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2026-03-06 04:35

【令和8年度改定】特定集中治療室管理料が6区分→3区分へ|7つの変更点を解説

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令和8年度診療報酬改定では、特定集中治療室管理料について大幅な見直しが行われます。この見直しは、特定集中治療室(ICU)を有する病院が担う医療機能の実績に応じた評価を行う観点から実施されるものです。現行の6区分体制では、広範囲熱傷の有無による区分分けが複雑な構造を生んでいました。今回の改定では、この構造を簡素化するとともに、病院の実績を反映した新たな要件が追加されます。

今回の見直しは、大きく7つの項目で構成されています。第1に、救急搬送件数・全身麻酔手術件数の実績要件が新設されます。第2に、宿日直医師を含む治療室の範囲・施設基準が見直されます。第3に、広範囲熱傷の区分が統合され、6区分から3区分に簡素化されます。第4に、重症度、医療・看護必要度の評価項目が追加されます。第5に、SOFAスコアの患者割合要件が1割から2割に引き上げられます。第6に、特定機能病院でも重症患者対応体制強化加算が算定可能になります。第7に、遠隔集中治療の支援加算における地域要件が緩和されます。以下、それぞれの変更点を詳しく解説します。

救急搬送件数・全身麻酔手術件数の実績要件の新設

特定集中治療室管理料1の施設基準に、救急搬送件数および全身麻酔手術件数に関する実績要件が新たに追加されます。この要件は、ICUを有する病院が重症の救急搬送患者や全身麻酔手術後患者に密度の高い医学的管理を行うという本来の役割を反映したものです。

具体的な要件は、以下のいずれかを満たすことです。1つ目は、救急搬送件数が年間1,000件以上であることです。2つ目は、全身麻酔による手術件数が年間1,000件以上であることです。3つ目は、小児関連の届出病床数が許可病床数の5割以上を占める病院であって、全身麻酔による手術件数が年間500件以上であることです。

これらの件数要件には、地域への配慮もなされています。「基本診療料の施設基準等」別表に掲げる地域(医療資源の少ない地域)に所在する病院では、1つ目と2つ目の要件は年間800件以上に、3つ目の要件は年間400件以上に緩和されます。

なお、この実績要件には経過措置が設けられています。令和8年3月31日時点で特定集中治療室管理料の届出を行っている治療室は、令和8年12月31日までの間、この要件を満たすものとみなされます。

宿日直医師を含む治療室の範囲・施設基準の見直し

医師配置に関する施設基準が見直されます。この見直しの背景には、令和6年度改定以降、宿日直医師を含む区分(旧管理料5・6)に届出を変更する医療機関が大幅に増加した実態があります。変更理由の約9割が「専任医師が宿日直勤務を行っており、交代勤務体制が組めないため」でした。

改定後の管理料2では、宿日直を行う医師を含む専任の医師が、原則として治療室内(離れる場合は院内の速やかに診療を開始できる場所)に常時勤務していることが要件となります。現行の管理料3では「治療室内」への常時配置が厳格に求められていましたが、改定後の管理料2では「速やかに診療を開始できる場所」も含まれるため、医師の配置場所はやや緩和されています。一方、宿日直医師の参加を認めた点が、現行の管理料3との大きな違いです。

また、管理料1では、専任の医師に関する規定が「当該治療室勤務の医師」から「当該治療室専任の医師」に変更されます。この変更により、管理料1の専任医師は宿日直を行わないことがより明確になります。改定後の管理料2の専任医師についても、治療室に勤務している時間帯は治療室以外での勤務を併せて行わないことが求められます。

改定後の管理料3についても注意が必要です。改定後の管理料3は、管理料2の施設基準(医師配置を含む)を満たすことが要件とされています。現行の管理料5では「宿日直医師を含む専任の医師が常時、保険医療機関内に勤務」すれば足りましたが、改定後の管理料3では「原則として治療室内」への勤務が求められます。現行の管理料5から改定後の管理料3に移行する医療機関にとっては、医師の配置場所に関する要件が厳しくなる可能性があるため、早めの体制確認が重要です。

6区分から3区分への簡素化と点数の変更

現行の6区分から3区分への統合が行われます。この統合は、広範囲熱傷特定集中治療管理料の有無によって分かれていた区分を整理するものです。

現行制度では、管理料1と管理料2(広範囲熱傷対応)、管理料3と管理料4(広範囲熱傷対応)、管理料5と管理料6(広範囲熱傷対応)の3ペア・6区分が存在していました。改定後は、広範囲熱傷の区分が独立した加算(広範囲熱傷管理加算:200点)として切り出され、管理料本体は3区分に整理されます。

改定後の点数は以下のとおりです。管理料1は、7日以内が14,980点(現行14,406点)、8日以上が13,371点(現行12,828点)です。管理料2は、7日以内が10,390点、8日以上が8,773点です。管理料3は、7日以内が9,390点、8日以上が7,770点です。管理料1では、7日以内で574点、8日以上で543点の増点となります。

広範囲熱傷管理加算は、広範囲熱傷特定集中治療管理が必要な患者に対し、入院日から起算して8日以降60日までの期間に限り、200点が所定点数に加算されます。この加算を算定するには、広範囲熱傷特定集中治療を行うにふさわしい治療室(1床当たり15平方メートル以上)と、広範囲熱傷特定集中治療を担当する常勤医師の配置が必要です。

なお、管理料本体の算定上限日数にも変更があります。現行制度では、広範囲熱傷の区分(管理料2・4・6)に入室した患者であれば60日まで管理料を算定できました。改定後は、「広範囲熱傷管理加算を算定する患者に限り」60日まで算定可能とされています。広範囲熱傷管理加算の届出がない治療室では、広範囲熱傷患者であっても管理料の算定上限は原則14日となる点に注意が必要です。

重症度、医療・看護必要度の評価項目の追加

特定集中治療室用の重症度、医療・看護必要度に3つの項目が追加されます。この追加は、急性冠症候群の治療後や心停止蘇生後の患者に必要な処置を適切に評価する観点から行われるものです。

追加される3項目は、「蘇生術の施行」「抗不整脈剤の使用」「一時的ペーシング」です。これらの項目は、ICUに入室する重症患者の状態をより正確に把握するために導入されます。特に、心停止蘇生後の患者や急性冠症候群の治療後の患者は、これらの処置を必要とする頻度が高いにもかかわらず、現行の評価項目では十分に反映されていませんでした。

SOFAスコアの患者割合要件の引き上げ

入室時のSOFAスコアが一定以上である患者割合の要件が、現行の1割以上から2割以上に引き上げられます。この引き上げは、ICUに入室する重症患者の臓器機能障害の程度に応じた適切な評価を行う観点から実施されるものです。

SOFAスコア(Sequential Organ Failure Assessment)は、ICU患者の臓器機能障害の重症度を評価する指標です。令和6年度改定時の施設基準では、管理料1・2で入室日のSOFAスコア5以上の患者が1割以上、管理料3・4でSOFAスコア3以上の患者が1割以上であることが要件とされていました。今回の改定では、この患者割合が2割以上に引き上げられます。なお、SOFAスコアの閾値(5以上・3以上)が改定後も同一かどうかは、今後公表される告示・通知で確認する必要があります。この引き上げにより、ICUが真に重症な患者を受け入れる体制を整えているかがより厳格に問われることになります。

この要件にも経過措置が設けられています。令和8年3月31日時点で特定集中治療室管理料の届出を行っている治療室は、令和8年12月31日までの間、この基準を満たすものとみなされます。

特定機能病院における重症患者対応体制強化加算の算定拡大

重症患者対応体制強化加算の施設基準が見直され、特定機能病院でも算定可能になります。この見直しは、集中治療領域における重症患者対応の強化と人材育成を推進する観点から行われるものです。

現行制度では、重症患者対応体制強化加算の施設基準に「急性期充実体制加算」の届出が含まれていました。特定機能病院は急性期充実体制加算を届出できないため、この加算を算定できない状況にありました。実態調査でも、特定機能病院が重症患者対応体制強化加算を届出できない理由として、「急性期充実体制加算を届け出ていない」が82.9%を占めていました。

改定後は、施設基準の要件が「感染対策向上加算1に係る届出を行っている保険医療機関であり、かつ、特定機能病院であること、または急性期総合体制加算に係る届出を行っていること」に変更されます。この変更により、特定機能病院は感染対策向上加算1の届出があれば、重症患者対応体制強化加算を算定できるようになります。

遠隔集中治療における地域要件の緩和

特定集中治療室遠隔支援加算の施設基準が見直され、地域によらず適切に遠隔集中治療を推進できるようになります。この見直しは、ICUを有する病院が担うべき医療機能に応じた遠隔支援を地域を問わず広げる観点から行われるものです。

現行制度では、支援側医療機関の要件に「被支援側に医師少数区域または医療資源の少ない地域に所在する医療機関が含まれていること」という地域要件がありました。改定後は、この地域要件が削除されます。これにより、医師少数区域以外に所在する医療機関であっても、遠隔支援を受けられるようになります。

被支援側医療機関の要件も変更されます。現行では管理料5または管理料6の届出が必要でしたが、改定後は管理料2または管理料3の届出が要件となります。支援側医療機関の要件は、現行の管理料1または管理料2から、改定後は管理料1の届出に変更されます。

まとめ

令和8年度の特定集中治療室管理料の見直しは、7つの変更項目で構成されています。最も大きな変更は、6区分から3区分への簡素化と、救急搬送件数・全身麻酔手術件数の実績要件の新設です。SOFAスコアの患者割合要件は1割から2割に引き上げられ、重症患者の適切な受入体制がより強く求められます。特定機能病院での重症患者対応体制強化加算の算定拡大や、遠隔支援の地域要件緩和も、ICUの機能強化を後押しする改定です。実績要件とSOFAスコア要件には令和8年12月31日までの経過措置が設けられているため、該当する医療機関は早めの対応準備を進めることが重要です。



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サマリー

2026年度の診療報酬改定では、特定集中治療室(ICU)管理料が6区分から3区分に簡素化され、救急搬送や全身麻酔手術の年間1000件以上の実績要件が新設されます。これにより、ICUの医療機能集約と重症患者ケアの質向上が図られます。また、SOFAスコアの患者割合要件が引き上げられ、宿日直医師の配置緩和や遠隔集中治療支援の地域要件撤廃など、現場の働き方への配慮と支援体制の強化も進められます。

導入と全体像
常に学びを求めるあなたへ。今回の深掘りでは、2026年度の診療報酬改定から、特定集中治療室、いわゆるICU管理料の7つの変更点に関する専門資料を読み解いていきます。一見難解な医療制度の資料なんですけど、私たちの命を救う行動医療の現場がどう進化するのか、その確信を分かりやすく抽出するのが今回のミッションです。
はい。数字やルールの並列に見えるかもしれないんですが、実はこれ日本の救急医療の未来図そのものを示しているんですよね。
区分簡素化と実績要件の新設
そうですよね。まず目を引くのが、これまで広範囲熱症の有無なんかで複雑だった6の区分が、すっきりと3区分に整理された点です。熱症の評価を別の加算に切り出したことで、かなりシンプルな構造になりました。
ここで非常に興味深いのは、単なる生徒の整理、断捨離で終わっていないというところです。実は今回ICUに対して年間1000件以上という。
1000件以上の救急搬送ですか?
そうなんです。救急搬送や全身麻酔手術の件数に対して非常に厳しい実績要件が新設されたんですよ。もちろん、医療試練の少ない地域への緩和や経過措置などは用意されているんですが。
年間1000件っていうと単純計算で1日3件近いペースですよね。かなりハードルが高い印象なんですけど、なぜ国はここまで厳しい基準を設けたんでしょうか?
これ、目的は医療機能の集約なんですね。重症患者に密度の高いケアを行うには、やはり現場のスタッフが日々高度な措置を経験してスキルを維持する必要がありますから。
なるほど。実績のある施設に患者を集めて、ICU本来の役割を確実に果たさせようという意図が透けて見えますね。実際、受け入れる患者さんの状態についてもハードルが上がっていますし。
重症度評価の厳格化と評価項目の追加
その通りです。臓器機能障害の重症度を測るSOFAという指標があるんですが。
はい。今回の資料にも入手時の基準として記載されていました。
その基準を満たす患者の割合要件が従来の1割から、今回は2割以上へと倍増したんです。つまり、ただ数をこなすだけじゃなくて。
入室してくる患者さんの質、つまり真の重症患者にしっかり向き合っているかが問われるわけですね。
そういうことです。
1割から2割への引き上げって、現場からすると受け入れる患者さんの層がガラッと変わるレベルのインパクトがありますよ。
そうですね。それに加えて、急性管症候群や心停止蘇生後の患者さんのために、蘇生術とか抗不清脈剤の使用、あと一時的ペーシングといった3つの評価項目も新たに追加されました。
1分1秒を争うような、より高度で緊迫した処置が現場に求められているのがわかります。
医師配置基準の緩和と遠隔支援の拡大
ただ一方で、高い要求を突きつけるだけじゃなくて、現場のリアルな働き方に配慮したルール変更も組み込まれているのが今回の大きな特徴ですよね。
ええ、まさにそこが重要でして、これまで1000人の医師が24時間体制でICUに張り付くというのは、働き方の面でかなり限界が来ていたんです。
実は今回の変更理由の約9割がこれに関連しています。
そこで今回は、速らかに診療を開始できる場所にいれば、祝日読の医師の配置でも認められるようになったんですよね。過酷な現場に合わせた現実的かつ柔軟な対応といえそうです。
はい、さらに遠隔集中一両支援の地域要件も撤廃されました。これで、医師少数区域以外でも全国どこでも専門的なICU支援を受けられるようになります。
医療システム全体の強化と今後の課題
特定機能病院での加算算定の拡大も、このサポート強化の流れを後押ししていますよね。結局のところ、医療従事者でなくてもこの見直しを知っておくことは重要だなと感じます。
ええ、誰にでも関係のある話ですからね。
そうなんです。あなたやご家族が万が一の事態に直面した際、より質の高い実績と実態に基づいた効率的な重症患者ケアのネットワークがしっかり機能していることを、この資料は示しているわけですから。
全体を俯瞰してみると、システム全体がより効率的で強靭なものに生まれ変わろうとしている。まさに大きな転換器だと言えますね。
そうですね。では最後に、あなたに考えてみてほしい重要な問いがあります。
大病院や実績のあるICUへ機能が集約されていく中で、年間1000件の要件や厳格化されたスコア基準を満たせなくなる地域の中小規模病院のICUは、今後どのように地域医療の中で生き残り、その役割を再定義していくべきなのでしょうか。
ぜひあなた自身でも少し考えてみてください。
はい。
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