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2025-12-26 05:15

【2026年度改定】残薬対策の3つの論点|処方箋様式・訪問看護・薬局連携を徹底解説

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令和7年12月19日に開催された第637回中央社会保険医療協議会総会において、残薬対策が議題として取り上げられました。医療費適正化基本方針では、残薬、重複投薬、不適切な多剤投与を減らす取組が重要施策として位置づけられています。本稿では、2026年度診療報酬改定に向けて中医協で示された残薬対策の現状と課題、今後の論点について解説します。

中医協は残薬対策について3つの観点から検討を行いました。第一に、地域包括診療料等の算定患者への処方のあり方と電子処方箋の活用による「残薬の発生抑制」です。第二に、薬局薬剤師による残薬確認の実効性向上と訪問看護での情報提供に関する「残薬の確認」です。第三に、処方箋様式の見直しによる医師と薬局の連携強化を通じた「残薬の解消」です。

残薬対策の基本的枠組みと診療報酬上の評価

残薬への対応は「発生の抑制」「残薬の確認」「残薬の解消」という3つの観点から、それぞれ報酬上の対応が図られています。基盤となる仕組みとして、かかりつけ医機能、かかりつけ薬剤師制度、電子処方箋・オンライン資格確認、お薬手帳の活用などが整備されています。

発生抑制に関する評価として、医科では薬剤総合評価調整管理料、地域包括診療料、薬剤適正使用連携加算などがあります。調剤では、かかりつけ薬剤師指導料、外来服薬支援料1、服用薬剤調整支援料などが設けられています。これらの評価は、ポリファーマシー対策や医療DX推進体制整備加算と連動しています。

残薬確認に関する評価として、調剤では重複投薬・相互作用等防止加算(残薬調整以外40点、残薬調整20点)があります。在宅では在宅患者訪問薬剤指導料、在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料、在宅移行初期管理料などが算定可能です。外来服薬支援料1は、ブラウンバッグ運動による節薬バッグの取組を評価しています。

残薬対策の現状と課題

かかりつけ薬剤師が患者から受ける相談の約6割は残薬に関するものです。薬剤師が残薬調整に対応するきっかけとして最も多いのは「患者とのやりとり」であり、患者との継続的な関わりや服薬の一元的管理が重要な役割を果たしています。医療機関においても、薬局から情報提供される情報のうち「残薬状況」は「服用状況」に次いでニーズが高い情報です。

残薬調整を薬局で実施する際の問題点として、「患者が全ての薬剤を持参しない」ことを挙げる薬剤師が半数を超えています。このため、在宅患者訪問薬剤管理指導料等が算定できない患者に対して、薬剤師が患家を訪問して残薬整理を行っている事例もあります。残薬確認の時間や一包化の手間、複数薬局利用時の情報共有など、現場では多くの課題を抱えています。

地域包括診療加算の算定患者は処方薬剤種類数が多い傾向があります。また、薬剤適正使用連携加算は現在、入院・入所患者のみが対象であり、他院にも通院する外来患者への情報提供は対象外となっています。訪問看護の事業の人員及び運営基準においては、服薬状況(残薬状況)の情報提供について明記されていない点も課題として挙げられています。

中医協で示された3つの論点

中医協では残薬対策について、3つの観点から論点が示されました。

残薬の発生抑制に関する論点として、地域包括診療料・加算や在宅時医学総合管理料等について、診療の際に患家における残薬を確認した上で適切な服薬指導を行うことの評価が検討されています。また、地域包括診療料・加算の算定患者に対する処方のあり方について、電子処方箋管理サービスの活用や、外来患者への薬剤適正使用連携加算の拡大が議論されています。

残薬の確認に関する論点として、薬局薬剤師による外来患者に対する残薬確認の実効性を高める観点から、残薬状況を薬剤服用歴に明記して継続的に管理すること、患者や家族の求めに応じて患家訪問し残薬確認を行うことの評価が検討されています。また、指定訪問看護の実施時等に、居宅において残薬を発見した際の医師や薬剤師への情報提供のあり方も論点となっています。

残薬解消に関する論点として、処方箋様式の見直しが検討されています。現在、一部の医療機関では処方箋の備考欄に「残薬調整後報告可」と記載し、薬局との連携により残薬調整に取り組んでいる事例があります。こうした取組を踏まえ、医師が事前に薬局で残薬を確認した際の取扱いについて円滑に指示を行うことができるよう、処方箋様式を見直すことが議論されています。

まとめ

中医協第637回総会では、残薬対策について「発生抑制」「確認」「解消」の3つの観点から包括的な検討が行われました。地域包括診療料等の算定患者への残薬確認と服薬指導、薬局薬剤師による継続的な残薬管理と患家訪問の評価、訪問看護における情報提供の明確化、処方箋様式の見直しによる医師・薬局連携の強化が、2026年度診療報酬改定における主要な論点となります。医療機関、薬局、訪問看護ステーションなど、各医療従事者は今後の議論の動向を注視し、残薬対策への取組を強化していくことが求められます。



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サマリー

残薬は医療費を圧迫する重要な社会問題であり、発生抑制、確認、解消の3つのステップに分けて対策が検討されています。特に、処方箋様式の変更が医師と薬剤師の連携を強化し、残薬問題の解決に寄与する可能性があります。

残薬問題の重要性と発生抑制
ええ、引き出しの奥からなんか古い薬とか出てきて、あれこれどうしようって思ったことありませんか?
実はそれって、まあ個人だけの話じゃなくてですね、社会全体で見ると、残薬問題っていう結構大きな課題になってるんですよね。
単にこう、もったいないってだけじゃなくて、国の医療費を圧迫する要因にもなっていると。 で、今回の情報源なんですが、日本の医療政策のまあ心臓部ともいえる中京
旧欧社会保険医療協議会の最新資料です。 ここでの議論がもう未来の医療の形を決めると言っても過言ではないんですね。
今日はですね、発生を抑える、残っている薬を確認する、そして見つかった薬を解消するっていう、この3つのステップで一緒に掘り下げていきたいと思います。
えー、この問題、国の医療費適正化計画でも非常に重要な施策とされてまして、まさに制度全体で取り組むべきテーマなんですよ。
ではまずその、そもそも薬が弱ってしまうのをどう防ぐかという、発生抑制の段階から見ていきましょうか。
はい、それでですね、発生抑制まさにその話なんですけど、この資料を読んでて、僕一つすっごく驚いた数字がありまして、
かかりつけ薬剤師さんへの相談のうち、なんと約6割がこの残薬に関するものだって言うんですよ。
ほう。
正直もっと専門的な薬の相談が多いのかなって思ってました。
それってつまりあの薬剤師っていう高度な専門家がですね、業務時間の半分以上を、本来なら発生すべき出ない問題のいわば後始末に使っているっていうことなんですよね。
うわー、それは。
ええ、専門知識の巨大な機械損失とも言えるかもしれません。
だからこそ発生抑制が重要になってくるわけです。
例えば、薬の種類が多くなりがちな地域包括診療療の対象患者さんへのアプローチとか、あとは電子処方箋の活用も大きなポイントですね。
これが普及すれば、重複処方をシステムがチェックしてくれるようになりますから。
なるほど、未然に防ぐ仕組みが重要なんですね。
ただまあ、もちろん発生をゼロにするのは難しいですよね。
そうなると次の課題は、じゃあすでに余ってしまった薬をどうやって見つけるのかっていうことになりますよね。
確認と解消の新たなアプローチ
そこが第2のステップ、残薬の確認です。
薬剤師さんが残薬を調整するきっかけって、やっぱり患者さんとの会話が一番多いんです。
でも最大の壁がですね、薬剤師さんの半数以上が、患者さんが全ての薬を持ってきてくれないって感じていることなんですよ。
あー、なるほど。
そこで評価されているのが、ブラウンバック運動。
いわゆる不素薬バッグに余った薬を入れて、薬局に持ってきてもらうっていう、そういう取り組みですね。
へー、ブラウンバック運動、それは具体的で分かりやすいですね。患者さん側も行動しやすそうですし。
そうなんです。おばあちゃんが、これ何の薬か分かんなくなっちゃって、なんて袋いっぱいの薬を持ってきたら、それがコミュニケーションのきっかけにもなるわけです。
今後さらに一歩踏み込んで、薬剤師さんがご自宅を訪問したり、あるいは訪問看護師さんが見つけた残薬を、お医者さんとか薬剤師さんにスムーズに情報提供したりする仕組みも検討されていますね。
そしていよいよ最後のステップが、残薬の解消と。
ここで議論されている解決策が、個人的にすごく面白いなぁと感じまして、なんと処方箋の様式そのものを変えようっていうアイディアがあるんですね。
ええ、処方箋の備考欄にですね、あらかじめ、残薬調整後の報告でOK、みたいなそういうチェックボックスを設ける案です。
ほうほう。
これ単なる事務的な変更じゃないんですよ。医師が処方する段階で、薬局で残薬を確認して調整していいですよって事前に許可を与える、いわば権限移情なんです。
なるほど。でもそれってお医者さんにとっては一手間増えることになりませんか?現場の医師から面倒だっていう反発が出る可能性とかは。
までみたいに、薬局が毎回電話で医師に確認する手間がごっさり省けるわけですね。結果的に、医師と薬剤師、双方の負担を減らして、医療現場全体のコミュニケーションを変える、大きな一歩になる可能性を秘めているんです。
というわけで今回は、日本の残薬問題について、発生抑制、確認、解消という3つの視点から、2026年度に向けた具体的な対策を見てきました。
いやー、電子処方箋から処方箋の様式変更まで、本当にいろいろな角度からメスが入れられようとしているんですね。
はい。ただ今回の議論って、医師や薬剤師といった医療提供者側の制度とか連携に焦点が当たっていましたよね。でもこれって私たち一人一人にも深く関わる問題だと思うんです。
そこであなたに問いかけてみたいのですが、服薬を受け取る側としてご自身の服薬状況とか、そういえばこの薬余ってるなーっていう情報を医師や薬剤師とのコミュニケーションの中で、どう伝えればこの大きな問題の解決に貢献できるでしょうか?
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