2026-02-07 15:44

Ep.2 #1 マダチを言語化する!

「香りを言語化してください」

そう言われると、急に難しく感じるもの。


このラジオでは、

パーソナリティ黒沢も、

できない・わからない状態から初め、

一緒に、少しずつ解像度を上げていきます。


今回の素材は旬のタラの白子。

まだち。


最初の曖昧な印象を体験した後、

論文など情報・知識を入れ、

もう一度香りを感じ直す。

その変化そのものを、一緒に味わっていく回です。


おすすめなたらの白子の下処理の方法もご紹介!


※注

たらの白子の芳香生成分を詳細に調べた研究がないため

ニヂン白子の成分と、感想タラの芳香成分の共通項をしらべることにしました。


※論文中データ

腐敗による成分2-ノナノン、加水分解による3-メチルブタノールを除く


パーソナリティ黒沢が以下参考文献などをまとめたデータ

※自己責任でお使いください。

各食品に含まれるVOC(揮発性化合物)のリサーチまとめ

https://docs.google.com/spreadsheets/d/17monrygHmICQG9c52yznAQxVB0Dpnf-FIKk1HW5C5ic/edit?usp=sharing

参考書籍

ジェイムズ・ブリシオーネ、ブルック・パーカスト(2021)

フレーバーマトリックス 風味の組み合わせから特別なひと皿を作る技法と科学 SBクリエイティブ株式会社 

https://x.gd/WzQQzh

参考リンク

Chemical book https://www.chemicalbook.com/ProductIndex_JP.aspx

参考文献

Todeschini, S.; Perreault, V.; Goulet, C.; Bouchard, M.; Dubé, P.; Boutin, Y.; Bazinet, L. Development of a New Deodorization Method of Herring Milt Hydrolysate: Impacts of pH, Stirring with Nitrogen and Deaerator Treatment on the Odorous Content. Foods 2021, 10, 884. https://doi.org/10.3390/foods10040884

Costa, Rui. (2012). Volatile compounds in salted dried codfishes from different species collected in several origins subjected to two curing processes. Acta Alimentaria. 41. 375-388. 10.1556/AAlim.41.2012.3.9. 


サマリー

このエピソードでは、飲食を言語化する過程を通じて香りの特徴を探求しています。特にタラのしらこの香りを様々な角度から分析し、具体的なレシピを通じてその楽しみ方を提案しています。

飲食の言語化
飲食を言語化するラジオ。 この番組は、普段はなかなか言語化できない飲食のシーンを言語化する番組です。
言語化によって増える飲食の新しい楽しみ方、 飲む食べるの新しい楽しみ方を、パーソナリティソルクラ・黒沢と皆さんとで探しちゃおうという企画です。
あれ?ちょっと言語化難しいかもと思ったら、 それで大丈夫。
私も言語化できないところから始めたいと思います。 香りを感じ取れないこととか、わからないところからスタートというのはどういうことかと言いますと、
香りの特性については以前の放送でもお伝えしたので、 詳しくはシャープ8の香りの分解についての回を聞いてほしいんですけれども、
普段人が香りをどう感じているかというと、 方向成分がレゴブロックのように組み合わさって、そのレゴブロック全体像としての香りを感じているというのが香りのシステムとして存在しています。
これが通常働いている、通常を知覚する香りのシステム。 ここからブロック一つ一つの香りを、香り成分一つ一つを嗅ぎ取るためには、
特別な嗅覚の才能とか、専門家のサポート、聴講師のサポートだったりとか、 専門知識、あとはヒントや取っ掛かりが必要ということが言えるかなと思います。
特別な才能はもちろんなければ、周囲に聴講師みたいな専門家もいないので、 香りのブロック一つ一つを感じ取りやすくするために、
リサーチして論文や書籍をインプットした上で、 その情報をもとに香りの嗅ぎ方を変えてみるというところをベースにやってみたいと思っています。
その上で次はもう一度香りを感じ直すというフェーズに入っていきます。
今度は香りの正体がわかっている状態なので、 全体像しか感じられなかった香りの詳細な部分、香り成分一つ一つに近い香りが感じ取りやすくなるという流れです。
あくまで理想論ではありますが、こうしてまずわからない部分を楽しむというところ、 そして情報のインプットを整理をするというところ、
そしてその先にさらにもう一度体験し変化を味わうというところ。 そして最後にはテーマ食材を使った簡単なレシピを紹介して、
今日から使える形で紹介していきたいと思いますので、どうぞそこもお楽しみください。 飲食を言語化するラジオはこんな構成でやっていきたいと思います。
タラのしらこを嗅ぐ
今日のテーマはタラのしらこ。 旬真っ只中のタラのしらこですが、
今私の目の前にタラのしらこが置いてあります。 皆様もタラのしらこを食べる機会があったら香りを嗅いでみてください。
では実践です。 できないところから始めると言いましたが、
言語と香りって面白くって、 誰かが言っている言葉はそのまま自分の嗅覚には当てはまるとは限らなくって、
嗅覚は人それぞれ遺伝子によっても違っています。 なので自分自身の感覚は自分自身の感覚のオリジナルとして、
ちゃんと感じ取っていいんだよという前置きで香りを嗅いであげることで、 自分だけの感覚をぜひ肯定してみてください。
ではさっそくやってみましょう。 タラのしらこを嗅いでみます。どんな香りの言語化ができるでしょうか。
淡白な香りがします。 パウダーっぽい香り。
しらこを割って嗅いでみます。
淡白な香りが増えました。 クリーミーな香り、ミルキーな香りが増えました。
何だろう、ちょっと砂利っぽい香りがする気がする。
少しコクのような香りもしますね。 何だろう。
バターまでいかないんだけれども、 クリームのようなコクのある香り。
以上、香りの言語化が進んでいないところからひねり出した、 私なりの言語化でした。
これから論文や書籍などインプットを通して、 タラのしらこのキャラクターを学んだ上で、
その香りをひも解いていきたいとおもいます。 さて、
論文などを調べた上で、 情報共有していきたいとおもいます。
タラのしらこの芳香成分を詳細に調べた研究というものは見つからなかったので、
カナダのラバル大学の2021年の研究、 ニシンのしらこに含まれる揮発性成分についての論文や、
ポルトガルコインブラ大学の2012年の研究、 乾燥タラに含まれる揮発性化合物を調べた論文を読み、
その共通項を調べることにしました。 また以前に紹介した書籍、
フレーバーマトリックスからの情報も加えて、 タラしらこが持つであろう香り成分とその特徴をまとめました。
詳しくは概要欄に記載していますので、 興味がある方はご覧ください。
下処理とレシピの紹介
香りの特徴を感じ取りやすくするために、 それぞれの揮発性化合物が提出する特徴というのをまとめました。
グループに分けてお話ししていくと、 フローラル系と思われる香りをイメージする極は、
フルーツだったりシトラス、サクランボ、 フローラル、
そんな香りが グループできるかと思います。
次のグループ、グリーン系。 グリーン系には
草のような香り、 青い香り、そんな言葉が思い浮かべながら
感じ取れるといいなと思います。 またブラウン系、茶色系ですね。
モルトのような香り。 ビールに入っているモルトですね。
あとは炙ったパプリカ、 ビターアーモンドのような香りをヒントに感じてみたいと思います。
続いてホワイト系。 色が白いっていう意味合いで
脂肪分やビターのアーモンド、 先ほども一緒ですがアーモンドの中身の方に注目した香り。
またビスケット。 ビスケットの香りってありますよね。
このような香りをきっかけに、 またエネルギー系としてまとめましたが、
例えば発酵している最中の香りとか、 もしくは
果物のフレッシュな香りとか、 あとは
刺激的な香りだったりとか、 ウハイを連想する香りっていうのもヒントになるのかなというところが情報にありましたので、
これらをまとめて、 改めてマザチ、マザラシラコの香りを嗅いでみたいと思います。
さて、調べた香り成分の情報をもとに、 もう一度タラのシラコの香りを嗅いでみましょう。
まず香り成分の中で分子量の軽いものから、 フレッシュやフルーツ、あと草、
あとオイル、そんなイメージを感じ取るような香り。 アーモンド感ありますね、確かに。
焦げた砂糖、キャラメル感、 いる気がする。
ナッツもちょっとわかるような気がしますね。 ちょっとシトラスとかフルーツはわかんないかなぁ。
ビスケットのような粉っぽさの香りありますね。 少し温めてみたいと思います。
温めたマザチを用意しました。 めちゃめちゃ違う。なんだこれ。
ちょっと刺激っぽい香り、なんかわかる気がする。 チクチクするような、ザラザラするような。
ちょっと物理的な感覚のある香り。 ナッツの白い部分の香り。
本当気のせいかもしれないぐらいで、ちょっとフローラルな香りが いるような気もするし、思い込みかもしれないし。
そんな香りです。 もう一回、何も考えずに
マザチの白粉と思わずに、ただ単に香りを嗅いでみたいと思います。 やっぱりベースにあるのはタンパクで、香りがちょっとお魚の
お魚特有の香りがしますが、 分解するといろいろあるかもっていうところ。
なかなか難易度の高いチャレンジだったのかなと思いますが、 いかがでしたでしょうか。
こんな風に日々私たちが感じている香りは、 レゴブロックの作品のように全体像として捉えられていることがほとんどです。
その香り成分を分析して楽しんでみる、嗅ぎ取ることによって、 食材の面白い一面が見れるのではないかなと思います。
そして、この香りの感じ方が変わる瞬間、 今日一緒に体験していただきましたけれども、一度体験するととても楽しいものなので、
ぜひ皆さんもタラの白粉を食べるときは、香りを感じながら楽しんでみてください。 最後に本日のレシピ、マザチの下処理を紹介したいと思います。
下処理かよと思われるかもしれませんが、 魚の内臓をいただくわけですから、
ぬめりと一緒にまとわりついている臭みの成分を流してあげることが、 美味しくいただくことにすごく大切なことなので、今日は下処理の紹介です。
このままタチポンとかにも使えるので、ぜひやってみてください。 まず、タチは3%の塩水に漬け込みます。
この漬け込むことによって、マザチの表面についているぬめりの成分を落とします。 時間は30分漬け込みますが、
30分の中で何度かゆらゆらと塩水がマザチのひだに入るように軽く揺らします。 これによってタチの隙間にあるぬめりを落とします。
次は、漬け置きが終わる頃にお湯を沸かしておいて、
沸いたらごく弱火に変えます。 これによって沸騰しない程度の保温をしておきます。
続いてタチですが、タチって結構筋が多いんですけれども、 あまりにも余分な筋などがあればキッチンバサミで切り取っておきます。
あんまり攻めて筋を切るとタチがバラバラになってしまうので、 本当に軽くで大丈夫だと思います。
その後一口大に切り分けておきます。 この時も
タチを筋側とぶよぶよした側に分けて考えると、筋側から切ると分けやすいと思います。
次に作っておいた鍋に料理酒を少量入れます。 その後タチを入れて1分加熱しますが、
お湯の温度が偏らないよう優しく混ぜます。 また料理酒を入れる意味合いは
塩水でとった臭み成分ですけれども、さらに臭み成分をアルコールと一緒に飛ばすことによって、
より臭みがなく食べられますという方法でした。 1分ほど湯がいたら氷水に取り、今度はタチを冷まします。
まだ血が冷えたら今度は2%の塩水をタッパーに用意します。 500ml の水に対して10g の塩を入れ、
2%の塩水を作ります。 タチを容器に移して下処理の完了です。
鮮度の良いものであればそのまま水を切ってタチポンに用意できますし、 そうでなくても水気を拭き取れば天ぷらなど何でも使えます。
1日や2日に1回2%の塩水を新しく取り替えることによって少し日持ちが伸びます。 以上がタチの下処理になります。
放送は2月頃を予定しているので間に合うかな間に合えばいいなというところですが、 ぜひタチの美味しい季節に試してみてください。
これからも今回のようにまず第一歩として香りをわからないという瞬間をまず楽しむということ。
次にその情報を調べ整理すること。 インプットすること。
次にインプットをもとに改めて体験してその変化を楽しむということ。
そしてそのテーマ食材を日常に落とし込む形でレシピにしていくこと。 こんな4段階で放送してみたいと思っています。
次回もどうぞお楽しみにお待ちください。ありがとうございました。
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