1. 岡大徳のポッドキャスト
  2. 「片頭痛=片側」は誤り|脳神..
「片頭痛=片側」は誤り|脳神経外科医が明かす頭痛の見分け方
2026-07-16 11:16

「片頭痛=片側」は誤り|脳神経外科医が明かす頭痛の見分け方

spotify apple_podcasts youtube

頭痛に悩む多くの人が、市販の痛み止めで我慢したまま暮らしています。この我慢は、頭痛外来にたどり着く人の少なさと、「画像に異常がない」で終わってしまう診療経験に支えられています。そこで今回は、脳神経外科専門医の山本俊先生に、頭痛外来の診察と治療の実際を聞きました。

山本先生が伝えるのは、頭痛は正しく見分ければ減らせるという事実です。第一に、診察はまず命に関わる危険な頭痛を除外することから始まります。第二に、片頭痛と緊張型頭痛を分ける決定的な違いは、痛む場所ではなく光・音・においの過敏症状です。第三に、予防治療は月15回の片頭痛を10回、5回へと減らします。

診察は危険な頭痛の除外から始まる

山本先生の診察は、頭痛そのものではなく、頭痛による生活の支障を聞くことから始まります。緊張して診察室に入る患者に、いきなり痛みの性状を尋ねても、実際の困りごとは見えてきません。生活の支障を先に聞く姿勢が、患者中心の診療の入口になります。

生活の支障を確認したうえで、山本先生は患者を2つのパターンに分けます。ひとつは、これまで経験のない頭痛が起きて来院する人です。もうひとつは、長年同じ頭痛で困り続けてきた人です。この2つのどちらに当てはまるかが、その後の診察の進み方を決めます。

前者の「これまで経験のない頭痛」では、命に関わる頭痛を念頭に置いた質問が続きます。「人生で初めての頭痛ですか」「これまで経験がない頭痛ですか」「突然の頭痛ですか」。脳神経外科医として、山本先生はこの除外を最も大切にしています。

危険な頭痛の除外には、MRI検査が欠かせません。ただし、山本先生は画像に異常がないことを終着点にしません。画像に異常がなくても起こる頭痛を一次性頭痛と呼び、その代表が片頭痛と緊張型頭痛です。「ここで終わりではないですよ」という一言が、次の治療への扉を開きます。

片頭痛と緊張型頭痛を分けるのは過敏症状

一次性頭痛の治療では、片頭痛と緊張型頭痛の見分けが出発点になります。この2つを分ける最大の違いは、過敏症状の有無です。過敏症状は、国際的な診断基準にも含まれる条件です。

代表的な過敏症状は3つあります。光の過敏は、暗いところに行きたくなる形で現れます。音の過敏は、静かなところに行きたくなる形で現れます。においの過敏は、香水や人混みのにおいで頭痛が悪化する形で現れます。3つ目のにおいの過敏は注目されにくいものの、診断の手がかりとして重要です。

過敏症状を基準に置くと、「頭の片側が痛むから片頭痛」という理解は正しくないとわかります。痛む場所は、片頭痛と緊張型頭痛を分ける決定的な条件ではありません。片頭痛の患者に緊張型頭痛が起こることもあり、複数の頭痛が混ざる状態は珍しくありません。医師でも判断が難しいからこそ、山本先生は診断基準を軸に据えています。

予防治療は月15回の片頭痛を5回に減らす

見分けができるようになると、患者は自分の頭痛を自分で分析できるようになります。山本先生は診断基準をスライドで詳しく説明し、判断力を患者と一緒に育てます。その結果、「先月は緊張型頭痛が多かった」「今月は片頭痛が多くて辛かった」と、患者自身が言葉にできるようになります。

自己理解が進んだ患者に対して、山本先生が特に重視するのが予防治療です。予防治療は、痛みが起きてから抑えるのではなく、頭痛の回数そのものを減らすことを目指します。片頭痛には専用の薬があり、治療法は大きく進歩しています。

予防治療の効果は、患者自身が数えられる形で現れます。月に15回あった片頭痛が、治療を続けるうちに10回になり、5回になります。この減り方を患者が自分で実感できることを、山本先生は診療の共有目標としています。

まとめ:我慢せず、頭痛専門医への一歩を

頭痛は、正しく見分ければ減らせます。診察はまず命に関わる危険な頭痛の除外から始まります。片頭痛と緊張型頭痛を分けるのは、痛む場所ではなく光・音・においの過敏症状です。そして予防治療は、月15回の片頭痛を5回へと減らします。

それでも多くの人が、イブやバファリンなどの市販薬で我慢し続けています。母親が我慢する姿を見て育った人もいれば、「画像に異常はない」とロキソニンを渡されて終わった人もいます。しかし、頭痛をわかってくれる専門医は日本全国にいます。我慢をやめて受診する一歩が、生活の質を大きく変え、人生が変わるような経験につながります。

山本俊先生からの発信をもっと受け取りたい方へ

山本俊先生は、頭痛外来で患者と向き合いながら、AIを使った研究にも取り組む脳神経外科専門医です。メルマガでは、頭痛に悩む方へ専門家だから届けられる最新の治療情報を、医療従事者やAIに関心のある方へ研究・知的生産にAIエージェントを組み込む実例を、毎週土曜日に発信しています。

▶ 山本俊の「頭痛」と「脳」のメルマガ



Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

感想

まだ感想はありません。最初の1件を書きましょう!

サマリー

脳神経外科医の山本俊先生は、多くの人が市販薬で頭痛を我慢している現状を変えるため、情報発信の重要性を語ります。診察ではまず、命に関わる危険な頭痛を除外し、MRIで異常がない場合でも一次性頭痛の治療に進みます。片頭痛と緊張型頭痛を見分ける決定的な違いは、痛む場所ではなく光・音・匂いへの過敏症状であり、この診断基準を患者と共有することで自己理解を深めます。さらに、予防治療によって頭痛の回数を大幅に減らせることを強調し、我慢せずに専門医を受診することで生活の質が向上すると呼びかけています。

メルマガ開始の動機と頭痛診療の現状
スピーカー 2
岡 博之のポッドキャスト。今回は、脳神経外科医、山本俊先生にお越しいただき、
片側は間違い、脳神経外科医、山本俊先生がメルマガを始めた理由についてお聞きしたいと思います。
スピーカー 1
山本俊先生、お願いします。 山本 はい、よろしくお願いします。
スピーカー 2
山本 山本先生、現役の脳神経外科医として忙しい中、なぜ自ら頭痛のメルマガを書こうと思ったことはありますか?
スピーカー 1
山本 はい、ありがとうございます。
私は頭痛外来で、日節で勤務しているのですが、頭痛を診療していく中で、
頭痛外来にやってきてくださる方自体が少ない。
すごく困ってどうしようもない状態になってやってきたりだとか、ということが非常に多くて、
世の中本当にたくさんの人が、市販の痛み止めで我慢をしているという現状を、
診察室で待っていても何も変わらないということに気がついて、
自分から発信することで、自分の頭痛への対処の仕方とかが正しく啓発してあげる必要が強く感じまして、発信をやっております。
スピーカー 2
山本 ありがとうございます。
頭痛外来に来られる患者さんが少ないという現状ですが、そういったことを危惧されて情報発信をされているということで、
危険な頭痛の除外と診察の進め方
頭痛外来に来られた患者さんを診察するとき、山本先生がまず最初にすることってどういったことですか。
スピーカー 1
山本 はい。やはり診察という形で、ある種ちょっと緊張して入ってこられる方も多いかなと思うんですけども、
いきなり頭痛のことについて質問するのではなく、必ずどんなふうに生活に頭痛が支障をきたしているかということを聞くようにしています。
スピーカー 2
山本 ありがとうございます。頭痛がどのように生活に支障をきたしているかという部分もあると思うんですが、
例えば、診察の中で一番危ない部分とか、どういった形で頭痛に対してアプローチってされていっているとかありますか。
スピーカー 1
山本 そうですね。大きく分けて2通りの患者さんがいまして、これまで経験がないような頭痛がしたと言って来られる方と、
ずっと同じ頭痛で困っていたんだけども、どうしても行ったほうがいいと思ってきたという2通りの患者さんがいらっしゃいます。
特に前者の方ですね、これまで経験がないような頭痛がしたということは、
命に関わる頭痛を念頭に置いて診察しないといけないので、
まずどっちのパターンかどうかを聞くところからというのと、
スピーカー 1
人生で初めての頭痛ですかとか、これまで経験がない頭痛ですかとか、突然の頭痛ですかとかですね、
本当に命に関わる頭痛をまず除外するための質問を脳神経理学会としては特に大事にしていますので、
そういったところから始めています。
スピーカー 2
確かにそうですね、危険な頭痛、命に関わるような頭痛というところをお聞きしてから、
そういった部分、除外した後に多いというのがいろんな頭痛があると思うんですけど、どういった頭痛がありますか。
スピーカー 1
除外するときに必ず頭の方へMRIというのを必ず取るんですけども、
それでちゃんとまず異常がありませんでしたよということで、安心感を持っていただく。
残念ながらですね、ここで異常がありませんでしたで終わってしまったという経験をされている方も実はすごい多いと思うんですけども、
僕ちゃんと引っ張りとですね、ここで終わりではないですよということにしています。
画像に異常がなくても頭痛がすることを一時性頭痛と言うんですけど、
要するに偏頭痛であったり緊張型頭痛であったりが多いです。
特に偏頭痛の方はですね、非常に強い頭痛で動けなくなってしまうような辛い経験をしょっちゅうされていますので、
その痛みをしっかり理解して、こんな風に偏頭痛専用の薬があるんですよとか、
こんなに良くなっている時代がすでに到来してるんですよっていう希望を与えるような話からするようにしています。
片頭痛と緊張型頭痛の見分け方
スピーカー 2
ありがとうございます。偏頭痛と一時性の頭痛ということで偏頭痛とか緊張型頭痛とかあるっていうことなんですけど、
偏頭痛とか緊張型頭痛、2つの決定的な違いとか、何か同じように勘違いされている方が多いと思うんですけど、そういった違いってありますか。
スピーカー 1
一番大きな違いはですね、これは本当に診断基準という専門的な知識から来ているんですけど、
やはりですね、花瓶の症状なんですね。花瓶って何かっていうのちょっとパンと言われるとよくわかんないと思うんですけども、
要するにですね、光の花瓶、眩しくて暗いところに行きたくなるとか、音の花瓶、頭が痛い時静かなところにとにかく行きたい。
あとはですね、ちょっと注目されないんですけれども、匂いの花瓶というのも大事で、特定の匂い、香水とか、
スピーカー 1
人の匂いとかですね、人ごみの人の匂いとかですね、そういうので、
嗅ぐと頭が痛くなってしまうという、そういう匂いの花瓶、この3つが代表的な花瓶の症状で、
スピーカー 1
やはりそれをしっかり伴っていることが、変頭痛の診断基準にも入っている条件になります。
一番大きな違いはそこで、頭の片方が痛くなるのが変頭痛とか、両方が緊張型頭痛というのはですね、
実は厳密は正しくないんですね。一番伝えたいこととしては、花瓶の症状を大事にするということが、
本当に大切になってきます。
患者の自己理解と予防治療の重要性
スピーカー 2
確かに花瓶になっている症状が何かというのを、自分で理解する、先生と話して理解するということは、
自分の中でもどういう感じで付き合っていけばいいかというのは分かるようになっていくのかなと思います。
確かにそういうふうに正しく見分けられるようになっていくと思うんですけど、
そうすると患者さんの日常というのはどういうふうに変わっていきますか?
スピーカー 1
そうですね、実はやはり頭痛診療ですごく難しいのは、変頭痛の方が緊張型頭痛が起こることもありますし、
いろんな頭痛が混ざっているということも決して珍しくないんですね。
なので正直、医者からしてもですね、なかなか判断が難しいという部分もありますし、
スピーカー 1
医者からして難しいなら、患者さんはもっと難しいと思うので、
ただですね、こういう診断基準について、本当にスライドをしっかり患者さんに見せたりとかして、
すごく詳しく説明するんですけど、それをやることによって、
先生、今日は緊張型頭痛が先月は多かったですとか、
ちょっと先月はすごい変頭痛の方が多くて辛かったですとか、
自分で自分の頭痛が分かるようになるという、
そういうのを患者さんと一緒に判断力をつけていくみたいな、
でももちろん優しい言葉ですけど、そういうのを意識しています。
スピーカー 2
確かに緊張型頭痛が何回あったとか、変頭痛が何回あったとか、
そういった形で患者さん自身が自分の頭痛を理解してコントロールできるようになるというのは、
非常に素晴らしいことかなと思います。
そういったことができるようになると、患者さんは日常ってどういうふうに変わっていくんですかね。
スピーカー 1
そうですね、分かるようになるというのももちろんなんですけども、
しっかりと頭痛の治療ですね。
特に大事なのが頭痛の予防治療というものになるんですけど、
それはお薬を飲んだりすることによって、そもそもの頭痛の回数が減る、
あるいはなくなるというところまで目指していくというものになっていて、
患者さん自身も変頭痛が最初月に15回でした、すごく多い方もいらっしゃるんですけど、
それからやっていくうちに、先生、今月は10回になりました、5回になりました、
スピーカー 1
自分で数えて減っていくのが実感できるみたいな。
つまり極論ですけど、自分で診断というか分かるようになって、
自分で治療の経過も、こんなに良くなっていたんだという経過も
自分で把握できるみたいな、そういったものを共有できるように目指しています。
我慢せず専門医へ相談する重要性
スピーカー 2
確かに知識が増えて理解ができて、コントロールすることで頭痛が減る、
頭痛がなくなるということと、
あと予防ができる治療を一緒にやっていくということは非常に素晴らしいことです。
やっぱり先生との関わりがそういった方向に行くのかなと思っています。
スピーカー 2
確かにこういった専門的なお話というのは、自分で我慢をするとはなくて、
専門の先生に相談することというのが非常に今回のお話で大切かなと思いました。
ありがとうございます。
スピーカー 2
山本先生、最後に聞いていただいている方に何かメッセージはありますか。
スピーカー 1
そうですね、やはりこれは何より我慢しないでほしいということですね。
本当に世の中多くの方が薬局で買える市販の痛み止め、
イブとかバファリンとかそういうものなんですけど、
そういうので我慢をしているんですね。
よくあるのはお母さんも頭痛持ちで、
お母さんがずっとそうしているのを見てきたから自分もそうするとか、
あとはやはり病院に勇気を出してかかってみたんだけど、
ただ画像に異常がないねと言われてロキソリンが出て終わったとか、
そういうことも多いかなと思うんですけど、
しっかり頭痛のことをわかってくれる先生というのは、
私だけじゃなくて日本各地に頭痛専門医の先生がいらっしゃいますので、
ぜひ我慢せずにかかっていただきたい。
そのことによって生活の質がもうガラッと変わってですね、
人生が変わるような経験を本当にされる方がいますので、
どうかそれもその機会を逃さないように一歩踏み出していただきたいなと思います。
まとめとメルマガの紹介
スピーカー 2
ありがとうございます。
今回は脳神経理科医山本俊先生にお越しいただき、
頭痛について教えていただきました。
また山本先生は毎週土曜日に頭痛に関する有益な情報を
届けていただいています。
山本先生の頭痛のメルマがまた届くのをよろしくお願いします。
スピーカー 2
今回ありがとうございました。
スピーカー 1
ありがとうございます。よろしくお願いします。
では、失礼します。
11:16

コメント

スクロール