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この番組は、言語大好きで英語嫌いな私、ソウイチが、英語への悪口を垂れ流しながら、
言語についていろいろなことを考えていく、ポッドキャストプログラムになっています。
番組内で登場する英語への悪口は、全て私の個人的な見解ですので、どうぞご了承ください。
はい、どうもこんにちは。エイゴサーチのお時間でございます。
えー、年が明けてから、週末はね、ちょっと忙しいことが結構ずっと続いていて、
今週久しぶりにね、土曜日も日曜日も何もないっていうね、予定が全然ないっていう日が、週末になっていて、
朝からゴロゴロしたり、猫と遊んだり、またゴロゴロして、っていうね、大変忙しい週末を迎えています。
ポッドキャストを録音するのも、だいたい土曜日か日曜日が多いんですけど、
月曜日にアップロードするって思ってると、もう土曜日か日曜日に時間がなかったりすると、もうね、あの、無理になってしまうので、あの、こういう週末はとても貴重ですね。
さて、YouTubeにポッドキャストを上げるようにしたおかげで、コメントへの障壁が多分下がったと思うんですけど、こんなコメントをいただきました。
中途半端なイギリス英語圏に暮らしていますが、気をつけてanalyzeとかにしたのを、たまにZに直されたりして腹が立ちます。
analyzeの語尾のSEをZEに置き換えられるって話ですね。
センターはCENTREって書くくせに、その辺関連のお話もまた聞きたいです。
ということですね。
中途半端なイギリス英語圏っていうのがね、ちょっとどこなのかはわからないんですけど、たぶんあの辺なんだろうなーって想像してますが、
ちょっと調べてみたんですけど、analyzeをアメリカ風に語尾のZEで書いて、センターをイギリス風にCENTREって書くのは、どうやらカナダらしいんですよね。
この方、もともとフランス語のことを話しているYouTubeチャンネルの方を見てくださっていた方で、もしかしたらカナダのフランス語圏にお住まいの方なのかもしれません。
人の個人情報をね、詮索するのはちょっとやめにしておいて。
コメントでいただいているこのセンターのCENTREとCENTREっていうこの書き分け。
おっしゃる通りイギリスではCENTREで書いて、アメリカではCENTERって書くようになっています。
フランス語にも英語のセンターに相当するCENTREっていう単語がありまして、同じく中央という意味なんですけど、もともとはこれフランス語から英語に釈用されてきた単語になるな。
英語でフランス語から釈用されている単語って結構多いんですよね。
前にも話したかもしれないですけど、現代の英語の半分近くがフランス語由来であるという推計もあるみたいです。
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英語ってね、もともとゲルマン諸語と呼ばれていて、ドイツ語だとかオランダ語とかとは親戚みたいな関係にある言語なんですけど、
10世紀から13世紀頃にノルマンコンクエストという出来事がありまして、その時に大量にフランス語の語彙が英語に流入してきたんですね。
おかげさまで英語はフランス語の影響をものすごく強く受けました。
もともとの英語と現代の英語はもうほとんど全然似てないんですよね。
僕は個人的にこのことを指してよく、英語はゲルマンの心を失ってしまったと言っています。
例えて言うならば、ゲルマンさんの庭で一緒に遊んでいた幼馴染のドイツ語、英語、オランダ語その他、ゲルマン諸語の皆さん。
思春期を迎え、逆隣の悪友フランス語さんと遊ぶようになった英語さん。
10年後、ドイツ語さんが久しぶりに英語さんの家に遊びに行くと、そこには幼少期の面影をすっかり失った英語さんの姿が見たいな。
あまりにも姿形が変わりすぎて、ゲルマン諸語おじいちゃんも草場の陰で泣いていると思います。
というわけで、センターとかカラーとか、結構な単語がフランス語から英語に釈用されて、もともとあった英単語は意味が変わったり形が変わったり、
中にはもともとあった英語の単語を駆逐してしまったものもあるみたいです。
そんなわけで、フランス語のcentreから英語のcenterが、フランス語のcolorから英語のcolorができているんですけど、
発音の方はまた英国内でさらに魔改造されて、元のフランス語の単語とは全然違う発音になっているんですよね。
さて、フランス語から魔改造されてイギリスに持ち込まれた英単語は、今度はイギリスからアメリカに持ち込まれるようになりました。
もちろんね、アメリカに移り住んだのはイギリス人ですから、もともとは英国風の綴りをそのまま使ってたんですよね。
19世紀の初めに、ノア・ウェブスターという人がアメリカで初めて辞書を編纂しました。
このウェブスター大辞典によって、現代のアメリカ式スペリングが確立したといっても過言ではありません。
彼はこだわりとして、できるだけ発音の通りに書きたいということを考えて綴りを選んだんですよね。
いくつかある、おそらく当時イギリスでも、例えばアナライズをSEと綴るのかZEで綴るのかはちょっと揺れがあったんだと思います。
ウェブスターさんはSEよりZEの方がアナライズっていうその発音に即した綴りであるっていう判断をしたんだと思うんですよね。
それ以上に私たちイギリスから独立したんですっていう、独立国家アメリカっていうのをすごく意識してたらしいんですよね。
なのでアメリカ式のスペリングっていうのは、もう本当にイギリスの植民地から独立した、独立国家アメリカの誇りを表しているといっても過言ではないのかもしれません。
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そう思うとイギリスとアメリカでちょっとずつ綴りがずれてくるっていうのも、まあわからなくもないけれども。
カナダとかは一応コムウェルスの一角でイギリスの領土というかイギリスの仲間ですよね。
かつケベクというフランス語圏も用意している国なので、どっちかというと大陸側の綴りによってしまうんじゃないかなとも思います。
そもそも言語って場所が変わるとどんどん変わっていってしまうっていうのは仕方のないことですし、人の営みとして止められないことでもあるので、
イギリスの綴りとアメリカの綴りが時にはね、もうちょっとよくわかんない感じで違ってたりするのがイライラする反面、
その英語の歴史をまさに表しているみたいなところもありますし、アメリカ式アクセントに関してはね、もう本当独立の歴史がそこに刻まれていると言っても過言ではない。
そう思うとね、表記の揺れもちょっとだけ愛せるんじゃないでしょうか。
お隣の国でもね、韓国と北朝鮮は南北に分かれて以来やっぱりだんだんハングルの扱い方が変化してきている。
それから違う言葉遣いをするとかも結構あるみたいなので、地理的に分断されるとそういうことってよくあるんですよね。
というわけで今日はイギリスとアメリカのスペリングの違いの話をちょっとしてみました。
ご意見ご感想などもしございましたら、YouTubeの方のコメント欄でも結構ですし、お便りフォームも用意しておりますので、そちらの方からぜひ送っていただけるととっても嬉しいです。
ではまた。