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2024-10-16 08:47

63:【味】工作機械の味見?【科学系ポッドキャストの日】

10月の科学系ポッドキャストの日のテーマは「味」

工作機械の味見について話して見ました


■参考リンク

工作機械の基本的な構造(モノタロウ)

https://www.monotaro.com/note/readingseries/machiningcenterkiso/0103/?srsltid=AfmBOoqr_HtpYreJ3Qx4aMiSM0AYcDYEC1tRN1_dLLfzbNS64SfeggoX


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つねぞう

ものづくりが好き。産業機械メーカーで設計をしている。猫を飼っている。


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サマリー

このエピソードでは、科学系ポッドキャストの日をテーマに、工作機械の味見について語っています。味見加工のプロセスや目的、さらにフロントローディングの重要性が詳しく説明されています。

工作機械の味見の定義
こんにちは、常蔵です。
DESIGN REVIEW.FM第63回目、始めていきます。
このDESIGN REVIEW.FMは、世の中の様々なもの、主に工業製品について、私の主観で勝手にデザインレビューをしていこうという番組です。
このDESIGN REVIEW.FMですけれども、去年の8月頃からスタートして、一応毎週欠かさずお送りしてきたんですけれども、とうとう1週明けてしまいました。
原因はいろいろあるんですけれども、ちょっと喉の調子が悪かったり、娘の運動会があったりというところで収録ができずというところです。
今週はだいぶ喉の方も良くなってきたので、収録していこうと思います。
今回はですね、科学系ポッドキャストの日のテーマに沿った話をします。
この科学系ポッドキャストの日というのは、毎月科学系のポッドキャスターが共通のテーマについて、それぞれの専門分野でお話ししましょうというものです。
この企画はですね、毎月テーマを決めてくれるホストの方がいらっしゃって、今月のホストは孫内理科の時間Bさんですね。
この孫内理科のBさんは、私大好きなポッドキャストで、このDESIGN REVIEW.FMを始めるきっかけというか、目標としているポッドキャストですね。
その孫内理科の時間Bにお便りも出したことがありまして、読んでいただいたこともあります。
そんな孫内理科の時間Bのパーソナリティーの吉安さんが決めてくれた10月の共通テーマは、味ですね。
実はちょっとこの10月の科学系ポッドキャストの日にエントリーし損ねてしまって、これ配信されるのも配信期間より過ぎてしまっているので、
勝手に便乗という形で、勝手にそのテーマをいただいたという形で、野良科学系ポッドキャストの日ということで、
今日は工作機械の味見について話してみようと思います。
工作機械の味見と聞いて何をするかわかりますかね?想像できますかね?
もちろんペロッと工作機械を舐めてみることではありません。
答えを言っちゃいますと、新しい工作機械を設計して、第一代目、初号機を組み立てて、
一番最初に金属を加工してみることを味見、もしくは味見加工と言います。
これはもちろん正式な用語ではなくて、他の会社では使わないかもしれないですね。
弊社だけの言い方かもしれません。
この味見加工というのは実際に何をするかですけれども、
工作機械が完全に完成する前に加工をしてみて、
新しい機械の設計だったり、組み立てに問題がないかどうかを狙った性能が出せそうかを確認するというのが目的です。
まずは荒加工と言って、主軸の性能、主軸というのは工具をクランプして回転させる部分なんですけれども、
主軸の性能を使い切るような加工ができるかどうかというのを味見してみるのが多いです。
工作機械の組み立てというのは、機械だったり会社によって違うかもしれないですけれども、
大きく3段階あると思っていて、
まずは送り軸、X軸、Y軸、Z軸の3軸ですね。
送り軸プラス回転軸2軸があれば、5軸加工機の場合はプラス2軸ですね。
その送り軸プラス回転軸、そして主軸が動かせる状態、
機械の電源が入れられる状態というのがまず1つ目の段階。
そして周辺機器ですね、ATC、自動工具交換装置とか、
APC、パレット交換装置などの周辺機器も取り付いて動く状態。
そして最後にスプラッシュガードなど外装カバーを付けて、機械として完成した状態。
というのが3段階目です。
味見加工というのは一番初めの状態、送り軸、主軸が動くようになった状態、
そういう最低限の状態でやります。
フロントローディングの重要性
この状態を裸の機械と言ったりしますね。
この裸の機械で加工することで、味見をすることで問題になるのが、
空乱灯、切削液ですね、あとは切りくずというのが飛び散ってしまうことです。
工作機械のカバーのことをスプラッシュガードと呼ぶんですけども、
その名の通りスプラッシュをガードするために付けるので、
空乱灯とか切りくずを外に飛び出させないようにするために付けるのがスプラッシュガードなので、
それがない状態で加工するというのは非常に大変なんですよね。
何か対策をしないといけない。
どんな対策をするかというと、実際加工するものを置くテーブルの上に、
そのワークを囲うような、ぐるっと覆ってしまうような板金で作ったガードを置いてみたり、
あとはブルーシートですね。
ホームセンターで売っているようなブルーシートで、
とりあえずその機械を囲んで切りくずが周りに飛ばないようにしてみたり、
というような工夫をして加工をします。
ちょっと先輩に聞いた話なんですけれども、
その味見加工で加工をして厚くなった切りくずがピストルの玉のようにピョンピョン飛んできて、
このブルーシートにパスパス刺さるのを見ながら検証したという、
そういうこともあるそうです。
ここで皆さんが思うことがあるでしょう。
工作機械にスプラッシュガードが付いて、完成してから加工すればいいんじゃないかと。
それはごもっともなんですよね。
もちろんそういう場合もあります。
じゃあなぜ味見加工をするかというと、
一つ目は、なるべくその問題を早く発見したいからですね。
二つ目は、問題が見つかって部品を交換しなければいけないような状態になったときに、
結局そのカバーとかを分解することになるので、
二度手間になってしまうということですね。
私の経験でいうと、加工を実際行ってみて問題が見つかって、
そのワークを置くテーブルのユニットをまるっと交換したということもあります。
なので、なるべく早く早い段階で検証をして、
早い段階で問題を見つけて、
修正できればその機械のリリースですね、
皆様に発表する、世間に発表するというリリースも遅れることがないし、
無駄な部品を作らないで済むというようないろんな効果があります。
これを一般的にフロントローディングと言ったりしますよね。
フロントローディングとは前倒しできる作業を初期段階で行うことで、
生産効率と品質向上を図る、
そういった取り組みのことをフロントローディングと言います。
なので工作機械の味見というのはこのフロントローディングですね。
ということで今週はここまでです。
今日は価格系ポッドキャストの日、
10月のテーマ、味にちなんで、
工作機械の味見、
工作機械の味見やフロントローディングという話をしてみました。
ポッドキャストの感想・質問は、
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ではお疲れ様でした。
ご安全に。
08:47

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