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2025-05-04 06:40

採用試験は早めれば解決?現場と専門家が語る本当の課題

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今回の「教育カフェテラス」では、NHKニュース(2025年4月15日掲載)をもとに、全国で深刻化する教員不足と、教員採用試験の前倒しをめぐる最新動向を特集します。現場や専門家の声、大学3年生内定制度の実情まで、リアルな課題と今後のヒントを分かりやすく語り合います。

サマリー

教育現場の教員不足が深刻化しており、採用試験の前倒しが議論されていますが、実際には効果が薄い可能性があります。専門家の意見や現場の声を基に、教員採用に関するさまざまな取り組みと今後の課題について考察されています。

教員不足の現状と対策
みなさん、こんにちは。教育カフェテラス進行役の水野太一です。
今日は、教員不足と採用試験の前倒しについて、最新のニュースを元にお話しします。
こんにちは、高橋さやかです。今日もよろしくお願いします。
教員不足って、最近ニュースでよく聞きますけど、実際どれくらい深刻なんですか?
さやかさん、いい質問ですね。
今回の情報源はNHKニュースで、2025年4月15日に掲載された記事です。
全国の公立学校で教員不足が続いていて、昨年度の教員採用倍率は3.2倍と、3年連続で過去最低なんです。
3.2倍って、昔はもっと倍率が高かったって聞いたことがあります。どうしてこんなに下がっちゃったんですか?
いくつか理由があるんですが、教員の仕事が大変になってきていることや、他の職業の選択肢が増えていることが影響しています。
文部科学省も危機感を持っていて、採用試験を早めて行うよう全国の自治体に要請しているんですよ。
採用試験を早めるって、具体的にはいつ頃にするんですか?
今年度は、民間企業の採用面接が始まる前の5月11日を目安に、一時試験を行うよう要請しています。
でも、実際に前倒しに応じたのは、新潟県、島根県、山口県、長崎県と新潟市の5つの自治体だけなんです。
え?全国で5つだけ?それって少なくないですか?どうして他の自治体は前倒ししないんでしょう?
理由はいくつかあります。例えば、年度が変わったばかりで問題作成なども準備が間に合わないとか、
一時試験は早められても、二次試験は難しいといった声が多いんです。
それに、前倒ししても受験者が減ったり、辞退者が出たりして、効果がはっきりしないという意見もあります。
なるほど。じゃあ、前倒ししても教員不足の解決には繋がらないかもしれないってことなんですね。
そうですね。専門家の岩田康幸教授も、これまで試験日程を早めても混乱が生じたり、
うまくいかなかった自治体があったので、効果がないと判断したところが多いのではと分析しています。
でも、大学3年生のうちに試験の一部を受けられる自治体も増えてるって聞きました。それってどんな仕組みなんですか?
はい。今年度は全国の8割以上、58の自治体で、大学3年生が試験の一部を受けられるようになっています。
神奈川県や新潟県、高知県など6つの自治体では、3年生のうちに内定まで出す制度も導入されています。
3年生で内定がもらえるのは学生にとってはすごく安心ですよね。でも、何かデメリットとか注意点はあるんですか?
確かに、早く内定がもらえるのはメリットですが、その分、その自治体で教員になることが条件になる場合が多いです。
あと、自治体ごとに制度が違ったり年度によって変わることもあるので、学生にとっては混乱の原因にもなっています。
それはちょっと大変ですね。自分が受けたい自治体の情報をしっかり調べないといけないってことですね。
そうなんです。岩田教授も、学生が受験に二の足を踏む理由になりかねないと懸念しています。
だから、国や自治体は、教育の中身や設備、人材の確保状況などをしっかりアピールして、将来性を感じてもらうことが大事だと指摘しています。
確かに、働きたいと思える職場じゃないと、せっかく内定があっても迷っちゃいますよね。
前進する採用の取り組み
ちなみに、今どれくらい教員が足りてないんですか?
2023年10月時点で、全国の公立学校で少なくとも4714人の教員が不足しているそうです。
小学校で2241人、中学校で1294人、高校で383人、特別支援学校で506人など、幅広い分野で人手が足りていません。
そんなに多いんですね。現場の先生たちも大変そう。どんな声が上がっているんですか?
現場からは、教員が未配置のため、ドミノ倒しのように病気求職者が出ているとか、
欠員が出ないように教育委員会が責任を持って採用してほしいといった切実な声が寄せられています。
先生が足りないと子どもたちにも影響が出ちゃいますもんね。採用試験の前倒し以外にどんな対策が考えられているんですか?
例えば、大学3年生向けの専攻や専攻方法の多様化が進んでいます。
また、教員の負担を減らすために人の配置を手厚くしたり、教育の質を高めるための工夫も求められています。
負担が減れば、もっと教員になりたい人も増えるかもしれませんね。山口県では今年はどんな取り組みをしているんですか?
山口県では、5月10日に全国で最も早い一次試験を行うことにしました。
さらに、大学3年生が一次試験を受けられるようにして、志願者を増やす工夫をしています。
それだけ早く準備するのって、教育委員会の方たちも大変そうですね。でも、何もしないよりはやってみるっていう姿勢は大事だと思います。
そうですね。山口県の担当者も、効果はまだ分析できていないが、何もしないよりは成果が得られることに期待したいと話しています。
やはり、いろいろな工夫を重ねていくことが必要ですね。
今日のお話を聞いて、教員不足の問題は本当に深刻だと感じました。採用試験の時期や仕組みだけじゃなくて、働きやすさや魅力も大事なんですね。
その通りです。教職が選ばれる仕事になるためには、採用の仕組みだけでなく、教育現場の環境やサポート体制も含めて、これからの教育をどうしていくか考える時期に来ていると思います。
私も、将来教員を目指す身として、もっと現場のことを知りたいし、いろんな制度や取り組みについても勉強していきたいです。
さやかさんのような熱意ある学生が増えると、教育現場もきっと明るくなりますね。リスナーの皆さんも、ぜひ自分の地域の教育について関心を持っていただけたらと思います。
最後までお聞きいただき、ありがとうございました。次回も、教育にまつわる身近な話題や最新情報をお届けしますので、ぜひまた聞いてくださいね。
皆さんのご参加、いつも嬉しいです。
次回も、教育カフェテラスでお会いしましょう。それではまたね。
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