Maker Faire Tokyo 2024の概要
こんにちは、常蔵です。
Design Review.fm第61回目、始めていきましょう。
このDesign Review.fmは、世の中の様々なもの、主に工業製品について、
私の主観で勝手にデザインレビューをしていこうという番組です。
今回はですね、Maker Faire Tokyo 2024にですね、行ってきましたので、
そちらの感想をちょっと話してみようかなと思います。
まずMaker Faireとはですね、2006年にサンフランシスコで始まった
メーカー、ものを作る人たちの祭典です。
現在では世界の190カ国で開催されているそうで、
簡単に言うとね、DIYの展示発表会、ものづくり会のコミケという感じでしょうか。
そんなMaker Faireはですね、9月21、22日に東京ビッグサイトで
Maker Faire Tokyo 2024として開催されていましたので、
私はね、初日の土曜日の9月21日に行ってきました。
このMaker Faireは前から知ってはいたんですね。
名前は聞いたことがあって、SNSのTwitterとかで
いろんなものが展示されているというのは知っていたんですけれども、
実際に会場まで行ってみたのは初めてです。今回が初めてです。
今回行ってみようと思ったきっかけはですね、
旋盤工作キットの体験
支部長さんが出展されるということで、
そちらの出展されるものを見たいなと思って、
またご挨拶もしたいなと思って行ってまいりました。
その支部長さんがですね、出展されていたのは
子ども向け工作機械の旋盤工作キットというものです。
こちらですね、支部長さんが参加されている
豊田市のものづくり未来塾という企画から完成まで、
新製品開発をゼロから学べるよという取り組みがあるそうなんですけれども、
その取り組みの一つの自分ファクトリーというチームを組んでですね、
子どもたちにものづくり技術の面白さを伝えたいと。
そのAIだったり電子工作が最近は人気ですけれども、
ゴリゴリのバリバリの機械加工も面白いんだぞと、
そういうのを伝えたいという思いを込めて作られた、
そんな子ども向けの旋盤組み立てキットです。
以前からXの方で支部長さんがね、
こちらの製作過程とか進捗をですね、
ポストしてくれてまして、
それを楽しみに見ていたんですけれども、
今回この旋盤の工作キットのプロトタイプが
実際に見れるということで行ってきたというわけです。
実際行ってきた感想なんですけれども、
いや良かったですね、非常に素晴らしかったです。
この旋盤の工作キットはですね、
最終的には多分木を加工するようなものを
目標に作られているんですけれども、
まだプロトタイプということで、
今回はコルクの加工が体験できるようになっていました。
子どもたちがね、この旋盤でコルクを楽しそうに
加工している姿を見て、
いや物作りの面白さが伝わっているなと思いましたね。
皆さん想像できますかね、
小学校にも行っていないぐらいのお子さんがですね、
楽しそうに旋盤のハンドルをクルクル回して、
コルクがバリバリバリッと削れていく様子をね、
楽しそうに見ながら操作しているわけですよ。
私は実際その旋盤に触ったのは、
本当に高専に入ってからですね、
高専に入ってその授業で初めて旋盤というものに触って、
そこは本物と言ったらあれですけど、
実際の製品としての旋盤なので、
金属を加工しているんですけれども、
本当に高専なんで、
もう16、7歳ですよね。
それまで触る機会というのはなかったですよ。
でもね、このおもちゃがあれば、
このおもちゃの旋盤があれば、
本当にもう5歳、6歳ぐらいから旋盤に関われるんですね。
いや素晴らしいですよ。
もちろんね、子供が使うというところで、
安全面とかというところも気にしなきゃいけないので、
難しいところもあると思うんですけども、
ぜひ商品化までいってほしいなと思います。
あとこういう展示会に出すっていうのに非常に良いところっていうのは、
直接フィードバックとか改善点が見えてくるってところですよね。
支部長さんからもお話で聞いたんですけれども、
改善させるコルクを抑える振押台があるんですけども、
子供がこれをギュッと力加減しないで押し込んでしまったせいで、
何度か壊れてしまったそうです。
大人であればこの感覚でね、
これ以上やったら壊れるかなっていうのは何となくわかると思うんですけど、
子供だと難しいのでギュッギュッと回して抑えてしまうんですよね。
なのでそこの振押のところは、
もうちょっと補強してあげないといけないなっていうのが見えてくるとか、
そういうところはやっぱり実際、
こういう展示会とかで触って見てもらって、
体験してもらってっていうところの良いところですよね。
我々の工作機械業界でもジムトフとか、
前回、前々回でお話ししましたけど、
ジムトフなどの展示会があって、
実際にそこでその機械をお客様に見ていただいて、
いろいろとその場でフィードバックをもらうっていうようなこともあります。
当然その展示会で実際加工までやってもらうっていうのは難しいんですけども、
機械の操作感とか、
ドアの大きさとか、
アクセス性とか、
実際の主軸とかワークまでの距離とか、
そういったものは感じていただけるので、
そういったところのフィードバックをいただくとか、
っていうところはもう本当に展示会の大事なところというか、
醍醐味ですよね。
アイデアと改善点
私も実際、旋盤工作キットの方でコルクの加工を体験させていただきました。
比較的木より柔らかいコルクなんですけれども、
やっぱりこう、バイト、工具ですね。
工具を当てて動かすとゴリゴリと削れていく感触が、
ハンドルの回す手に伝わってきて、
いや加工してるなっていう感じがしましたね。
やっぱり感覚、振動とか音みたいな感覚っていうのはやっぱり大事ですよね。
そういったものが伝わってきて、
実際に自分が加工してるんだぞっていう感覚が感じられて非常に良かったです。
最後にちょっと私が持ったアイデアをね、
ちょっとここで支部長さんに聞いてくれてると思うので、
お伝えしようかなと思うんですけれども、
加工するワークとしてね、
今回のコルクもそうですけども、
木もね、なかなか綺麗に加工するっていうのは難しいと思うんですよね。
なので加工するワークとして、
よくある化石発掘キットみたいなものの、
砂が固まってるようなものあるじゃないですか。
あれがいいんじゃないかなとちょっと思いました。
だから加工を削ってるっていうよりも、
削ってるでいいのかな。
削ってるんですけど、鋭い刃で削るんじゃなくて、
ボリボリ砂を落としていくみたいな、
そういうイメージになるかもしれないんですけれども、
化石キットにあるような砂を固めたものであれば、
スローアウェーチップじゃなくても削れるかなっていう、
3Dプリンターで作ったような、
プラスチックで成形したようなバイトでも、
加工できるのかなと思って、
やっぱり自由に加工をしていいよっていうのは、
なかなかお子さんに難しいところもあるかなと思って、
最初は単純に削るだけでも面白いと思うんですけども、
やっぱり何か形を作れた方が面白いと思うんですよね。
何か完成形として形が出てくる方が面白いんだけど、
何かゼロからやってるっていうのは難しいと思って、
楽しめる子は楽しめると思うんですけど、
なんでこれも化石発掘キットのように、
丸い砂のワークの中にあらかじめプラスチックでできた、
完成形のものを埋め込んでおいて、
旋盤に周りの砂をどんどん加工していくと、
その中に埋まっているものがだんだん見えてきて、
まさしく発掘するような、
砂のワークの中からものを発掘するようなイメージですよね。
ものづくりの独自のアプローチ
お風呂の入浴剤も近いかもしれないですね。
だんだん周りが溶けていくと、中からものがポンと出てきますよと。
何が出てくるかわからないワクワク感もあるし、
その中に埋め込んでおくものを何種類か用意しておくと、
また違うものを出したいというリピートの効果も期待できるかなと思います。
ただ難しいのが、中に埋め込むものですよね。
旋盤なのでやっぱり丸い形のものが必要だと思うんですけど、
丸い形で子供が好きなものなんだろうなと思ったんですよね。
例えばロケットとか、ロケットの形とか、
また本当にまんまじゃなくてもいいかもしれないですね。
ちょっと砂は残っちゃうんだけど、
あとは残りの砂は手で落としていないぐらいの感覚でもいいとすると、
細長いもの、細長い形をしているものだったら、
電車とか新幹線みたいな形であれば、
ある程度中身が見えてくるぐらいまで旋盤で砂を落としていって、
最後は手で綺麗にしてねという、そういうのでもいいかもしれません。
どうでしょう?支部長さん。
というところで、実際にものを見てみて、
プロトタイプのカバーが付いているものと、
実際加工できる構造部分のもの、
3つぐらい展示されていたんですけども、
やっぱりああいう目に見える形でものがあると、
本当にすごい現実感というか、
本当に商品として完成しているなという感じがしましたね。
私も旋盤工作キットを作ってみたくなりました。
旋盤の設計ってしたことないんですよね。
勝手に挑戦してみようかななんて思ったり思わなかったりしています。
はい。他にもいろいろ面白いものがありました。
ちょっと今回あまり下調べせずに行ったんですけれども、
Xでフォローしていた方が2人ほど出展していましたので、
ちょっとそちらのお話もしてみたいなと思います。
一人目はですね、ひとしんしさんですね。
この方は3Dプリンターでものを作っている方なんですけれども、
特徴的なのが太いノズルを使っているんですね。
3Dプリンターの樹脂を溶かして押し出すノズルがあるんですけれども、
通常というか私が使っているものは、
0.4ミリぐらいの太さの樹脂が出る部分ですね。
樹脂が出る部分が0.4ミリぐらいのノズルなんですけれども、
このひとしんしさんは1.2ミリと3倍ぐらい太いノズルでプリントしているんですね。
なのでプリントしたものっていうのも結構独特な見た目があって、
本当に一層一層わかるような、逆ですよね。
通常のプリンターだと一層一層の積層が目立たないようにする方向にいくんですけれども、
逆でその太いノズルを使うことで積層の跡を逆に生かすみたいな、
そういった活動、作品を作っている方ですね。
やっぱりちょっとゴツゴツ、ザラザラ、ザラザラじゃない、
ゴツゴツしたような触り心地が本当にいいんですよね。
このポッドキャストで何回かお話もしている彫刻家の萩原涼さんという方が、
公開販売しているキャットという猫のモデルだったり、
ちょっとモデルは販売していないんですけれども、
発表しているペンギンのモデルっていうのを、
ひとしんしさんはこの太いノズルで作っていて、
それも展示されていたんですけれども、
本当に独特な感じで良かったです。
太いノズルもちょっと挑戦してみたくなりましたね。
靴下編み機の展示
あともう一人は紫さんです。
紫さんはですね、私が普段聞いているポッドキャストで、
オッサンFMっていうポッドキャストがあるんですけれども、
これにゲストで出ていた方の奥様、
ちょっとそのゲストの方の名前は忘れちゃったんですけど、
そのゲストで出ていた方の奥様が、
面白いことをしているよ、面白いものを作っているよという話を聞いて、
ちょっとフォローしていたんですね。
今回はちょうどその方が、紫さんが、
3Dプリンターで作った靴下編み機というものを展示されていました。
ちょっとパッと靴下編み機と聞いても、形がイメージできないかと思うので、
ちょっと検索してみて欲しいんですけど、
その靴下編み機というものは、昔からあるそうなんですね。
こうくるくるくるくる、ハンドルを回すと、
だんだん糸が組み合わさって、靴下が編まれていくと。
そういう機械なんですけれども、なかなかいいものが手に入りにくいというか、
紫さんは女性なんですけれども、
女性の足に合うサイズの靴下が編める機械がないと。
やっぱりその機械の大きさによって靴下のサイズが決まってしまうそうで、
女性に合うものがないというところで、
じゃあ自分で作ってしまおうというところで、
3Dプリンターで作ってみたそうです。
靴下ってかかとの部分があって、
かかとの部分から90度曲がったような形をしていると思うんですけど、
靴下の形、いわゆる靴下という形にするための構造だったりとか仕組み、
靴下の形にするためにはこういう構造になっているよみたいな話を、
場で作品を見ながら教えてくれました。
非常にメカメカしくていいんですよね。
針が出たり入ったり、糸を引っ掛けて編んでいくと。
そういう機構が非常に面白かったです。
ということで今週はここまでです。
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ではお疲れ様でした。
ご安全に。