2026-02-21 20:01

Ep.2 #2 ゆりねを言語化する。

香りは、最初からはっきり言語化できなくていい。

今回の放送では、〈ユリネ〉をテーマに

私、黒沢も 「わからない」状態から香りを嗅ぎ、

論文を読んでから、再びチャレンジ。

レシピに落とし込むまでを辿ります。


ジャガイモのような香りや、

植物の茎、フローラル、甘くスパイシーな要素。

知識を得ることで、

香りの風景がどう変わるのかを一緒に確かめます。


パーソナリティ黒沢が以下参考文献などをまとめたデータ

※自己責任でお使いください。


各食品に含まれるVOC(揮発性化合物)のリサーチまとめ

https://docs.google.com/spreadsheets/d/17monrygHmICQG9c52yznAQxVB0Dpnf-FIKk1HW5C5ic/edit?usp=sharing

参考書籍

ジェイムズ・ブリシオーネ、ブルック・パーカスト(2021)

フレーバーマトリックス 風味の組み合わせから特別なひと皿を作る技法と科学

SBクリエイティブ株式会社 

https://x.gd/WzQQzh

参考リンク

Chemical book https://www.chemicalbook.com/ProductIndex_JP.aspx 

参考文献

Bing Zhang, Hong Quan, Yixi Cai, Xinghao Han, Houyu Kang, Yazhou Lu, Hao Cheng, Nan Xiang, Xiaozhong Lan, Xinbo Guo,

Comparative study of browning, phenolic profiles, antioxidant and antiproliferative activities in hot air and vacuum drying of lily (Lilium lancifolium Thunb.) bulbs,

LWT,

Volume 184,

2023,

115015,

ISSN 0023-6438,

https://doi.org/10.1016/j.lwt.2023.115015.

Identification of key aroma compounds in raw and roasted lily bulbs (Bai He)

Nancy Chiang,  Chi Tang Ho,  John P. Munafo Jr

How to cite

Chiang N, Ho CT, Munafo JP Jr. Identification of key aroma compounds in raw and roasted lily bulbs (Bai He). Flavour Fragr J. 2018; 33: 294–302. https://doi.org/10.1002/ffj.3446

参考リンク

https://www.gas-sokuteiki.com/gas-select/isoeugenol.html

https://m.chemicalbook.com/ChemicalProductProperty_JP_CB6501574.htm

https://m.chemicalbook.com/ChemicalProductProperty_JP_CB4880084.htm

https://www.komyokk.co.jp/pdata/gpdf/Furfuryl%20alcohol_0.pdf

https://www.thegoodscentscompany.com/data/rw1444501.html


サマリー

このエピソードでは、パーソナリティの黒沢が「ゆりね」の香りを言語化するプロセスを辿ります。最初は漠然とした香りしか感じ取れませんが、論文を読み、揮発性成分に関する知識を得ることで、ジャガイモのような香り、植物の茎、フローラル、甘くスパイシーな要素など、香りの風景がどのように変化するかを体験します。最終的には、これらの香りの知見を活かして、タラとゆりね、キノコのクリームソースパスタのレシピを提案します。

ゆりねの香りを嗅ぐ:言語化できない状態からの挑戦
飲食を言語化するラジオ、本日も始めたいと思います。
パーソナリティは、私、ソルクラ・黒沢がお送りいたします。 前回は、マダチをテーマにお話ししてみました。
順番に話すと 1.未知な香りを体験する
2.知識でコントロール可能にする
3.香りを再体験する 4.使いやすい形にレシピ化する
今回のテーマは、ゆりねの香りを言語化しきれないところから始めてみたいと思います。
さて、さっそくですが、ゆりねの言語化が進んでいないところで、まず香りを全体的に嗅いでみたいと思います。
というのも、香りはレゴブロックの作品、ひとまとまりになったものを普段嗅いでいるというような感じ方をしていて、
そのバラバラになった部分の要素、レゴブロック一つ一つの要素というのは、日常生活の中ではかなり感じ取りにくい香りの成分ということが言えています。
この香りを全体的にまずは嗅いでみるというのが、言語化しきれない香りを嗅いでみるというところでした。
じゃあやってみましょう。
まずは、下処理してきれいにした、掃除したゆりねをそのまま嗅いでみるというところと、
あと、軽くゆでた、火を通したゆりねを嗅ぎ比べてみたいと思います。
まずは冷たい方から。
フローラルですね。
ゆりの根っこ、キュウコンなんで植物の香りがするのは当たり前なんですけれど、
ちょっとキュウリっぽい香りもするかなと思いながらも植物の茎の香りしますね。
植物らしい茎の香り、フローラルな香りがします。
では温めた方、嗅いでみたいと思います。
ジャガイモのようなホクホクした香り。
前面にあるのはジャガイモのようなホクホクした香りですけど、
後ろに先ほど話していた植物の茎のような香りある気がします。
ちょっとかじってみましょうか。
生のゆりねはかじると苦いという話を聞いたんですが、ちょっとやってみたいと思います。
なんだろう。
これちょっと海のものというか、タチを食べる時とかと似たような香りがする気がします。
では温かい方。
芋のような香りはやっぱりあるんですが、同時にフローラルな香りが存在する感じがします。
ちょっとエビっぽいというか、そんな言語化でした。
言語化しきれていない状態で、私もわからない状態でゆりねの香りを楽しんでみました。
みなさんもまずゆりねを食べる機会があったら、わからないところも楽しんでぜひ香りを嗅いでみてください。
ということですが、これから時間をもらって論文などインプットの時間をとっていきたいと思います。
それでは時間が進みます。
論文によるインプット:ゆりねの揮発性成分の解明
さて、ゆりねの揮発性成分についてインプットを終えてきました。
今回読んだ論文は、2018年ニュージャージー州立大学とテネシー大学の共同研究、
また、2023年の中国のカナン理工大学の論文。
2つ読んで、生のゆりねや熱を伴う真空乾燥、熱風乾燥や焙煎で得られる揮発性成分をそれぞれ調べた論文でした。
熱風乾燥と焙煎では、ゆでる作業では絶対に起こらない焼き色がつく反応があるので、
主に生のゆりねと真空乾燥、これは温度をかけて100℃にしたものを基準に考えてみました。
全く同じではないにしろ同じ方向成分が含まれる可能性が高いものを基準にしたという感じです。
詳細は概要欄に書くので、興味のある方はそちらを見ていただけるといいかなと思います。
最初にゆりねの香りを嗅いだ時に感じた香り。
メインになっている芋のような香り、ジャガイモのような香りはともかくとして、
いく分か感じた魚だったり、甲殻類に含まれるような要素。
また、青い茎のような植物の茎、野菜の茎のような香りの要素。
そしてフローラルな香り。
そういった香りを呈する成分は実際に入っていました。
裏酒としてそういった香りを呈する成分が入っているというのは、やっぱり香りを嗅ぎ取れてよかったなとも思うし、
逆にもっと他にもいろんな嗅ぎ取れていない香りがあるので、その香りを探す指標を得られたということで紹介していきたいと思います。
これから改めて香りを嗅いでいくんですけれども、その嗅ぎ取れていない香りを探す指標にする情報をお伝えしていきたいと思います。
生の百合根に含まれるであろう香りの系統ですね。
今回は色をテーマにした香りの系統が数種類と、他にもありましたので順に紹介していきます。
まずはグリーン系。
生の百合根に含まれるグリーン系の香り。
ハーブの一種ユウカリ。
あとはショウノウ。
そして青草の香り。
また青リンゴのような香りがグリーン系の成分として生の百合根に含まれるであろうということでした。
そしてブラウン系。
ブラウン系は生の百合根についてはジャガイモのような成分がメインだったので、ブラウン系の要素は飛ばします。
次、ホワイト系。
お魚だったりとか脂肪分だったりとかキュウリ。
キュウリや白っぽいグリーンの香り。
そういったものがホワイト系としてまとめられるかなと思いました。
次、ケミカル系。
カミだったりとかカレー臭だったりとかの一部を担う成分。
次、スパイス系。
スパイス系は生の百合根は特に加減になるような成分はなかったのかなというところでした。
次、火を通した百合根に含まれる香り成分。
知識を得た後の再挑戦:香りの再認識と嗅覚の違い
こちらにもグリーン系の成分として、緑の茎、植物を連想させる香り。
そして、蜂蜜や花の香り。
例えとしてヒアシンスやカーネーションが例として挙がっていました。
次、ブラウン系。
ポップコーン、ナッツ、キャラメル、綿飴などを連想する香りがブラウン系として入っていました。
次、ケミカル系。
ワックスのような香り。
また、日本酒の熟成香や腐った玉ねぎのようなソトロンという香り。
他にも焼けたプラスチックやココア、薬、ローストビーフ、炒ったナッツのような香り。
これらの成分は栗や醤油、またイカ、甲殻類なんかにも含まれていて共通する香りということだったので、
こちらも改めて考えてみたいと思います。
また、スパイス系。
甘くスパイシーでクローブのような香り。
これらの香りが含まれているであろうということで、
かぎ取れていない香り成分を探す指標にしてもう一度やってみたいと思います。
では実際にやってみたいと思います。
生のユリネとゆでたユリネを準備してきました。
では、先ほどのユウカリやショウノオ、青草、青リンゴ、紙やキュウリ、魚やシボウ、そんな言葉を連想させる香りを感じていきたいと思います。
まず生のユリネから。
青リンゴいますね。
ユウカリ。
ショウノオ。
キュウリいました。
ちょっと今回のユリネはグリーンの香りが強いかな。
魚っぽい香りとかはかぎ取りにくいですけど。
白身魚の身を食べた時の淡白な香り?
そんなような香りがいる気がします。
すごく穏やかな香りですけど、
ローズマリーやショウノオ、ユウカリみたいなちょっとスパイシーな木の香りがある気がします。
結構言語家の指標にした香り成分感じ取れたんではないかなと思います。
思い込みも大事なので、そういった香りを探すというところではある程度できたかなと思います。
次、火を通したユリネに行ってみたいと思います。
一番感じ取れなかったのは、前回でいうとクローブとかの甘くスパイシーな香り、
ワックスとか腐った玉ねぎ系の香り、
ポップコーン、ナッツ、キャラメル、ファターメ、
あとはヒアシンス、そんなあたりを中心に考えてみたいと思います。
めちゃくちゃジャガイモっぽい香りがやっぱり強いですね。
同時にその中にお魚に含まれるような香り成分、白身魚の身のような香りもいる気がします。
蜂蜜とかフローラルな香りやっぱりいますが、
ヒアシンスほど甘くないかなと思います。
甘くは感じてない。ヒアシンスほど甘くは感じてないかなという感じ。
というのも実はお花屋さんに行ってヒアシンスの香りをちょっと嗅いできましたが、
そこまでフローラルが残っているかというと、
ちょっと現状では何とも言えない感じ。
ユリネの厚いところを分解して嗅いでるんですけど、
すごくクローブ感がありましたね。
あ、なるほど。
分かった上で食べると結構クローブ感ある気がする。
この他の成分はちょっと感じ取りにくかったのかなと思います。
実は嗅ぎ取れなかったというのを感じるのも大事かなと思っていて、
香り成分って空気中の濃度がある程度ないと嗅覚として感じられにくいということもあるんです。
じゃがいもみたいなメチオナールの香りは、
息地、その息地というものがすごく低くて、
ものすごく低濃度でもめちゃめちゃ感じるっていう香り成分なので、
今みたいなことが起こっているのかなという感じでした。
さて、実際ユリネの気発性成分についてインプットを終えた後、
捉え直すということをしてみました。
明確にきゅうりだったりの香りもいるし、
小農やロズマリーのようなちょっとスパイシーな木の香りも若干いる。
青リンゴの香りもいたかなと思う生のユリネと、
やっぱりハチミツ用の香りがする香りと、
あとは甘くスパイシーでクローブのような香り、
そんな香りも感じたかなと思います。
嗅覚の違いっていうものは本当に遺伝子によっても変わってしまうし、
例えばクローブの香りを感じたことがない人がいたら、
その人はクローブの香りっていうものを認識しづらいんですよね。
例えば文字みたいに、一度文字を認識して文字を覚えるっていうことをしたら、
文字として認識できるんだけれども、文字の意味を知らない状態だと、
いくら文字を見ても理解することができなかったりっていうことがやっぱり起こると思うので、
香りについてもいろんな香りをぜひ嗅いでみてもらったらいいかなと思います。
今日放送した内容を踏まえて、
レシピ提案:ゆりねの香りを活かしたパスタ
今日から使いやすい形のレシピとして提案してみたいと思います。
嗅ぎ取った香りと相性の良い食材を組み合わせて、
パスタを作ってみましょうという実験でした。
ユリネが持っている香りのうち、
例えばお魚の香り、これはタラとかが共通して持っている魚特有の香り、
グリーンの香りと相性がいい。
はちみつやフローラル、あとはハーブなどの要素を持っている生に近い状態のユリネと
同じ成分を持っているキノコを一緒に合わせてみたいと思います。
それらをつなぐクリーム、生クリームでパスタにしていこうと思います。
生のユリネの方が実はグリーンの香りに隠れてはいるんですが、
はちみつや花、ヒアシンスなどのフローラルな香りは生のユリネの方が多く入っていて、
フローラルな香りを感じやすいというところがあります。
なので、できるだけ火を入れすぎずにシャキッとした食感とフローラルな香りを残しながら
パスタにしてみたいということでした。
実際に作ったんですけれども、ぜひ真似してもらったらいいのかな、嬉しいなと思います。
ということでタラとユリネ、キノコのクリームソースパスタです。
パスタのゆで汁は1%から2%くらいのお湯で用意しておいてもらいます。
お湯を沸かしながらソースを作っていきます。
フライパンにオリーブオイルを入れ、タラを皮目から焼きます。
皮目に焼き色がついたらひっくり返して、
8割ほど火が入ったらタラの身を軽くほぐして、
キノコを入れます。
食材に火が入ってきたら、少量の白ワインを入れてフランベというフライパンに火を入れる作用を入れます。
このフランベによって白ワインの香りを食材に移します。
そこに1人前約100ccの生クリームを入れて、泡がほんの少しねっとりするくらいまで煮詰めます。
パスタは表示の通り茹で時間を調整して、
茹で上がりの1分前になったら、下処理しておいたユリネをパスタの鍋に入れます。
パスタとユリネが茹で上がったら、ソースを作ったフライパンに移して、軽く麺と絡めます。
そこに粉チーズや高質チーズを下ろしたものを加えて、うまくソースがまとまったら完成です。
パスタの水分を調整するのは、パスタの茹で汁だとか、あとは塩分が強い場合は水、お湯をちょっと入れるなどして調整して、塩を入れる加減と調整してみてください。
今日は、ユリネの揮発性成分、香りの成分を理解しきれていないところから始めて、
インプット、そして改めて嗅ぎ直すという工程をやってみました。
ぜひまた次回もお楽しみにしていただければと思います。
ありがとうございました。
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