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はじめるを応援するポッドキャスト、STARTFM、おはようございます。
起業家で東京FMパーソナリティの関口舞です。
連続起業家でエンジェル投資家の柴田陽さんと、
起業や独立を考えている方に役に立つ情報を楽しく語っていきます。
陽さん、おはようございます。
おはようございます。柴田陽です。
そして、全国のピボットを検討している起業家の皆さん、おはようございます。
えー、いきなりどうしたんですか?
いやー、今この瞬間もピボットするか否かで、
眠れない夜を過ごして朝になってしまったという、
辛い思いをしている起業家がたくさんいると思うんですよ。
特にね、この季節、夏の始まり、わけもなく切なくなってソワソワしますからね。
なんでめっちゃエモいの?
僕は冬の始まりの方が切なくなりますけどね。
まあ、それも切ないですけどね。
ちなみに、ピボットという言葉が出てきたので、一応説明すると、
ピボットというのは、今までやっていた授業をやめて、
別の授業にアイディアを変える、という方向性を変えるという、
ピボットって回転軸のという意味ですかね。
簡単に言うと、試行錯誤というのをカッコよくカタカナにしただけのスタートアップ用語です。
あれですね、大日本帝国が退却というのをカッコ悪いから転進と言っているのと同じですね。
確かにね、ピボット。
ピボットは当然、うまくいかない時に検討などをするわけですけれども、
転換したからってうまくいくとも限らないし、
コロコロコロコロ変えてたらいつまで経っても成果も出ないし、
これは難しい。
めっちゃ難しいですね。非常に重い決断ですよね。
そんな重い決断で苦しんでいる方もたくさんいらっしゃると思いますし、
たぶん必ずほぼ100%このことで苦しむのは間違いないと思うので、
起業したら必ずぶつかるこの問題について今回は話していきたいと思います。
陽さんはピボット、どう思いますでしょうか?
ピボットって言うとやっぱりすごく重く感じるので、
これ起業家、僕が観測する限りはやっぱりほとんどの人がピボットするのが遅すぎるという、
どちらかというと早すぎるよりは遅すぎる場合が多いかなと思っていて、
できるだけ敢えて言うとするとカジュアルにガンガンピボットするべきなので、
ピボットとすら呼ばず単なる試行錯誤ですというふうに
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ラベリングした方がいいんじゃないかなと思うんですけど、どうですか?
でもね、なんかもったいないというか、もうちょっと粘ったらうまくいくかもしれないとか。
大企業だと失敗を認めるってものすごい重いことなので、
サクサク検証できるのがスタートアップのむしろ唯一ぐらいの強みなはずなんですよね。
企業家というかファウンダーの人が鶴の一声で、これちょっと無理だから明日から別のことやりますって言えちゃえるというのが、
例えば上場してたりしたら絶対こういうことできないじゃないですか。
需要計画通りまずはやってみて、いろいろ検討して、
その撤退基準みたいな最初から作るケースも結構多いですけれども、
っていうのを全部吸っ飛ばして、うーん、やめって言えるのがスタートアップの強みなので、
基本、別にピボットするのは負けじゃないので、諦めたら負けだし、諦めずに再挑戦していれば負けじゃないので、
そこは僕はガンガンやめて、もう一回やって、やめて、もう一回やってっていうのをやってほしいなと思いますけどね。
うーん、まあでもそうは言っても石の上にも3年みたいな話もあるじゃないですか。
その石がね、そもそもダメなのか、どんだけ座ったところで石が全然そもそもってことなのか、
それか粘りや努力や己の実力が足りないだけなのか。
うーん、まあどっちもなんですけどね、どっちもなんですけど、
まずすごい身も蓋もない話をすると、自分が才能あるかないかっていうのは、
自分で変えられるもんじゃないので、スヌーピーが言うように配られたカードで勝負するしかないので、
アイディアのせいにガンガンしちゃっていいんじゃないかなってまず思いますと。
なるほど、そっか、そっか、そうに思った方がまあいいですよね。
日本に限らずずっと同じことをやり続けて、ある日神様が振り向いてくれて成功したっていう話はめっちゃ多いんですけど、
これたぶん珍しいからいい話になってんじゃないかなって思うと。
そっか。
あと当然その良い努力と悪い努力ってあると思ってるけど、
同じ石の上のように3年努力するっていうのも、いろいろ工夫しながら学びながら、
こうちょっとずつピボットって言えないまでもいろんな工夫をして変えていって、
結果として3年間勝ったっていうのと、
なんか昨日と今日と同じことを繰り返し続けて毎回断られてっていう、
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その悪い努力とっていうのがありそうな気がしますね。
お話にしてしまうと、30年研究して花開きましたっていう話っていい話に聞こえるんですけど、
本人の人生一回しかないことを考えると、30年間で他のことできたんじゃないのかっていう、
いわゆる機械費用、オポチュニティコストを話としては無視してるストーリーが多すぎるなぁとは思いますね。
話聞く分にはいい話だなってなるし。
むしろその人がその問題に何年も費やして成功したって言われた方が正直聞いてても気分がいい。
気分いいのって何でかって、ちょっとまた僕意地悪いからそういう風に受け取っちゃうんだけど、
たぶんね、潜在、深層心理的に、そういう多大な犠牲、いわゆる機械費用を伴って、
努力した結果、つけみ取った成功だと、人々は嫉妬しなくて済むんだと思うんですよね。
ある。
そう。
あれだわ。公正世界仮説ってやつ。
どういうやつですか?
努力は報われるとか。
あとは悪い目に、嫌な目にあった人がいた時に、本人に問題があったからそんな目にあったんだって。
因果応報みたいな。
そう思いたくて。なぜなら、そうじゃない世の中は嫌だからってことらしいんですよね。
公正世界仮説。
だから例えば、よく犯罪の被害に遭った方が、さらに人から叩かれてとか、よくセカンドレイプとかもね、セクハラ周りで言いますけど、
ああいうのも、そんなこと言っても本人がこうだったんじゃないの?とか。
そういうことね。
自分が露出多い服着てたからなんじゃないの?みたいな。
みたいなことを言って、逆に本人が。
逆のね。逆ギャップになってるのね。
完璧に本人が気をつけており、1ミリの隙もなかったのに、突然。
被害に遭っちゃうっていうのは、公正じゃないから、そういう世界を信じたくないってことですか?
そういうことみたいなんですよね。
めっちゃ面白い仮説だね。
確かに例えばね、何か事件があった時に、通り間事件。
本当に完璧に全く知らん人が知らん人を刺したよりは、金銭トラブルで揉めていたとか言われた方がちょっと。
自業自得っぽいからってことですかね。
自分はじゃあ大丈夫、刺されないかなとか。
そういうのと、努力は報われるとか、完全懲悪みたいなことって若干やっぱり近いらしいんですよ。
その社会、心理学的に。
大変は荷物を与えず的な思想とかね。嘘に決まってるからね、別にランダムだからね。
まあ本当。
ルックスと頭の良さ、マジで相関してないと思うから。
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いや間違いないですよね。
そう、そしたら確率論的に、両方いい人と両方悪い人いるよね。
けど多分その公正世界仮説って小さい頃から刷り込まれるんですよ。一生懸命頑張ったから、いい成績を。ある程度はそうだとは。
これを作って、スタートアップもそうなんだと思うんですけど、教育的な、社会に調和をもたらす教育的な観点から言うと、
努力が報われるっていうことにしておかないとみんな努力しなくなっちゃうから、都合が悪いじゃないですか。
だから特に小さい子に対しては、努力を褒めてあげるべきじゃないですか、結果じゃなくて。
そうですね。
でも企業家は子供でもないし、自分でわざわざそういう企業家っていうのをチョイスしてるわけだから、
企業家に努力賞なしというか、努力の一円の価値もないんですよっていうのを裸に叫ぶのは別に僕はいいと思うんですよね。
それは子供の話と企業家向けの話は違うんで。
確かに。
だからつまり何が言いたいかというと、さっきの話に戻ると、機械費用があるんだから石の上に3年いてもしょうがないでしょっていうことが言いたい。
そうなんですけどね、やっぱりその時その時自分が頑張って取り組んでるものを褒められたいのもあるけど、やっぱりしょっちゅうしょっちゅう変えてるわけにもいかないしとか、
ピボットって非常に難しいですけど、これどうなんですか?実際陽さんピボットしたことありますか?
めっちゃありますよ。めっちゃあるというか、さっき自分でも言ったようにピボットだと思ってないんで、肩から見たらピボットなのはめっちゃたくさんあるんですけど、
一番わかりやすいというか典型的なのは、一番最初に学生の頃やった会社で、最初法学部の学生がやってたので、レポートを書いて、NRIのサイトで10万円で売るっていうやつをやってて、
半年で2冊しか売れなくて、それをそのレポートを元にコンサルティングするっていうのをやって、そのレポートはちなみに個人情報保護法解説っていう渋いレポートだったんですけど、
そのレポートは2004年の4月に個人情報保護法の改正が新しく作られて、それが企業に与える意味合いみたいなのを分析したレポートなんですけど、そこからコンサルに派生して、コンサルからPマーク取得コンサルに派生して、
当時Pマーク取得コンサルの営業のリード獲得を当時できたばかりのYahooのリスティング広告でやっていて、オーバーチャーっていうやつでやってて、オーバーチャーの運用がめっちゃ上手くなったから、そのウェブマーケコンサルの事業にピボットして個人情報保護コンサルをしてて、ウェブマーケコンサルに移行して、
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ウェブマーケコンサルだといつまで経っても労働時間かける単価にしかならないから、当時ウェブマーケ界隈でストック型のビジネスになりそうだったSEO代行、SEO施策をする会社をやって、それが上手く伸びたんで、ひたすらその後は数年間にわたり、
僕が去った後もずっとやってたんで、10年くらいにわたりSEO事業をやっていたと。
これはだから周りから見たらピボットに見えるかもしれないですが、自分たちの中では単純にどんどんより良さそうなやつに乗り換えていっただけなんですけど。
なるほど。今の話だと、いわゆるすごいわかりやすいピボットって、結構ガラッと変えてしまうとか、分野みたいなところが全然違うみたいなのは旗から見てわかりやすいですけど、今のお話って結構、そうは言っても前やったことがちょっとそこから派生してみたいな感じで、
ピボットといっても、昔やっていたことを無駄にするというよりも、そこに積み上がっている感じでいいですね。
でも、世の中で一番有名なピボットで、スチュワートバターフィールドのスラックの会社があると思うんですけど、あれはゲーム会社でそれからスラックを作ったんですが、
それもゲーム会社自体でそもそも100人くらい従業員がいて、うまくいかないからゲームを閉じてスラックを始めたんですけど、それも社内で使っていたIRC的なチャットを自分たちで自前で実装していて、エンジニア同士のコミュニケーションのために。
それが何か良さげだから、それをサービス化しようみたいな感じで、まるっきりこれはちょっともった話なのかなと思うんですけど、まるっきりやったこともない授業をやるというよりは、何かしら前の授業をやる中で学習したことを活かして次の授業をやるという、こういうパターンが多いような、それは普通のような気がしますけどね、自然というか。
確かにな。そこでずっとゲームだけ作ってて泣かず飛ばずだったらスラックは世に出てなかったかもしれないのか。
まあね、でもとはいえせっかくコストをかけて授業を作っていくわけですから、それなかなかさっきのスラックみたいに100人くらい人がいる中でピボットするのって相当勇気もいるし、痛みも大きいと思うんですが。
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でも実際マイさんもやってましたよね、ピボット。
まあ組織コンパクトでしたし。
でもいたんですよ、この間半年くらいやってたんでしたっけ。
そうですね。何ならマッチングサービスという領域そのものに関してはもう数年間やっていたので。
じゃあめっちゃ言われるピボットじゃないですか、それは。
私たちの場合はすごくわかりやすくて、性格診断サービスだけがバズったのでわかりやすいですよね。
お客さんがこっちばっかり欲しいと言っているならば、じゃあこちらに集中しよう。
手段が目的化したみたいなことですよね。
大変ユーザーの反応が明確だったので決断もしやすかったですけど、できれば本当に本当の検証段階でピボットするかどうか大きくしちゃう前に考えたいと思うんですが。
めっちゃそうですね。
ただ全くダメ、誰も使いません、誰もいいと言わないだったら決断できますけど、
プロトタイプとかベータ版というのは本番といろいろ条件が違ったりして、うっすらぬるっとうまくいっているように見えることもあるじゃないですか。
そういう場合ってどうやって検証したらいいんですかね。
めっちゃいい質問ですね。
それは結構スタートアップ矛盾の一つで、ちょっとトラクションが出ている方が踏ん切りがつかずにズルズルやってしまって、結果的に失敗するまでに、失敗に気付くまでに時間がかかっちゃって、その頃には身動き取れなくなってしまっている。
一方で、全然最初から空振りであることが分かっている会社は、さっさとピヨッと押して次にいけるので、結果的に見るとそっちの会社が3年後ではうまくいっちゃってたみたいなことって結構よくあるんですけど、
本当に気をつけなきゃいけなくて、判断が難しいんですが、ベータ版とかプロトタイプでも特定の人に深く刺さっているけど大多数の人に刺さっていないというケースと、
薄く広くみんな結構いいねって言ってくれるけど誰もお金を払ってくれないとか、誰もリピート使ってくれないという2パターンがあると思っていて、前社だったら僕はもうちょっと試行錯誤してもいい気がしていて、後社だったらアイディア変えた方がいいかなと思います。
後社ってすごいよくありますよね。
後社よくあるけど、これは人間世界でよくある話ですが、みんなこれはダメって言ってくれてないだけっていう可能性がすごい高いので、みんな内心微妙って思ってるんだけど、
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この人頑張ってるから、無理って言うの悪いからちょっと使ってあげようとか、あってもなくてもいいけどっていう、それってなくてもいいっていう話だから、それは事業に足りないんですよね。
そこを、そうピボットこそ企業家が自分をどれだけ客観的に見れるかっていうものの勝負な気もしますね。
パワーバード出ましたけれども。
本当にドツボなのはやっぱり薄くニーズというかコンシューマーからのプルがありますと、聞き合いがありますという中で、無理やり例えば組織の人数を増やすとか、営業の数を増やすとか、広告費使うとかって無理やり成長しているように見せると。
そうすると結果的にこれダメだって分かったとしても、もう辞められなくなっちゃうみたいな。
こんだけ人取っちゃったしみたいな感じになって、非常にまずい事態になるので、そこのドツボにはまらないのは少なくともすごい大事。
諦められないにせよ、無理やり自分で薄々ちょっとダメだなと思っているのに、無理やり物量作戦で拡大させようとするっていうのは本当分かりにくくなっちゃうから良くないんじゃないかなと。
なんかそれで言うとあれかもしれません。今まで私良かれと思って、例えば自分の知り合いとか友達が新しいサービス出しました、ベータ版ですみたいなのよくやるじゃないですか。
本当に応援したい気持ちで、正直そんな使いたいって程でもないけど、一個でもダウンロード数が増えると良いなと思い、社交事例ダウンロードをしたりですね。
なんかレビュー良いの書いたりとかは、下手したら逆効果だった可能性すらあったかもしれませんね。
でもそれって周囲の人のせいじゃなくて、多分本人のせいですよね。
やっぱりそこも前のエピソードでやった劇場型企業の、もしかしたら一つのデメリットかもしれなくて、こういうサービス出しましたっていうことによって知り合いや界隈の人が入ってきた、その数を真のユーザー数だと思ってしまうと、キーボードの決断が遅れる。
B2Bプロダクトでよく言うのは、ファウンダーが売った売り上げはカウントしちゃダメっていう法則があって。
その説ありましたよね。ファウンダーだからってことが。
ファウンダーは魅力的なんで基本的に。みんな応援したくて買っちゃうんですけど、別にその製品が良くて買ってるわけじゃないことが多いよっていう。
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だからそれはやっぱり普通の人が普通で売って売れるっていうことを証明しない限り、その製品が売れたことの証明にはならないという話ですね。
そういったことに惑わされずに、ピボットを決断していくことが大事ということで、ではですね、ズバリ今ピボットで悩んでいる人に向けて、これに当てはまったらピボットをするべきというピボットチェックリストがあればお願いいたします。
まずさっぱり売れない。やってて自分が面白くない。わくわくしない。
あとは6ヶ月以上色々試行錯誤してあの手この手でやってるんだけど別に状況は改善しない。
あとは1ヶ月30日のうち25日は内心でうまくいかないと思っている。
うまくいくかいかないか行ったり来たりするのは正直その企業である以上しょうがないしむしろそのそのその両極端に耐えられる人っていうのが企業家向きだと思うので。
それはいいんですけどある日これの事業めちゃくちゃうまくいくなって言ってある日この事業はダメかもしれないって思ってそのアップダウンするのは全然いいんですけど
それがその30日分の25日ダメって思ってるってことは多分認めたくないけどダメって思ってるってことだと思うので今すぐ別の事業をやりましょう。
ぜひ参考にしてみてください。
スタートFMでは引き続きあなたからの質問やメッセージを募集しています。
ポッドキャストの概要欄から送ってください。
そして最後まで聞いてくださったそこのあなたぜひ高評価チャンネル登録よろしくお願いします。
エピソード18聞いてくださりありがとうございました。
ありがとうございました。
それでは素敵な1日をお過ごしください。