工場見学の目的
こんにちは、常蔵です。
デザイン・リビューFM第64回かな。はい、64回目始めていきましょう。
このデザイン・リビューFMは、世の中の様々なもの、主に工業製品について、私の主観で勝手にデザイン・リビューをしていこうという番組です。
今回は、工場見学に行きたいという話をちょっとしてみようかなと思います。
私はですね、工作機械の設計をする仕事をしているんですけども、自社でその工作機械という製品も作っているので、会社の中に工場があります。
当然そこの工場の中で部品の加工もしていますし、板金も作っているし、塗装もしているし、組み立てもしていますし、
自分の工場の中を歩くだけで、結構その工場見学欲っていうんですかね。
そういうのは満たされるんですけども、やっぱりその他の自分の工場で作っていないものというものも見たいなぁと思うんですよね。
その業務の設計業務の一環として、自分が設計した部品を作ってくれる協力会社さんとか、他の会社さん、あとはその仕様書を取り交わして、あるユニットを作ってもらう会社の工場へ行くこともあります。
自分で設計した加工部品だと、機械加工するような部品であれば自社の工場で加工する場合が多くて、それを他社さんに行くってことはあんまり少ないですね。
自分で設計した部品だと、芋の屋さんが結構多いですね。
芋の作るための木型を見せてもらったり、吹いた後の芋を見て、それが設計した3Dモデル通りに作られているかっていうのを形状を確認して、
芋の厚さとか座の位置とか、リブに抜けがないとか、そういう確認をしたり。
あとは実際芋の作る上で巣ができやすい場所、こういう形状だったらもうちょっと作りやすいんだけどとか、そういう話を実際インタビューしてみたりします。
また木型じゃなくて発泡型といって、発泡スチロールを型として芋の作る方法もあるんですけども、そういうところにも行きます。
芋の型は大体砂でできている型ですね。金属でできている場合もあるんですけども、それはアルミの方がいいですかね。
アルミ芋を作るときは型に流し込んで、ダイキャストって言ったりしますけれども、我々工作機械だと鋳鉄の芋のほとんどで、
それは砂で作った型が多いですね。その砂型の作り方には大きく3種類あって、
1つはさっき言ったように木型を使う方法。作りたい芋の製品の形をした型を木で作って、
木型を砂の中に埋めて、砂を固めてから木型を外して空いた空間に溶けた金属を流し込むという方法。
2つ目は発泡型といって発泡スチロールで製品の形に作ったものを砂に埋めて、
発泡型の場合は埋めた発泡スチロールの型は取り外すことなくそのまま溶けた鉄を流し込んで、
発泡スチロールを溶かしながら鉄に置き換えていくというのが2つ目ですね。
3つ目は最近増えてきた3Dプリンター型といって、1つ目の木型で作る砂型のイメージと近いんですけれども、
製造プロセスの理解
木型で作る場合との違いは木型が必要なくて、木型を抜いた状態の砂型をいきなり3Dプリンターで作ってしまうという方法がありますね。
先日、航空宇宙展に行ってきたんですけれども、そこでもとある企業さんで3Dプリンターで作った砂型が展示されていました。
3Dプリンターで作る砂型のメリットとしては、木型では作ることができないような、中後とかじゃ再現できないような複雑な形の砂型を作ることができるので、
木型の置き換えというわけではなくて、3Dプリンターの砂型ありきの設計をする、そういう製品も最近増えているようですね。
あと芋の屋さんのほかは板金屋さんも行きます。最近の板金屋さんというのは結構自動化が進んでいて、我々が設計した板金部品の3Dモデルから板を、板金って平らな板から曲げて作るんですけど、
曲げる前の平らな板をどう切り出すかっていう展開とか言ったりするんですけど、その3Dモデルからの展開をソフトで自動的にバッとやって、その展開したものを板金のシート、四八とか五等とかっていう大きさがいろいろあるんですけど、
その板金のシートから切り出すんですけど、その展開したものをそのシートを効率よく無駄なく使うように自動で並べてくれたり、そのシートに並べたものをこのレーザーで自動で切り出して、切り出したものを曲げる。
この曲げるっていうのも結構自動でできる機械があって、その曲げたものを溶接するんですけど、その溶接も結構ロボットによる溶接っていうのが進んでいて、ロボットで溶接するというほとんど自動で、やっぱり制限とかはあるんですけど、形によってはもう最初から最後まで自動でできちゃうと。そういう業者さんもあります。
そういう向上を見せてもらうことで、ちょっと自分が知らなかった技とか、そのノウハウっていうのを教えてもらったり、個人的な思い込みで、こういう形状はきっと難しいんだろうなぁと思って避けていた形状。
実はその聞いてみると、意外と簡単にできますよって話、別にコストかかったり、余計な工数がそんなにかからないですよって話を聞けたりとか、そういうなかなか図面のやりとりだけでは知ることができない、そういう情報がやっぱり工場に行くともらえますね。
あと製管屋さんというのも行きますね。製管というのは板金よりも厚い材料。例えば板金、その境目はなかなか難しいですけどね。板金というと、1.6mm、2.3mm、3.2mm、4.5mm、6mmくらいかな。
6mm、9mm以上は製管というイメージですかね。製管屋さんだと6mm、9mm以上、25mmとか32mmとか、そういう厚さの板だったり、鉱材、H鉱みたいな型鉱とか、あとは管ですね。STKRの鉱管とか、そういったものを組み合わせて形状を作る、そういう製管屋さんにも行きます。
工作機械だと、その機械の本体をそういうので作る場合もありますし、補器類のフレームだったり周辺機器、そういったものを製管で作りますね。あとはね、クーラントタンクとか、コンベアメーカーさんとか、パレットチェンジャーとか、そういう周辺機器ですかね。そういうメーカーさんにも行けますね。
この芋の板金、製管、周辺機器、この辺りは設計業務の一環として自分が設計したもの、あとは使用書を取り交わして作ってもらったものの実物を確認するというのがメインで工場を見せてもらう、そういうイメージです。
顧客との関わり
あとはその弊社のお客様、弊社の機械を使っているお客様とか、あとはその弊社の機械は使っていないんですけれど、話を聞かせてもらえるというお客様を営業に紹介してもらって訪問するということもあります。
機械を使っていただいている場合は、使い勝手とか評判ですね、精度が出る出ないとか、途中で止まることが多いとか、メンテナンスしやすいとか、そういう評判を聞かせていただいたり、あとはそのお客様が作っている部品の業界の動向というのをちょっと教えてもらったり、そういうのを出ていきます。
あとは弊社のお客様じゃないんだけどという場合は、他社さんの機械を使っているお客様の話を聞いて、他社さんの機械の良いところ、悪いところだったり、ちょっと新しい機械のヒントをもらったり、そういうリサーチじゃないですけど、そういうことでお客様の話を聞くことがあります。
そういうときに工場を見せてもらいますね。
あとは弊社の機械でトラブルが起きたとき、設計もその調査のためにお客様の工場に行くことも多くてですね、そんなところはあんまり工場の中を見せてもらう余裕はないんですけども、ちょちらっと隣の機械を覗いてみたり、それとなくオペレーターの方に話を聞いてみたり、そういうことはできます。
意外とオペレーターの方は優しかったりするんですよね、そのトラブルのときでも。トラブルで機械を止めてしまっても、オペレーターの方は優しかったりします。
というのが業務上での工場見学という感じでしたね。
やっぱり競合他社さんというのはなかなか行く機会がなくてですね、同業他社さんの工場というのは行ってみたいんですよね。
今だけYouTubeで工場の様子を見せてくれることも増えていて、松浦機械さんとかDMGさんとか結構工場の中の様子をYouTubeで公開してくれたりするので、真剣に見たりしますね。
あとは私は行ったことないんですけども、日本機械学会とか精密工学会とか金型工業会の企画として、ある工場メーカーさんで半分講演会みたいなのをやって、半分工場見学をやるみたいな、そういう企画もたまにあるようです。
弊社でも前にやってましたね。そういうのは大体もうちょっと上のほうの大偉いさんが参加しているんですけれども、そういう機会があれば他社さんの工場も見ることができるかなと思います。
あと日本機械学会だと、全然京子さんじゃないんですけども、いろんな企業さんの工場見学というのを企画していて、
私は日本機械学会に入っているので、メールが来るんですけれども、
今年の夏ですね、7月ぐらいかな、Jトレックさんという日本総合車両という電車を作っているメーカーさんの工場見学ができますよという企画があって、それにちょっと応募して参加してきました。
ステンレス車両の製造というのを見せてくれますよという企画で、車体パネルの溶接とか、パネルを格好上の地下鉄とか通勤車両の箱の形状にするところとか、
あとは車輪がつく台車の部分の部品加工とか溶接とか、それのドッキングとか、あとは内装ですね、座席とかそういうところをつけるところとか、一連の組み立ての工程を見せていただきました。
楽しいですよね、全然自分の知らない業界の知らない製品の製造工程を見るというのは本当に楽しいです。
せっかく会費を払っているので、そういうのは積極的に参加したいなと最近は思っています。
あとはね、オープンファクトリーという言葉、みなさん聞いたことありますかね。
本当に最近よく私は耳にすることが多くて、地域の中小企業の団体というか集まりというか、何社か集まって自分たちの工場がある地域の人たちに工場を見てもらって、何をやっているか知ってもらおうと、そういう取り組みが増えているように思います。
今年の10月の頭ぐらいにもツイッターでフォローさせていただいている宇治田さんが発信しているのをよく見たんですけども、
ツバメ山城で工場の祭典というオープンファクトリーのイベントをやっていたようです。
宇治田さんと一斉モードの金型とかバンキング屋さんとか、普段入ることができない工場の中に入ることができて、いろんな設備を見せてもらったり体験したり、そういうことがやっていたようです。
素晴らしいですよね。
私も近場でやっていたら行ってみたいなと思って調べてみたんですけれども、神奈川県だと綾瀬市というところで、ちょうど11月2日、来週再来週ぐらいですかね、綾瀬工場オープンファクトリーというイベントをやるようです。
この綾瀬工場オープンファクトリーは今年すでに3回場所を変えてやっていて、11月2日の4回目は吉岡エリアという場所の工場の14社が見せてくれるようですね。
概要欄にリンク貼っておきますので、お近くの方は行ってみてはいかがでしょうか。
私は11月2日とあるアーティストのライブに行く予定があるので、行けないかもしれないですけど、時間があれば行ってみたいなと思っております。
他の地域のオープンファクトリー
あとは横浜の江北とか川崎の方でもオープンファクトリーというのをやっているようですので、他の地域も多分やっていると思います。
ぜひお近くの地域で調べてみてください。
あと工作機械というと、11月にジムトフという工作機械の展示会、大きな展示会が東京ビッグサイトで行われます。
そこでもいろんな工作機械だったり、周辺機器のメーカーさんがいろんな製品を展示していますので、
そういう展示会に行っても工場見学気分というのは味わえると思うんですよね。
そういうのも行ってみるのもいいと思います。
その展示会、弊社も出展しているんですけども、営業を捕まえることじゃないんだけど、
ブースの機械の話を聞きたいな、案内してほしいなという需要がありますかね。
もしタイミングがあれば私、案内することもできますので、
TwitterXの方でDMなりなりいただければ、そういう対応もさせていただければなと思っております。
ということで、今週はここまでです。
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ではお疲れ様でした。ご安全に。