2025-06-25 14:41

98:【逆転】部品供給危機をリバースエンジニアリングで解決した話【ものづくり系ポッドキャストの日】


#ものづくり系ポッドキャストの日 の企画に参加!

6月のテーマは「逆転」

部品の供給危機をリバースエンジニアリングで乗り越えた話をしてみました


■参考URL

https://x.com/sibucho_labo/status/1934737751611449439?s=46&t=NHTn0pDpw9T9FalsJ26tuQ


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つねぞう

ものづくりが好き。産業機械メーカーで設計をしている。猫を飼っている。


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サマリー

部品供給危機の中で、リバースエンジニアリングを活用し、内製化によって製品の再生産を試みるストーリーが展開されています。特に、機械部品の設計と製造プロセスが詳細に描かれ、独自の工夫と問題解決が強調されています。部品供給危機に対処するため、リバースエンジニアリングが活用され、設計変更と部品の見直しが行われています。この過程で、製造業において長期間使用される機械と部品の重要性が強調されています。

リバースエンジニアリングの概要
こんにちは、つねぞうです。今回は、【ものづくり系ポッドキャストの日】の企画に参加します。 この【ものづくり系ポッドキャストの日】とは、ものづくり系のポッドキャスターが共通のテーマで、それぞれ専門分野でお話をしましょうという企画となっております。
ホストはですね、我らが支部長さんですね。 6月のテーマは【逆転】ということで、回転軸の静転逆転、発想の転換、正規の大逆転、逆だったかもしんねーなどなど、逆転を軸にものづくりの話ししちゃいましょう、ということで、この【デザイン・リビュー】fm では、逆転イコールリバースということで、
リバースがつく、 専門用語って言うんですかね、リバースロジスティックスなんていうのを最近よく聞きますけれども、リバースロジスティックスっていうのは、通常のロジスティックスっていうのは、生産者から消費者へ、ものが向かう物流のことなんですけども、その逆ですね、消費者から生産者へ向かう物流、それがリバースロジスティックスといって、
リサイクルするためだったり、廃棄物を減らすため、というための、3Rですかね、リデュース、リユース、リサイクルみたいな、その一環としての、最近注目されている言葉ですけども、その話はまた違う機会にしたいなと思ってるんですが、今回はもう一つ、リバースエンジニアリングという話をしてみようと思います。
リバースエンジニアリング、聞いたことありますかね、目の前にある機械を分解したり、動作を観察したり、またソフトウェアだったりすると、そのソフトウェアの動作を解析したりして、その製品、ソフトウェアの構造を分析して、そこからその製造方法だったり、動作原理、設計図などの仕様や、ソース構造などを調査することを表す、Wikipediaよりですけども、それがリバースエンジニアリングといいます。
今回はそのリバースエンジニアリングした話をちょっとしてみようと思います。
とある製品なんですけども、機械のある部分に使っている、とある製品、ユニット、油圧で動くものなんですけども、あるメーカーと仕様書を取り交わして、もう20年ぐらいずっと作ってもらっていたものがあったんですね。
とある日、調達から電話があって、その製品が納入できなくなってしまったというですね。どうしようと。
詳しい話を聞いてみると、とある製品を作っていたメーカーさんでは、たった一人、一人のベテランの職人さんが、その製品を作っていたそうなんですけども、
もうその人がですね、入院しちゃったらしくて、病気で入院してしまったそうで、いつ退院できるかわからないと。
そのせいで、その製品をちょっとすぐに作ることができませんと、メーカーから連絡があったそうなんですよ。
機械っていうのは、一つでも部品がないと完成しないんですね。
機械が完成しないと、お客様へ出荷できないよと、どうしようどうしようという話になりまして。
何回かメーカーに、どうにかならないかと聞いてみたんですけども、やっぱりその職人さんがいないと作れないよの一点張りで、もう打つ手がないと。
じゃあもう自分たちで作るしかないね、内製化するしかないよね、という話になりまして、幸いにもその製品の実物は目の前にあるわけですね。
実際にその職人さんが作った製品は目の前にあると。
そのメーカーの方で、一応その製品の部品の図面はありますよと。
一応その図面もメーカーからもらえたんですね。
ただそれだけではどうしてもその詳しいところ、詳しい作り方とか、詳しいところがわからない。
というところで、製品を、一つ一つ部品を分解して、一個一個の部品の寸法を図面と見比べて確認していって、
そしてその、バラしながら、分解しながら、どういう順番で組み立てているのかなとかね、
そこを、どの部品のどの寸法を調整することで、その位置の調整だったり、動作の調整というものをしているのか、
というのを内製化するための視点で見ていくわけですね。
内製化するためにはどうすればいいかというのを、それを分解しながら見ていったわけです。
で、図面の交差を見てみると、その部品の組み合わせで、もうゼロゼロの交差、もうめり込んでいるぐらいの、干渉しているぐらいの交差の部分もあるわけであったわけですね。
隙間がないんですよ。
こういうところはおそらくその職人の手仕上げで、微調整しながら組み上げられていたんだろうなという部分があったりするんですね。
動作検証と問題解決
そういうところは、内製するにあたって、その交差を見直して、機械仕上げの交差だけで成立するように、
またその調整が必要な部分も、手仕上げ、ヤスリがけみたいなもので調整して組み上げるのではなく、
検索版を使って、機械でちょっとずつ追い込むとか、そういうことができるような構造に変えたりとか、
もらった図面と分解した部品を見ながら3Dモデル化をして、当然その3Dモデルなんかないですからね。
3Dモデルなんかないような部品ですので、図面と分解した実物を見ながら3Dモデル化をして、
今言ったような改善も盛り込みながら設計していたわけです。
この工程がリバースエンジニアリングというところですね。
3Dモデル化したものを内製できるように自分たちの会社の図面化して、図面として部品を手配して1台目を組み立てるわけですね。
組み立て終わったら、よし試運転をしようと検証しようということで油圧ホースを接続して、
ソレノイドを動かすためのスイッチをオンしたわけですよ。よし動いたと。
動きがしたんですがなんか変だぞとなったんですねここで。 動いたんだけどなんか途中で止まってしまうんですよ。
なんかおかしいなと。変だな変だなおかしいなおかしいな怖いな怖いなぁ。 何回動かしても止まってしまうなぁ。
というところでなんで止まってしまうのか。 うーんと考えるわけですよ。みんなでねこう膝をつき合わせて。
何が悪いんだろうと。 何が悪いか考える手法があってですね。
FTAという手法があるんですよ。 FTAとは故障抜き解析なんて言ったりもしますけども
フォルトツリーアナライシスといってトップダウン形式で望ましくない事象からその原因となる その下の事象を掘り下げていくことでその原因を特定して
対策を立てるのに役立つ手法ですね。 今回の望ましくない事象というのはその製品の動作の途中で止まってしまう。
というようですね。 じゃあなぜ止まってしまうのか。止まってしまう原因としては何か当たる
当たってしまっている中の内部の部品同士が当たって干渉して止まってしまうとか 動かす力が小さい
発生させている力が小さいじゃないかとか じゃあ力が小さくなるということはどういうことが考えられるのかと
まあこう一個一個掘り下げていくわけです その掘り下げていった仮説を確認するためにいろいろ検証もしながら
確認していくとやっぱりどうやらその計算値よりも力が出てないなと 計算値よりも力が出せてないせいで途中で力尽きで止まってしまっているというわけですね
じゃあなんでそんなことが起きたかというとその原因はその部品の隙間が大きかった からではないかと
いうところに行き着くわけです 今回内製化するにあたって職人さんがこう手仕上げですりすりすりすり
やっていたところを ある意味生産性向上という名目で目的のためにその部品の高さを機械仕上げ
だけでこうまあ組み立てられるようにね ある意味隙間を大きくなるような変更したわけですね
そこがまあ恨みに出てしまったとそこは原因だろうと いうにはなったわけです
だいたい問題トラブルっていうのは変えたところ変わったところが原因で起こることが多い ですよね
部品供給の問題と解決策
この変わったところに着目するのが drb fm デザインレビューベースドオンフェーラーモードというものがあって
そのデザインレビューする方法のまあ一つ手法の一つなんですけども トヨタ自動車が開発した設計変更だったり環境の変化による潜在的な不具合を未然に防ぐための
手法ということで まあその変わったところ
変えたところ内製化のために高部品を設計した時に変えてしまったところの影響というの を
設計段階でもっとしっかり着目して考えていれば気づけたかもしれなかったんですけども とりあえずその内製化しようというところでその組み立て性だけ考えてしまったのが
まあ敗因というか原因だったわけですね ということでまぁそこらへんのが原因じゃないかということがわかってきたので対策として
えっと交差を大きくとっていたところの部品を見直すわけですね まあ部品としてはそのコストが上がってしまうんですけども
組み立ては可能なんだけどその隙間も想定以上に大きくならないように その交差をちょっと厳しく設計変更をして
まあ再度組み立て直してで動作確認をして今度はバッチリ正常に動作してそれを機械に 組み込んで無事
お役様へ機械を出荷できました 見れたし見れたしというお話でした
こういうことはねあまり多くはないんですよリバースエンジニアリングしてまで 製品を部品を用意して作らなきゃいけないというのはあまり多くはないですね
ただ工作機械っていうのは一度設計するとその5年10年15年 作り続けるわけですね
まあ少しずつマイナーチェンジはしながらですけども作り続けるわけですね同じ製品を なかなか自動車でそんな5年10年作り続けるようなものもないと思いますし
家電もね本当に家電製品も1年とかすぐマイナーチェンジすると思う前のチェンジというか 製品変わると思うんですよね
交差機械は結構そのほとんど同じ形のものを5年10年作り続けるということが多いですね そしてまあ新しく作らなくても
そのすぐに生産中止になっていたとしてもお客様のところで動き続けている機械というの も当然ありますので
それで使っている部品が壊れた時っていうのは当然修理しないといけないわけですね なのでその
生産するために必要な部品あと修理するために必要な部品っていうのが いざ必要となった時に生産中止で買えないってことはね
多々あります本当に多いですね 最近特に多いです
だいたいはそのメーカーの方である程度その互換性があるような部品 代替品を用意しているんですよね
細かい寸法だったり液晶がついていればその液晶の表示方法とか ボタンとかちょっとした外観の寸法というのは
変わってたりはするんですけどもその取り付けるための寸法とか取り付け穴の位置 ピッチとかね
配管であれば配管のサイズとかそこらへんはある程度互換性があるものをメーカーが 用意してくれることが多いんですが稀に時々
結構多くではないですけども 大きく寸法が変わってしまうとか
取り付け穴のピッチが変わってしまうとか そもそも取り付け穴の数まで変わってるとか
そもそも性能が変わってるとか性能が変わったものしかもうないよとか そういう場合もあるわけですね
そういう時はそのこっち側の 我々の機械側の部品の形も変えてあげることでなんとか
その代替品を使えるようにしてあげると そういう生産中止の対応っていうのが業務のまあまあの割合を占めていますね
まあリバースエンジニアリングをしてまでっていうのは本当に 稀なんですけどもお客様に作れませんとはなかなか言えません
本当にその買えない部品 買えない部品があればあのどうしても無理ですという時は本当にたまにあるんです
けども 頑張ってやるしかないといいことが多いですね
ということで今日はリバースエンジニアリングした話をしてみました
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