長澤文庫 エンカウンター
暗闇の読書会。異なる職業、年齢、出身のゲストが集い、人生を変えた一冊を読み解く、暗闇の読書会。
そこにエンカウンターしたゲストは、その本から自分に必要な何かを持ち帰れる。偶然ではなく、必然の出会いがある場所。
そんなエンカウンターの世界へ、あなたを誘います。
4月5日、土曜日。はてしない物語 ミヒャエル・エンデ その1がスタートです。
改めまして、長澤文庫支配人の長澤則子です。
施書見習いのトーマス・J・トーマスです。
ここ、長澤文庫には、あらゆるバックグラウンドの方々の人生を書いた一冊が所蔵されております。
今、お聞きいただいているあなたとの出会いも、偶然ではなく、必然の出会いです。
ぜひ、最後までお楽しみくださいね。
この番組では、心理的安全性を担保していくことを大前提に発信しております。
はい、ありがとうございます。
心理的安全性、これ実はですね、Googleとかも使っちゃってる。そんな手法だったりするんです。
難しくなっちゃうので、いわゆるここでは感性が違う、違っていい、それを受け取る。
みんなでオープンに語れれば、それをこの心理的安全性というのを使って目指しております。
はい、なので、支配人のこともノリちゃんと呼ばせていただいておりますので、ご了承ください。
はい、私もトーマスと呼ばせていただきますので、よろしくお願いいたします。
私たちは、暗闇の読書会を月に一度開催させていただいています。
本の模様をこちらのポッドキャストではご紹介しております。
今月、今回から4本にかけて配信していく会の登場人物をまずはご紹介させていただきます。
まず本をご紹介いただいたのが、ゆりちゃんです。
その場に育ったメンバーとしては、りえちゃん、さおりん、しゅうちゃん、そして支配人のノリちゃんと私、トーマスです。
ではここで、今月の本のご紹介です。
果てしない物語 ミハエル・エンデ 著
10歳のバスチェアンは本を読んでいた。
ファンタジエンという国は、正体不明の虚無に侵され、滅亡寸前。
ファンタジエンを救うには、人間界から子供を連れてくるほかない。
映画化された大長編ファンタジー
それでは、先日開催された読書会の様子をお聞きいただきます。
どうぞ。
ゆりちゃん、早速ですが、果てしない物語を皆さんにご紹介ください。
これ、ご存知の方は、ぜひ手に取ってほしいんです、私、この本は。
これ、なんで好きかっていうと、私、たぶん高校1年の時に図書館かなんかで見つけて、
これ私ですね。じゃあこれだったらいいね。
図書館だから、このパッケージは確かなくて、これだけがあって、なんだこの分厚い本。
しかもなんかこの表面の、手触りが。
たぶんね、でも手触りはね、分かんなかったと思うの。
学校の本とかって絶対、コーティングされてるでしょ。
ブックコーティングされて、ビニールがけになってると思うから、分からなかったんだけども、
なんせこの本があった時に、すごいなんだろうこれって手に取っちゃったんだよね。
で、まだにこの話が、10歳だったけど、男の子、少年が、この本を手にするんだけれども、ある古本屋で。
その本を見た時に、もうなんか自分の物にしたくなっちゃった。
ああ、そうだったそうだった。
で、盗んじゃうの。古本屋さんで、おじさんが読んでた本。
で、その10歳の少年っていうのは、さっきのリエーションの話じゃないけれども、
学校でいじめられてて、で、デブでチビで、みたいな。
学校行くのも嫌でって、お母さんは最近亡くなっちゃってて、
お父さんはしか、義士かなんかで、仕事ばっかりで、自分とは会話もなくて、みたいな子供が主人公。
で、なんせさ、私読んだのが高校生だから、覚えてなかったのさ。
で、野木子さんからこの話をもらった時に、やっぱりなんでこんなバツイ本をあげちゃったんだろうって、まずそこから。
で、もう治ったんですけど、先週、私インフルエンザにかかってまして、
治ってからですね、横になりながらこれ読み直しました。課題図書のように。
偉い。私って偉いと思った。
そしたら、この表紙って見ると、赤金色で、明るいところと暗いところが光るんですよ。
よく見ると、ヘビが2匹のヘビ。
明るいヘビと黒いヘビ。これ、白いヘビと黒いヘビって言ってるんだけど、これがお互いの尾っぽを噛んでいるっていう、そういうデザインなんです。
これがですね、実は話の中ですごいキーワードになっているので、どんな話かっていうのを話した方がいいですね。
男の子は盗みました。盗んで学校に逃げ込みます。学校でこの本を屋根裏部屋で読み始めます。
その時に、中の文字をちょっと見てほしいんですけど、いきなり始めの文字はね、赤い字で始まっているのね。
文字は赤いんですけど、これね、物語が、アルファベットのAからZまで章があって、Aの章はですね、実は話が始まると緑になるの。
つまり、この、はい、色も変わる。死火系本じゃないけれども、この果てしない物語っていう、主人公が読んでいる話の中の時の緑の字なんですね。
そんで実際に、その主人公が今どうしてるとか、物音がしてちょっとびっくりしたとか、そういう時に赤い字で入ってくる。
それを読んでいる時に、自分がほら、同じように主人公と一緒に、なんかどんどん入っていく感じ。
これがね、面白いなと思って、どんどん読み進めていくわけですね。
主人公はマサエナ、男の子だけれども、だんだん物語とリンクしていって、この物語、果てしない物語の中のファンタジー園っていう国があって、
そこがどんどんね、何て言うんだろう、何もない状態がポツポツと世界中にできてくるの。
何もないっていうのは、空虚でもないし、暗闇でもないし、よくない言葉なんだけど、この中ではメシになったようなっていう表現をする。
そういう地区が、このファンタジー園っていうおとぎ話の中で、いろんな地区に起こる。
それを国中の人がお姫様に報告に来るっていう、まずストーリーを主人公と一緒に読んでる。
でもそれを助けられるのは人間の子供だけっていうことが分かって、
その人間の子供を探しに行く使命を与えられる影のヒーローっていうか、そのストーリーの中のヒーローがいるのね。
その子が女王様から、じゃああなたは不快ねって言って首から下げてもらうお守りみたいなのがあって、
それがこの蛇なの。金色の蛇のタウリンっていうのを首から下げるんだけど、これがあればどこでも恋なのよね。
オールパスっていう話で進んでいきます。いきますが、そこでもうみんな分かるよね。
人間の子供っていうのは本を読んでいる主人公の子供なんだ。
その子が、僕ならそれができるとかなんか声を発すると、それがこの中に出てくるの。
今、子供の声がしたぞとか、あれ何でだろうって今僕の声がしたの?みたいなのが、だんだんどっちがどっちか分からなくなってくる。
そして最終的には、デブで小さい男の子はこの本の中に入っていきます。
ここから私ね、読み直して腹が立ったんですけど、
お姫様に新しい名前をつけてあげることによって、消えていく、滅神になる、あの現象はクリアされる。
これですっかり良くなりました。きれいな国になりました。
ここから今度は、彼が主人公の子が思うような、やりたいことをやっていきなさい。
どんどん作っていきなさいって言われるの。
だから叶えたい夢というか、どういう世界にしたいとかいうのをどんどん叶えていくのね。
するとだね、人間界での記憶が一個また一個と消えていくんだよ。
腹立たない?それ。
そんなこと誰も教えてくれないし、きれいなお姫様も教えてくれないし、いなくなっちゃう。
教えてくれないのね。
いなくなっちゃうの、それで。会いたくても会えないの。一回しか会えないから。
放り出されて、でもデブでチビの子は、この国に来た途端にすごい王子様になっている。
見てくれも良くなって。だからどんどん気分が良くなって、自分の思うように国をどんどん変えていくわけね。
結果、学校にいたことを忘れるとか、いろんなことをどんどん忘れていくけど、忘れたことが何なのかはわからないわけね。
で、最後の方になるとですね、君は人間界のことを忘れてるよ、と。
良い人が教えてくれるわけだ。そんなのはないよ、と。
しまいには名前も忘れそうになる。
まあ忘れるんですけど。
で、最後本当に何もなくなった時に、何が助けられるかっていうのは、愛なんだって。
ここはね、ちょっとすごい文章があるんで、後で読んでくれるといいかなっていう感あります。
それで、お父さんに会いたいっていう思いで、お父さんのことも忘れてるんだよ、忘れてるんだけど、ある国でお父さんのあれをね、肖像画みたいなの見つけて、なんかこの人気になる。
何だっけっていうので、人間に変えれるんだけれども。
何が腹立つってさ、浦島太郎もそうだけど、むかつかない。
助けてあったのにさ、そんないろんなアドベンチャーがあったけれども、なんでそんなに苦労させられるの?って思っちゃって。
で、救われたのはね、読み直して、これを本屋さんに返しに行く。と思ったら本がないの、存在自体がなくなっちゃってる。
そうなんです、そうなんです。
それででも謝りに行った時に、その本はもうそれでおっしゃる通り終わったことだから、また別の話が別のところでまたあるんだよと。
で、ファンタジー園は僕も行ったよって、その本屋さんもその世界はあるよって、大人が肯定してくれてる。
もちろんお父さんも話を聞いて、お前の言うことはわかるよって、すごい体験をしたねとか、これからは親子で仲良くやっていこうみたいな綺麗な形で終わるんだけれども、
なんせ読み終わった時に、私腹が立って、あれ?こんな話だっけ?っていう。
子供の頃は多分わーっと思って、わーすごいすごいと思ってたのが、大人になって読み返したら、なにこの理不尽さっていうのに異常に腹が立ってたというお話です。
あとこれはですね、映画にもなっておりまして、1985、86年かな?
白いあのね。
その通りです。はい、フッフールですね、あれは。
白い竜が空を飛ぶんですけど、リマールというイギリスのアーティストが、レワイニングストーリーというスマッシュヒットがありましたよね。
あれがテーマソングで、映画にもなっておりまして、私ね、映画も見たんですよ。
まあさんざんたるもんでね、作っちゃいけない。
そうだよね、もうファンタジーは作っちゃいけないよね。
作ってよかったのは、たぶんハリーポッターだけだと思う。
ハリーポッターは何か言われてるもんね、映像にするための漢字っていうのは。
これは本当にね、本で読んでこそ、はい、だが長い。
長い。対象年齢12歳以上って書いてあったかな。
いやー結構長いです、細かい字も。っていうお話です。
ありがとうございました。
ゆりちゃん、ありがとうございました。
はい、というわけでお聞きいただきました。ありがとうございました。
なかなかあれでしたね、ゆりちゃん、怒ってましたね、この本に対して。
怒ってましたよ。なぜ記憶がなくなるっていうのを言ってくれないの、みたいなね。
本当ですよね。
本当に怒っていました。
最初に言われてたらやらないですもんね、きっとね。
でも本当、それぐらいの大きな大きな代償を払っても、この冒険したい人ももしかしたらいるかもしれないです。
なるほどね。
わからないけど。
わからないけど、なるほど。
そうですね、でも本当ここでリアルで皆さんに、ゆりちゃんがなぜこの本を手に取ったかっていうところで、本を触らせてもらったじゃないですか。
はいはいはいはい。
あれトーマスいかがでした?
なんか本当に、ゆりちゃんもおっしゃってましたけど、本の想定だけでも、じゃけ買いじゃないですけど、ちょっと欲しくなるデザインですね。
そうなんですよ。そこでね、今日はちょっと皆さんに、ここの文章をじゃけ買いしちゃうかもしれないぞというのをですね、本の文章内からちょっと抜き出してみます。
そういうのがあるんですか。
はいお願いします。
バスチアンは本を取り上げると、ためつすがめつ眺めた。
表紙は赤金色の絹で、動かすとほのかに光った。
ぱらぱらっとページをめくってみると、中は二色ずりになっていた。
差し絵はないようだが、各章のはじめにきれいな大きい飾り文字があった。
表紙をもう一度よく眺めてみると、二匹のヘビが描かれているのに気がついた。
一匹は明るく、一匹は暗く描かれ、それぞれ相手の尾を噛んでいて、楕円につながっている。
そしてその中に一風変わった飾り文字で題名が記されていた。
こんなふうに描かれてたりとかするんですよ。
リアルに見ているトーマスはすごくイメージが湧きました、今の。
よかったですね。こんなふうにやっぱり描かれているような、本当リアルでそんな感じの本なんですよね。
物語に出てくる本と同じ形の想定を、この果てしない物語はされているということですね。
と思います。
この後で、また第2回からもお話に乗っかってくるんですけど、
このヘビの文様のことが、またキーになってくるんですね。
そうですね。
ぜひそのあたりのところも、2回目聞いていただけたらなと思います。
ぜひお楽しみください。
では最後までお聞きいただきありがとうございました。
あなたはこの本から何を感じましたか?
長沢文庫ではあなたからの質問や感想を募集しています。
概要欄にお便りフォームをご用意しております。
番組へのご意見やご感想をどしどしお送りください。
いただいたお便りの中から、毎月抽選で1名の方に、
ご紹介している本を1冊プレゼントさせていただきます。
お得ですね。
楽しみにしておいてくださいね。
この本は嬉しいでしょうね、届いたら。毎回嬉しいですけど。
これはですね、皆さん500ページ越えですからね。
ちょっと普通の本とは違って、
本当にさっきジャケ買いって言いましたけど、
置いてあるだけでも気分が上がる。
確かに、その通り。応募ください。
ぜひぜひ。
ということで、偶然ではなく必然の出会い。
あなたにもきっと起こるはず。
それではまた来週。
バイバイ。
最後までお聞きいただきありがとうございました。
ナレーションは高橋洋介洋さんがお送りいたしました。
それでは、Thank you for your listening and see you again soon.
バイバイ。