3Dモデルの色と設計の背景
こんにちは、つねぞうです。
デザイン・リビューFM第103回目を始めていきましょう。
今日はですね、3Dモデルの色で悩んでますという話をしていきたいなと思っております。
今回はですね、科学系ポッドキャストの日の企画に参加しています。
科学系ポッドキャストの人はですね、科学系のポッドキャスターが共通のテーマでみんなでお話ししましょうという回となっています。
今月のホストはですね、高橋クリスのFAラジオさんですね。
高橋クリスのFAラジオさんが決めてくれた8月のテーマは【色】【カラー】ですね。
はい、ということで今回このデザイン・リビューFMでは、3Dモデルの色で悩んでますという話をしようと思うんですけれども、
まず前提条件として、3Dモデルは何ぞやというところで、私は工作機械の設計をやっているんですけれども、
その設計にはですね、主に3D CADというCADのソフトを使っています。
3D、3次元のCADが今主流となっているんですけれども、そのモデル、CADの中で作るモデルには色が付けられるんですね。
色んな色を付けられるんですけれども、例えばこの最近身の回りで普及してきた3Dプリンターであれば、
その3Dプリントする色、フィラメントの色そのままでモデルも作ればいいと思うんですけれども、
工作機械の場合なかなかそういうわけにはいかない部分もあって、そういうところで悩んでいるというお話ですね。
少し前、10年くらい前ですかね、それまでは結構今と違うというか、実際の機械の製品の色とは違う結構カラフルな色使いをしていて、
それはなぜかというと、工作機械に限らずですけれども、そういった工業製品、工業に限らずですね、
身の回りのそのB2C、B2Bの製品、いろんな製品があると思うんですけれども、
基本的にはいろんな部品を組み合わせて、いろんな部品を重ねたり組み合わせたりして作られていると思うんですけれども、
その時にその部品の境目というか境界、その部品の切れ目というところがわかりやすいように、
結構その隣り合う部品を違う色にするような、とりあえずある部品が青であれば、その青に付く部品の色は緑にするとか、
そういうね、工夫と言っては工夫なんでしょうけども、3Dモデルとかそういう装置、製品の形状とかっていうのを認識しやすくするために、
いろんな色を使っていたりすることがあって、結構その昔のモデルを見るとそういう感じなんですよね。
カラフルな感じ。それが結構最近変わってきていまして、なぜかというと、その3Dモデルというものを設計だけではなくて、
その他の用途ですね、下流の方でもだんだん使うようになってきて、
例えば製品のカタログに載せる絵だったり、YouTubeの動画だったり、あとはお客様に見せるプレゼンに使う絵ですね。
お客様に見せるプレゼンに載せる絵に、そういう3Dモデルの絵を貼付けたりということが多くなってきて、
その時、昔ながらのカラフルな3Dモデルだと格好悪いんですよね。
なんていうか、本物感がないというか、実物感がないというか。
もちろんカタログの絵とかYouTubeという大やけに外に出すようなものであれば、
開発から提供した3Dモデルをその先のところで編集して、
画像ソフトとかというところで色を編集することも当然可能なので、今までは多分そうやってたと思うんですけども、
結構そういう二度手間になってしまう。
特に開発設計部門のトップからは、プレゼンとかにモデルの絵を使いたい時に、
やはりあまり手をかけずに使いたいと。
ポンと設計しているモデルを持ってくるだけで格好良いプレゼンに載せられる。
それがいいよねという話がありまして、
最近は設計しているモデルも実物に近い色で作りましょうよと。
そういう方針になってきているわけです。
異物部品とその課題
確かに3Dモデルの見た目は良くなったんですよね。
ただここで新たな問題が出てきたというところで、最近悩んでいるというところで、
さっき話したように3Dプリンターで作るような部品とか、板金部品、鉄板を折り曲げただけの部品とか、
あとは本当に全面削りが入っているような加工の部品であれば問題ないんですけれども、
とある特定の部品で問題が起きて、
問題というほどじゃないんですけれども、ちょっと使いにくいなというところが出てきておりまして、
それが異物の部品ですね。
異物の部品。
ちょっと異物って何なのっていう方もいるかもしれないので、
簡単に説明しておくと、異物というのは金属を溶かして、
型ですね、鋳鉄、中鋳鋳鉄だとすると、ネズミ鋳鉄みたいなものだとすると、
砂型というような型に溶けた金属を流し込んで冷えて固まると欲しい形状ができてますよと。
そういうものが異物なんですけれども、
そういうものの部品って形状を作った後に部品を付ける面ですね。
部品を付けたい面は加工するんですね。
マシニングセンターだったり、旋盤だったりという工作機械で加工するんですよ。
そのベース部分は中鉄なので錆ないように塗装しますよと。
加工する面というのは金属の組織というか金属の部分が出てくるので、
だいたい銀色というか灰色というか、そういう色になりますよね。
なので実際の3Dモデル上で設計している部品もそれに倣って、
ベース部分は全体塗装したような色にしておいて、
加工する部分だけ灰色にすると。
そういうモデルの作り方をしているわけです。
どういう部分でそれが問題かというと、
芋の塗装の色が白系の場合ですね。
製品となった時に芋の部品が白系の色になっている時、
その時に塗装している面、加工されていない面の白っぽい色と、
加工された面の灰色の見分けがつきにくい場合があるんですね。
特に画面で見た時に影の作り具合とか、
コントラストというところで見分けがつきにくいという場合があって、
それが問題の原因となっているわけです。
それが何で問題なのというところなんですけども、
芋の塗装は加工する面に加工代というものを付けるんですね。
だいたい製品の大きさにもよるんですけども、
モデルの形状から5ミリから15ミリとか、
それぐらいずれて作られるのが当たり前というか、
それぐらいのずれを許容している部品なんです。
なので、モデルの形状がぴったりで芋の塗装を作ってしまうと、
加工したい面が加工できないという場合が出てきちゃうんですね。
なので、加工が必要な面には加工代といって、
余計に肉を盛る、ちょっと大きめに作ると。
5ミリから15ミリずれたとしても、
加工する面が残るように加工代というものを付けるんですね。
加工代というのは3Dモデル上では再現していなくて、
設計が作る3Dモデルというのは加工された後の形状で作りますので、
加工代というのは3Dモデルを受け取った業者さんの方で付けてくれるんですね。
業者さんの方で3Dモデルを基に加工代を付けて、
加工代を付けたモデルから芋の型を作っていくと。
そういう工程なわけです。
なので、メーカーから渡す3Dモデルの加工する面と加工しない面の区別がつきにくいと、
芋の製品として間違って作ってしまうことが起きてしまうんですね。
そういうところで、加工する面が分かりにくいという話がありまして、
加工の面をどう区別するか
どうしようかなというところで悩んでいるんですね。
一番簡単なのは、加工する面が分かりやすいように、
芋の屋さんに渡すモデルだけ、塗装する面をすごい区別がつきやすい色にしちゃうと、
赤にしちゃうとか、真っ青にしちゃうとか、
そういうモデルを作ってあげれば分かりやすいんですけども、
それってめんどくさいじゃないですか。
めんどくさいもあるんですけども、
モデルが2パターンできちゃうというのも問題で、
結局正規のモデル、実際の製品と同じような色にしている正規のモデルと、
それをもとに色を変えたモデルを2つ作ってしまうと、
名前の付け方とかを工夫すればいいのかもしれないんですけども、
どっちが最新なのか、どっちが正しいのかというトラブルの原因にもなってしまうし、
扱いが難しくなってしまうんですよね。
管理の面でも部品1つに対してモデルは1つにしたいというところで、
どうしたもんかなと悩んでおります。
3Dモデルの色の問題
ちょっと良い方法があったら教えてほしいですね。
図面を描いてしまえば一番確実なんですよね。
芋の図面も描いてしまえば、図面上でここは加工面だよと、
1発、2発、3発、今は三角形じゃないですけども、
加工面だよという印をつければわかるんですけども、
結構芋って最近もう図面を描かずに作ってもらうことが多くてですね、
3Dモデルだけで作ってもらうことが多いですよ最初は。
最終的には図面を描くんですけどね。
というところでそのモデルだけで加工面、加工面じゃない面というのを
確実にわかってもらうためにはどうしたらいいかというところで、
最近悩んでいるという話でした。
3Dモデルの色に関してもう1つ別なトピックというかお話を最近見たので、
こちらもちょっと紹介してみようかなと思うんですけども、
今度は製品じゃない部品ですね、金型。
実際の製品としては世の中に出てこないんだけど、
その製造の過程で使う金型のお話です。
プレスとか射出成形する金型のお話なんですけども、
これは自動車ですね、自動車のプレスの金型のお話ですね。
自動車のプレス金型業界でもその3Dモデルの規格を
共有化、共通化しようという動きが最近あるそうで、
その中で金型のモデル上の色分けを共通化しましょうというお話がありました。
例えば金型の加工する面の表面荒さの違い、
さっきもちょっとお話ししましたけども、1発、2発、3発という、
本当に形状を作るための荒加工だったり、
部品を付けるためのもうちょっと面がいい仕上げ加工、
あとは本当に精密な、本当にきれいな平坦にしたい、
研磨するような面、そういったその1発、2発、3発、
それをモデルを見たときに区別できるように、
1発は赤にしましょう、2発の面は青にしましょう、
3発の面は緑にしましょうとか、
そういった色分けを各自動車メーカーでやっているそうなんですね。
あとは穴の種類、爆穴、ただのドリル穴だったら何色にしましょうとか、
タップ穴だったら何色にしましょうと、
そういう色分けをモデル上でやっているんですけども、
それが自動車のメーカーによって、
トヨタさん、日産さん、マツダさん、ホンダさん、
いろんな自動車メーカーがあるんですけども、
それぞれで点でバラバラだったそうなんですよ。
自動車メーカーから金型を作る金型メーカーに発注して、
モデルを渡すときに、あるメーカー専属であれば問題はないでしょうけども、
いろんなメーカーさんの金型を作っているところ、
いろんなメーカーさんから金型のモデルを受け取る金型メーカーとか部品メーカーでは、
自動車メーカーによって色の意味が違うので、
本当に間違いがないように作るために、
そこを毎回問い合わせをしないといけない。
そういうところですごい時間、工数がかかっているのが問題であると。
効率が悪い原因になっているというところで、
それを改善しましょうという話に最近なっているようで、
自動車メーカーはもちろんのこと、金型メーカー、部品メーカー、キャドメーカーなど35社が集まって、
自動車金型作り効率化推進会議を2024年に発足して、
今年25年ですね。
今回紹介した金型の色などを共通化しましょうよと。
金型の色に限らず色々なトピックがあるんですけども、
金型について共通化して、
金型メーカー、部品メーカーで金型を作る作業を効率化しましょうと。
そういう取り組みが今行われているそうです。
詳細は概要欄にリンクを貼っておきますので、ぜひ見てみてください。
今回は価格系ポッドキャストの日、テーマは色というところで、
3Dモデルの色にまつわる話を2つしてみました。
今回はここまでです。
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ぜひこんな話をしてほしいというところを募集しますので、
ぜひこのデザインデビューFMでこんな話をしてほしいなと。
工作機会に限らずですね。
ものづくり、全般、なんでもいいので、
こんな話をしてほしいなというのがありましたら、ぜひぜひ送ってください。
またXでハッシュタグデザインFMつけてポストしていただけると探しに行けますので、
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