設計者のキャリアパスの概要
こんにちは、常蔵です。今日は、機械設計者のキャリアパスについて話してみようと思います。
Design Review.fm第86回目。このDesign Review.fmは、世の中の様々なもの、主に工業製品について、私の主観で勝手にデザインリビューをしていこうという番組です。
もうすぐ新しい年度が始まりますね。 人事異動が出る季節ですね。
今日はですね、工作機械に限らず広いお話にしようかなと思うんですけど、一般的な産業機械の設計者としてのキャリアパスというか、そこまで対するものではないんですけれども、
特にね、新人設計者の皆さんがこれからどんなキャリアを歩んでいくのか、歩んでいけるのか、その道筋というものを少し
クリアにできるようなお話をお届けしたいなと思っております。 ということで、今日のテーマは新人設計者のキャリアパスとはです。
設計者として成長していくたびにどんな道があるのか、どんなスキルが求められるのか、一緒に見ていきましょう。
それではですね、まず会社のキャリアパスについて説明していこうと思います。
ちょっと弊社に限らずですね、一般的な話として聞いてほしいんですけれども、多くの企業では設計者としてのキャリアは次のようなステップを踏んでいくと思います。
まず新人から数年の経験を積んで、 基本的な設計業務を一人でこなせるようになると主任に昇格します。
主任というのは設計業務を中心に担当しつつ、若手の指導だったり業務の改善にも関わることが増えていきます。
うちの会社だとですね、大体10年前後ぐらいで入社からのランクがいくつか上がって主任になると、そんなイメージですね。
主任は大体誰でも10年ぐらい経てば慣れるんじゃないかなというイメージです。
その次はですね、主任としての経験を積むと次は係長ですね。 もしくはリーダーというような呼ばれる立場なんですけども、
係長リーダーというのは設計業務ももちろんある程度やるんですけども、それよりもそのプロジェクトある機械だったり、ある設計のプロジェクトの進行の管理だったり、そのチームの取りまとめなどマネジメント業務というのも増えてきますね。
あとは他の部署、組み立てとかサービスとかそういうところの問い合わせ窓口っていうようなイメージもあります。
そしてその次はですね、課長、マネージャー、もしくはセクションリーダーとかそういう立場なんですけども、係長から経験を積んで課長になると。
課長になると設計部門の一部というものを統括して組織のマネジメントというものに深く関わるような立場になりますね。
プロジェクトの成果に責任を持って経営層とも連携して会社の方向性を考える立場となります。
そして係長から上はですね、だいたい非組合員といって組合からは出るような立場となりますね。
課長っていうところの下にはいくつかのチームがあって、チームは一つしかないところもあると思うんですけど、いくつかのチームを束ねているのが課長ですかね。
その次、その上が部長ですね。部長、ゼネラルマネージャーとかも言うかもしれません。
新人設計者のスタートライン
部長っていうのは設計部門全体の責任者ですね。組織全体の方針を決めて予算管理だったり人材育成も含めた広い視点でのマネジメントが求められる、そんな立場となります。
そしてその上、さらに上がですね、本部長、本部長だったり技術統括っていうようなポジションになると思うんですけども、会社全体の技術戦略ってものを策定して業界の動向を見せながら新しい技術開発を推進する、そんな役割となっています。
もうちょっと具体的な話をしてみると、係長っていうのはあるチームを取りまとめているんですけども、ある程度まとまった塊となっている機種を担当していると。
そのいろんな機種の立場、立ち位置によっていろいろ変わるんですけども、新機種の開発であればもうその新規開発している1機種だけを見るチームのリーダーがいるし、既にリリースした機械であればある程度いくつかの機種を担当すると、毎月の生産台数が多い機械であれば1機種、2機種ぐらいを担当するチームもあるし、
比較的毎月作る機械の数は少ない、そういう機種を担当しているともうちょっと多いですかね、5機種、6機種ぐらいを担当しているチームがあると。いろんなチームがありますね。そういうチームをまとめているのがリーダーで、そういういくつかのチームをまとめて見ているのが課長、マネージャーという感じですね。
部長となると結構大きな組織を見ていることになって、例えばうちであると縦型の部門、横型機の部門みたいな感じで大きく分かれているんだけど、その大きな分類の上に立っているのが部長、ゼネラルマネージャーという感じですかね。
ここで一つ重要なのが、全員が課長以上の管理職、マネジメント職に進むわけではないというところですね。設計者のキャリアには大きく分けてマネジメント職、管理職という役職に進む場合と、
専門職、スペシャリストというような設計のスペシャリストに進むような道があります。スペシャリストは機関技術者といったりもしますね。
あとはそのどの役職でもそうなんですけども、組織が変わることでその席の数が変わったりしますね。増えたり減ったり、チームが増えたり減ったりするんでそれに応じて
係長も増えたり減ったり、そういう部分もありますので、係長以上になれるかどうかっていうのは運の要素っていうのも結構あると思います。
では新人設計者がキャリアを歩んでいく上で大切なポイントというものをちょっとお話ししていこうと思います。
まず新人設計者のスタートラインですけども、まず新人のうちはやっぱり基礎を固めることが大事ですね。
具体的には設計の基礎知識、材料だったり加工だったり、ものの構造だったりっていうものの基礎知識を固めていくのと、あとはCADですね。
今だいたい3D CADを使って設計していると思いますので、そういうツール、あとはTLMっていうようなプロダクトライフサイクルマネジメントシステム、そういったもののツールを覚えていくと。
あとやっぱり図面の読み書きとか、現場、作業者、組み立てさんとか、加工場の人とか、あとはですね、部品、購入品を収めている業者さんとのやり取り、こういうところをしっかりと身につけることが主人へのステップにつながります。
そういう経験を積んでいくと会社での評価っていうものが上がってきて、うちらと年に1回ですね、春に来期の目標を立てて、
今期の自己評価をして、それをもとに上の人に評価をしてもらうと。
その年1回の評価に応じてポイントが与えられるんですけども、そのポイントがある程度たまると次のランクに昇格できるとか、次のポジションに昇進できるとかっていうものは決まります。
キャリアアップするためにですね、会社がどのような点を評価しているかっていうのを知ることが重要で、一般的にその設計の技術力っていうのももちろんなんですけれども、
チームでの仕事の進め方というところで協調性だったり、新しいアイディアだったり、その改善というものを提案する提案力というものがポイントになるかなと思います。
そこらへんはその会社の考え方だったり、部門、チームの考え方があると思いますので一概には言えないと思うんですけれども、
そういうところがどういうところが評価されるかというところを把握しておいて、そこに対して取り組んでいくというところですね。
マネジメント職と専門職の選択
先ほどもちょっとお話ししたマネジメント職、管理職か専門職かというところで、主任係長と経験を積んでいくと多くの設計者が管理職になるか、技術を極めるスペシャリストになるかという選択を迫られることになると思います。
マネジメント職、管理職というのはあるチーム、グループをまとめてプロジェクトを進めて経営と関わることが多くなる、そういったポジションですね。
一方専門職スペシャリストというのは技術力を高めて新製品の開発だったり、新しい技術の開発、高度な設計を担う役割となります。
どちらの道が自分に合っているかというところは、チームを率いること、人間をまとめること、管理することに興味があるか、もしくはその設計の最前線に立ち続けたいか、どっちの仕事が楽しいと感じるかという視点で考えるといいと思います。
実はですね、私も最近どちらに進むのかという選択を迫られました。どっちを選んだかというと、とりあえず専門職の方に進む道を選びましたね。
上司からですね、専門職になっておけば後から管理職側になるのも楽だよということで、じゃあなりますよーと
いう感じで答えたんですけども、まあなりますと言ってなれるわけではなくて、ちゃんと昇進の試験を受けました。
一次試験と二次試験があったんですけど、試験を受けて一応春からそういう役職に変わるということで、
まあちょっとね、春から残業代が出なくなります。残業代が出なくなる役職になる予定です。
まあそれはさておきですね、設計者としてそういうキャリアパスを描くたびに長期的に成長するためには、
まあ体系的にね設計手法を学ぶことが必要だと思っています。 例えばその最新の設計技術、解析手法の取得、
例えばジムトフ、工作機械であればジムトフなどの展示会に行くことで競合メーカーの技術というものを調査したり、
あとは競合の特許を調べてみたり、そういう新しい技術というものをどんどん吸収していくと、
キャッチアップしていくと、そういうことが必要ですね。 あとやっぱりその先輩や上司から学ぶっていうのも大事で、
本当にOJTになっちゃうんですけども、上司から与えられた仕事をいかに早く正確に
良い設計をするかというところを仕事をしながら学ぶと。 あとはその技術書だったり論文というものを活用して知識を深めるというのが重要ですね。
まあこれはその学会に参加したりとか、専門誌を読んだりとか、
そういうのが重要になってくるかなと思います。 また技術士などの資格に挑戦することもおすすめです。
資格の勉強を通じて体系的な知識を得ることができるだけではなくて、資格を取ればですね、
会社内での評価、向上にもつながるかもしれません。 その会社によってはその技術士とかの資格を持っていると、毎月のお給料の手当てが出たりっていう会社も
ありますね。うちはないんですけど、そういう会社もあります。 ということで私も今年3度目の技術士第二次試験の試験を受ける予定です。
先週ぐらいに、
では6年度の合格発表がありまして、
合格した方おめでとうございます。私は筆記でダメだったので、もう高等試験には進めてないので、もう全然関係なかったんですけども、
今年の合格発表があってからじゃないと、その筆記の点数の開示請求ができなかったので、合格発表を待って開示請求を出したという感じですね。
その点数が返ってきてから、ちょっと本格的に令和7年度の試験勉強を始めようかなと思っています。
ということで今日はですね、新人設計者のキャリアパスというところで、ちょっと簡単にですけどもお話ししてみました。
改めてポイントを振り返ってみると、会社にはですね、設計者として主任、係長、課長、部長、本部長といったキャリアパスがあります。
またその課長以上ですね、
にはそういう管理職になるか、はたまたその技術を突き詰める専門職になるか、そういった違う道もあります。
そして新人設計者の最初の数年はですね、基礎をしっかり固めることが重要ですね。
そしてその固めるためにはやっぱり体系的な設計手法の学習というのが必要になってきて、そのためにはですね、資格取得というのも一つ早道になるかなというところですね。
設計者としてのキャリアというものは一人一人異なると思いますので、どのような道を歩みたいかというのを意識しながら自分なりの成長をできるように進んでいってもらいたいなと思っています。
アフタートーク
はい、アフタートークです。前回85回スケスケなミシンが欲しいですね、ちょっとコメントいただきました。
ヨヘさんですね、ヨヘさんからいただいたコメントです。ミシンの構造を見たいなら名古屋市科学館の理工館3階にスケスケ構造説明モデルが展示されています。
小学生にちょうど良いです。ということでヨヘさんありがとうございます。
あるんですね、名古屋市科学館にですね、ちょっと私は遠いですぐに行けないんですけども、お近くの方ぜひ行ってみてください。
ちょっと私もね機会があれば行ってみたいですね。はい、ということで今回はここまでです。
ポッドキャストの感想質問は概要欄にリンクがあるグーグルフォームからお待ちしております。また各ポッドキャストアプリでのコメントもお待ちしております。
フォローしていただくと最新話が配信されるとお知らせされますので聞きやすくなります。ぜひフォローもお願いいたします。
また各ポッドキャストアプリでの評価も是非ね星5つけていただければ嬉しいです。ではお疲れ様でした。ご安全に。