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【令和8年度改定】救急外来医学管理料の新設をわかりやすく解説
2026-07-02 06:29

【令和8年度改定】救急外来医学管理料の新設をわかりやすく解説

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救急医療機関には、夜間や休日を含めて24時間、救急患者を受け入れる応需体制(患者をいつでも受け入れられる体制)が求められている。しかし従来の評価は、この24時間体制を支える人員・設備・検査体制を十分に反映していなかった。そこで令和8年度診療報酬改定は、救急外来医療の評価を大きく再編した。本稿は、この再編の全体像を、新設された救急外来医学管理料を中心に解説する。

今回の再編は、24時間の救急外来提供体制を評価する救急外来医学管理料の新設が柱である。救急外来医学管理料は、救急搬送患者向けと夜間休日受診患者向けの2つの区分で構成される。各区分は、施設基準の充足度に応じて1から3の3段階に分かれる。あわせて、検査体制や医療DXを評価する加算が新たに設けられた。一方で、現行の救急搬送看護体制加算は廃止され、院内トリアージ実施料は体制加算へ組み替えられた。

救急外来医学管理料の新設 ― 2つの区分

救急外来医学管理料は、従来の夜間休日救急搬送医学管理料を見直して新設された点数である。この管理料は、患者の来院経路に応じて2つの区分に分かれる。1つは、救急車や救急医療用ヘリコプター等で搬送された患者を対象とする救急搬送医学管理料である。もう1つは、夜間休日に自ら受診した患者を対象とする夜間休日救急医学管理料である。

救急搬送医学管理料は、救急車等で緊急に搬送された患者への医学管理を評価する。この区分の点数は、施設基準に応じて800点(1)、600点(2)、200点(3)の3段階に設定される。従来の夜間休日救急搬送医学管理料が一律600点であったのに対し、体制の手厚さを点数へ反映する仕組みへ改められた。

夜間休日救急医学管理料は、救急車によらず夜間休日に救急外来を受診した患者への医学管理を評価する。この区分も、施設基準に応じて600点(1)、400点(2)、50点(3)の3段階に設定される。従来は搬送患者のみが対象であったのに対し、自ら受診した患者も評価の対象へ加えられた。

施設基準に応じた3段階の評価

救急外来医学管理料の点数は、施設基準の充足度に応じて1から3の3段階に分かれる。この3段階は、24時間の応需体制、救急搬送の実績、検査・処置の体制の厚さで区別される。段階が上がるほど、求められる人員・設備・実績の水準は高くなる。

最も手厚い1の基準は、24時間途切れない診療体制と豊富な実績を求める。人員面では、救急外来診療の経験5年以上の医師2名以上を含む専任医師と、専任看護師の常時勤務が要件となる。検査面では、血液検査・CT・MRIを常時実施できる体制が求められる。実績面では、救急搬送件数が年間1,500件以上(一部地域は1,200件以上)と定められている。

中間の2の基準は、1よりも緩やかな体制で算定できる。人員・検査面では、応需する時間帯の専任医師・看護師の勤務と、血液検査・CTの実施体制があればよい。実績面では、救急搬送件数が年間800件以上(一部地域は640件以上)とされる。

最も基本的な3の基準は、救急病院等としての認定のみを求める。救急病院等を定める省令に基づき認定された救急病院又は救急診療所であれば、この段階を算定できる。

なお、施設基準のうち「地域の救急医療に関する取組」の要件には、経過措置が設けられている。届出を行う保険医療機関は、令和8年12月31日までの間、この要件を満たしたものとみなされる。

新設された加算と加算の整理

今回の再編では、救急外来の体制や取組を評価する加算が見直された。救急外来医学管理料に上乗せする主な新設加算は、救急外来緊急検査対応加算、救急時医療情報取得加算、時間外救急搬送加算の3つである(このほか、次章の院内トリアージ実施体制加算も新設された)。一方で、現行の夜間休日救急搬送医学管理料にあった救急搬送看護体制加算(400点/200点)は廃止された。なお、精神科疾患患者等受入加算(400点)は変更なく存続する。

救急外来緊急検査対応加算は、救急外来で緊急の検査や処置を行った場合を評価する。出血・凝固検査、血液化学検査、CT・MRI撮影などを実施した際に、施設基準に応じて300点(1)又は200点(2)を加算する。24時間の検査体制を点数へ反映する加算である。

救急時医療情報取得加算は、医療DXを活用した診療情報の取得を評価する。救急外来医学管理料を算定する意識障害の患者に対し、救急時医療情報閲覧機能と電子処方箋システムで診療情報を取得した場合に、月1回50点を加算する。患者が自ら病歴を伝えられない救急の場面で、過去の診療情報を活用する狙いがある。

時間外救急搬送加算は、救急搬送医学管理料を算定する時間帯に応じた評価である。土日祝の夜間は300点、土日祝以外の夜間は250点、土日祝の夜間以外は200点を加算する。時間外の搬送受入れの負担を点数へ反映する加算である。

院内トリアージ実施料の見直し

院内トリアージ実施料は、今回の改定で廃止された。従来は300点の独立した点数であったが、これが院内トリアージ実施体制加算50点として再編された。この体制加算は、夜間休日救急医学管理料に上乗せして算定する。

院内トリアージ実施体制加算は、時間外・休日・深夜のトリアージ体制を評価する。専任の医師、又は救急医療の経験3年以上の専任看護師の配置などの施設基準を満たす保険医療機関で、算定できる。なお、この見直しは、地域連携小児夜間・休日診療料及び地域連携夜間・休日診療料についても同様に適用される。

まとめ

今回の再編は、24時間の救急外来提供体制を評価する救急外来医学管理料の新設が柱である。この管理料は、救急搬送と夜間休日の2区分に分かれ、施設基準に応じて1から3の3段階で評価される。あわせて、検査体制や医療DXを評価する加算が新設された。一方で、救急搬送看護体制加算は廃止され、院内トリアージ実施料は体制加算へ組み替えられた。救急外来の体制の厚さを点数へ反映する方向性が、今回の改定に表れている。



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サマリー

令和8年度診療報酬改定では、24時間体制の救急医療を適切に評価するため、「救急外来医学管理料」が新設されました。これは、救急搬送と夜間休日受診で区分され、病院の体制や実績に応じて3段階で評価される点が特徴です。また、医療DXを活用した情報取得や、院内トリアージの評価が個別の行為から体制への評価へと変更され、質の高い医療提供体制への対価を重視する方向性が示されました。

救急医療評価の重要性
あのー、あなたが世の中の2時に突然の激痛で救急病院に駆け込んだとしますよね?
ええ、かなり焦る状況ですよね。 そうなんです。でもそこには明るい照明があって、医師がいてすぐに検査を受けられる。
私たちはそれをまあ当たり前のように感じていますが、実はその裏側にはですね、緻密に計算されたお金と評価のシステムが存在しているんですよ。
そうですね。いつでも患者さんを受け入れてくれるその24時間体制という安心感は決して魔法なんかではなくて、莫大なコストと労力の上に成り立っていますからね。
はい。なので今回の深掘りでは、まさにその裏側、令和8年度診療報酬改定に関する解説記事を読み解いていきます。
私たちの命をつなぐ救急医療という見えないインフラがどう評価されて、どう維持されようとしているのかを分析していきましょう。
よろしくお願いします。非常に重要なテーマですね。
新設された救急外来医学管理料と3段階評価
まず目についたのが、新設された救急外来医学管理料というものなんですけど、これ救急車で運ばれた場合と夜間や休日に自力で受診した場合で分けられているんですよね?
ええ、そうなんです。さらにそこから病院の体制によって3つのランクに評価が分かれる仕組みになっています。
つまり病院の実力や体制で点数が変わるってことですよね。一番上のランクって具体的にどういった基準なんでしょうか?
これがですね、最上位のランク1を獲得するには非常に厳しい条件があるんですよ。例えば年間1500件以上の救急搬送を打て入れている実績ですとか。
1500件ですか。それはかなり大規模ですね。
はい、それに加えて24時間いつでもCTやMRIが使える設備体制、そして経験5年以上の医師がすでにいること。これらを全て満たして始めて800点が算定されます。
なるほど、800点。リスナーの皆さんのために少し補足しますと、日本の医療制度では1.10円で計算されますから、最高ランクの病院に行くと病院側には8000円が入る計算になりますね。
その通りです。一方で基本となるランク3は救急病院としての認定のみで200点ととどまります。
命を救うための最新設備とか待機費用だと考えると、なんだか意外と安くも感じますけど、ちなみに以前のルールではどうだったんですか?
実はですね、以前の夜間救急休日搬送の評価は体制にかかわらず一律で600点、つまり6000円だったんです。
ちょっと待ってください、一律ですか?
ええ、一律です。
それって例えるなら、消防車5台と専門の隊員が重庁している巨大な消防署とホース1本で頑張る地元の消防団に対して、どちらも火事の現場に来たからという理由で全く同じ報酬を払っていたようなものじゃないですか。
ああ、その例えは現場の感覚に非常に近いですね。国もついにその問題にメスを入れたわけです。
やっぱりそういう不満はあったんですね。
ええ。過酷な24時間対応を維持するには、人材も高度な設備も常に待機させておく必要がありますよね。今回の改定は、とりあえず対応したという結果への一律の支払いから、質の高い医療をいつでも提供できる準備状態そのものに対する正当な対価へと評価の軸をシフトさせたんです。
医療DXと救急時医療情報取得加算
なるほど。準備と体制にちゃんとお金を払うと。それなら、現代のテクノロジー、例えばデジタル化の準備はどう評価されるんでしょうか。資料の中に医療DXというキーワードがありましたが。
そこにも新しい評価が生まれました。救急時医療情報取得加算というもので、50点、つまり500円が設定されています。
具体的にはどういう時に加算されるんですか。
例えば、意識障害などで運ばれてきた患者さんに対して、電子処方箋などのネットワークを使って、瞬時に過去の薬歴や医療情報を取得できた場合に加算されます。
ということは、もし私が意識不明で運ばれ、自分にどんなアレルギーがあるか口で説明できなくても、私自身のデジタルの足跡が文字通り命を救う鍵になるわけですね。
まさにその通りです。救急の現場において、患者の過去の情報がないというのは最大のボトルネックですからね。
確かにそうですよね。
でも、このデジタル連携を現場に定着させたいという強い意図を持っています。
院内トリアージ評価の見直し
そしてもう一つ、評価の軸が個別の行為から体制へ変わった象徴がトリアージの見直しなんですよ。
トリアージって、要するに重症度によって患者さんの治療の優先順位を決めるシステムですよね。
あのー、心筋梗塞の人を足首の粘座の人より先に見るみたいな。
ええ、その通りです。実はこれまで、このインナイトリアージを実施すると、患者一人につき300点、3000円が加算されていました。
しかし今回、それが廃止されまして、代わりに50点の体制加算として組み替えられたんです。
300点から50点へ、それって病院側からすると大幅な減収じゃないですか。なぜそんな変更をしたんでしょうか。
一見すると実態はそう見えますが、これには理由があるんですよ。
個別の行為に高い点数をつけると、極端な話、必要以上に取り味行為を行って点数を稼ごうとするインセンティブが働きかねません。
ああ、なるほど。点数のために不要な作業をしてしまうかもしれないと。
そうなんです。国が求めているのは行為の切り売りではなくて、常に適切な優先順位付けができる仕組みそのものを常設することなんです。
そういうことですか。だから行為ごとの報酬をなくして、基本の体制評価に組み込んだんですね。
まとめと今後の課題
あなたが夜間に救急病院のドアを叩くとき、そこには厳しい実績基準、デジタル化への対応、そしてシステムを維持するための緻密な評価構造が動いていると。
ええ。私たちが享受している、いつでも見てもらえる安心には、そうした明確なルールと裏付けがあるということです。
ただ今回の資料を読んでいて、一つ複雑な疑問が浮かびました。
と言いますと?
この回帝って、資金も高い評価も最高ランクの設備や実績を持つ巨大な病院に集中していく仕組みですよね。
まあ評価の基準がそうなっていますからね。
だとしたら、地域で奮闘している実績の少ない小さな救急クリニックはどうなってしまうのか。
次にあなたが夜の街で救急の赤いサインを見かけたとき、その小さな病院がこの新しい実力主義のシステムの中でどう生き残っていくのか、少し想像してみてください。
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