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【令和8年度改定】かかりつけ薬剤師の評価体系を抜本見直し|指導料廃止・新加算創設・施設基準再編
2026-04-20 05:35

【令和8年度改定】かかりつけ薬剤師の評価体系を抜本見直し|指導料廃止・新加算創設・施設基準再編

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かかりつけ薬剤師制度は、特定の薬剤師が患者の服薬管理を一元的・継続的に担う仕組みである。この制度は、業務ノルマ化の指摘や本来の趣旨(患者によるかかりつけ薬剤師の選択)の浸透不足という課題を抱えてきた。本稿では、令和8年度診療報酬改定で行われるかかりつけ薬剤師の評価体系の抜本的見直しを解説する。

今回の改定では、かかりつけ薬剤師の評価体系を3つの観点から組み替える。第1に、かかりつけ薬剤師指導料(76点)及びかかりつけ薬剤師包括管理料(291点)を廃止する。第2に、服薬管理指導料の中にかかりつけ薬剤師区分を新設し、継続的フォローと患家訪問に対する2つの加算を創設する。第3に、かかりつけ薬剤師の施設基準について、薬剤師個人の要件を緩和する一方、薬局全体としての安定性を担保する要件を新設する。

1. かかりつけ薬剤師指導料及び包括管理料の廃止

令和8年度改定では、かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料の2つの点数を廃止する。両点数は、特定の保険薬剤師が継続的・一元的に患者の服薬管理を行った場合の評価として設けられてきた。今回の廃止により、かかりつけ薬剤師の評価は服薬管理指導料の体系に一本化される。

かかりつけ薬剤師指導料は、現行で76点を算定する評価である。この点数は、患者またはその家族の同意を得て、特定の保険薬剤師(かかりつけ薬剤師)が必要な指導等を行った場合に、処方箋受付1回につき算定する仕組みであった。

かかりつけ薬剤師包括管理料は、現行で291点を算定する評価である。この点数は、地域包括診療加算等を算定する保険医療機関と連携した、包括的な薬学管理に対する評価として設定されていた。

なお、現行で認められている服薬管理指導料の特例(やむを得ない事情により他の保険薬剤師が連携対応した場合の59点算定)も、今回の改定で削除される。

2. 服薬管理指導料への統合と新加算の創設

廃止される指導料の機能は、服薬管理指導料の中に統合される。具体的には、服薬管理指導料の各区分にかかりつけ薬剤師区分(イ)を新設し、加えてかかりつけ薬剤師による継続的フォローと患家訪問に対する2つの加算を創設する。これにより、かかりつけ薬剤師の業務実態に即した評価が可能となる。

服薬管理指導料は、改定後にかかりつけ薬剤師か否かで区分される。再来患者(原則3月以内に再度処方箋を持参した患者)に対する区分1では、かかりつけ薬剤師が行った場合(イ)が45点、それ以外(ロ)も45点となる。新規患者等に対する区分2では、かかりつけ薬剤師が行った場合(イ)が59点、それ以外(ロ)も59点となる。点数自体は同額だが、かかりつけ薬剤師区分(イ)での算定は、後述する2つの加算を算定する前提となる。

かかりつけ薬剤師フォローアップ加算は、3月に1回50点を加算する新設項目である。この加算は、服薬管理指導料1のイまたは2のイ(かかりつけ薬剤師が行った場合)を算定している患者のうち、外来服薬支援料1、服用薬剤調整支援料1・2、調剤管理料の調剤時残薬調整加算または薬学的有害事象等防止加算を算定した患者が対象となる。算定要件は、前回の調剤後から再度処方箋を持参するまでの間に、かかりつけ薬剤師が電話等で服薬状況や残薬状況を継続的に確認し、必要な指導を実施することである。なお、調剤後薬剤管理指導料や在宅患者訪問薬剤管理指導料、居宅療養管理指導費のハ等を算定する患者は、本加算の対象外となる。

かかりつけ薬剤師訪問加算は、6月に1回230点を加算する新設項目である。この加算の対象も、服薬管理指導料1のイまたは2のイを算定している患者に限られる。算定要件は、患者またはその家族の求めに応じて、かかりつけ薬剤師が患家を訪問し、残薬の整理や服用薬の管理方法の指導等を行い、その結果を保険医療機関に情報提供することである。なお、外来服薬支援料1や施設連携加算、在宅患者訪問薬剤管理指導料、服薬情報等提供料、居宅療養管理指導費のハ等を算定する患者は、本加算の対象外となる。

3. 施設基準の見直し

かかりつけ薬剤師に係る施設基準は、薬剤師個人の要件と薬局全体の要件に再構成される。具体的には、薬剤師個人の勤務時間及び在籍期間の要件を緩和する一方で、薬局としての勤務継続性を担保する要件を新たに設ける。この再構成により、短時間勤務や育児・介護休業との両立を図る薬剤師もかかりつけ業務に参画しやすくする狙いがある。

薬剤師個人の勤務時間要件は、週32時間以上から週31時間以上に緩和される。育児・介護休業法による所定労働時間短縮の場合は、週24時間以上かつ週4日以上の勤務で要件を満たす取り扱いが継続される。

薬剤師個人の在籍期間要件は、1年以上から6か月以上に短縮される。加えて、産前産後休業・育児休業・介護休業からの復職者については、休業前の在籍期間を合算できる規定が新設される。

薬局全体の要件は、今回新設される。具体的には、薬局の常勤保険薬剤師の平均在籍期間が1年以上であること、または薬局の管理薬剤師が継続して3年以上在籍していることのいずれかを満たす必要がある。患者との会話が他者に聞こえないパーテーション等による独立カウンターの設置(プライバシー配慮)も、引き続き求められる。

保険薬剤師として3年以上の保険薬局勤務経験、研修認定制度による研修認定の取得、医療に係る地域活動の取組への参画といった要件は、現行から維持される。

まとめ

令和8年度改定では、かかりつけ薬剤師の評価体系を本来の趣旨に立ち返る形で再構築する。再構築の柱は、指導料・包括管理料の廃止、服薬管理指導料への統合と新加算の創設、施設基準の個人要件緩和と薬局要件新設の3つである。保険薬局においては、新しい点数体系への算定準備とともに、薬局全体の在籍要件を見据えた人員体制の見直しが急務となる。



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サマリー

令和8年度の診療報酬改定では、かかりつけ薬剤師制度が抜本的に見直されます。従来の「肩書き」による点数加算を廃止し、電話フォローや患家訪問といった実際の行動に基づいた新加算を創設。これにより、医師への情報提供を義務付けることで、実態のない点数稼ぎを防ぎ、患者中心のサービス提供を促します。また、薬剤師個人の勤務要件を緩和しつつ、薬局全体の継続性を担保する新基準を設けることで、多様な働き方を支援しつつ質の高い薬局サービスを実現することを目指します。

制度見直しの背景と目的
あのちょっと想像してみて欲しいんですけど、毎月VIP会員費を払っているのに、実際のVIPサービスは何も受けられないってなったらどう思いますか?
いやーそれはちょっと納得いかないですよね。 ですよね。でも実はこれ、薬局でかかりつけ薬剤師をお願いした時のあなたの状況だったかもしれないんです。
まあ耳が痛い話ですが事実ですね。 ということで今回は厚生労働省が発表した令和8年度のかかりつけ薬剤師の評価体系見直しに関する公式資料、それから注意卿での議論の記録ですね。
これをベースに制度がどう根本から変わるのかを深掘りしていきましょう。
はい。薬局の窓口でかかりつけ薬剤師はいかがですかって聞かれて、なんかピンと来なかった経験あなたにもありますよね。
えー結構多いと思いますよ。理念は素晴らしかったんですが、これまでは薬局側が点数稼ぎのためにのるまかしていたりして、実態はかなり境外化しやすい仕組みだったんです。
そうなんですよね。でも今回の改定はそのシステムを根底から崩すシフトチェンジになっているということで。
はいそうなんです。
指導料・包括管理料の廃止と統合
資料を見ると従来のかかりつけ薬剤師指導料とか包括管理料という専用の点数がばっさり廃止されてるんですよね。
ええ通常の副薬管理指導理に統合されました。これまでは私はかかりつけ薬剤師ですという肩書きだけで自動的に高い点数が加算されていたんです。
肩書きだけですか。
そうなんです。ちなみに医療の1点は10円なので、以前の包括管理料291点なら約3000円分があなたの医療費に上乗せされていたことになります。
え、3000円。それがただの肩書き代だったなんてちょっと驚きですね。
そうですよね。
新加算の創設と実務評価
でもそれが通常の料金と同じになるなら薬局側にとってはただの言及になりませんか。
あ、そこがこの改定の非常に興味深いところでして、基本の点数を通常と同じにする代わりに実際の行動に対して新しい加算を作ったんです。
実際の行動というと。
例えば電話などで副薬状況をフォローアップすれば3月に1回ですが50点。
なるほど。
あとは患者さんのご自宅に出向いて残薬整理などをしたら6月に1回230点といった具合ですね。
なるほど。つまりただのVIP会員費から電話確認とか出張お片付けみたいな実際のルームサービスに対する都度払いに変わったようなものですね。
まさにその通りです。
でもそれならまた客局側が電話しましたって適当な理由をつけてノルマ化するんじゃないですか。
いや、今回はそう簡単にはいきません。
単に行動するだけじゃなくてその結果を医師などの医療機関にフィードバックする仕組みが組み込まれました。
あ、お医者さんに報告するんですね。
ええ。証拠と連携がないと評価されないので実態のない点数稼ぎはシステム上できなくなったんです。
薬剤師個人の施設基準緩和
なるほど。ちゃんと実作業とその証明が必要になると。患者としては嬉しいですがふと疑問に思うんです。
はい、なんでしょう。
現場の薬剤師さんは電話したり家に行ったり実務が激増しますよね。働き方は大丈夫なんでしょうか。
功労者もそこはしっかり考慮していて薬剤師個人の施設基準の縛りを大幅に緩和しました。
緩和ですか。
ええ。これまで求められていた週の最低労働時間を32時間から31時間に減らしたり、その薬局での在籍期間の要件を1年から6ヶ月に短縮したりしています。
へえ。
されに産休や育休からの復職でも過去の勤務期間を合算できるようになりました。
ちょっと待ってください。個人が働きやすくなるのは良いことですが、患者であるあなたや私の立場からすると、それって都合が悪くないですか。
と言いますと。
かかりつけを頼んだのに担当の薬剤師さんは時短勤務やシフトの都合でコロコロ変わったら、一番大事ないつも同じ人が見てくれるっていう安心感が崩壊しませんか。
いやー鋭いですね。まさにそこが重要なポイントなんです。だからこそ個人の縛りを緩める代わりに、今度は薬局全体に対する要件が新設されたんですよ。
薬局全体の要件新設と継続性の担保
薬局全体に対する要件。
はい。個人の働き方が柔軟になっても、薬局にいる常勤薬剤師の平均在籍期間が1年以上であることや、管理薬剤師が3年以上在籍していることなど、組織としての土台が厳しく求められるようになりました。
なるほど。誰か一人が休んでも、薬局というチーム全体であなたを継続的にサポートできる体制を担保するんですね。個人の縛りを緩める代わりに組織の土台を引き締めるという絶妙なバランスですね。
ええ。多様な働き方を支援しつつ、患者さんから見ていつも同じ薬局に信頼できる人がいるという継続性を担保するための最高性なんです。
改定の総括と未来への展望
いやー、今回の令和8年度改定って単なる国のお金や数字の話じゃなくて、あなたが受ける薬局のサービスがよりパーソナライズされて実質的になるってことなんですね。
そうですね。これからは真の意味で私たちの生活に寄り添う本質的な価値を提供する薬局だけが評価されるようになるでしょうね。
はい。では最後に少し想像してみてください。もし未来において、かかりつけ薬剤師があなたのスマホのヘルスケアデータと直接連携して、日々の睡眠や食事、心拍数といった日常の健康までフォローしてくれるようになったら、あなたはどこまで自分の生活情報を共有したいと思いますか?
次回、薬局のカウンターに立つときに少しだけ考えてみてください。
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