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こんにちは、つねぞうです。
デザインレビューFM第96回目始めていきましょう。
競合製品の調査方法
今日はですね、競合製品を調べる方法、そんなお話をしてみようと思います。
市場の分析、マーケティングの環境分析のフレームワークとして、3C分析というものがあります。
これはですね、3つの頭文字Cを取ったもので、カスタマー・顧客・コンペティター・競合・カンパニー・自社の3つのCですね。
この3つの視点から、自社の立ち位置だったり競争の優位性を明確にして、今後の戦略を立てましょうというものですね。
この中でコンペティター・競合について知るというのもとても大事なことです。
世の中には様々な製品があります。
そしてそれらにはだいたい競合の製品がありますね。
例えば電化製品、テレビ、パソコン、スマホ、いろいろあると思うんですけども、電気屋さんに行くとね、必ずいろんなメーカーのものが売ってますよね。
冷蔵庫、炊飯器だったり、そういう代物家電から電化製品、ゲーム機、最近スイッチ2が発売されましたけれども、我が家も無事4回戦に進むことができました。
スイッチ2にも競合があって、プレイステーション5とか、あとは最近だとパソコンのスチームとかエピックみたいなパソコンのゲームも競合と言えるでしょう。
こういった家電製品はですね、実際に競合の製品を調べたいなと思うと、普通にお店で購入して、実際に使ってみて、使い心地だったり、性能を確認する、そして実際に分解してみて、中身を調べてみるということができると思います。
最近はYouTubeでもね、レビュー系のYouTuberの方が実際に製品を分解する、そんな動画を出していることもありますね。
あとは自動車、自動車も同じように競合の自動車を購入して分解、調査するということをしていると思います。
あとは自動車メーカーではなくて、そういうことを専門にやっている会社があると思うんですけども、実際に自動車を分解して、その分解した構造の写真とか、スペックなんかをまとめてレポートにして販売しているような会社もありますね。
この前、人と車のテクノロジー展というところに行ってきたんですけども、そこでも中国メーカーのEV、電気自動車を分解している会社があって、その分解した製品の、確かボディだったかな、ホワイトボディの一部を展示してありましたし、その中のバッテリーとかモーターとか、そういうところの展示をしていたり、実際に販売もしていましたね、その場で。
その分解した中国メーカーのEVで使われている部品を販売もしていました。
そういう企業もありますね。
工作機械の調査の難しさ
では、我々工作機械メーカー、工作機械業界はどうかというと、これらの家電製品、自動車とは違って、競合メーカーの機械を購入して分解して調べるということはとても難しいです。
それはなぜかというとですね、まず一つ目は価格が高いですよね。
工作機械、マシニングセンター、ターニングセンターといっても、本当に価格はピン切りではあるんですけども、普通のといったらアリですけども、ある程度の製品であれば、本当に数千万円から数億円という値段がしています。値段です。
なので、それを競合の調査のために購入して調べるというのは、なかなか難しいところではありますよね。
二つ目、多分こっちの理由の方が大きいんでしょうけど、外ため法のため、販売先の管理がとても厳重にされているというところがあります。
外ため法というのは外国為替及び外国貿易法というところで、工作機械というのは兵器だったり、軍事のある意味人殺しの部品を作ることができますので、どこにでもポンポン売ることができないんですね。
いわゆるホワイト国にしか売れないとか、ホワイト国であってもそういう軍事関係の兵器を作っているような会社には売れませんよということがあります。
なので、工作機械を販売するときは、どういう会社なのか、何を作っている会社なのか、そういうことを確認してから売るというふうになっています。
なので、日本であっても、もし競合が工作機械の商社から何か競合の製品を買おうとしたら、確実にバレますね。確実にバレてしまいます。
あとは最近の機械であれば、移転検知といって、その工作機械を動かしたらわかるようなセンサーみたいなのが入っていて、もし工作機械を動かしたら、工作機械メーカーの人間に来てもらって、ロックを解除してもらわないと使えないよと、そういう機能も入っていますので、
例えば、ある企業に販売したものを転売してもらうとか、転売するとか、そういうのも把握できるような状況です。メーカーにはわかってしまいます。ということで、買うのが難しいというところで、どうやって競合の機械を調べるのか、調査するのかというと、いくつかの方法はありまして、
一つ目は展示会ですね。日本であればジムトクだったり、MECUTOというような大きい展示会があります。世界でもIMTS、EMO、SHIMTOというような工作機械の展示会がありますので、そういう展示会に出展されている機械を調査すると。
周りから見たり、その場に立っている説明員の方に話を聞いたり、そういうことをして、機械の構造だったり、機能というのを調べます。IMTSというのはアメリカシカゴで開催される工作機械の見本市なんですけども、私も10年前ぐらいに一回行かせていただきましたね。会場結構広くてですね。
言葉も通じないし、なかなか大変でしたけれども楽しかったですね。という感じで、一つ目はその展示会で調査すると。
二つ目、お客様の工場ですね。自分の会社の機械が入っているお客様の工場であれば、何かトラブルで出張したタイミングでちょっとお願いして、他のメーカーの機械を見せてもらうとか。
あとは、始めから市場調査をしたいんですよっていう話を営業にしてもらって、工場を見学させてもらえるお客様を紹介してもらって、工場に行くと。
そして、自社の機械を使っていただいているお客様であれば、今の自社の機械の困りごとを聞いたり、もしそのうちの機械を使っていないお客様を紹介していただけるのであれば、どういう機械があったら買ってもらえるかと。
そういう話を聞いたりするタイミングで、参考に今お持ちの他のメーカーの機械を見せてもらうと。そういう機械もあります。
3つ目は、カタログだったりYouTubeですね。
市部長さんもこの前のポッドキャストだったか、物作りの視点のボイシーだったかもしれないですけども、マキノのTOBのお話をしていたときに、そのマキノのカタログに写っている写真から異物の形を見てましたよっていう話をしてくれてましたけれども。
そういうカタログをホームページとかインターネットの海から入手したり、もしくは展示会でもらうとか。海外の展示会は結構カタログくれるんですよね。京都でも。関係なくくれたりするので、そういうところでもらうとか。
あとは、裏ルートというか営業さんがどこからか入手してくれたカタログを見ると。カタログには機械の基本的なスペックから機能、あとは外観。
たまに外装カバーがついていない物のボディの構造がわかるような写真だったり、絵が載っていたりもしますので、そういうところから構造を予想してみると。
YouTube、最近多いですね。企業が公開してくれているYouTubeの動画の中で実際の機械の構造が出てきたり、あとは工場のね、工作機械を作っている工場の映像が流れたときに、そういった形がわかったりとかします。
DMG森さんの動画だと結構ね、異物の形そのまま出してくれたりしているので、結構よく見てますね、私も。とても参考になります。
あとはSNSも本当に貴重な情報源で、Twitterとか、あとはInstagram、Facebookなんかでいろんな企業さんがアカウントを持ってますけども、そういうところで公式のアカウントが工場の写真だったり、組み立ての状況というものを写真をアップしてくれたりしてますし、あとはユーザーさんがアップする写真がやっぱりいいですね。
競合商品の調査方法
Xでもですね、たまに新しい機械を据え付けるときっていうのはユーザーさんも嬉しいと思うんですね。ワクワクする嬉しい瞬間だと思うので、やっぱりそういうときの写真を載せてくれることが多くて、新しい機械が工場に入るときの写真っていうのはものすごい情報量があるんですよね。
本当に、まずカバーが外れていて、居物の形がよく見えたり、またその出荷の形態、ある程度大きい機械であれば分割して出荷してますので、どういう形に分割して分解して出荷しているのか、どうやって釣っているのか、釣り具ですね、どういう釣り具を使っているのかとか、
本体のどこにフレノリングだったり、アイボルトだったり、そういう釣り具をつけて釣っているのか、重心はどこなのかとかですね、どういう養生をしているのかとか、そういういろんな情報があります。
転びきするときにどこにコロを置いているのかとかね、とても参考になる写真が多いですね。なので私はそういうのを見つけるとよく保存してます。
あとは特許。特許も本当に貴重な情報源で、新しい構造だったり新しい機構というのは大体特許が出されていますね。
最近ちょっとそのXの中で話題になった、ブラザーさんのスピーディオX700、XD2の100Tというですね、通常ATC30本持っているような機械なんですけども、それがATC100本になっているという変態マシーンがありまして、これがね、すごい話題になっていました。
どんな構造、どんな機構でやっているんだろうと、私も知りたかったので、特許を調べてみるとその特許が出たので、ああこういう形で実現しているんだなというのが特許から分かりました。
各社、新しい製品を出すときは、構造だったり制御の方法、どういう制御をしているかというシーケンスぐらいしか書いてないですけど、そういう特許を出していますので、特許を見るというのはとても重要です。
うちの会社でもですね、その特許を専門にやっている部門があるんですけども、その部門が毎月競合他社が出している特許を調査してくれて、こういう特許を出しているよというリストを回覧してくれてますので、そういうリストを見ながら、気になる特許を見てみたりしてますね。
はい。あとは最後の5番目として、合法的に競合の機械を買うということがあります。
一番最初に言ったように、調査のために機械を買おうと思うと価格が高いとか、外溜め法というところで管理されているので、なかなか競合を買おうとしたらバレちゃうよということをお話ししましたけども、合法的に買う方法もありまして、それは何かというとですね、社内の設備機として購入するということですね。
工作機械メーカーというのは、大体部品を社内で内製していることが多くて、全部じゃないですけども、社内でも加工機を持っていて、工作機械の部品を作っています。
大体は自社で持っている工作機械を設備機として使っているんですけれども、ラインナップが揃っていないメーカーというのは自社で持っていない機械が当然ありますので、それは外部から買ってくる必要があります。
うちでいうとその大きい門型の機械とかですね、旋盤ベースの複合加工機というのは持っていません。あと検索盤も持っていないので、そういう機械は外部から購入してくる必要があります。
なのでそういう外部から購入してこなきゃいけない機械というのは当然、強豪さんの機械だったりしてますので、そういう機械をね、据え付けている現場に何食わぬ顔で開発がちょっと立ち会いながら、写真も撮りながら、構造を見るとか、据え付け終わった機械を工場の人にお願いして時間を作ってもらって機械を見せてもらって、
そういうのはたまにやってますね。
当然うちの機械もね、マシニングセンターを持っていないような工作機械メーカーさんには買っていただいていますので、旋盤しか作っていないメーカーさんとかね、そういうところには当然マシニングセンターを持っているメーカーから買ってくるしかないので、そういうことも当然ありますよね。
はい。
というこんな感じで、少ない情報をかき集めて、強豪さんの機械を研究して、それに負けないような機械を設計できるように頑張っております。
ということで今日はここまでです。
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