジタル化ができてないからブロックチェーン以前だと、
いうことに気づいたのもやっぱ大きかったですね。その辺の思いと僕のやりたいっていうのがちょうどマッチしているのが今っていう感じですね。
じゃあそもそもブロックチェーンっていうのを取り組む以前に、そもそもその土台として全部をまずはいわゆるDX化というかソフトウェア化していくっていうのが必要っていうところなんですね。
そうですね。まずはデジタルにしていこうっていうので、レイヤーXって全ての経済活動をデジタル化するって言ってるのは、
まさにまずそういうところからやっていこうよっていう思いがこもってますね。
なるほど。ありがとうございます。今お話聞いている中でもまだまだフィンテック領域でやれることとかやりがいみたいなところすごいありそうだなって感じたんですけど、
実際やっていく中でとは言ってもやっぱりこう大変なところっていうのが技術面もそうかもしれないし業界面でもあるかもしれないなっていうふうにちょっと今聞いていて感じたんですけど、
取り組んでいく中でこういうところぶっちゃけしんどいですみたいなって何かあったりしますか。
2Cのサービスやってるときはユーザーの殺到とかでシステム落ちるみたいなパフォーマンス方面の悩みとかデータ量の悩みとかが多かったと思うんですけど、
今フィンテックとかやっていると意外となんかそのデータ量アクセス量よりもロジックの重さっていうのがやっぱりキーになってくるなとソフトウェア設計上キーになってくるなっていうのはすごく感じます。
どこから来るかっていうとこの規制があるのでこういったルールでデータを保存しなきゃいけないみたいなことがいっぱいあるわけです。こういった取引はこの時間が経たないと有効とならないよとかそういったこう様々なルールがそこかしこに転がっていて、
この報告書ではこういう要素を盛り込まないとダメですとかセキュリティ要件としてこういったシステムの隔離が必要ですとかそういった要件を全部詰め込んでいくのでその複雑な細かい要件の次達をやると確かにシステムが複雑化しやすくなるなっていうのが一つありますしそもそもドメインが複雑だと。
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会計一つ取ってもこれをどう仕分けるのかみたいなルールもすごい芸術的なレベルですからねよくできてるなと思うんですけど非常に複雑ですし、今アセットマネジメントとかやっても不動産証券化の世界なるほどこういうふうなことを考えなきゃいけないんだみたいなこういうデータを集めてこういうふうな発生主義だなんだっていろんな会計の知識も頭に入れながらシステム作らなきゃいけないので非常に複雑です。
でこのドメインの複雑さをソフトウェアに落とし込もうとすれば当然ソフトウェアはロジックが複雑重いものになっていくよねこれをどれだけスケーラブルにしていくかっていうところスケーラブルというのは特に機能数的な意味でのスケーラブルさが必要になってくるのでそこの設計上の難しさがあるかなと思ってますね。
なるほどありがとうございます。まさにやっぱりその金融業界って金融ってまさにこう人間の現代の中でずっとコアに存在し続けた分野だと思っていてその中でやっぱり人がずっとそこを携わり続けてきたこそ慣例的にあるものもあれば結果として複雑になっちゃってるものとかもいっぱいありそうな印象があるので確かにそこを紐解いていくところが大変でもありやりがいがあるところなのかなっていうのをお話し聞いてて感じます。
あとなんかもう1個感じるのがなんて言うんですかねこう圧倒的にこのサービス使ってもらった方が楽なのにやっぱりでも前のこの慣例に沿ってやりたいんですよみたいな会社さんとかって意外といたりこうそういう会社さんもあったりするんじゃないかなって気がしててなんかそういうところに対してなんかどうやって自分たちの価値みたいなところを理解してもらうかとかどういう発信とか啓蒙しているのかみたいなところをもしあればお伺いしてみたいなと思いました。
まずレイヤーXとして取り組んでいるところって僕らの中で閉じた取り組みなのでいかようにでもやりやすいなと思っています。それを使うお客様に関して言うとそもそも今の業務より便利になるから何も不安がないと。
レイヤーXの爆落って言ってしまえばその各プロダクト今いくつもプロダクトがあるんですけどそれぞれってまだ後発っちゃ後発なので一番こう若いプロダクトであるんですけどそれが何でここまで評価していただけているのかっていうと使い勝手にどれだけフォーカスしているかというところがあると思ってるんですよね。
なのでUXは世界を救うのかもしれないと。良いUX体験のあるプロダクトを作ると同じ機能でもやっぱりこの使い勝手の良い方っていうのは好まれるなと思ってます。これはすごく武器になると思っていて、一つのやっぱり鍵が今言った使いやすさなのかなと思ってます。
お金一つ送るにしても2Cってめちゃくちゃ今改善されてるわけですよ。もうペイペイ起動してとかメルペイとかいろんな決済アプリどれもユーザビリティ凝りに凝って使いやすいものになってますよね。起動して即座にQR出してすぐ払えるみたいな。そういった使い勝手をとことん研究したプロダクトが2Cでは当たり前になっていると。
2Bではなぜだかこのインターネット登場以降だいぶ時間経ってるのに未だに使い勝手が二の次になってるなと思っていて、僕らってチームがみんな2Cのサービス経験者なのでそこの前提で使い勝手を作っていくってことをやっているとやっぱりこれをちゃんと評価していただけるなと思っていて、しかもそれが自然とデジタル化につながってるみたいな。
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だから無理なくデジタル化につながっているっていうところは一つ僕らが提供できている本当デジタル化に対してやっぱサースがすごく重要なポイントなんだろうなと思っている理由ですね。
なるほどありがとうございます。もうとにかくUXっていうところでこう選んでいってもらうみたいなのはなるほどなというふうに感じました。ありがとうございます。
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ではちょっと続いてのトピックをお伺いしたいなって思うんですが、よくいろんな記事ちょっと今回拝見させていただいたんですけど、松本さんソフトウェアっていうところで事業のコアに発想展開していくことが重要みたいなお話とかをしていらっしゃる場面多いかなというふうに思うんですが、
こういうことを発信していらっしゃる理由とかそこの思いみたいなところあればお伺いしてみたいです。
僕はソフトウェア以前の経営上の一番の発明って会計だと思ってるんですよ。
会計というものがあって、僕らはその事業活動っていうのを生き生きと数字に表現できるようになって、在庫から売り上げからいろんなものを管理できるようになった。
一つの帳簿を見れば、この事業っていうのは生きてるのか死んでるのかっていうのをある程度見えるようになってきたと思ってるんですよね。
その次のやっぱり大革命がソフトウェアだったと思ってるんですよ。
ってことはですね、今の経営ってそのソフトウェアと会計この2つは前提として使わなきゃいけないものだと思ってるんですね。
なんでソフトウェアがその前提に入り込んだかっていうと、これまでって事業のサイクルってとても長かったんですよね。
プランニングからデリバリーまで。
でも僕らのソフトウェアって、下手すれば毎日とか少なくとも毎週各週とかのペースでいろんなプロダクトをリリースできるサイクルが確立してるわけです。
そうするとやっぱりこう事業の取り組み方が全然変わってくる。
特に僕らのレイヤーXの価値の一つにファクトベースっていうのがあるんですけども、
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この行動指針のこのファクトベースっていうのは実際こう例えば一つは数字とか実際ユーザーの振る舞いを見てその意思決定をしていこう。
1年に1回しかチャレンジできない事業体と、なんか365回まあさすがに365はないですね。
でも例えば年に100回実験ができる会社だと、その2つって100倍の試行、実験量の差があるわけですよ。
価格実験してたらね実験数多い方が絶対なんか真実にたどり着くってみんなわかると思うんですよ。
経営もそうなんですよ。ユーザーが本当に欲しいものって何ぞっていうのをたくさん実験すると見えてくるものがある。
100回実験するまあたくさんのものを試していってお客さんの声を聞いて数字を見て、そうすると1年経った後には100回分のファクトの差があると。
情報量の差があるというんですかね。より多くの情報を知っている方が将来より角度の高いプロダクトが作れる。
より角度が高いプロダクトを作れるってことは、それってまあそこに大きなお金をどんどん投下していくのでお金の投下量の差を生んでいくんですよね。
効率が良くなるのでより多くのお金が投下できて、そうするとお金の量とプロダクト品質のかけ算で大きな事業上の差を生んでいくと。
これがあの特にまあ最近の事例だとまあテスラと他の自動車産業の違いだと思ってるんですね。
テスラってその生産方法について、まあ工場をソフトウェア的に改善するってことをやっているというふうに聞いていて、
まあで毎日毎日何かが改善されている。この方がより良い生産ができるみたいな。
そういう実験を繰り返すことで他の自動車産業ではできない作り方をしている。
同じようにスペースXなんかもそうやって工場を実験していくことで他の宇宙産業ではできないようなスピードで品質でものをデリバリーしている。
この差ってすごく経営上大きいなと思っていて、これは全産業で起きてるんですね。
これは別にソフトウェア産業に限らず、さっきの自動車も宇宙みたいな本当に重厚庁大の産業ですらそれが起きている。
この差分がまあまんま今こう日本となんかこうデジタルうまくいってる国の差分になっちゃってるなと思っていて、
この期間はいわゆる比較する材料が豊富に揃ってしまったので、それを比較するにつきソフトウェアと経営っていうのを前提に置かない
状態が続けば本当に危機的な状況が続くなっていうか負けて小さな国になっちゃうなと思って、
ソフトウェアと経営というものを表裏一体に捉えようということをいつも話をしている感じですね。
なるほどありがとうございます。
そうしたらソフトウェアを使っていこうみたいな感じというよりも、
ソフトウェアっていうものがもたらした考え方のパラダイムシフトというか早く作って早く検証して早く改善するっていう、
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その考え方とかイテレーティブな改善という手法自体を経営というところに取り入れていく必要があるというところでこういうお話ししていらっしゃったということなんですね。
そうですね、トヨタさんのリーン生産方式というか看板みたいなものがありますけど、
あれを極端に早くできるようにしたのがソフトウェアなので、それはデータを明日には収集して集計することができるし、
ソフトウェアを1週間後にはデリバリーすることができるっていうのはこれまでいなかった特徴なので、
この特徴についていかないっていうのは、自ら進んでガソリン車の時代に馬車でレースしてるなみたいな感じになっちゃうんですよね。
なるほど、それでいうと逆にソフトウェアを作ってる会社だとしても、いわゆるアジャイル的な感じじゃなくて、
ウォーターフォール的にやってる会社さんとかもまだ多かったりすると思うので、
そういうところはまさに危機的意識を日本全体でその会社だけというよりも、
日本全体の雰囲気としてそういうのを是正していかないとねみたいな雰囲気を持つのは大事だなっていうのは今お話聞いてても感じました。
そうですね、それを事業としてうまくいったものをちゃんとお見せすることで証明していったり、
あとは一緒に事業を作ることで証明していったりってことがいろんな手段としてあるのかなと思っていて、
僕らの今アセットマネジメントの事業っていうのは三井物産さんと一緒にやっている事業で、
僕らも三井物産さんの持っているダイナミズムというか、大きなお金を動かしてこういった大きな事業を作っていくっていうのを見させていただいてますし、
逆に僕らはソフトウェアでこうやって経営スタイルが変わるってことをお見せしている。
このうまい交差点っていうのがですね、もっと増えてくるとこの世界ってもう少し良くなるんじゃないかなと思ってますね。
ちょっとまた続いての質問をお伺いしたいなと思うんですけど、
ここまででソフトウェアの力みたいなところについていろいろお伺いしてきたなと思うんですが、
逆にもしあれば全然大丈夫なんですが、ソフトウェアのここが限界だよなみたいに感じているところとかって何かあったりしますか?
ソフトウェアの限界ですか。
なんか当然のように道具のように使っているので、限界っていうものをあまり意識しながら使うことはないなと思ってるんですけど、
ソフトウェアファーストで考えるんだけど、ソフトウェアオンリーではないよなっていうのはよく話をすることが多いですね。
そのできることできないこと、特にその人間にしかできない領域は未だにたくさん残っているので、
なんかあと機械でもできるんだけど、事業の仮説証明のスピードを考えると一旦人でクリアしようぜみたいなことも当然あったりするんです。
例えば、そうですね、なんかOCRのツールを作りましたと、でもサービス上はOCRに見えるんだけど、本当にこれが必要なのか分からないから、
OCRのアルゴリズム頑張る前に、人手でルール頑張って作ろうみたいな、これ実は爆落請求書のOCRってそういう立ち上がりをしてるんですね。
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めちゃくちゃ最初から高度な機械学習モデルが組まれていたというよりは、最初はですね、人がありもののOCRツールとそれに対する意味付けのルールベースのロジックを組んで作っていきましたと。
その方が早いんですよね。本当にこのツールが使われるか分からないのに、1年かけて数億かけてOCRモデル作るよりは、
自分たちでまずは本当にユーザーの必要なものかっていうのを最小限の形で検証した方がいいので、
全てをソフトウェアできれいに解決しようとするエンジニアの癖みたいな、矜持みたいなのがあると思うんですけど、
これには若干の限界があるのかなと思っているので、そこのユーザー目線というか事業目線というのか、
加えての妥協みたいなポイントをどこで作るかみたいなのは大事なのかなと思ってますね。
なるほどありがとうございます。
しかもそれやりすぎると、ソフトウェアに対する厳密につながるんですよね。
なんかすごい時間かけてもの作ったんだけど、なんか全く使えねえじゃんみたいな。
これでね、結局こうAIはダメだとか、そういう風に言われ始めるみたいな、なんかこう潮流が来ちゃうので、
そうならないように、きちんと最小限でまず証明をしていくことっていうのが大事だし、
その時には実はソフトウェアオンリーじゃないんだよっていう風に思います。
なるほどありがとうございます。
やっぱりソフトウェアの特性として、イテリアティブな改善はしやすい一方で、
ゼロから100点のものを作るみたいなのはすごい難しいというか、
コストがかかりやすい性質は持っているのかなという風に思うので、
そこをどう折り合いつけて、今何パーセントのところに作って、
他のところはどう代替していくのかっていうのを考えながら、
ソフトウェアに向き合っていくっていうのは大事なのかなという風に思いました。
いわゆるリーンスタートアップみたいな話、考え方とかにも出てくるお話かもしれないんですけど、
改めてそこは大事だなというお話聞いてたり感じました。
そうですね。投資家からお金を預かっている感覚っていうのを、
ソフトウェア開発の現場で持ち始めると多少感覚がつかめてくるのかなと思っていて、
今このソフトウェアにいくら使っていいんだっけみたいな、
投資対効果、効率どうなんだっけみたいなことを常に考えて、
使っていくことが大事なんじゃないかなと思います。
松本さん、今回もありがとうございました。
まだまだお話足りないので、次回も松本さんとお送りします。
今回は松本さんとフィンテックというところとソフトウェアについて、
いろいろお話聞いてきました。
改めてソフトウェアの力だったりとか、どう向き合っていくべきなのかみたいなところに
いろいろお話を伺えて、僕もとても勉強になる時間になりました。
松本さんとCTを指定のエンジニアリングについてお話した前回のエピソードもぜひお聞きください。
さて、この番組では感想や質問、リクエストなどお待ちしております。
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そしてApple PodcastやSpotifyのPodcastではレビューもできますので、
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お相手はKiitaプロダクトマネージャーの清野俊文でした。