勝率と資産の関係
- こんにちは。今回はですね、あなたが共有してくれたブログ記事、同じ勝率でも金持ちの方が生き残りやすい仕組み、これタイトルからして、え?どういうこと?って思いますよね。
- えー、そうですね。
- 勝つ確率が5分5分、全くのフェアなはずなのに、なぜか持ってる資産、お金が多い方が有利になる。ちょっと直感とは違う感じがします。
- うんうん。
- この記事を元に、その、なんていうか、からくりを一緒に探っていけたらなと。
- はい、ぜひ。
- この記事面白いのが、筆者の方が実際に簡単なシミュレーションプログラムまで作って検証してるんですよね。
- そうなんです。そこがまた説得力があって、ルールはすごくシンプルで、えっと、2人で賭けをしますと、勝率は常に50%。
- えー。
- で、賭け金は、その時点で持ってるお金が少ない方の所持金の20%に合わせる。
- はい。
- これ、ルールだけ聞くとすごく公平に見えますけど、さてこのルールでゲームを続けていくと、どうなると思いますか?
- これがですね、ほんとにしさに飛んでるんですよ。
- 普通に考えたら、勝率50%なんですから、お互いの持ってるお金ってまあ、
- うんうん、同じくらいになりそうですよね。
- そうそう、トントンぐらいで推移しそうだと思いますよね。
- 思います。
- でも、実際にはそうはならない。シミュレーションを何回も繰り返すと、なぜか片方に富がぐーっと偏っていって、
- えっ?
- 格差がですね、どんどん開いていっちゃう。そういう結果が出たそうなんです。
- えーっと、そうなんですか。勝率は同じ50%なのに、なんでそんなことが、不思議ですね。何がその差を生むんですかね。
- あの、記事によると、まさにそのルール、掛け金は少ない方の所持金の20%っていうこのルール自体が、
- あっ、そのルールが、
- えっ、この格差を生む、まあ、メカニズムになってるっていうんですね。
- えっ、でも、同じ20%を掛けるわけですよね。なんでそれで差が、あっ。
- うん。
- あー、なるほど。少ない方の全財産の20%ってことだから、持ってる額が少ない人は、
- 負けた時のダメージが相対的にこう、めちゃくちゃ大きいってことですか?
- まさに、その通りなんです。資金が少ない人っていうのは、一回負けるだけで自分の資産のかなりの部分、
- このシミュレーションだと20%ですね。これを失うリスクを常に背負ってると。
- わー。
- 一方で、資金が多い方の人。この人は、たとえ同じ絶対額を失ったとしても、
- 自分の総資産全体から見れば、ほんの数%で済むかもしれないわけです。
- なるほど、なるほど。
- つまりその、持ってる資産が多いほど、実質的にはより低いリスクでゲームに参加し続けられる。
- そういう構造になってるんですね。
- うわー、それは気づきませんでした。
- 同じルールのはずなのに、置かれてる状況でリスクの感じ方というか、その重みが全然違うわけですね。
ヤードセールモデルの影響
- ええ。
- なんだかちょっとこう、怖い気もしますね、それは。
- そうですね。そして、この考え方って単なるゲームとかシミュレーションの話じゃなくて、
- 現実の、たとえばビジネスの世界にも当てはまるんじゃないかと記事では指摘してるんです。
- あー、ビジネスですか?
- はい。たとえば、すごく資金力のある大企業。
- こういうところは、新しい事業への投資とか、時には赤字覚悟の価格競争みたいな賭けに出るときも、
- 会社全体から見れば、比較的小さなリスクで挑戦できる。
- 確かに体力がありますもんね。
- そうなんです。結果として成功する確率も高まって、市場での優位性をさらに強固にしていく。
- そういう構図が見られるんじゃないかと。
- 身近なサービスとか見てても、なんか思い当たる節があるような気もしますね。
- 根原賞の記事の中では、ヤードセールモデルっていう名前でも紹介されていましたね。
- ヤードセールモデル?
- はい。フリーマーケットとかで、最初はみんながいろいろ持ち寄るけれど、
- 取引を繰り返すうちに、最終的には一部の人にお金が集まっていくみたいな。
- あー、なるほど。そういうイメージなんですね。
- 一見すごく公平に見える取引とか競争のルールが、実は意図せずして富の集中、つまり格差の拡大を生んでしまう可能性がある。
- だから筆書の方も、これは辛辣な理論だっていう風に表してるんですけど、それも頷けるかなと。
- なるほど。つまり今回の探求で見えてきたのは、勝率みたいな基本面的な条件が全く同じでも、
- そのゲームとか競争のルール設定、特にそのリスクの取り方がどうデザインされてるかによって、
- 初期の資産量、つまり最初に持ってるものが結果を大きく左右してしまう可能性があるということですね。
- そういうことになりますね。
- リスクって絶対的なものじゃなくて、持ってるものに対して相対的な大きさなんだなーっていうのがすごくよくわかりました。
- そこが非常に重要な視点だと思います。では最後にですね、あなた自身にもちょっと考えてみてほしい問いというか、
- 視点を投げかけてみたいんですが、この記事が指摘したヤードセールモデルみたいな仕組み、
- つまりその初期の有利さが、さらなる有利さを生み出すそういう構造っていうのは、
- もしかしたらあなたが普段これは公平だって感じてる競争とか、社会のシステムの中にも、気づかないうちに入り込んでいるかもしれない。
- あなたの身の回りのどんな場面にこの考え方って当てはめられるでしょうか。
- 少し立ち止まって日常を観察してみるのもまた面白いかもしれませんね。