教師主導のPDの特徴
みなさん、こんにちは。教育カフェテラス、進行役の水野太一です。
今日は、アメリカの教育現場で注目されている教師主導のプロフェッショナルディベロップメント、いわゆるPDについて話題にしたいと思います。
みなさん、こんにちは。アシスタントの高橋さやかです。教師主導のPDって、従来の先生向け研修とどう違うんですか?
さやかさん、いい質問ですね。今回参考にする情報は、アメリカの教育専門メディアエデュトピアに、2025年5月2日に掲載された記事です。
ここの記事では、管理職が先生たちを一方的に集めて講義を聞くような、いわゆる一回きりの研修ではなく、先生たちが自分たちでチームになって定期的に学び合うファカルティ主導型のPDのメリットについてまとめています。
なるほど。先生たちが聞くだけじゃなくて、自分たちが進める研修ってことなんですね。
でも、自分たちで企画とかリーダーやるのってちょっと大変そうにも思えますが、何がそんなに違うんですか?
そうなんです。確かに手間もかかりますが、その分、現場にあった内容や先生同士の信頼感を生かして、お互いすごく成長できるのが特徴です。
記事の中では、先生同士が経験や信頼を共有できるからこそ、学びが深まると強調しています。
確かに、同じ立場だからこそ分かり合えることって多いですもんね。具体的にはどんな風に進めてるんですか?
いくつかモデルが紹介されていますが、まず最初のステップは、先生チームを定期的に集めること、そしてリーダー役となる先生を決めることです。
また、リーダーになる機会を広く公開したり、個別に相談したりして、できるだけ多くの先生の成長や意欲を引き出すようにしています。
リーダー選びをオープンにするって新鮮ですね。選ばれた先生はどんなサポートが受けられるんですか?
主なサポートは二つあります。一つは、同じ立場の先生リーダーたちが定期的に集まる場を作ること。もう一つは、リーダーのための時間的な配慮。
例えば昼休みの当番や他の研修を免除したり、授業のコマを少し減らしたり、という配慮です。
それならリーダーの負担が減って集中できそうですね。他にやる気アップの工夫とかってあるんですか?
はい。小さな手当やミーティング時のおやつ、研修の単位を出す、成果発表の機会を用意する、といった目に見える評価も大事にされていました。
こうしたちょっとした工夫が思った以上に効果的なんですよ。
確かにおやつ付きは地味に嬉しいです。実際の取り組みとしてどんな事例が紹介されていましたか?
3つの実践モデルが載っています。1つ目は、すでに現場にあるリーダー役を活かしたモデル。
例えば、全体で読解力アップを目指してコーディネーター先生が毎週集まり、他の先生にも具体的な内容を伝えていく形です。
おお、現場のリーダーを使うとすぐに取り組みやすそう。成果の面ではどうだったんですか?
実践モデルの紹介
記事では、生徒のリテラシー向上と教員が自分ごととして取り組む姿勢が強まったとまとめられています。
これ、みんなで同じ方向を向く効果ですよね。
なるほど。2人目のモデルはどんな感じですか?
2つ目は、リーダー役自体を新しく作るタイプで、幼稚園から中学校までの事例です。
各学年ごとにリーダーを決めて、夏休みに集中的な研修と合具設定、その後定期的に早帰りの日に集まりながら、目標や実践方法を共有します。
どの先生も自分のチームのリーダーになるチャンスがあるんですね。この場合の変化ってどんなものがあったんでしょうか?
全員が質の高い研修を受けられたこと、ベテラン先生のやる気に火がついたこと、職場の雰囲気が良くなったことなどです。
特に、長く勤めている先生がまた新しいチャレンジをしたいと思える土壌になったのは大きいそうです。
ベテランの先生が前向きになるのはすごく学校全体にプラスですね。
さて、3つ目のモデルは?
最後は、インジのワーキンググループを結成するモデルです。
これはミドルスクールで、主に普段リーダー経験のない先生たちが集まって、授業の中でリーダーシップを育てるというテーマに取り組みました。
普段リーダーじゃない先生が、それこそ挑戦の場ですね。この場合はどんなサポートがあったんですか?
プロジェクト用のロードマップ、進捗を見える化するツール、実践アイディア集などを提供しつつ、会ごとに進捗共有やお互いへのフィードバックをきめ細かく行います。
また、学年チームでも情報共有を欠かさず、3年かけて主体的にリーダーシップを移行していきました。
3年かけて、じっくり取り組めるって貴重ですね。生徒さんや現場にはどんな変化が出たんですか?
リーダーシップを学びに生かすという明確な方針と、それに合わせたツールを作成、最終的には自分がリーダーなんだという意識を持つ生徒も増えたそうです。
どれも先生が主役だし、学び合いってやっぱり大切なんですね。日本の学校でもできそうですか?
もちろんです。日本でも教師同士の共同や学び合いを重視する流れが出ていますし、管理職がうまくサポートすれば、こうしたTDの仕組みは十分実現可能だと思います。
なるほど。私も将来、学校現場でこういう取り組みに関わってみたいです。自分の学年でリーダー経験を集めたら、より自信を持って授業もできそうだと思いました。
その通りです。こうしたファカルティ指導のPDは、先生個人の成長だけじゃなくて、学校全体の気持ちの一体感を生むのが最大のポイントなんです。小さな工夫からでも、ぜひ皆さんの学校現場でもチャレンジしてみてください。
本当に勉強になりました。教育カフェテラス、今週もありがとうございました。リスナーの皆さん、今日のテーマ、ぜひ自分の学校でも考えてみてくださいね。
リスナーの皆さん、最後までお聞きくださってありがとうございます。これからも教育現場のヒントをたくさんお届けしますので、次回もぜひ教育カフェテラスでお会いしましょう。