令和8年度診療報酬改定では、大病院の外来機能分化と地域医療機関との連携をさらに推進する。その一環として、紹介患者・逆紹介患者の割合が低い特定機能病院等における初診料及び外来診療料の減算規定が見直される。本記事では、この減算規定の改定内容と実務対応のポイントを整理する。
今回の見直しは、大きく2点の変更で構成される。第一に、逆紹介割合の基準が対象医療機関の種別ごとに引き上げられる。第二に、減算対象となる患者に「過去1年間に12回以上外来診療料を算定した患者」が追加される。さらに、現行基準を満たしている病院には、令和9年3月31日までの経過措置が設けられる。
逆紹介割合の基準引き上げ
逆紹介割合の基準は、対象医療機関の種別ごとに約1.7〜2倍に厳格化される。特定機能病院等では30‰未満から50‰未満へ、許可病床400床以上の病院では20‰未満から40‰未満へと引き上げられる。この改定は、大病院から地域医療機関への患者紹介(逆紹介)を一層推進することを目的とする。
特定機能病院・地域医療支援病院・紹介受診重点医療機関では、逆紹介割合の基準が30‰未満から50‰未満に引き上げられる。この基準は、初診料の「注2」に該当する減算規定の対象医療機関を定めるものである。なお、紹介割合の基準(50%未満)は変更されない。
許可病床400床以上の病院では、逆紹介割合の基準が20‰未満から40‰未満に引き上げられる。この基準は、初診料の「注3」に該当する減算規定の対象医療機関を定めるものである。こちらも、紹介割合の基準(40%未満)は変更されない。
減算対象患者への「頻回再診患者」の追加
減算対象患者には、「当該病院において過去1年間に12回以上外来診療料を算定した患者」が新たに加えられる。従来は、他院への文書による紹介の申出にもかかわらず受診を続けた患者のみが対象であった。今回の見直しにより、頻回に再診を受ける患者も、医療機関の機能分担の観点から減算対象に含められる。
この追加には、患者の状況に応じた除外規定も設定される。以下の3つのいずれかに該当する患者は、減算対象から除外される。第一に、過去1年間に紹介を行った医療機関との連携により、遠隔連携診療料または連携強化診療情報提供料を算定している患者である。第二に、緊急その他やむを得ない事情がある患者である。第三に、専門性の高い医学管理を要するなどの理由で他院への紹介が困難であり、自院での継続通院が必要と医師が認めた患者である。
報告義務と経過措置
報告義務の基準も、逆紹介割合の基準引き上げに連動して変更される。特定機能病院等では、紹介割合50%未満または逆紹介割合50‰未満(現行30‰未満)の場合に、地方厚生(支)局長への報告義務が生じる。400床以上の病院では、紹介割合40%未満または逆紹介割合40‰未満(現行30‰未満)の場合に、同様の報告義務が生じる。
経過措置として、1年間の猶予期間が設けられる。令和8年3月31日時点で現行の逆紹介割合基準を満たしていた病院は、令和9年3月31日までの間、新基準を満たすものとみなされる。この措置により、対象病院は新基準への段階的な対応期間を確保できる。
まとめ
令和8年度診療報酬改定では、大病院の外来機能分化を進めるため、初診料・外来診療料の減算規定が見直される。逆紹介割合の基準は対象医療機関の種別ごとに引き上げられ、減算対象患者には頻回再診患者が新たに加えられる。対象となる病院は、経過措置期間を活用しながら、新基準への対応と地域医療機関との連携強化を計画的に進めることが求められる。
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サマリー
令和8年度診療報酬改定により、大病院と地域クリニックの役割分担が強化されます。特に、大病院から地域医療機関への患者紹介(逆紹介)の基準が厳格化され、過去1年間に12回以上大病院に通院した患者も減算対象となるペナルティーが導入されます。これにより、不要な大病院への集中を防ぎ、患者はかかりつけ医を持つことの重要性が増すなど、私たちの医療との付き合い方が大きく変わる時代が到来します。
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