工作機械メーカーの魅力
こんにちは、常蔵です。
デザイン・リビューFM第84回目始めていきましょう。
このデザイン・リビューFMは、世の中の様々なもの、主に工業製品について、私の主観で勝手にデザイン・リビューをしていこうという番組です。
今日はですね、工作機械メーカーで働く魅力について話してみたいと思います。
まず、工作機械とはですね、主に金属を加工してある形を作る、加工する、そういった機械となっています。
機械を作るための機械というところで、マザーマシンとも呼ばれていますね。
私はその工作機械メーカーで働いているんですけれども、一口に工作機械メーカーと言っても様々な仕事があります。
その中で私が関わっているのは、工作機械を設計・開発する業務です。
なのでちょっと今日はですね、そこをメインになりますけれども、お話ししてみたいなと思っています。
突然ですけれども、あなたの好きな機械は何でしょうか?
自動車が好きという方も多いと思いますね。
その中でもトヨタの車が好きで、そのトヨタ車の開発に関わりたいとか、
建機・建設機械が好きで、キャタピラの油圧のショベルとかね、そういうのを作りたいとか、
あと飛行機が好きで、その航空機の設計・開発に関わりたいとか、
あとは今盛り上がっている半導体関係。
半導体が好きで半導体装置を作りたいという人はどれだけいるかわからないですけれども、
その半導体の製造装置に関わりたいとか、という感じでですね、
高生・大学生のうちに、ある特定の業界・特定のメーカー・特定の関わりたい機械というものが定まっている人は、
迷わずその会社・業界を目指していただければいいんじゃないかと思います。
どうしてもね、やっぱり携わりたいという熱意があれば、そういうところに行けるんじゃないかなと思うんですね。
ただ私はそういう、ある意味熱い思いがある学生ではありませんでしたね。
私の入社までの経緯を話してみると、子供の頃は理系の教科はなんとなく得意で、
メカメカしいものに興味はあって、ロボットが好きだったりはしたんですけれども、
特にこれ、これがいいというものがない感じでしたね。
中学生の時にNHKで放送していたロボコンを見て、こういうロボコンを作れる学校があるんだなと、
ロボットが作れる学校があるんだなというところで、高生に進学して、
進学した後は結局ロボコンをやっていないんですけれども、
その後、大学のほうに編入して、ずっとロボット自体に興味があったので、
それっぽい研究室に入って、それっぽい研究をしていたんですけれども、
その研究室の教授の推薦で、今の高速機械メーカーを知りまして、
それで入社試験を受けて、内定をもらったと。
そういう感じで入社して、私のようになんとなく機械全般、
ものづくり全般は好きなんだけど、これといったもの、
特定のものがないという人は案外多いんじゃないかなと思っています。
私のような人に高速機械メーカーというのはおすすめです。
関われる業界の広さ
そのおすすめの理由をちょっと説明していきたいと思います。
おすすめ理由の一つ目というのは、何でも関われるということですね。
本当に何でもなんですよ。何でもというのは業界ですね。
自動車、電車、飛行機、そういう乗り物系、重工系から、ペットボトルの金型とか、
スマホのボディとか、カメラのボディとか、半導体装置だったり、
もうあげればきりがないんですけども、
そういう世の中のすべてのものの製造に関われるといっても過言ではありません。
当然その高速機械メーカーの中にもいろんな特色がありますので、
メーカーさんによって得意な業界、不得意な業界というのはあると思うんですけども、
大きい4社、DMGさん、マザックさん、大隈さん、キノフライスさんだったり
あれば大体そのどういった分野でも手を出しているというか、
関わっていると思いますので、そういう会社に入れば、
どんな業界のどんな製品にでも関われるというところが一つ利点ではあります。
最近の自動車のギガキャスト関係だったりとか、
半導体の最先端のプロセスチャンバーの部品だったりとか、
いろんなありとあらゆるものの製造に関われるというところですね。
そしてその関われるといっても広く浅くではなく、
広く深く技術の深いところまである意味その情報共有をして進めていくので、
本当にその根幹というところまで知ることができます。
当然そこに主秘義務はありますので、詳しい話というのは公にはできないんですけども、
そこが一つ魅力ですね。
上流から下流までの参与
そしておすすめの理由2つ目、こいつ動くぞというところで、
メカが好きな人って動くものが好きですよね。
そのメカメカシーンってやっぱりその動作するところ、
工作機械も当然動くんですよ。
もともとロボットが好きだった私がその工作機械に興味を持ったというのも、
やっぱりその自動でプログラムで動くところがロボットみたいだなという風に感じたからですね。
メカメカシー機構が好きって方も工作機械はおすすめです。
そしておすすめの理由3つ目、上流から下流まで関われるというところで、
自動車メーカーとか大きい産業機器メーカーさんに比べると会社の規模がやっぱり小さいので、
そのものづくりの上流から下流まで関わることができるんですね。
そのお客様を営業さんと一緒に訪問して機械の仕様を決めたり、
その仕様に合わせた、私は機械の設計開発なのでその機械の設計をして、
設計した部品の図面を書いて、手配を出して、
手配というとその手配の部署があるんですけども、
手配の依頼をするということですね。手配の依頼をして、
実際その部品を作ってくれる異物だったら異物の業者さんだったり、
部品加工の業者さんと打ち合わせをしたり、
必要であればそういう業者さんの工場にも行ったりします。
そして部品が出来上がってくれば、組み立ての現場にも実際行って、
組み立てに立ち会ったり、そこで製造上の問題というのを話し合ったり、
機械が完成すれば、あとお客様の工場の据え付けに立ち会いに行ったり、
何かお客様のところで問題が起きた時には調査に行ったりと、
あんまり起きては欲しくないんですけども、
そういう問題が発生した時にはお客様のところにも実際行くと、
そういうことも当然します。
本当に上流から下流まで全てに関わることができます。
機械の開発のチームの規模も多分小さいと思うんですよね。
一台の工作機械の設計開発というのは大体4,5人ぐらいですかね。
チームの人数としては。
それぐらいの人数のメンバーで設計をしています。
それはメカですね。メカ開発がそれぐらいですね。
その他に制御の人とかソフトの人も加わるんですけども、
大体そのメカ以外の人は専任ではないことが多いですね。
他の機械もやりながらこの機械の設計もすると。
その工作機械というのは開発設計するメンバーが少ないからこそ、
そのメンバー全員が機械全体を把握している必要があります。
簡単に言ってしまうとそれぐらいの人数で開発できてしまう機械ということですね。
これが自動車であれば多分何十人何百人と設計に関わっているんじゃないかなと思います。
なので一人一人が担当する部分というのもかなり限定されるんじゃないかなと思います。
私の知り合いの自動車の設計に携わっているという人は、
ある自動車のドアの開ける取っ手のところの設計をやっているということを言っていましたね。
ただ工作機械でいうと、ある意味全員が機械全体を把握している必要があって、
一人が担当する部分というのもかなり多いですね。
なのでその自動車のようにある特定の部分しか把握できないという状況にはならなくて、
それこそ自動車であればチーフエンジニアという立場にならないと、
なかなか全体を俯瞰して把握できないんじゃないかなと思います。
そういうところで、工作機械の開発というのはお勧めできると思いますね。
全部知りたいよ、何でも知りたいよという人にはお勧めです。
ということで、以上が工作機械メーカーで働く魅力というところをお話ししてみました。
実は今回の話は、このデザイン・リビューFMの第2回目で話した内容の最終録版となっています。
大学生の就職活動が本格化する時期ということで、
少しでも工作機械メーカーに興味を持ってくれる学生さんが増えたらいいなと思いまして、
聞いてくれる人が最近ポッドキャストを始めた頃よりも増えましたので、
また新たな人に届けばいいなということで最終録してみました。
ということで今回はここまでです。
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