教員の退職防止策
みなさん、こんにちは。教育カフェテラスの時間です。パーソナリティの水野太一です。
アシスタントの高橋紗友香です。よろしくお願いします。
この番組では、教育に関する最新情報や課題、そして身近な話題をお届けしています。
はい、今日も楽しみにしています。
さて、今日のテーマは、教員の退職を防ぎ、人材を確保するための新たな戦略についてです。
今回の情報源は、エドテック人の記事で、掲載日は2025年4月1日ですね。
はい。教員の退職を減らすために、学校として何ができるのか、そして退職者とどのようにつながり続けることができるのか、という内容です。
最近、教員不足が深刻だとニュースでよく見ます。退職される先生が多いのでしょうか?
そうですね。記事によると、教員が退職を考える際には、必ず何かしらのサインがあるそうです。学校はそのサインに気づけているかが重要になってきます。
サインですか?具体的にはどんなサインがあるんですか?
例えば、授業の準備がおろそかになったり、会議で発言しなくなったり、急に休みが増えたりするなどが考えられます。
現場がうまく機能している学校では、学年の先生や主任がそういった意見に気づき、声をかけることができるんです。
なるほど。でも、なかなか気づけない学校も多いんですよね。
ええ。記事では、教員が働く環境を定期的にモニタリングし、学校のコンディションを把握する仕組みを作ることが求められています。
具体的にはどんな仕組みがあるんですか?
民間企業では、従業員のエンゲージメントを把握するために人事システムを導入しているところもあります。
例えば、教員のモチベーションを可視化し、抱えている不安を早期発見できるウェブアンケートツールなどがあります。
へえ、そんなツールがあるんですね。それって日本でも導入されているんですか?
はい。株式会社デンサンという会社が、グッドモチベーションというツールを提供しています。
こういった民間のツールを使うことも対策の一つとして考えられるでしょう。
なるほど。まずは気づくことが第一歩なんですね。気づいた後はどのようなアクションが考えられますか?
大切なのは退職を防ぐことではなく、キャリアを一緒に考えることです。
辞めるのはもったいないと何が何でも引き止めるのではなく、これからどのようなキャリアを歩みたいのか、何に課題を感じているのかを本人と一緒に整理することが大事です。
辞めたい理由をしっかり聞いて一緒に考えるんですね。
その紙で、解決できる課題と解決が難しい課題を分けて考えます。
例えば、個人の努力で改善できるものと、組織全体で変えていくべきものを切り分けるだけでも、教員が感じる負担は変わってきます。
確かにそうですね。解決できる見込みがあるなら、もう少し頑張ってみようと思えるかもしれません。
キャリアの悩みを抱えたときに、対話のプロセスがあるだけで、今すぐ辞めようという結論にならないことも多いんです。
イグジットマネジメントの重要性
対話って大切ですね。
本当にそう思います。そして、すでに退職を決断されている先生方に対しては、いい別れ方をすることが大切だと記事には書かれています。
いい別れ方、ですか?
企業では、退職者がポジティブな気持ちで会社を離れられるように、イグジットマネジメントを行うそうです。
イグジットマネジメント、初めて聞きました。具体的にはどんなことをするんですか?
例えば、退職後のキャリアプランの相談にのったり、必要な手続きを丁寧に説明したり、感謝の気持ちを伝えたりすることなどが挙げられます。
なるほど。退職後も良い関係を維持することが大切なんですね。
はい。イグジットマネジメントを適切に行うことで、退職者とも良好な関係を維持でき、退職者が再度組織に戻ってくる可能性が高まります。
一度辞めた先生が戻ってくることもあるんですね。
教育現場の人材不足が叫ばれる今、一度現場を離れた人が、また戻ってきたいと思える関係性を作ることはとても重要な視点です。
確かにそうですね。でも、どうすればまた戻りたいと思ってもらえるんでしょうか?
記事によると、また戻ってきたいと思える環境にする努力も必要でしょう。
例えば、学校の働き方が改善された、新しい教育プログラムが導入されたといったポジティブな動きがあれば、以前より働きやすくなっているかもしれない、もう一度教団に立ちたいと感じてもらうきっかけになるかもしれません。
働き方改革が進んだり、新しい教育に挑戦できるようになったりすれば、戻ってくる先生もいるかもしれませんね。
東京都では、2024年度の教員確保策の一環として、カムバック採用を導入し、退職した教員の再雇用を積極的に進めています。
カムバック採用、いいですね。
この制度では、過去に正規教員として働いていた人を対象に、一定の条件を満たせば、再び正規採用される仕組みを整えました。
さらに、2025年度からは、キャリア採用枠を新設し、8年以上の教員経験を持つ人を主任教諭として採用する方針です。
経験豊富な先生が主任教諭として戻ってくるのは、学校にとってもプラスになりますね。
そうですね。こうした再雇用の枠組みがあることで、教員経験者がまた教団に立つという選択をしやすくなるでしょう。
他に何かありますか?
企業によっては、アルムナイネットワークと呼ばれる離職者のコミュニティを活用しているところもあります。
退職者に対して定期的な交流会や情報発信を行うことで、つながりを作っています。
アルムナイネットワークですか、学校によっては?
イメージとしては近いかもしれません。
学校現場でも、退職した教員が学校とつながり続けられる仕組みを作ることが、人材確保の鍵になるのではないでしょうか。
退職後のつながりを維持することで、学校にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
退職者と学校の関係を維持することは、単なる人材不足の対策として有効なだけではありません。
例えば、退職者が外の世界で得た経験やスキルを、学校に還元できる可能性があります。
なるほど。
また、退職者が学校の良いイメージを持ち続けていれば、良い評判が広まり、新しい教員の採用にもつながります。
確かにそうですね。口コミの力は大きいですから。
持続可能な学校運営への道
イグナショナルコミュニティは、いろいろなメリットがあるのでしょうか。
確かにそうですね。口コミの力は大きいですから。
イグジットマネジメントを適切に行うことは、短期的な退職対応ではなく、長期的な教育現場の人材戦略としても機能するのです。
退職者を失われた人材と捉えるのではなく、未来の協力者として関係を維持していくことが、持続可能な学校運営につながっていくのではないでしょうか。
今日の話をまとめると、教員の退職を防ぐためには、学校組織のコンディションを把握し、退職者とのつながりを大切にすることが重要だということです。
その通りです。これまでは、教員を辞めるなんてもったいないという考え方が一般的でしたが、現代のキャリア観は変化しています。
辞めるイコール終わりではなく、新たな選択肢の一つという意識が広がる中、重要なのは、また戻りたいと思える環境を整えることです。
辞めるのはもったいないではなく、また戻れる環境へ。これは、これからの教員キャリアの在り方なんですね。
さやかさん、今日のテーマはいかがでしたか?
はい、とても勉強になりました。教員不足の解消には、退職される先生方とのつながりを大切にすることが重要だということがよくわかりました。
私も将来、教員になった際には、今回の話を参考に、先生方が働きやすい環境づくりに貢献したいと思いました。
ありがとうございます。それでは皆さん、今回はこの辺で。
教育カフェテラスでは、皆さんからのご意見やご感想をお待ちしています。
また次回もぜひ聞いてください。さようなら。
さようなら。