2025-04-08 22:36

#187 生産設備の高付加価値ってなんなんでしょうね?

厚利少売についての個人的な補足

サマリー

このエピソードでは、設備の価値を向上させることと小売業との関係が掘り下げられています。グローバリティや生産技術の課題が現代の製造業に与える影響や、高付加価値な生産設備の重要性について考察されています。また、生産設備の高付加価値については、古い設備の利用が新規投資よりもコスト面で有利であるという視点から議論が進められています。特に、機械の持つスキルや新たな試みに対する投資の必要性が強調されています。

設備の価値と小売商売の関係
明日のファクトリーオートメーションへようこそ、メインパーソナリティの高橋です。
本日もよろしくお願いします。
今日も一人で話すんですけど、お便りいただいています。
名もない猫さんよりありがとうございます。いつもラジオを楽しく拝見しています。
高橋さんがご紹介いただいた小売商売ラジオ、非常に面白くて全て聞いております。
そこで質問なんですけど、高橋さんもいつも述べられている、
設備の価値を上げるっていうことと、それは小売商売だっていうことを非常にマッチするなというふうに思ったんですけども、
それに対して何か追加のご意見とかあれば伺えると幸いですということで。
そうですね、以前どこかの回で言ったのかな。
私やクリスさんが聞いている他のポッドキャストは何ですかっていうところで、
私が小売商売ラジオという、今年のジャパンポッドキャストアワードにもノミネットされた、
最優秀賞を取った、
企画賞の最優秀賞が取ったラジオなんですけど、
薄利多倍の反対で小売商売と厚い利益の少なく売ると。
少なく作って高く売るってことですね。
これが今後やらなあかんですよっていう話で、
これは今の製造業のトレンドとか考え方を非常にうまく表した言葉なんじゃないかなっていうふうに自分は思っていて、
この小売商売ラジオと小売商売って言葉はめっちゃいいですよという話を前回させていただいたというところで、
ちょっと補足をするのであれば、
日本の生産事情っていうものがあるんですよね。
昔は日本でいっぱいものを作って、日本からガンガン輸出してっていう経済モデルが全然成り立ってた時代があって、
その時やっぱりいっぱい作るっていうことは結構重要視されたんですけど、
やっぱり今世界各国、特にトランプ関税とかいろいろありますけど、
世界の貿易戦争やいろんな貿易摩擦の中で、
日本だけで作ってそれを全部輸出するっていうことがなかなか難しくなってきてるっていうグローバリティーな事情があると思います。
なのでやっぱり現地法人を立ち上げて、現地でものを売ってと。
企業としてはそれでやっぱり儲かるんだけど、
それが日本で働いている我々の視点から見た時に、
自分たちに旨味があるかどうかっていうのはまた別の話だと思うんですよね。
ものすごい薄利多悪で世界に工場をバンバン建てて、
企業としてはめちゃめちゃ儲かってますってなった時に、
でもそれはセグメント、販売セグメントはめちゃめちゃ海外にあって、
日本の人たちが働いて稼いでるお金っていうのは利益がどれだけですかっていった時に、
たぶんそんなに出ないんですよ。
日本の生産事情とグローバリティー
となった時に、やっぱり日本の人たちの給料を上げたりとか、
大愚欲したりするっていうのはやっぱりなかなか難しいんだろうなっていう。
当然だから世界を管理してる人たち、
製品企画したりとか、世界の生産技術を管理して工場を管理したりとか、
そういうマネジメントであったりだとか経営戦略っていうところでは当然ながら高い価値っていうのは提供できるんでしょうけど、
日本の工場で働いたりとか、日本の工場の生産技術であったりとか、
そういう日本にローカライゼーションしたところに着眼していくと、
なかなかやっぱり利益、一人当たりの利益ですかね。
日本で働いているセグメントだけで見た時の利益ってなかなか上げづらい時代が来てるんだろうなと。
上げづらいっていうよりは、いっぱい作ったっていうところがあんまり関係なくなってきてる。
自分たちの大愚欲工場には。
っていうのがやっぱりあるなっていうのは僕は自動車会社で働いてすごく思うんですよね。
自動車会社で言うと、海外の現地工場で、
僕らは現地の自立化って言葉をよく使ったりしますけど、
今まで日本で設備を作って海外に行ってたのを海外のローカルメーカーでやれるようにしましょうとか、
日本で生産技術を全部見てたのを海外だけで立ち上げられるようにしましょうとか。
そうしたらすごい利益は上がるんですよね。
やっぱり日本から送るといろんなコストがかかったり、時差の問題だったり、いろんなネガティブな要素が排除されるんで、
すごく経営の効率は良くなるんだと思うんですけど、
ただ、そうなった時に日本から仕事をしている僕たちの価値、バリューがどんどん下がってくると感じてて、
高付加価値生産設備の必要性
これは良くないと。
これ現地の自立化をやるって言ってるけど、じゃあ現地の自立化終わった後、俺たち何の仕事をするんだろうと思っちゃうんですよ。
自分がやっぱり、例えばめちゃめちゃ英語が喋れて、めちゃめちゃコミュニケーション能力が高くて、
っていうのであれば、その状況っていうのは非常に都合が良いんですけど、
前に行くですね、僕は英語が全然喋れないし、勉強するのもあまり好きじゃないし、
何ならコミュニケーションもそんなに得意じゃない。
知らない人と喋るのもそんなに得意じゃなかったりするんで、
この流れは自分に対して結構不利なんじゃないかみたいな。
これやっぱり思ったりするんですよ。
っていう時に、この小売商売ラジオというラジオと、
菅原健一さんっていう小売商売っていうことを提唱している経営アドバイザーの方の考え方に触れて、
やっぱり前から考えたことをパッと言語化したらこうなんだなっていうのをパーってやっぱり思ったんですよね。
日本にいた時に、日本人が今作れるものの量っていうのはあんまり増えないです。
限定的だと思っていて、僕も。
だからやっぱり自分たちの仕事をすごくダイレクトにいろんなことに反映させていこうとすると、
やっぱり自分たちの作る1個あたりの価値っていうのはどんどん上げていかないと厳しいだろうなっていう。
これやっぱり日本としてという話よりかは、もう少し個人に着目した考え方なんだとは思うんですよね。
企業としての儲け方とか国としての儲け方っていうのはもっといろいろあるはずで、
ただ製造業で働いている、しかもハードウェアに近いところで働いている人たちのポジションから考えた時に、
薄利多倍は結構厳しいなって思うんですよね。
だからやっぱり物を作ったり、
今日本で働いている私たちの責任の範疇で自分たちのやることだけをうまく扱っていくのであれば、
やっぱり自分たちの作るもの自体の価値を上げた方がやりやすそうだなっていうふうに今のところ思っています。
だからやっぱり、僕はやっぱり生産設備が専門ですけど、
価値の高い生産設備ってなんだろうとか、
それって安いことじゃないよねとか、
どういう世の中になったら自分たちの価値の高い設備っていうものが受け入れられるだろうとか、
そういう違った視点が必要なんだろうなと。
今だったらやっぱりQCDですけど、
よく言われることっていうのは、品質、コスト、デリバリー、納期ですけど、
本当にこの3つだけかとか、
QCDの順番で重要って言われてるけど、
本当にその順番かと。
こういう考えかと思ってたんですけど、
やっぱりこの小売商売の本を読んだときに、
順番ですね、これも前のポッドキャストでちょっと言ったと思うんですけど、
まず値段を上げろって書いてあるんですね。
まず値段を上げる。
それがファーストステップで、
高い価値を提供するのはステップ3やっていうふうに書いてあるんですよ。
これはね、やっぱりそうなんだろうなって思うんですよね。
で、これ小売商売ラジオの中でも触れられてるんですけど、
この菅原賢史さんって方が10倍。
今まで1000万で売ってたものを、
1億円で売ろう、10億円で売ろうっていうふうに最初に考えたときに、
10倍にするんだったら、今のお客さんのとこに行っても絶対売れないから、
誰だったら買うんだっていうそういうマインドチェンジが起こったって言ってるんですよね。
これはね、やっぱりそうなんだと思います。
やっぱり10%改善したりとか、15%高い目標とかだったら、
今のやり方の改善でやっぱりうまくなんとかするほうが効果的だし、
説得もしやすいと思うんですよね。
これが本当に高い目標バーンって立てたときに、
今までのやり方は絶対無理だから、やっぱりこいつのやり方探すんですよっていうですね、
マインドチェンジのためにもすごくいいだろうし、
いろんな会社のビジネス的な考え方にもこういうのはすごくよく言われることですね。
今を視点にするんじゃなくて、
僕の住んでる地域に言い方で言うんであれば、あるべき姿は何なんだっていうね。
あるべき姿がどういうもので、今どういう現状だからギャップがこれだけあって、
このギャップが課題なんですよねっていうそういう考え方ですよね。
そのあるべき姿っていうのをかなり引き上げたところに置くと、
やっぱり今の現状とのギャップがすごくよく見えて、
そこをどうクリアしていくかっていうことが非常に考えやすくなると。
これはね、自分の経験上とか僕の育ってきた文化とかも非常によくマッチして、
勉強になるなっていう。
勉強になるなっていうよりは、まあそうだろうなっていう。
もしかしたら僕は自分の都合のいいとこだけ受け取っているようなかもしれないですけど。
で、やっぱり製造の価値を上げる、人事の価値を上げる、いろんなものはそうですけど、
やっぱり提供する価値を上げる。
価値を上げるっていう言葉が受け入れられにくい。
価値って何?みたいになっちゃうんで。
やっぱり安くていいものっていうよりは高くてめっちゃいいものにシフトしたいんだと思うんですよね。
その時に考えないことは非常に多い。
特に僕のやってる生産設備とかだと、
まずやっぱりその生産設備1個だけ良くても意味ないんで、
その一番ボトルネックなところに引っ張られる。
生産ラインの問題点
例えば1日1000個作る生産ラインがあって、10個設備があって全部1000個生産できれば問題なくいけますけど、
1個だけ100個しか作られへんのがあったらもう1日100個しか作れないですね。
周りの設備はどんだけ1000個作れたとしても。
なので僕のやってる設備だけ1万個作れたって結局は1000個しか作れないんですよ。
じゃあ全部1万個作れるにはどうしたらいいかとか、そういう話になってくるんですよね。
そうしたらそもそも今の工場インフラは微妙じゃないとか、
そもそも今の工場の在り方は微妙じゃないみたいな話になってくると思うんですよ。
そういうことをいろいろ考えて、自分たちだけじゃなくて周りも含めてどういうふうにうまく持っていくか。
これはよく言うプラットフォームの議論だとは思いますけど、
そういう話に持っていきたいなという生産技術もしくは工場技術っていうところについてもですね。
これも一流の人を前にするとフンって言われるような浅い考えな気はしてるんですけど、
やっぱり今は生産設備の構成する部品とかコントローラーも含めてどんどん値段が上がってるっていうのもありますし、
だから工場の話だけで言うと、昔の設備を使うのが一番安いんですよね。原価消却終わってる設備。
普通生産した製品の原価ってどういうふうに決まってるかっていうと、
当然その人件費とか工場の電気代とかは当然かかるにして、
それプラス工場に投資した金額、例えば100億円投資しましたっていうと、原価消却って言って、
この100億円は7年分使うと仮定しますみたいな。
そうしたらその7年を7年で生産する製品の数で割って、それを一つあたりの製品の原価にいったりするんですよね。
それが7年経つと、これはもう全部消却、ペイしたと。
7年分の金額的な役目、支払いは終わりましたみたいになるんで、
7年以降は生産する製品に投資したお金が原価に乗ることはないんですよ。
だからこの7年経って新しいLINEを作りますっていうのと、今までのLINEを使いますっていうと、
この設備の投資分だけ、金額やっぱり古い設備は安いんですよね。
この設備費っていう金額だけで見たときに。
だからですね、生産済みとか生産技術の領域って、
結構ね、昔のLINEを使うことが新規投資、新しいLINEを作ることに対して勝っちゃうんですよね。
こっちの方が安くていいと。
でもなっちゃうんですよ。
だから基本的に安さを目指していったりすると、昔のものが結構強いんですよね。
新しいことをしたときに設備投資もかかるし、新しい人も入れないといけないし、
人にすごいスキルが必要なんで、そのスキルを人を引っ張ってくるだけに金額もかかるし。
新しいことをするとすごくお金がかかるんですけど、今までこういったことがあったらそうだと。
でもこれは言い換えれば何も変えないっていうことなんですよね。
何も変えない、何も変えないとちょっと語弊がありますけど、極論で言うと何も変えないことプラス新しいことをすることの戦いなんですよ。
だから何も変えない方が安いから選ばれると本当に何も変わらないんですよね。
これは別に良いこと悪いことっていう話じゃないんですよ。
ただ新しいことをする人たちの、お仕事をする人たちのポジションから見たときに、
それだとその人たちのキャリアと人生設計となかなか難しくなってくると思うんですよ。僕はやっぱりそう感じてるんですよね。
高付加価値の実現
だからどんどんと保証しましょうっていう方が選ばれるためには、どういうものが必要ですかって。
値段が安いですっていうのはもう圧倒的に不利な戦いになるので、高くてもいいじゃんっていう。
これは人によって全然考え方が違うんですけど、僕も自分の会社の人にあまりこの話をしたときに通らないですけど、
どうやったら高く買ってもらえるかなって考えたときに、高いけど安いってことですよね。
いろんな価値、金額の価値だったり高数の価値だったり、いろんな指標に変換できると思うんですけど、
それを総合的に見たときに何かよりいいっていうことなんだと思うんですよ。
これもちょっとしか超えてなかったら、そんなリスクあるじゃんとか、結構その指標は生成的なんですよね。
何かいい気がするとか、これからこうじゃないかみたいなすごい訂正的な話になるんで、やっぱりちょっといいだけだったらやっぱりやんもとのでいいじゃんってなっちゃうんで、
めっちゃいいっていうふうにしないといけない。2倍3倍にいいですよっていうふうにしていかないといけないっていうやっぱり考え方。
いかに高いけどめっちゃいいもの、これをどうするかっていうのがやっぱり自分の働いているところだったり、資産技術もそうですけど、
日本の中で今後やっていくには必要な考え方なんじゃないかなっていうふうに今の時点、2025年時点の僕の考えとしてはそういうふうに思ってます。
ただこれはこうじゃないとダメっていうよりは、僕が今の自分のスキルセットと自分の職業でやっていくためにはこういうふうにしていったほうがいいんだろうなっていうふうに思ってるだけなので、
当然だから逆の考え方が有利な人たちも当然いるのは間違いないです。
その人たちがダメなわけでは当然なくて、それは人の考え方だしっていうところですね。
あんまりこういう話を真剣に語ると恥ずかしいんですけど、やっぱり僕は今のところそう考えているかなっていうところですね。
すいません、20分くらい長々となりましたけど、今日はここで終了したいと思います。ありがとうございました。
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