2025-09-24 09:26

110:板金部品の板厚はどうやって決めているか

板金部品の板厚はどうやって決めているか

SPCC?SPHC?

STKRは使うな


■参考URL

note記事

https://note.com/kikaiya/n/n30612173d6f6


■プロフィール

つねぞう

ものづくりが好き。工作機械メーカーで設計をしている。猫を飼っている。


■文字起こしLISTEN

下記で文字起こしが読めます。

https://listen.style/p/designreviewfm


■番組へのお便りはお気軽にフォームよりお送り下さい!

https://forms.gle/yi27jVHA2kBi7Vpj6


Podcast アプリなどでレビューしてくれると大変励みになります!

Xアカウント: @tsunezo_works

■番組内で「OtoLogic」様の素材を使用しています


サマリー

今回のエピソードでは、板金部品の板厚がどのように決まるのかについて詳しく解説されています。特に、設計段階での考慮事項や板金の特性、材質の選択について述べられています。

板金部品の設計を考える
こんにちは、つねぞうです。
DESIGN REVIEW.FM第110回目。
このDESIGN REVIEW.FMは、
世の中の様々なもの、主に工業製品について、
私の主観で、勝手にデザインレビューをしていこうという番組です。
今回はですね、板金部品の板厚、どうやって決めているか、
そんな話をしてみようと思います。
板金部品の板厚、悩みますよね。
何mmの板金にしようかな。
1.6mmにしようかな。2.3mmにしようかな。3.2mmにしようかな。
正解はないと思うんですけども、
私が設計をする時に、どんなことを考えて決めているかというのを、
今回、共有してみようかなと思います。
まずは、板金で何を作るか。
まずはここからですね、板金で作りたいものは何なのか。
カバーなのか、ブラケットなのか。
はたまた箱なのか。
何を作るかが最初の一歩です。
単純なカバー、真四角のカバー。
真四角の板に固定するための穴が4つとか空いているようなカバーであれば、
まず1.6ですね。1.6mmから考えます。
何か部品を固定するためのブラケットであれば、
まずは2.3mmぐらいから考えるかなと思いますね。
もちろん支えたいものの大きさや重さによって、
必要な剛性が変わりますので、
そこはそれ次第なんですけども、
まずは2.3mmぐらいから考えるかもしれません。
そして、中継箱などの箱であれば、
これも1.6mmか2.3mmから考えてみようかなという感じですかね。
そんな感じで当たりをつけてモデリングをしていきます。
剛性とコストのバランス
次に板金ですからね。
単純な四角というのはそこまで多くなくて、
必ず曲げが入って構造を作るんですけども、
曲げだけで十分な剛性にできるかというところを考えます。
溶接するとコストが上がりますので、
まずは溶接をしないで曲げだけで成立する形を考えてみますね。
単純なカバー、板金を四角く切り抜いたような部品であれば、
当然溶接は必要ないです。
それは当然ですよね。
プラケットであれば最低でも一曲げしたL字のような形の形状。
それでも足りなければもう一曲げしてリブをつけるような形状ですけれども、
そこもまず曲げだけでできるかを考えてみます。
ちょっと曲げだけじゃ弱いかなと思ったら、
溶接でリブをつけるのではなくて、板厚を上げることをまずは考えてみましょう。
2.3ミリなら3.2ミリへ、3.2ミリだったら4.5ミリへ。
ここでの板厚の違いのコストというのは、
微々たるものだと私は思っています。
2.3ミリで合成が足りないと思ったときに、
そこを刺さるためのリブを溶接でつけるよりかは安くなると思いますね。
溶接する方が経験的に高くなるかなと思います。
あと考えることは、いくつのタップが欲しいか。
タップというのはネジ穴ですね。
カバーでもブラケットでもネジ穴が欲しいときがありますよね。
そのとき板金に直接タップを開けるのか、
溶接ナットをつけるのか、
そのどちらかを選ばなければなりません。
ネジ穴にあまり力がかからないのであれば、
ガッツリトルクをかけて閉める必要がないようなところであれば、
板金に直接タップでいいと思います。
M5であれば2.3ミリ、
6ミリが欲しいのであれば3.2ミリの板厚を選択します。
2.3ミリなんだけどM6が欲しいなという方には、
まずはバーリングという手法をお勧めしますね。
ただ、ネジ穴に大きいトルクをかけたいなというときは、
板金は生材なのでタップが壊れてしまう、
ネジ穴が壊れてしまう可能性があります。
そのときは溶接ナットを使いますね。
溶接ナットの位置決めのためのパイロットの穴は、
みすみなどのカタログとかいろんな資料がありますので、
そちらを参照してください。
あと溶接ナットを使うときは、
剛性のためにリブをつけるとか、
結局どこかに溶接があるという場合は、
どうせ溶接するなら溶接ナットでいいかというところで、
溶接ナットを使うという選択をするときもありますね。
材料と製作方法の選定
板金部品いちいち解析しられませんよね。
大きな繰り返し応力を受けそうな部品とか、
ここをしっかりやらないと危ないなというところは、
CADのFEM解析。
今、設計者であれば誰でも3D CADでできると思うんですけども、
CADを使って解析するんですけども、
簡単なブラケットはいちいち解析していられません。
なので本当に感覚ですね。感覚。
こんなもんかなという感覚で形状を決めています。
そこは本当に経験を積むしかないですね。
心配であれば解析しましょうという感じです。
現場から板金の切れ端をもらってきてください。
自分の手で曲げてみましょう。
1.6ミリの板厚でも意外と曲がらないと思います。
切手に意外と強いんですよね。
もし失敗が許されるなら、
なかなか最初から失敗しようというところはないですけども、
日程的にとか、構造的に、
後で修正がきくような場所であれば、
ちょっとこれじゃ弱いかなというぐらいの設計にしておくと、
リーズナブルな設計ができます。
それで本当に曲がっちゃったとか、
壊れちゃったとかという時に対策として、
剛性を上げるとか、
応力周知をなくすとかという対策をすればいいので、
ちょっと弱いかなという設計にしておくのが、
リーズナブルな設計への近道です。
あとは板金の板厚に絡めて、材質ですね。
通常SPCCもしくはSPHC、どちらか使うと思います。
大体の場合はSPHCで十分ですね。
テレスコのカバーとかですね、角度をきっちり出したい、
精密板金で言われるような部品であれば、
SPCCを使う必要があるかもしれません。
そこは板金屋さんに相談してみましょう。
フレーム状の部品を作る時に、
鉄のパイプですね。
STKRみたいなパイプを使いたくなると思うんですけど、
その気持ちはよくわかります。
でもSTKRとかのパイプっていうのは意外と曲がってるんですよね。
もちろん企画内の曲がりではあるんですけども、
意外と曲がっています。
なので、四八とか五等で板取りできるサイズであれば、
この字に曲げたり、L字に曲げたものを組み合わせて
フレームを作る方が良いです。
ビシッと寸法は出せます。
またSTKRを使いたくないもう一つの理由として、
穴を開ける時ですね。
STKRなどのパイプに穴を開けるっていう時には、
必ず機械加工になってしまうんですね。
単純なボール板で開ける時もあるかもしれませんけども、
縦型のマシニングセンターにテーブルに乗せて、
穴を開ける必要があるんですよね。
穴を開けた上で溶接してフレームを作ると。
これ非常にもったいないです。
フレームを板金で作れば、
普通の板金部品と同じように、
あらかじめ穴を、タップを開けといて、
曲げてフレームを作ることができるので、
いちいちマシニングセンターに乗せて、
穴を開ける必要がないんですね。
これは非常にメリットです。
なので、本当に必要なところにしか、
STKRなどのパイプは使わない。
これ重要です。
ということで、今回は板金の板圧、
どうやって決めてますかという話をしてみました。
このポテキャストへの質問お便りは、
こちらのGoogleフォームからお待ちしております。
また、XでハッシュタグデザインFを付けて
ポストしていただけると探しに行けます。
そして、このポテキャストがいいなと思ったら、
ポテキャストアプリでのフォロー、
そして高評価を付けていただけると、
今後の励みになりますので、
ぜひぜひお願いいたします。
では、お疲れ様でした。
ご安全に。
09:26

コメント

スクロール