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2026-02-15 05:21

令和8年度診療報酬改定|看護職員の夜勤負担軽減へ「計画要件」が明確化

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令和8年度診療報酬改定では、看護職員の夜勤負担を組織的に軽減する取り組みが強化されます。具体的には、急性期総合体制加算や看護職員夜間配置加算等の施設基準において、「負担の軽減及び処遇の改善に資する計画」に夜勤に関する事項を含めることが要件として明確化されます。

今回の改定のポイントは3つです。第一に、従来の負担軽減計画において暗黙的に含まれていた夜勤の事項を、計画に明示的に盛り込むことが要件として明確化されます。第二に、対象となる加算は急性期総合体制加算と看護職員夜間配置加算をはじめとする複数の加算です。第三に、実務上は現行の計画を見直し、夜勤に係る現状把握と具体的な改善策を盛り込む必要があります。

改定の背景|深刻化する看護職員の夜勤負担

今回の改定は、看護職員の夜勤をめぐる負担が年々深刻化していることを背景としています。

病棟看護管理者を対象とした実態調査によると、直近1年間で「夜勤シフトが組みにくくなった」と回答した病棟は34.3%にのぼります。「夜勤の回数が増えた」と回答した病棟も28.1%に達しています。入院料の施設基準を満たす看護職員の配置に困難を感じている医療機関は、約8割にのぼります。

夜勤に対する処遇面の対応も十分とは言えません。病院勤務看護職員の夜勤手当(1回あたり)は、2010年代に入ってからおおむね横ばいで推移しています。看護職員の負担軽減に関する具体的な取り組みとして「夜勤手当の見直し」を実施している医療機関は、わずか15.0%にとどまっています。

こうした状況を受け、中医協の議論では「夜勤に係る負担に配慮するよう促すこと」が論点として示されました。既存の負担軽減計画の中に、夜勤の負担軽減を組織的に位置づけることで、医療機関の取り組みを後押しする狙いがあります。

改定の内容|計画に「夜勤を含む」ことが要件化

今回の改定では、負担軽減・処遇改善に関する計画の策定要件に、夜勤に関する事項を含めることが明確化されます。

従来の施設基準では、計画の策定にあたり「現状の勤務状況等を把握し、問題点を抽出した上で」具体的な取り組み内容を定めることとされていました。今回の改定では、この要件に「夜勤を含む」という文言が追加されます。改定後は「医療従事者の夜勤を含む現状の勤務状況等を把握し」た上で計画を作成し、その計画も「夜勤を含む負担の軽減及び処遇の改善に資する計画」とすることが求められます。

対象となる加算|急性期総合体制加算と看護職員夜間配置加算等

今回の要件明確化の対象となる加算は、大きく2つのグループに分かれます。

第一のグループは、急性期総合体制加算です。この加算は、令和8年度改定で総合入院体制加算と急性期充実体制加算を統合して新設されるものです。急性期総合体制加算では、病院の医療従事者全体の負担軽減・処遇改善計画の中に、夜勤に関する事項を含めることが求められます。

第二のグループは、看護職員夜間配置に関連する加算です。対象となるのは、療養病棟入院基本料の夜間看護加算、看護職員夜間12対1配置加算、看護職員夜間16対1配置加算、精神科救急急性期医療入院料の看護職員夜間配置加算、精神科救急・合併症入院料の看護職員夜間配置加算です。これらの加算では、看護職員の負担軽減・処遇改善計画に夜勤の事項を含めることが同様に求められます。

実務上の対応ポイント|計画の見直しと体制整備

医療機関が対応すべき事項は、既存の計画の見直しと体制の再確認です。

計画の見直しにあたっては、まず夜勤を含む現状の勤務状況を改めて把握する必要があります。具体的には、夜勤シフトの組みやすさ、1人あたりの夜勤回数の推移、夜勤に伴う残業時間の実態といった項目を確認します。

現状把握の次に、夜勤に関する問題点を抽出します。夜勤者の確保が困難な要因や、夜勤手当の水準が適切かどうかなど、自院の課題を明確にします。

問題点の抽出を踏まえ、具体的な取り組み内容と目標達成年次を計画に盛り込みます。たとえば、夜勤専従者の導入、多様な夜勤形態(回数・時間・曜日)の整備、夜勤手当の見直しなどが具体策として考えられます。

計画を改定した後は、職員への周知徹底と院内掲示等による公開も忘れずに行います。これらの手続きは、従来から施設基準で求められている事項と同様です。

まとめ

令和8年度診療報酬改定では、急性期総合体制加算や看護職員夜間配置加算等の施設基準において、負担軽減・処遇改善計画に「夜勤を含む」ことが要件として明確化されます。この改定は、夜勤シフトの困難化や夜勤手当の停滞といった現場の課題を踏まえたものです。対象となる加算を届け出ている医療機関は、夜勤に関する現状把握・問題点の抽出・具体的な改善策を盛り込んだ計画への見直しを進めてください。



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サマリー

令和8年度診療報酬改定では、深刻化する看護職員の夜勤負担に対し、国が計画的な対策を義務付けます。具体的には、医療機関の負担軽減・処遇改善計画に「夜勤を含む」ことが要件化され、病院全体での取り組みが求められます。これにより、単なる人手不足ではなく構造的な問題として夜勤問題に向き合い、具体的な改善策を策定し実行する説明責任が課されることになります。

令和8年度診療報酬改定と看護職員の夜勤問題
さて今回はですね、お預かりした資料をもとに、令和8年度の診療報酬改定。この中でも特に看護職員の方々の夜勤問題に切り込んでいこうと思います。
いやー資料を読むと、もう現場は疲弊しているなんてそういうレベルじゃないですよね。
8割の病院が人手不足で悲鳴を上げていると。今回はこの危機的な状況に対して、国がどういう次の一手を打つのか。この改定が、私たちの働く環境、あるいは社会の医療インフラにどう影響するのか、その本質を探っていきましょう。
これは単にルールが変わるという話じゃなくてですね、日本の医療の持続可能性そのものに関わる非常に重要な動きだと思いますね。
深刻化する夜勤問題の背景と国の介入
まさに。で、まずそもそもなぜ今ここまで夜勤が問題になっているのか。この数字ちょっと驚きません。病棟管理者の3人に1人がもうシフトが組めないって、こう答えてるんですよ。これも現場が回らなくなる寸前じゃないですか。
いや本当に深刻な数字ですね。
しかも資料によると、夜勤手当はこの10年ほぼ横ばいで、見直した病院というのがたった15%。
うーん、そこがあの重要なポイントなんです。これらの数字が示しているのは、単なる人手不足っていうだけじゃなくて、もう個々の頑張りではどうにもならない、まあ構造的な問題だっていうことなんですね。
あーなるほど。
だからこそ国は今回診療報酬というインセンティブを使って、病院全体で計画的にこの問題に取り組めと、まあそういう合理をかけたわけです。
なるほど。これまでは善意とか個々の努力に任せていた部分に、初めて制度としてメスが入るということですか。
ええ。
改定の核心:「夜勤を含む」計画策定の義務化
ではその計画には具体的にどんなことをかけと言われているんですか。
はい。革新はですね、実は驚くほどシンプルなんです。
シンプルですか。
えぇ、負担の軽減、おより処遇の開示に資する計画っていう、まあ書類があるんですけど、その要件に夜勤も含むっていうたった一言が加えられた。
えぇ、たったそれだけですか。
それだけなんです。
でもその一言が持つ意味はこれは大きいですね。
大きいですね。
これまでは、まあもちろん夜勤も含まれますよねみたいな暗黙の了解だったものが。
そうですそうです。
これからはっきりと夜勤について計画を立てなさいっていう義務に変わるわけですもんね。
まさにその通りです。
対象となる加算と病院全体への影響
そしてこの影響が及ぶ範囲も結構広いんですよ。
ほう。
大きく分けて2つのグループがありまして、1つは新設される旧正規総合体制加算。
これは病院全体の医療従事者が対象です。
病院全体。
えぇ、でもう1つが看護職員夜間配置加算とかですね。
こちらは看護職員に特化したものになります。
なるほど。
つまりこれって看護師だけの問題じゃないぞと、病院全体の働き方の問題として捉えろっていう国からの強いメッセージでもあるわけですね。
まさにこの計画の提出義務っていうのは、いわば病院の働き方に対する健康診断を国が義務づけたようなものかもしれないですね。
病院が取るべき3つのステップと実務上の課題
健康診断ですか。
上手い表現ですね。
で、この健康診断をパスするために、病院側は具体的に3つのステップを踏む必要があるんです。
3つのステップ。
はい。
一見すると何か当たり前のようにも聞こえますけど、資料を読み解くと特に難しいのはどの部分なんでしょうか。
実はですね、最後の改善策の計画を書くこと自体はそこまで難しくないんです。
あ、そうなんですか。
えぇ、本当に難しいのはその手前のステップ2、問題点の抽出です。
問題点の抽出。
なぜ夜勤者が集まらないのか、なぜスタッフが辞めていくのか、給与なのか、職場の人間関係なのか、それともキャリアパスが見えないことなのか。
多くの組織がこの根本原因に正直に向き合うことを、まあ、ためらいなしなんですよね。
うわ、それはなんか耳が痛い話ですね。
ええ。
表面的な対策でお茶を濁すんじゃなくて、自分たちの組織の課題に本気で向き合えるかが問われると。
おっしゃる通りです。そして計画を立てたら、それで終わりじゃない。
おっと。
それを職員に周知して、院内に掲示することが義務付けられています。
なるほど。
つまり、経営陣だけの作文で終わらせず、現場で働く全ての人と共有して実行するアカウンタビリティ、説明責任が求められるんです。
改定の意義と今後の実効性評価
結局のところ、今回の改定っていうのは、深刻化する夜勤問題に対して、国が見てみぬふりはもう許さないぞと、計画的な対策を示せと、医療機関に明確に突きつけた力強いメッセージだと言えそうですね。
ええ、その通りです。そしてここで一つ、リスナーの皆さんにも考えてみてほしい問いが浮かび上がってくるんです。
はい。
今回の改定で、計画の策定は義務化されます。ですけど、その計画が本当に現場の負担軽減につながったかどうか、これを私たちは数年後どう評価すればいいんでしょうかね。
ああ。
単に計画書が作られたっていう事実だけじゃなくて、その実効性を図るための本当の指標とは一体何なのか、少し考えてみるのも面白いかもしれませんね。
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