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s-umemoto
デザインの味付け。
はい、始まりました。デザインの味付け。
この番組は、株式会社ajike代表の梅本と、
その仲間たちがデザインについて、雑談を交えながら話す番組です。
今日のお相手は、神田さんです。神田さん、よろしくお願いします。
神田淳生
はい、今日もよろしくお願いします。
s-umemoto
今日の収録日は4月4日でございます。
神田淳生
はい、そうですね。
新卒が福岡に来て研修を受けてくれております。
今年は過去最大人数じゃないですか。
過去最大人数でドキドキしてます。
何人ですか?
本当にそんな人数を教えられるのか。
s-umemoto
本当にずいぶん準備しましたけどね。
神田淳生
どうですか、スタートは。
s-umemoto
いやー、すごい頑張ってくれてますよ。
なんですか?
難しいですよね。今から頑張るぞって皆さん気合い入ってると思うんですけど、
たぶん来週再来週までだとちょっと疲れてから出るんじゃないですか。
神田淳生
そうですね。
s-umemoto
そのときにどういうふうに通常モードに戻ってくれるかな、
気を配りながらやらなきゃいけないんですよね。
神田淳生
梅本さんもそういう新卒で研修を受けた経験ってあるんですか?
s-umemoto
あるわけないじゃないですか。
神田淳生
失礼しました。なかったですか?
なかったですね。OJTばっかりですね。
よくわからない。
じゃあ自分は受けたことがない研修を教える側にならないといけない。
めちゃめちゃ教えるの下手だと思いますよ。
s-umemoto
神田さんはうちの会社に入社したとき、研修ありましたもんね。
神田淳生
いやないですよ。
ないですし、新人で一週間目なのにオフィスに置いてかれたような記憶がある。
あれ研修ですか?
金庫電話番研修みたいなやつね。
オフィスのマンションの一室に置いてけぼりで一人で何もできない。
あれ研修です。
最高の研修ですね。
s-umemoto
そこから比べると今全然違うと思いますよ。
神田淳生
素晴らしいですね。
s-umemoto
同期が一堂に会して飲み食いして、夜も会って過ごせるっていう、そんな経験ないですよね。素晴らしいですね。
徐々に敬語が取れていっているのがすごく楽しいなと思ってました。羨ましいですね。
羨ましいですね。同期ってなかなか貴重ですからね。
敬語を使わずに、友達じゃないけど友達のように話せる人って、
もしかしたら新卒ぐらいが最後かもしれないですよね。タメ口金生が喋れる人って。
神田淳生
なるほど。確かにそうですね。
自分は味気でもちろん同期っていないんですけど。
s-umemoto
金子。
神田淳生
金子は同期とは言えないんで。
s-umemoto
社会人になってからタメ口で気にせず喋れるって、ほんと一人ぐらいしか思いつかないですね。
そうですよね。仕事以外でもし知り合った人とかいても、基本は敬語で喋ってますもんね。
そうですねそうですね。めっちゃいいじゃないですか。
そういうのを見ていると、おじさんとしても嬉しいですよね。
神田淳生
今は完全におじさんトーク炸裂してますよね。
そうです。
s-umemoto
若い人から若い文化を教わろうという気持ちでいつも最近話しかけてますね。
さてさて、じゃあ今日はテーマは何でございましょうか。
ちょっと難しい。難しいなこれ。
神田淳生
ちょっと難しく聞こえるかもしれないんですけども、
s-umemoto
単純でして、
神田淳生
自分たちはデジタルで働いてるんですけども、
自分たちはデザイン会社で、デザイナーとも普段よく接してますし、
デザインを見る機会みたいなのもすごい多いと思うんですけども、
自分たちは付き合っているお客さんとかって、デザインに触れるとかってすごい少ないじゃないですか。
デザインの理由を問う
神田淳生
なんだけれども、プロジェクトの中では、
誰かからデザインが提案されて、
A案でいきましょう、B案でいきましょうみたいなのを判断しないといけない、
っていうようなシーンが来ると思うんですね。
そんな中で結構困っている姿を見ることがありましてですね。
なるほど。
デザインが、
あんまり良くないと。
s-umemoto
だけれども、その方はデザインがあんまり良くないっていうことはわかる。
神田淳生
なんだけども、何が良くないのかっていうところを、
言語化とか細かく指示みたいなのは当然できないと。
そういうシーンで困ってる人って結構いるんじゃないかなと思いまして。
でも何てデザイナーの方にフィードバックしたらいいのかなってわからない人に対して、
そういう方がデザイナーに対してどういう返答、どういう言葉を投げかけたら
品質が上がっていくのかっていうのをちょっと考えてみたいなと思ったっていうテーマ。
なるほど。
それでこのテーマを持ってきました。
s-umemoto
そうしたら、例えば具体的にこういう問いかけをしたらいいですよ、みたいなのあるんですか。
そうですね。ちょっと3つほど考えてみたんですけども、
これちょっと梅本さんにも聞いてみたいんですが、
神田淳生
まず一つ目はデザインの理由を問う。
これは普通のことかなと思うんですけども。
何かデザインが良くないなと思っても、そのデザインには理由があるはずなんで、
このデザインにした理由を教えてください、コンセプトを教えてくださいと。
そういう返りかけをしてみる。
そうするとやっぱりデザインの品質が良くなければ、
その理由とかコンセプトっていうのも良くない可能性がある。
その言葉に対するフィードバックだったら、
非デザイナーの方でもしやすいんじゃないかなって思ったのが一つ目ですね。
これどう思いますか。
これですね。
s-umemoto
いやもうその通りでしょうと思ってますけど、
デザインの考え方って、大きくプロセスでいうと2つあると思ってまして、
何を伝えるのかっていうのを整理する。
それをどう伝えるのかみたいな話なんですけども、
デザインの考え方って、大きくプロセスでいうと2つあると思ってまして、
何を伝えるのかっていうのを整理する。
それをどう伝えるのかみたいな話なんですけども、
理由を説明してくださいっていうのは、
何を伝えたいんですかっていう話とちょっと近かったり、
もしくは伝えたいことがあるとしたら、
神田淳生
それをこういうふうに伝える理由は何なんですかとか、
s-umemoto
こういう表現をした理由かな。
何を伝えたいかどう伝えたいかみたいなことを聞いてるのと同じなんだろうなと思って、
今の問いは聞いてました。
神田淳生
そうですね。
ただちょっとこれも、
s-umemoto
効果がどこまであるのかなっていうのがわからない部分があるなと思ってまして、
神田淳生
これを言語化したものに対して、
こういうコンセプトがいまいちなんじゃないかとか、
その理由はいまいちなんじゃないかっていうフィードバックをした後に、
すっげえいいの上がってきたってなるかなみたいなところが、
ちょっともやっとポイントでもあるなと思ってました。
s-umemoto
めっちゃ今の共感しますわ。
神田淳生
よかったです。
ほんまにそりゃそっから上がってくる感じはしないね。
目的はやっぱりいいデザイン作ってほしいっていう。
いいデザインが出来上がってほしいっていうのがあると思うんで、
それでね、これはいいといいやなみたいなのを見つけたいなと思ってるんですけども。
s-umemoto
なるほど。
分かりました。
でも一つ目は理由を説明してください。
どういうコンセプトですかっていう、
いわゆる何を伝えたいのかとか、
ちゃんとロジックで教えてくださいっていう問いですよね。
はい、そうです。
神田淳生
ちなみに二つ目の問いとかはどんなもんなんですか。
ベンチマークと比較する
神田淳生
二つ目はですね、ベンチマークのデザインと比べて、
s-umemoto
どういうことですか。
神田淳生
これはですね、梅本さんからよく言われたような気がするんですけど。
s-umemoto
ドキドキ。
神田淳生
デザインをするときに、
事前にですね、こんぐらいのサイト作りたいよねとか、
こんぐらいの品質目指したいよねみたいなんで、
ベンチマーク設定するっていうのはよくあるかなと思うんですけども。
実際デザイナーからデザインが上がってきたときに、
なんか良くないと。
なんか良くないけれども、具体的にフィードバックはできないんで、
そのときにですね、設定したベンチマークのサイトと比べて、
あなたのデザイン品質どう思いますかっていうのを聞いてみる。
s-umemoto
なるほど。
神田淳生
これはどうかな。
s-umemoto
なるほど。いいですね。
神田淳生
いいですか。これ梅本さんやってたと思いますよ。
やるな、梅本。
これグサッとくるんですよ。
グサッとくる。ダメージ与えてるやんけ。
s-umemoto
あかんやん。
神田淳生
でも多分、さっきの1個目の理由を問うよりも、
s-umemoto
もしかしたら効果はあるかもしれないなって思ってますね。
目に見えるからね。
神田淳生
そうなんですよね。
デザイナーは最終絵作るっていうか、もちろん目は越えてると思うんで、
こっちと比べて何が悪いかとかっていうのはわかると思うんですよね。
s-umemoto
品質だと到達してるかしてないのかみたいな。
神田淳生
それを言われるとグサッとくるけど、
でも確かにそうやな、頑張らないとなみたいなふうに思わせる効果があるのかなってちょっと思いました。
s-umemoto
なるほど。ありがとうございます。
確かにこれは効果ありそうな気がしますね。
3点目は何ですか。
デザイナー自身に自己採点させる
神田淳生
3点目はですね、ちょっとやばい案と思ったんですけども、
デザイナー自身に品質の自己採点をさせるというのはどうかね。
s-umemoto
自己採点をさせる。
神田淳生
はい。
これはですね、ちょっとあんまりいいのが思いつかなくて、
やばい案が出てきたんですけども。
やっぱりデザイナーの方自身が、これはすげえいいのできたと思った状態で提案してほしいじゃないですか。
s-umemoto
そうですね。
神田淳生
それを期待してやるんですけども、
いまいちそんなに良くないなと思うときって、デザイナーの方もおそらくですね、
最高のものができたと思ってない場合が多いんじゃないかなってちょっと思いまして。
これもちょっと2個目と似てるんですけども、
s-umemoto
自分はどういうふうに感じてるんですかっていうことを問うてみるっていうのはどうかな。
神田淳生
というのが3つ目ですね。
s-umemoto
なるほど。確かに3つ目。難しいな。
この話を聞いて、この問いを聞いて思い出したのが、昔の貧乏コント第1回目だったと思うんですけども。
芸人たちが参加者同士で採点したんじゃなかったんでしょうか。
神田淳生
そうですね。芸人が採点するっていうシステムでやってましたよね。
s-umemoto
それで結構地獄のような様子を提示してた気がするんで。
やっぱり誰か責任を持って判定するとかのほうがいいのかな。
THE SECONDは最近は観客が採点するみたいになってましたけども、
今回のケースで置き換えると、ご自身で採点していただくか、
神田淳生
冗長が採点するか、二択だと冗長のほうがいいのかなとは思いましたね。
なるほど。そうなんです。
なので自分としては、お客さんの担当の方に、
s-umemoto
これからこういう問いを投げかけていったらいいんじゃないですか、みたいなアドバイスをもらったらいいなと思ってるんですが、
神田淳生
どれの方向性がいいんじゃないみたいなのがありますか。
s-umemoto
そういう意味だと、2番目のベンチマークと比べて、
フィードバックをするお客さん側の立場に立っても一番わかりやすいんじゃないかなと思いました。
神田淳生
たぶん自分の部下とかだったらちょっと厳しめに言うという可能性もあると思うんですけども、
s-umemoto
今のケースってお客さんが外部のデザイナーにどう戻していいかわからないっていうことなので、
いらっしゃるかもしれないけど厳しめには言いづらいじゃないですか。
神田淳生
その方のデザイナーの中、気遣いつつもどうしても会わへんかったら他のデザインで変えるっていうことができるとは思うんですけども。
とはいえ戻さなきゃいけないときにどうして戻したらいいかっていうのがベンチマーク。
そうですよね。ベンチマーク。
確かにベンチマーク、最初に設定できていれば話しやすいような気がするんで。
デザインのフェーズに入るときに最初にこんぐらいの品質を目指したいんだみたいなのを、
外部のデザイナーさんとかとすり合わせとくみたいなのがいいかもしれないですね。
s-umemoto
そうですね。確かに私のお客様でも、自分はデザイン担当しないんだけども、
サイトを制作するにあたってちょっとアドバイスくださいみたいなのを言われたときに、
最初にゴールポイントとか品質とか設定ができてなかったと思うんですけど、それは難しいと思うんですけど。
神田淳生
そのときに上がってきたものに対して、もちろん自分のほうでこういうふうにフィードバックしたりとかしたことはあるんですけども、
たぶん本質の意図みたいなものが伝言ゲームになったりとかですね。
変えてはきたけど、確かに変わったけど、そういう意味じゃないんだよなみたいなのが何回かあったんで。
一番の理由を問うみたいなのだと、ちょっと失敗するとそっち方向にも行きそうな気がしますね。
s-umemoto
そうですね。だからボタンを押しやすくちょっと影っぽいことにしてください。
押せるボタンを順番に一回統一してください、いいみたいにしたら。
そうなったりはするんだけども。
一回エリアに対して影をつけて、そのエリアの中にもう一回ボタンで影影みたいになってたりとか。
ゼットインデックスって言うと2回浮いてるじゃないですか。
まあまあ細かい話ですけどね。難しいなあと思います。
神田淳生
言われてる方もたぶんあんまり何を言われてるのかわかってないような気がしますけどね。
でもなんとなくこのベンチマーク設定して、
比べて品質どうかみたいな話をしていくみたいなのは、そっちも良さそうかなっていう気がしました。
そうですね。
s-umemoto
やっぱりマネジメント視点でいくと、その人が出そうとしているゴールポイント。
神田淳生
最終的にどのぐらいの品質を求めてるのかってわかってないといけないですし。
s-umemoto
多分早く出してほしいという指示をするときもあるじゃないですか。高校生に2割3割とか。
この2割3割みたいなのを出してもらったときに、
神田淳生
自己採点というところが実は100点やったりとかしたらまずいなっていうところもあると思う。
s-umemoto
目標設定みたいな感じですかね。
ゴールがあって、現在地があって、まずそこの確認。
そこが認識があったら、その差を埋めるために何のアクションをしていきましょうみたいな。
神田淳生
ありがとうございます。整理されたような気がします。
s-umemoto
まじっすか。
神田淳生
こんな難しいテーマ持ってこんといてくださいよ。
いい話ができました。
本当ですか。じゃあまとめてもらっていいですか、最後。
そうですね。わかりました。
デザイナーに問いかける方法
神田淳生
デザイナーにどういう問いを投げかけるかというところですけども、
まずはベンチマークというか目標を設定すると。
次に提案に対して、デザイナーさんに対しては、
目標に対してそれが遜色ないのか、どれくらい劣っているのか、
みたいなところを問うていくっていうのが、
良い進め方、品質を上げるための良い進め方になるのかなというところですかね。
s-umemoto
ありがとうございます。他にももちろんいろいろこんな方法あるよと、
ご存じの方がいたらぜひコメントいただければと思います。
ということで今日は、品質を上げるために投げかける問いというテーマでお話をしました。
今日も聞いていただきましてありがとうございました。
ありがとうございました。
編集好奇。品質って難しいですね。
神田淳生
でもちょっと、非デザイナーの方にアドバイスをしたいなと思って、
このテーマを持ってきたんですけども、
自分たちでも使えるなって思いながら話してました。
s-umemoto
確かに。いろんな引き出しがいるもんね、フィードバックするときはね。
神田淳生
そうですね。そうそうそうそう。
具体的に言っちゃうと、その通りしか上がってこないみたいなのもよくあると思いますし、
ある程度考えてもらうような余地を残しつつ、いいフィードバックをするみたいなのは、
s-umemoto
バランスが難しいんですけども、今からしたら内容もいいかもしれないなと思います。
個人での品質を上げてもらうっていうこともやらなきゃいけないんですし、
我々のような立場のものは、
それが会社全体としてどうやったら一番再現性を上げていけるのかみたいな、
デザイン会社をやっている意味としては、
全体的に品質が高いって言われるためにどうしたらいいかっていつも悩みながらやってます。
品質を上げるためのヒントがあればぜひ教えていただけたらなと思います。
品質を上げるためのヒント
s-umemoto
はい。
はい。ということで、今日も終了します。ありがとうございました。
神田淳生
ありがとうございました。