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2025-04-15 11:55

#044 『わかりやすい英語解説』の罠

SNSでバズる“英語の真理”が、実はあなたの英語力を鈍らせているかもしれません。

言語好きな一般男性ソウイチが、英語やその他の言語に関するモヤモヤを「悪口」として吐き出しながら、言語についてあれこれ考えていくPodcastです。

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サマリー

ポッドキャストエピソードでは、英語教育に関する誤解を招くアカウントが批判されています。特に、可愛らしいイラストを使った英語の解説が学習者に与える影響について考察されています。また、日本語の難しさに関する誤解や、子供が聞き取った英語の表記法の誤りについても触れ、言語の正確性の重要性を訴えています。

英語教育に対する批判
この番組は、言語大好きで英語嫌いな私、ソウイチが、英語への悪口を垂れ流しながら、
言語についていろいろなことを考えていく、ポッドキャストプログラムになっています。
番組内で登場する英語への悪口は、全て私の個人的な見解ですので、どうぞご了承ください。
はい、どうもこんにちは、エイゴサーチのお時間でございます。
この番組は、英語サーチという名前で、オープニングにも英語のことをいろいろ言っていこう、なんて話をしてるんですけど、
ちょっとしばらく英語の話してなかったんですよね。
なんか、お友達からは、2回連続で映画の話したから、映画サーチなんて言われてしまいました。
なので、今日はちょっと久しぶりに英語の話をしていこうかと思うんですが、
私、自分の本体がツイッターにあると思っているぐらい、結構ツイハイなんですけど、
まあ、いろんなタイプの英語教育系アカウントがあるじゃないですか。
私はそれをたまに見て、「けっ!」なんて言ったりするんですけど、
1つだけね、どうしても許せないアカウントがあるんです。
具体的な名指しはちょっと避けますけれども、どんなアカウントかっていうと、
いろんなね、ちょっと可愛らしいイラストをアップしながら、そういうのを交えつつ、
英語を分かりやすく解説するみたいなアカウントがあるんですね。
これがね、学習者には結構外役なんじゃないかなって思ってるんです。
どんなイラストを載せてるかっていうと、
例えばですね、可能性・推量を表す助動詞をまとめたイラストでね、
例えば、It is a dogっていう文章があるとするじゃないですか。
で、It is a dogだったら100%。
それから助動詞mustを使って、It must be a dogだったら99%。
willとかwouldを使ったら80%。
should、ought toだったら70%。
canなら50%。
may、mightが30、couldが20みたいな感じで、
パーセント付きで可能性の助動詞を並べてるんですね。
で、0%がIt is not a dog。
これは犬ではありません。
これが0%です。
言わんとしてることはわかるし、
こういう風にパーセンテージで並んでると、
英作文で選ぶときにも迷わないんですよ。
だから、わかりやすい助かるとか、
これを学校で配ってほしいとか、
そんなコメントもたくさんついてるんですけど。
ただ、本当に英語を教えようと思ってる人だったら、
こういう図が結構危険だっていうことも多分わかってくれると思うんですよ。
だし、この絵が学校で配られないのには、
ちゃんとした理由があるっていうことをわかると思うんですよ。
日本語の難しさについて
まず、可能性とか推量の助動詞って、
こういう単純なパーセンテージで綺麗に並んでるわけじゃないんですよね。
例えば、It would be a dog。
ここでは80%っていう風になってる。
It would be a dogっていうのは使い方がちょっと難しくて、
wouldって、普通、文脈なしでいきなりwouldだけ登場するってあんまりないんですよね。
I would like toとか。
考えられるのは、例えばね、
It would be nice if I had a dog。
犬を飼っていたらいいだろうねとか、
家庭の文章というか、事実と異なることを記述するっていうね。
反実仮想って、固定の授業でやった方もいるかもしれませんが、
事実とは異なることを言うときに使うことが多い助動詞なんですよ。
I would like toなんとかっていうのも、
家庭の文章では厳密じゃないけれども、
こういうんだったらいいなーっていう、
ゆるやかな希望を表してるわけです。
そういう文脈ありきでwouldって普通は出てくるので、
いきなりIt would be a dogって言うと、
どういうことですかって普通はなると思うんですよね。
それからcanっていう助動詞で水量を表すのも、
結構限定的な感じがするんですよね。
It can be a dogっていうと、
普段は犬じゃないけど、
場合によって犬になることもあるみたいな感じがします。
例えば、どっかのお家に遊びに行って、
玄関先でドアを開けたら、
猫が待ってるときと犬が待っててくれるときがあると。
で、It can be a dogっていうのはあるけど、
それって別に水量とかじゃないじゃないですか。
犬であることがあるみたいな。
ここでいう水量の可能性のパーセンテージには、
ちょっと当てはまりづらいというか、
その可能性の質が違うんですよね。
この絵の中では30%ってなってるmightが、
20%のcouldよりも上にきてるんですけど、
僕の感覚ではmightはかなり控えめな水量。
そう、ワンチャン犬かもしれないよね。
もしかして犬かもねみたいなイメージで、
It might be a dogっていう感じ。
でもcouldも同じくらい低いんですよね。
It could be a dog, maybeみたいな。
犬かもね、ワンチャンねみたいな。
そういう感じなんですよ。
助動詞ってそもそも和写の気持ちをそこに乗せるものなので、
例えば可能性が実際高かったとしても、
自信がなければ可能性が低いとされる助動詞を使うことだってあるし、
逆もまた叱りだし、
それを一直線のパーセンテージの上の線に並べて、
何%の時はこれ、みたいな説明するのって、
かえって誤解を招くんじゃないかなって思います。
このアカウントのもう一つ嫌だなって思うところが、
謎に日本語すごいみたいな、
日本人すごいみたいなことを急に言い出すときがあるんですよ。
最近見てうわーって思ったのが、
いろんな言語の文字を比べて、
英語のアルファベットは26文字、
ロシア語のアルファベットは33文字、
ギリシャ語のアルファベットは24文字、
スペイン語のアルファベットは27文字、
イタリア語のアルファベットは21文字、
日本語はひだがな46文字、カタカナ46文字、
漢字2136文字。
で、うわー、日本語難しい、みたいな。
こんな言語を操ってる我々日本人って、
実は天才なのでは?みたいなコメントがついてました。
なんか日本人って言うとちょっと主語が大きいんですけど、
なんか日本語は難しいって、
やたらと言いたがる傾向があるなって思っていて、
日本語は結構世界でも難しい言語だ、みたいな記事が
時々バズったりするんですよ。
で、そこにくっつく形でこんなに難しい言語である日本語を
母語として操る日本人ってすごくない?みたいな
コメントが必ずつくんですね。
で、どういうことなのかなって思っちゃうわけですよ。
当然なんですけど、母語なので母語は別に難しくないです。
母語話し方としても日本語には難しいところたくさんあるとは思いますけど、
そういうことではないじゃないか。
で、この文字数の絵に関して言ったら、
ある言語が難しいかどうかっていうのは文字数の多い少ないにはあんまり関係がないんですよね。
文字数が多い、例えば日本語みたいにいろんな文字を覚えなきゃいけない、
いろんな文字を覚えないと書くっていうことさえちょっとままならない、
みたいな言語だと、普通に文章を書けるようになるまでに
すごくたくさんの時間を要するっていうだけだと思うんですけど、
でも、例えば英語だってアルファベット26文字しかないけれども、
単語数で言ったらものすごくたくさんあるわけですよね。
だから、どこにみんなが苦労するかとか、
どこに時間をかけて勉強しなきゃいけないかっていうのが言語によって違うだけで、
その言語そのものの難しさにはあんまり関係がないと僕は思うんですよ。
子供の発音と誤解
こういうのを見て、難しい日本語をやってる私たちすごいみたいなことを言いたがる人に
私は本当に嫌でたまらないですね。
あともう一つ僕の大嫌いなネタがあって、
そういう人は同じネタを何回も何回も投稿するので、
またこれかってなるんですけど、
子供が聞いた通りに英語の発音を文字に起こしたらこんな風になりました。
やっぱり子供の耳ってすごいねみたいな。
で、子供が聞き取って文字に起こしたとおしき、
カタカナないしひらがなで書かれた英語の読み方が並んでるんですけど、
別に子供が聞いたからって正しいわけではないし、
例えば小さいっていう意味のリトルっていう単語をリトルってカタカナで書いても
多分ネイティブの話者には通じないが、
しかし子供がそれを聞き取ってリローって書いてあったとして、
でもリローだって違うじゃん。
なのになんでこっちの方がいいってされるのかが僕にはわからないですね。
リローもリトルも別に同じことなんですよ。
文字体系が違うものを無理やり当てはめて書こうとしてるから、
それは表記も揺れるし非正確に書けないのは当たり前で、
だからそれをなんで子供が聞いて書いたからって
その素晴らしい、いい、これがいいみたいになるのかがちょっとわからないですね。
そういうふうに時々こうやって日本人のプライドをくすぐりながら
わかりやすさを優先して正確性を一切無視して
まとめ画像とか作って
それでインプレッション取ったり
なんなら本も出したりとかしてるんですけど
いうのが本当にちゃんと真面目にこの人は
語学っていうものを考えてるのかなって思ってしまいます。
そういうアカウントに限って間違いを指摘したりすると
これは円溜めですとかって言うんですよ。
円溜めにすぐ逃げるんですよ。
円溜めはお前の間違いを誤魔化すための言い訳じゃないぞって思うし
円溜めなら嘘を言ってもいいっていうわけでもないですしね。
色々調べたり自分なりに調べたりとかして
それでも間違ったこと言っちゃえば仕方ないと思うんですけど
開き直ってこれ円溜めなんで間違っててもいいじゃないですか。
面白いんだからみたいな態度はやっぱり良くないと思うんですよね。
ましてやそれでちょっと怒ったりすると
何円溜めにマジになっちゃってるの?みたいなこと言われたりするんですよ。
理不尽にも程がありますよね。
個人攻撃みたいになっちゃって申し訳ないんですけど
そういう僕の嫌いな言語系アカウントの話を今日はねしてみました。
皆さんこういうアカウントの人たちについてどんな風に思いますでしょうか。
あんまりこういうアカウントに惑わされずに
普通に真面目に勉強するのが一番だと思うので
ぜひねあんまり惑わされずに
明るく楽しく清く正しく英語を勉強していってほしいなと思っています。
ではまた
11:55

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