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こんにちは、常蔵です。Design Review.fm第58回目始めていきましょう。このDesign Review.fmは、世の中の様々なもの、主に工業製品について、私の主観で勝手にデザインリビューをしていこうという番組です。
今回はですね、科学系ポッドキャストの日に参加します。この科学系ポッドキャストの日というのは、毎月科学系ポッドキャスターが共通のテーマについて、それぞれの専門分野でお話ししましょう。
この企画はですね、毎月テーマを決めてくれるホストの方がいらっしゃって、今月のホストは【英語でサイエンスしないと】さんですね。
このポッドキャストはですね、日本でサイエンスライティング教師になった元研究者と、なかなか帰国できない帰国史上によるほぼ英語、時々日本語、大体サイエンスなゆるゆるポッドキャストということですね。
そんな【英語でサイエンスしないと】さんが選んだ9月のテーマは【熱々】です。ホットホットですね。
圧力の圧、温度が高い時の熱いの圧、面の皮が熱いの圧など様々な圧があると思います。
私は産業機械の設計者なので、産業機械、工作機械に関わる圧、ひねらず圧力と温度の圧の話をしたいなと思っています。
では早速、まず圧力ですね。圧力、産業機械ではですね、色々な圧力が使われています。
例えばまず空圧ですね。空気の圧力です。エアです。
身近なところで使われている空圧といえば、自転車だったり自動車のタイヤの空気圧がありますね。
そのタイヤっていう密閉された空間に空気を閉じ込めて、ある程度圧力をかけてあげて、
そしてそのタイヤの伸び縮みと空気の圧縮性もですね、どっちも使っていると思うんですけど、圧縮性を利用してバネのようにそれを使って走るときの、走行するときの道路からの振動というものを吸収させたりして、スムーズな運転ができるようにという風に使っていますね。
産業機械、特に私が関わっている工作機械では、あんまりそういうどこかに密閉させてバネのように使うという使い方はあんまりなくてですね、多い使い方はエアシリンダーですね。
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エアシリンダーとは圧縮空気、空圧のエネルギーを直動運動、主に直動運動に変換する筒状の機械要素です。
いろいろな機構に使われるんですけれども、通常のというか一般的な空圧というのは工場ですね、その機械が置かれている工場、そこに一つ大きなコンプレッサーがあって、空圧を作る装置があって、そこから各機械に圧縮エアが供給されるということが多いです。
その圧力というのはだいたい1メガパスカルから0.5メガパスカルぐらいなので、シリンダーの大きさ、その径によって出せる力というのは変わってくるんですけれども、比較的、後でお話しする油圧に比べると比較的小さい力しか出せません。
なので、カバーの開閉とかドアの開閉とか、軽いものを比較的軽いものを動かす機構、そういうところに使われることが多いですね。
あとはエアーシリンダーで何かを動かすというのではなく、直接噴射させるということもよくあります。
その圧縮エアの勢いというものを利用して、ちょっとゴミのようなもの、切りくずというものを吹き飛ばしたり、工具の先端を吹き飛ばして、切りくずだったり、付着している油というものを掃除したり、そういう用途もありますね。
同様な使われ方をする圧力として、さっきもちょっと出しましたが油圧というものもよく使われます。工作機械では使われます。
油圧というのは空圧とは違って工場から供給されることはほとんどない。全くないのかな。ちょっと私は経験ないですね、工場からというのは。
工場からは供給されずに、それぞれの機械で油、作動油が入っているタンクと圧力を出すためのポンプという装置を持っていて、自分で使うために油圧を作って、それを自分のために使うというのが多いですね。
空圧との一番の違いは圧力の大きさですね。エアというのはさっき言ったように1メガパスカルから0.5メガパスカルぐらいの範囲の圧力で使うんですけれども、油圧というのはポンプの仕様にもよると思うんですけれども、
大体多いのが7メガパスカルとか14メガパスカルとか21メガパスカルとか。機械の製品、油圧で動かす製品のカタログなんかを見ると7の倍数で作っていたりしますよね。
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製品の仕様としてはその7メガパスカルとかで使うんですけれども、先のそこまで圧力が必要ないよという装置であれば元圧7メガパスカルなんですけど、ちょっと減圧して5メガパスカルで使ったりとか。
そういうのもあるし、あとはシリンダーの径にもよりますよね。シリンダーの径の大きさによって出す力が変わってくるんですけども、エアに比べると本当に1メガに対する7メガだと本当に7倍とか0.5メガに対すると10倍以上ですね。
そういう力が出せますので、エアに比べると小さい機構で同じ力が出せるというところで、そのスペースが限られている場所に何か大きな力を出したいときに使われたり。また本当にその大きな力が必要なところ。
何キロ、何トンというような重さのものを動かすような、そういう装置には本当に大きい直径が200ミリ、300ミリあるようなシリンダーを使って、そういう機械を作って、そういう重たいものを動かしたりというようなところにも油圧というものが使われています。そういうところで油圧の出番が多いですね。
あと圧力でいうとエアの仲間になると思うんですけど、真空圧、負圧というものも多く使われていると思います。
掃除機のように空気を吸い込むことで何か吸着するというような使われ方で、工作機械ではその加工する材料、ワークを真空圧で吸着して加工したり。
あとはロジスティック、物流で段ボールを運ぶロボットのアーム先端のところがバキュームのハンド、真空を発生させるハンドになっていて、タコの吸盤のように段ボールを吸い付けて運んでいるような、そういった光景をテレビとかでも見たことがあると思います。
あと工作機械でいうと、他に圧力というものを利用する、使うものというのはいろいろあって、切削液、クーラントですね。これも主軸とかノズルから出すときに1メガパスカルとか3メガパスカルとか、ある程度の圧力で出す土質が必要であるということもあるし、
あと、潤滑油というものもポンプからある程度の圧力で出して、その先の分配弁を動作させて、というところで圧力が必要だったり、というところで、産業機械の中にはそういう圧力というものを利用したものは本当に多いですね。
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元をたどれば産業革命、一番最初イギリスで起きた頃というのは蒸気ですよね。蒸気の圧力を利用してものを動かしていたと。そういうところから始まっていると思うんですけども、そういう圧力というものを機械の中で利用するというのは本当に多いですね。
それらは圧力計だったり圧力センサーというもので、常にそういう圧力をチェックして、求める圧力になっているかというのを確認しながら使っています。機械をちょっと見てもらうと、そういう圧力計、圧力センサーだらけですね。もうアツアツです。
ということで圧力の話はこの辺にしておいて、次は熱い温度の話をしてみようと思います。工作機械は金属を加工して部品を作る機械です。その加工した部品の精度というものが重要になってきますね。
その精度は何で決まるかというと、その工作機械自体の動作する精度、主軸先端を動かす精度、またはそれを制御する技術が大きく影響しますけれども、温度というのも大きなファクターですね。
工作機械というのは大体鉄で作られていることが多いんですけれども、この鉄というのは1メートルで1度温度が上昇すると何ミクロン伸びるでしょうか。
そうですね。およそ12ミクロン伸びます。
1メートルの鉄が1度温度上昇すると12ミクロン伸びます。
逆に1度温度が下がれば12ミクロン縮みます。
この12ミクロンというのはですね、工作機械にとっては非常に大きな数字ですね。無視できない数字です。
12ミクロンの段差は本当に触ってわかるレベルですからね。
なのでこの工作機械にとってこの温度の変化というのは精度を考える上で非常に大敵になります。
この大敵の温度の変化の原因としては大きく2つあります。
1つはその内部での発熱ですね。
工作機械内部での発熱。
その送り軸を動作させるために使われているサーボモーターの、サーボモーター自身の発熱とか、送り軸で使われる直導ガイドだったりボールネジというものの発熱。
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どうしてもその内部で摩擦というものがありますので、そういったところの発熱。
あとその回転するところで使われているベアリングの発熱というところが内部での発熱となります。
これら内部で発熱するものの対策としてはファンですね。
ファン、扇風機みたいなものでその温まった空気を機械の外に積極的に出してあげるとか、クーラーで冷たくした油をその温まっている部分に流してあげてその冷却してあげるとか熱を奪ってあげるとかそういった対策をしています。
温度変化2つ目の原因は外部の外部環境の変化ですね。
それはすなわち工場内その機械が置かれている工場内の温度変化です。
その工作機械が使われている工場でエアコンをですねガンガンかけてもうバッチリプラマ1度とかに温度管理しているようなところは本当に案外少ないですね。少ないです。
そこまで気にしないような製品を作っているという場合もありますし、そうでない場合だとしても結構少ないですね。
そういうところでそういう工場ですと当然その朝と夜の温度の違いもありますし、季節、春夏秋冬での温度変化というものも当然あります。
あとその窓から入る太陽の光でその窓のそばに機械が置かれているとその窓から入る太陽の光で機械の温度が上がってしまうという場合もあります。
これはその機械側での対応というのはなかなか難しくてお客様にその気を使ってもらうしかないんですけども、
最近はそのシミュレーションだったり実験によってその外部の温度変化によって機械がどのように変形するかというのをあらかじめ調べておいて、それを元に補正してあげると。
そういう機能を用意しているメーカーもあります。
あとはその違うアプローチとしてその温度変化にうまく付き合っていこうというところで、その温度変化によって伸び縮みしにくい、寸法が変化しにくい材料で機械を作ってあげようという取り組みもあります。
一般的な機械の構造というのは異物と呼ばれる溶かした金属を型に入れて固める異物というもので作られていることが多いんですけども、その異物の代わりにミネラルキャストというコンクリートの仲間みたいな樹脂でフィラーと呼ばれる石の塊というものを固めたようなミネラルキャストというものをその機械の土台、ベースに使うことができます。
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そのベースに使うことでその温度変化に強くしようと外部の温度変化に影響されにくいようにしようという機械もあります。
異物とミネラルキャストというのはその熱膨張係数はほぼ同じです。
なのでミネラルキャストも1メートルのミネラルキャストが一度温度上昇すれば12ミクロン程度伸びてしまいます。
ただその熱伝導率というのが全然違っていて、ミネラルキャストの熱伝導率は異物の約25分の1です。
なので工場の室温が上下変化したとしてもそのミネラルキャストは表面は空気に触れている表面は温度が変わるんだけどなかなかそれが中まで伝わっていかない。
中心部まで伝わっていかないというところでミネラルキャストでできたベース全体を見るとなかなか温度が追従しない変化しないので
その寸法も変わらず精度も変化しにくいと温まりにくく冷めにくいというところでその温度の変化がなまされて伝わるというところで工場の温度変化に強いというところで使われているところがあります。
ということで熱との関わりのお話でした。
ということで今回ですね科学系ポッドキャストの日9月のテーマアツアツというところで産業機械工作機械とアツアツ圧力と熱い熱の話をしてみました。
今週はここまでです。
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ではお疲れ様でした。